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[地に着いた足で、今度は前へ。
黒い魔王へ向かって駆ける。
ヴェルナーの健常な側の目からの進撃に、
こちらが進撃ルートは治りかけている瞳の方から。
人の目と同じならば、離れた二つのモノを同時に捉えることは出来ないだろうと、彼の援護を最大限に生かすことを考える]
[>>88容易く腕に捉えられるヴェルナーは見えていたけれど、
魔王を倒す。
それが彼を救う方法へ繋がるのだと判断する]
やああ!
[地を蹴り、飛び上がる。
先ほど感じた違和感>>67、瞬く間に元に戻った故に、
確かめる間も無かったけれど]
カーク!
[妖星の中に居るはずの幼なじみ。
否、にこいち勇者の片割れの名を呼ぶ。
彼もまた、その中で戦っていると信じて。
頭上に構えた剣が強く輝く。
鏡の聖痕――真実を映し出す光が、また魔王の黒い影を強く、照らし出す]
[>>91爆音が身を震わす。
確認しなくてもヴェルナーの仕業だとわかる。
バリ、と視界の端に捉えた電撃は、
黒い魔王の時間を止める。
風の様に飛び上がった身体は、
それで片側の腕や火炎からの攻撃を免れる]
[光が暴き出したのは、頭の中に埋まる蒼い石>>95
それは妖星と混じり合い、
脈打つ鼓動に合わせてまがまがしく煌めいているように見える]
――――!
[落下する速度を乗せて、
黒い巨人の頭に、
蒼い石目掛けて、剣を突き立てた]
ぅ、ああああああ!
[踏みとどまる。
聖痕が作り出した剣は、
自分を削りだしたようなもの。
それは血肉をぶつけることより、
遙かに魔を浄化する力がある。
そして光の剣が自分の血肉であるならば、
自分の意志で、それを強く、深く、伸ばすことも出来るだろうと力を込める]
[>>101ぱきん、と。
砕ける音。
伸ばされた黒い腕は、
コンマゼロサン秒の距離、自分を握りつぶす寸前で、止まった]
[>>106視界を覆う黒い腕がぱきりと折れ、指が砕け、
次第に色を失っていくのを間近で見る]
……これで、
[視界が開けて、周りが見えるようになれば、
ヴェルナーとタチアナの姿を捜して呟こうとした。
ばきん、と。
さらに下から音がして、
ぐらり、と足下が揺れる>>109。
黒い魔王の身体にも、次第に皹が広がっていく]
[慌てて、後ろを振り返る。
流れていくのは白い粉だ。
上から下に。
音もなく。
クレーターを覗き込んで居た頭に積もったそれも、
すぐに雪の様に消えていった]
[雪の粉を見る中で、
ぴん、と。
何かが飛び出した]
あ。
[呆けた声をだして、放物線を追う。
それは、まだ蒼く煌めくなにかであったような気がしたけれど。
>>127タチアナが拾い上げた頃には、
蒼いかけらは輝きを失っていて、
吐息と笑みを綯い交ぜにして吐く]
僕は、大丈夫。
タチアナさん、怪我ない……うわっ
[>>129タチアナの声に振り返って立ち上がる。
光の剣はいつの間にか消えている。
敵の姿がまだあれば消えたりしないと思うから、
終わった、の問いには頷こうとするのだけど]
ヴェルナーさん!?
[タチアナが抱きかかえる首に目を見開いた]
[>>131どう見ても大丈夫じゃない。
問いかける隙もないくらい大丈夫じゃない姿だが、
ヴェルナーは淡々と続けていく]
そうだよ。逃げるのも大変そうだし。
……見張りって。
なにかあったらどうやって知らせてくれるの?
[置いていく。
その言葉に理論的に抵抗するには、それくらいの理由しか思いつかずに、タチアナの言葉に頷いた]
…………。
[>>136あ、それ王様とかに言われるやつだ。
ぽかんとした顔のままヴェルナーを見る]
じりつ……
[タチアナの手からヴェルナーの首を借りると、
そっと地面に置いてみる。
つついた]
[>>137タチアナの視線に腕組みして唸る]
……でも、瘴気の無い所じゃヴェルナーさん動けないのは間違いないし……
ぼくらじゃ直してあげられないし……
[共にあったフレデリカなら、対策も持っていたのかも知れないが、
今になっては尋ねることもできない]
……たまには、ぼくも見回りに来ていいかな?
花火が、打ち上がらなくても。
[散々唸ったあげくに口にしたのは、
自分の最大限の、譲歩。
どうかな、とタチアナにも聞いてみる]
うん。
[>>143真面目な顔をして頷く。
良いことがあったら笑うもんだ、とか。
ヴェルナーさんは笑顔似合うよ、とか。
いろいろ探しだした理由はあったけれど、
自分の今の気持ちを表すように、笑顔を向けてみた]
……。
[>>145向けられる言葉に、一瞬瞳が揺れる]
…………。
勝手にするから迷惑もかける!
[共に歩んでくれる人たちはもう居ない。
思いついた事をごまかすように、ぷうと頬をふくらませ]
そうだね。
みんなのこと、いつまでもここに、置いてはおけないし。
[>>144弔ってあげなくちゃ、と。
タチアナと頷きあって、見上げるのは高い、天井の方。
ヴェルナーからの、最適な別れの言葉に頷く]
――うん。元気でね。
[仰々しい別れの挨拶はいらない。
来たいときに来ればいい。
ここにはもう、立ち入りを拒むモノは何もない。
瘴気も、魔王も、無くなったのだから**]
剣を背負った少年 フィオンが「時間を進める」を選択しました
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