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― 青い世界 ―
まあ、こんだけあれば十分か。
[キャンプにも使えるタイプのコンロと木炭、着火材、ヤカンに水にティーセット。
ついでに、鶏肉と長ネギを適当にぶつぎりにした具材と竹串、塩コショウを手近な箱に積めて。
担いで『ねこうさぎすいーつかふぇ』を出て中庭に戻る]
――……なんか、増えてねぇ?
[トールとリエヴルの姿が見えたのは、気のせいだろうか]
― トールとリエヴルの傍 ―
[なんか、無性にいらついてきて。
足音と気配を消して、二人に近づき]
――げしっ!
[{3}奇数…リエヴル 偶数…トール を足蹴にした]
こんなとこに来てまで、痴話喧嘩してんじゃねーぞ。バカップル。
うるせ。
40す……いやいや、34になっても独り身の教師の前でいちゃついてる方がわりぃんだ。
[完全な八つ当たりでした。
しかも●年以上投獄されて40を過ぎても、いまだに自称34歳――四捨五入すれば30歳――と主張する厚かましさ]
――…………?
[むきになっているリエヴルの反応。
それを見て、微かに首をかしげる]
なあ、リエヴル。
…………おまえ、いま何歳だった?
[3年ほど見てきた、トゥーレーヌ公爵としてのリエヴルとは、まったく違う反応。
むしろ、これは士官学校に在籍していたころのようで。
自分が投獄されている間に平和になって、トールと仲直りでもしたのだろうか、とも思ったが。
それにしては、最初トールは『敵』といってなかったか?]
あほう。
死んだ身で、さらに死ぬとか何の冗だ……ん?
[馬に蹴られて、というトールに、さらっと返そうとして。
また疑問がよぎった]
――………………トール。
おまえ、俺の自白した内容覚えてるか?
[先生、と呼ばれた事がものすごく不自然だった。
最後の方では、たしかシロウ・ファーイーストと呼び捨てにされていた気がするんだが]
……………全部忘れてんのか。
しかもトールは故意に記憶消したか。
うらやましいな、こいつら。
[大きなため息を吐いて、数歩離れたスペースに、コンロの組み立てをはじめた。
自分も忘れられたら楽になれるが、それをしては自分が殺したも同然の教え子たちにも、先に亡くした兄たちにも、申し訳なさすぎる――と。
つらい記憶の消去などできない性格だった]
………おまえら、いちゃつくなら自分たちの部屋でゆっくりしっぽりヤりたいだけヤってきたらどうだ?
[炭火を熾こすかたわら。
プスプスと竹串に鶏肉と長ネギを差して、焼き鳥の準備をしながらそんな台詞を吐いた]
んー?
ああ、気にすんな。
オレが何年も投獄されて処刑されるまでの間に何があってどんな状況になったか、お前らから聞こうと思ってたのに、
いきなりバカップルはじめたり、全部忘れてるみたいで、宛が外れたからどうしたもんかと思ってるだけだから。
[コンロに向かってプスプス作業しながらも、リエヴルの視線は感じてそう答えた。
長い牢獄暮らし――しかも話し相手は誰一人いない――を経て、いろいろすり減ってる状態のようだ]
[焼き鳥の準備ができて、お湯が沸いてくれば。
ティーカップとティーポットにお湯を注いであたためておき、沸騰をまつ]
んー。
ステファン戻ってこないようなら、リエヴルに茶ぁ淹れてもらおうかな。
オレが淹れるより、お前らに入れてもらった方がずっと旨い茶が飲めるし。
[そんなことを呟きながら、無意識に懐をあさって煙草ケースを取り出す。
開けば、中には紙巻煙草が数本とオイル式ライター。そして……フィルターに模した犬笛。
逮捕された際に、取り上げられた筈のそれらも、もふ用おやつ袋も。
この世界にやってきた時に、なぜか当然のように懐に戻っていた。
けれど、カレルに譲った二振りの刀は、いつも差していた場所にない]
さすがに、ラヴィとスノウの前では煙草は吸えんな……
[煙草のにおいでもふーずに嫌われたくありません。
そんな理由で、禁煙をしていた教官時代。
でも煙草を吸うのを我慢していると、ちょっと口寂しかった。
なんとなく犬笛を口に咥えて、小さく吹いてみれば。
人の耳には聞こえない種類の音が聞こえたらしい、ラヴィとスノウがきょろきょろと辺りを見回し。
そして……]
――がさがさがさっ
――わふっ、きゃんきゃんきゃんっ。
[茂みから、白やグレーの小さなウサギが数羽顔を覗かせ。
遠くから、逮捕・投獄されてからずっと聞いてなかったかわいい隠密わんこたちの声が聞こえてきたような気が……]
― 犬笛を吹く前 ―
……オレが、本国に向かったばかり?
