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神子 アデルは、修道騎士 バルタザール を投票先に選びました。
[彼の事情は知らない。
彼の葛藤も知りえない。
それなのに、また一つの選択を彼に突きつける。
この男は聖将の名の下に、吸血鬼を屠る男。
やがて劣勢へ至るだろう己を見過ごせば、
吸血鬼へ振り下ろされる剣の一は潰える。
仮に、癒し手が泥沼を呼ぼうとも。
全てを救えるのは、
[腰のポーチから聖水の瓶を取り出し、呪文を編む。]
大地潤す、恵の精霊達よ―…―
[栓を開けて空間に振りまいた聖水の粒が、目に見えない霊気に乗って浮遊する。]
今、煌めき光りの矢となりて走れ――!
[ソマリとユーリエの背後から聖なる氷の矢が、自然界にはない動きでバルタザールに向かって降り注ぐ。
聖将軍と聖女には癒しを、そして完全に魔と化した騎士には負傷を負わせる術。]
僕はもう、神子なんかじゃない――。
裏切り者と罵られても当然のことをしました、後悔もしていない。
[術を放った後、すぐに空気中に漂う気を指先に集めて魔力を編み込む。]
全てが終わったら罰は受けます。
全てを終える前に僕が変わっていたら、その時は容赦なく斬って下さい。
[編み込む魔法は、ソマリも馴染みのある補助の風魔法。]
僕には向こうに守りたい人がいる――。
でも、ユーリエも守りたい!
[矛盾と意志の込められた言葉は、神子が口にするなど到底、許されないもの。]
見ていることしかできなかった責任は、僕が取ります。
[自分はあの時、仲間を見殺しにしたのだ。
何もせずまた同じ事を繰り返して、ただ倒されていく姿を見送る事など、もう二度としたくなかった。**]
[>>28 "全ての魔物を斃す"
ユーリエの言葉にジークムントの顔が過ぎり、首を縦に振ることも横に振ることも出来なかった。
「全てを終わらせる」確かに自分はそう言ったのに、そんなに簡単に割り切れず。
ただ黙って目を伏せる。]
クレスさん!?
ユーリエっ! 1人じゃ危ない!
[どこからか離れていたらしいクレステッドが駆けつけて、かわりに耐えきれずユーリエが走り出す。
自分も追いかけようとしたが、動きかけた足が止まる。
追いかけるクレステッドが早かったのもあるが、ここで彼らに背中を向けて立ち去れば、また逃げ出すことになる。
そう思えたから。]
―現在―
[味方として加勢しなければいけないと、分かってはいても。ソマリに向けて駆けようとした補助魔法は発動することなく、やがて手の中で消える。
バルタザールの目は、剣は、ソマリしか見ていなかった。
吸血鬼と変わった今も、ただソマリ1人を認めている。
隊長と副隊長。
ここに来るまでの様子から、2人がお互いを良く理解しあう仲なのだと理解できた。]
隊長…――!
バルタザールさん…!
[やがて、ソマリが己の右腕を犠牲にして、戦いに決着がついた。
もうどちらのものか分からない程の夥しい血液が散り、床に鮮やかな紅を描く。]
隊長しっかり!
[血を吹き出すソマリの腕を拾い、つなぎ合わせ。
必死に治癒を施そうと魔力を込める。
が、失われた命の力が多すぎて、たとえ傷口が癒えても。とても回復が間に合いそうにない。]
バルタザールさん…
[ソマリに伸ばした手が指先から崩れて灰と化していくバルタザールを見つめる。]
[まるで常に傍にあった友を永遠に失うように、いくら治癒をかけても、切り落とされた腕を繋げることは出来なかった。
せめてもと、服の上に羽織っていたマントを裂き、骨の剥き出た傷口を押さえて止血しようと試みる。]
ユーリエ…
救いって――、なんだろう。
許しって――、なんだと思う。
[全てを許し。
全てを救い上げる神の慈悲は、人だけにしか与えられないのだろうか。]
[ その質問は……、
教会に居た時ならば、聖書通りのきれいな返答が出来ただろう。
でも、今は。 ]
「くるしみ」から解き放たれる事だと思うわ。
[ 聖書と違う事をいうことを、迷わなかった。 ]
こころや、
からだのくるしみから……。
それがどんな形なのかは、その人によって違うと思う。
……それがひとじゃなくて魔物ならば、
「滅び」も救いのひとつだと思う。
[ とても長く、喋った。 ]
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