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安全に陸地まで脱出する手段さえあるなら、
いっそ沈めてしまえ、とはかなり思ったな。
無理に維持して責任を取るのも、
沈めて責任を取るのも、迎える結果はおなじであるなら、
部下の生存率を考えれば、沈めるのが一番安全でかつ確実だった。
工作員側の目的に一貫性を感じないのが判断に一番迷った所だな…。
拿捕するにしても破壊するにしても中途半端すぎる。
これが判断する立場における迷いの一端だったな。
もっと周りに相談するべきだっただろうか。
もう少し細かく言うなら、
「オズワルドが動いた時の行動予測」
と
「ベリアンが動いた時の行動予測」
に一貫性がない。
同一の目的で派遣されている工作員としてみるより、
たまたま別の目的で派遣されていた工作員がかち合った。
そう考えるほうが説得力がある。
という風な事を考えていたな…。
ん、砲術長か。
壁の存在はあってなきがごとしだから、
どこで聞かれているのかわからんのか。
昨日も少し思ってたんだが、
砲術長は私から信頼を得ていない、と思っていたのか?と聞いてみたくはあるな。
あの時点で動く理由は、場所を調べられるとまずかった、
もしくは私が排除にかかると予想した、くらいしか思いつかないのでな。
ふむ…。
技術者の奪取、は予想できなかったな。
艦を拿捕するだけならずいぶん面倒な事をする、
と思っていたが技術少佐の身柄が目的だったのか。
作戦行動中の軍艦から単独の身柄確保とは、
また思い切った策を選ぶ諜報部だな…。
なるほど、中佐の地位にいる人間を使った工作としての違和感がある程度解消した。
艦長が生きていたら迷わず先に脱出船に乗って、
私に全権をおしつけていただろうな。
やはり艦長は死んでいたのだな。
この想定はあっていてホッとしたよ。
よもや、知らなかった事の答え合わせが出来るとは、
これも神の気まぐれという奴かな。
ある意味で神に感謝するとしよう。
砲術長が味方だったら、きっともっと楽に事態を制圧できただろうな…。
実に残念だよ。
そうするに至る動機は人それぞれだから、あえて聞くことはしないが、な。
そういえば工作員の面子に聞きたかったんだが、
脱出に関してはどうするつもりだったんだ?
私がいくつか考えてた策の中に、
「全員を監視下に置いて、第二の脱出手段か曳航船(軍艦引っ張る船)を乗っ取る」
はかなり現実的な範囲で考えてたのだよな。
全員を武装させる理由になるし、督戦隊のような指揮をすればリスクは軽減できるから。
中尉…。
無理をする場面なのはわかる。
私も君の立場であればおなじ道を選ぶ。
陸戦用のサバイバルキットなども簡易のものであれば存在したんだ。
事前に用意しておければよかったのにな…。
大尉にも苦労ばかりかけてしまっているな。
これも悔いか…。
だからこそ、最後まで見届ける時間が与えられたのか。
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