[トールへの問い>>+66にきょとりと瞬いた。
もっと先の頃から…と続く言葉>>+68に。大きな溜息を零す]
ま、あの後の戦いがどうなったか…とか。
思い残す事ではあったからな。
そうか、あの後すぐ……か。
じゃ、あのごたごた(戦争)がどうなったかも、シュヴァルベ(の再建)のことも、まだわからんなー。
[本当に訊きたかったのは、正確な年月よりも、それらのこと。
だが、忘れている様子のリエヴルに思い出させてまた苦しめたい訳でもないので、直接的な言葉は伏せた。
それでも、逮捕される前に言葉を交わしていたトールには、意味は通じるだろうから]
ま、あそこ(牢獄)にいる人間にわざわざ教えてくれるような、親切な奴もいねーし?
[ご存知ないのですね、というトール>>+76にはそう応えた。
それは事実なのだが、自分で調べようと思えば調べられなかった訳ではない。
だが、あの頃は――己がなぜクレメンスに加担したのか、その本当の理由を自分でもまだ理解していなかったから――自分の行動の結果を知る事が怖かったから、知ろうとしなかった]
ああ。そうだな……
[これからうまくいってくれるよう、という言葉には、苦笑交じりに頷く。
兄たちの仇を討つ、という意味では。
本当は、公国も帝国もなくなって、シュヴァルベというひとつの国になってくれているのが一番なのだが。
帝国側の兄に暗殺の仕事を依頼したと思われる貴族たちも、クレメンスの指示で暗殺済みであり、復讐は殆ど終わっているに近いから。
そして。己が帰りたかったあのシュヴァルベは、二つの国の文化がそれぞれに共存する場所だったから。
二つの国のままの方が、よりあの頃のシュヴァルベに近づくような気もするから。
シュヴァルベの再建さえなるなら、ふたつの国のままでも、統合されていても、もうどちらでもよくなっていた]
― 犬笛を吹いた後 ―
…………まだ居たのか。
そんで、お前らも来たのか。
[わらわらと出てきたちびウサギたちは、スノウとラヴィのところに駆け寄った。
スノウはラヴィと同様にちびウサギたちも気に入っているのか、ざりざりと舐める事はしても食べるような事はしないようだ。
そして……駆け寄ってきた10頭の隠密わんこたちを見て。
わんこたちがうっかりコンロを倒してやけどをしたりしないよう、手早く火の上から焼き鳥を片付け、コンロから離れてもふに埋もれた。
リエヴルに可愛がられた、一番ちいさい柴十郎は、いちゃついてる二人の邪魔をしにいったかもしれない]
ああ、オレの飼ってた犬だ……こいつらもココに来ちまってたんだなあ。
ま、オレとトールたちの時差の件もあるし、こいつらがいつまで向こうに居たのかはわからんが。
[教官の犬ですか、という問いかけ>>+89に答え。
しばじろう、と呼ぶトール>>+90に小さく笑う]
それは柴十郎だ。
柴太郎と柴次郎の、一番したの子供でなー。高齢出産だったから、一匹しか生まれなかったけど。
[雄雌関係なしに、太郎〜十郎までつけてます。もしあの後増えていたら、きっと柴十一郎とかになってた]
柴次郎は、こっちの…他の奴らよりちょっとたれ目の奴。
[自分の周りに居た9頭を見回して、ちょっと体の大きめのわんこを抱え上げた。よく見ると、柴色の毛にほんのり白髪が混じり始めてる]
……ま、色々あって手元においてなかったからなー。
[帝国軍関係の偵察をさせるために、リエヴルに覚えられないよう。
リエヴルのところに居候していた間は、見つからないよう徒歩2時間ほどの場所にこっそり借りていた家に置いていた。
もちろん、毎日犬笛で合図はしていたし、定期的に餌の補充(水は庭の池のものを飲ませてた)には行っていたが。]
ああ、スイーツは無かったが材料はあったし、そこはプロ級のカークに任せて。
小腹も空いたから、湯を沸かしながら焼き鳥作ってた。
[湯とポットの用意についてはそう答えた。
しかし、死んだ後もわずかながらでも空腹を感じるとは、この空間はどうなってるのだろう]
……ああ、そういえば。
オレがこっちに来ることになったのは、トールたちより何年か後なのに、着いたのはオレのが先だったらしいぞ。
どういう仕組みかはしらんが、この先誰か増えるとしても、もしかしたら何十年後から来た奴かもな。
[ステファンにそう告げた。
もふ用おやつ袋からジャーキー取り出して、わんこたちに与えてる]
よぼよぼか。そうだな。
[ステファン>>+126の反応に、笑いがこぼれる。
実際、戦争が終わった後の誰かがきたら。
平和になった後で、幸せな時間を過ごしただれかがきたら。
その時代の話を聞かせてほしい。
もっとも、戦後に幸せになったものならば。
士官学校と同じ景色のここではなく、違う場所に行くのかもしれないが]
……そういや。オレがこっち来る前は、髪伸びっぱなしだったのをポニーテールにしてたけど。
あの頃の長さに戻ってんな。
髭は、さすがに間際に剃られたけど。
[ここに来るときに若返って――という言葉には、そんな事を思い出す。
公開処刑である以上、見た目を少しは整えられたが。
死の間際には、何年も少ない食事量――戦争の影響か、食事が2日に一度くらいのペースになってた時期もある――で。
窓のない独房に入れられたまま日に当たらずにいた体は、最低限の筋肉こそ保ってはいたが、かなりやつれていたはずだが。
まわり――主に記憶が巻き戻ってるリエヴル――の反応を見る限りでは、教官時代とも大差なく見えるのだろうか]
[ステファンが淹れてくれたミルクティーを飲みながら、焼き鳥を一本食べてみた。
……やっぱり合わなかった]
あ、こら。
お前らにこれはダメだ、ネギ使ってるんだから。
[食べたい食べたい攻撃を9頭のわんこから受ければ、犬笛を吹いて『おすわり待機!』の指示を出して]
ネギなしで、肉だけいくらか焼くか。
[一口サイズの鶏肉を、金網の上でころころ焼き始める。
スノウも食べるかもしれないので、少し多目に]
[焼けた鶏肉を数枚の皿に取り、息を吹きかけ冷ましていたところに。
杖をつく音とともにやってきた姿に視線を向け、よーと手を挙げる]
カークの手作り菓子か、久しぶりだな。
お前さんの菓子が不味かった試しはないだろ。
[わんこたちの前に焼いた鶏肉を並べ、「まだ待てだぞー」と心持ち冷めてくるまでお預けキープ。
『まだ? まだ?』とそわそわしつつも、お座りしたまま首をこてりと傾げたり、よだれを垂らしたりするわんこたちに『よし』と声を掛ければ、わらわらと皿に集って鶏肉をあぐあぐあぐ。
でもちゃんと親子兄弟で分け合って、独り占めとかはしない良い子達]
スノウも食うかー?
[冷めた鶏肉をスノウの前にも差し出し、リエヴルの腕の中にいる柴十郎の分は、トール&リエヴルに預けて。
レアチーズケーキを待って、今度は自分がお座り待機。わふわふわふわふ]
― 回想・教官時代のとある風景 ―
[末の弟を血腥い世界からは遠ざけよう、という兄たちの意図はわかっていたし、自分もそうするつもりだった。
とはいえ、平穏な校内でもついつい色々と情報を集めようとしてしまうのは、幼い頃に叩き込まれた隠密としての習性。
その日も、なんか面白いネタはないかなー…と校内を徘徊していたところで。
生徒たちのロッカールームが並ぶ場所で、ジェフロイ>>437を目撃してしまった]
………あー。ええと。
嫌よ嫌よもなんとやら、か?
[ラブレターと勘違いした男がいた。
もっとも、すぐに果たし状の方だということも理解したし、教え子たちに万一の事がないよう、こっそりその果し合いも隠れて気配も消して見守ってはいたのだが]
― ヴぁるはら? ―
[わんこたちにおやつを与えているところで、近づいてくる人の気配に振り返った。
懐かしい東寮から出てきたのは、かつてのルームメイト>>+178]
よう、カレル。
――オレにとっちゃ久しぶり、なんだけど。お前さんにはどうだったんだろうなー。
ああ。そんなことは、別に気にしなくて良いさ。
むしろ、あんな情勢ん時に勝手に押し付けて、悪かったな。
[ごめんなさい>>+179と頭を下げるカレルの頭を撫でて告げた後。
周りのもふたちを見回していたカレルの視線が、リエヴルとトールでとまったタイミングであがった声>>+180に。
ああ、カレルはあの2人よりさらに先だったんだな――と、逝った順番を理解した]
不思議だよなー。
先に逝った奴より、後から逝った奴のが先にこっち着いてるとか。
……オレなんて、何年か投獄されてから処刑されてんだぞ?
順番どおりなら、お前らが何年もここに居ないとここじゃ会えなかったのになー。
[鶏肉を食べ終えたわんこたちを撫でつつ、新たに現れたちびウサギたちやラヴィにも、レタスや果物などを与える]
…………人目も何も気にすることなく、お前らを堂々ともふれるのは嬉しいな。
[リエヴルのところに居候していた頃は、軍関係者やリエヴル当人に隠密わんこたちが見つからないように注意していたし。
公国軍の拠点に移った後は、彼らに帝国軍拠点を偵察させていて殆ど手元にいなかった。
たまに手元に戻ってきているときも、万一スパイが潜入していたら見つかるとマズイので、ニコラスなど既に知っている者以外では、トールなど主だった将以外には見せないようにしていた。
だが、ここではもう、隠す必要もないのだ。
思う存分、愛犬たちをもふりにもふった]
さて、っと。
カレルもケーキ一緒に食おう。
[そんなことをしていれば、チーズケーキを切り終えたステファンの声が聞こえ、わんこたちを足元にまとわり着かせたままでケーキをいただきにいく]
あー。やっぱ紅茶には甘味だな。
それか、せめてナッツ類。
やっぱ焼き鳥は失敗だった。うん。
[美味しいミルクティーと、美味しいチーズケーキ。
そして可愛いもふたちに囲まれている幸せを、堪能している。
相変わらず、己が死ぬより遥か以前の現世の声は、この男の耳には届いていない]
ここで結婚式するなら、改めてカークにウェディングケーキ作って貰わんとだなー。
オレが神父役やってやろーか?
[ケーキを味わっている最中。
同じテーブルについているトールが、リエヴルの左手薬指に指輪を嵌める様子を、にまにまと愉しそうに眺めていた。
思わず口を挟んでしまう、オッサン属性]
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