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[ 指先で彼の長い髪を辿り、首の後ろに潜らせる。]
喜んで捧げよう
[ 彼の唇の裏に並んで粒立つ白磁の牙を首筋に受ければ、目を閉じていても、視界は紅に変わった。]
は ──… あ
[ 耳元に血潮の滾りを聞きながら、自ら飲み干すよう喉を鳴らす。
彼の一部になってゆく甘美な陶酔。*]
[ 啜り上げられる最中、彼の背に爪を立てる。
その確かな感触が嬉しい。]
ギィ、 愛してる
[ 吸血には、昂っていたものを陶酔に変化させる効果もあるようだった。
夢見心地で、そっと頭を彼にもたれかけさせる。]
[ ギィの声もまた温かく、自分の血を彼が気に入ってくれたのがわかる。
魔物としての欲望を満たしてなお、彼は気遣いを見せてくれた。
達きたいかと聞かれ、繊細な手つきで触れられれば、そこに仕込まれた闇の封印が主に反応する。
そこ以外の場所ではもう何度も極めてきたけれど。]
まだおまえが中にいる──
[ 下腹部で内臓を押し上げる力強いものを腹の上から撫でた。]
吸われた分、補給させてもらおうか。
[ ほのかに妖艶さを覗かせる流し目で笑う。
傷を癒した魔の血が、その主の資質のいくばくかを滲ませたのかもしれない。*]
[ 互いに身を横たえて柔らかに体の輪郭を撫でる。
癒されると同時に昂められて、愛の囁きは吐息に濡れた。]
ああ、ギィ── とても、いい
[ 封印を解かれれば、喘ぐ声はより艶めいて迫り上がる。]
一緒に、ギィ、 一緒がいい──
[ 願いを口にすれば、官能は背筋を振るわせ、魂を開花させるかのよう。
共に作り出すからこそ、この媾合の虜になる。]
いこう…
[ 指と指を絡ませ、人魔の境界を超えて、ひとつになるべくダイブした。*]
[ ギィの声にも切羽詰まった情愛が溢れている。
手を取り合って彼を受け止め、同時に解放された証を散らした。]
ああ…、ギィ 一緒になれた
[ 吸われた分ばかりでなく、置いてきたすべてを補って余りある実りを得て、満ち足りて彼の唇に微笑みを押すのだった。*]
[ 事が成った後もギィは労りを示してくれた。
体を洗い流すという提案に、恥ずかしさに顔を赤らめながら同意する。
気持ち良さの証拠ではあるが、彼を染めてしまった。]
そうしよ …う ?!
[ また不可思議な方法で移動したのもさることながら、彼がまだ抱擁を解こうとしないことが嬉しくもあり新鮮であった。]
[ 湯の中で続きなどしたら、今度こそノボせてしまいそうだけれど、彼に丸洗いされるのは、以前とはまったく別の経験になるはずで、きっと素敵だ。]
水風呂でも熱くしてしまうかもな。
[ くすりと笑い、彼の耳朶を甘噛みする。*]
[ ギィとの風呂は、やはり戯れの要素が多くなった。
浸かるというより潜ってみたり、浮かんでみたり。
怖いとは思わなかったから、抵抗せず、隙を見て偶然を装って、彼の体── 彼が教えてくれた敏感な場所── を指先で掠めてみたりする。
彼が背後に回り込んだ時には、顔が見えなくて少しばかり残念に思った。
鏡でもあれば── と言いかけたところで、自分の姿も見せつけられるはめになると気づいて却下する。]
ギィ、そこ… また洗ってる
[ 無意識にひくひくと動いてしまうのは、外側だけに限ったことではないけれど。*]
[ ギィの艶かしい声に聞き入っていると、倍返しに玩弄される。]
っあ、 いィ…っ
[ 浴室は声が反響して大変だ。
思わぬ効果だった。]
[ ギィが指先を離したかと思うと、その指し示す先に切り開かれた空間が、否、大きな鏡が出現した。
魔の力でか、宙に浮いている。
そこに何が映っているか、ギィに教えられ、視線が吸い寄せられる。]
なン──
[ 彼の顔が見られないのは淋しいと思ったのは事実だけど、鏡は彼が今、何をしているかをも明確に映し出す。
あまつさえ、注視していると察したかのように拡大投影までされた。]
[ 恥ずかしい。
だが同時にそそられている。]
や、 こんな…
[ 嫌がるような声を出すけれど、目のやり場に困っているだけだ。
でもやっぱり、見てしまう。*]
[ 鏡が映し出すポイントに触れて欲しいかと聞かれれば、躊躇いつつも同意を返してしまう。
ギィは誘導がとても巧い。
おかげで、これまでなら考えもつかなかったようなことまで許してしまう。]
ああ…、 うぅ
[ 鏡の映像はあちこちへと移動して、どちらの欲望を映し出しているのかわからないくらいだ。
あられもなく喘いでいる顔の大写しは絶対にギィの差金だけれども。
恥ずかしくて背がよじれる。]
[ どんな角度でも自由自在だという鏡が、秘所の映像を濁らせたのは故障ではなく、実際にそこの水が白濁したからだ。
耳の後ろを舐められて熱くなっていた最中だったけれど、そうと気づく。
彼が放出したものが溶けていってしまう。
とてももったいない気がして、いまだ繋がったままの部位を締め付けるのだった。*]
[ ギィの切なそうな喘ぎに、もっと歌わせたい欲望が芽生える。
それでも、首筋にギィの唇が触れれば、吸血の官能を思い出して、四肢の先から力が抜けてしまいそうになった。
さっきの今でまた吸われたら、前後不覚になって、あられもないことをしでかしてしまいそうだ。]
欲しい、のは本当だ。
ただ、今のは惜しいと思ったから…、
[ だって、おまえが最初に俺の中で達った記念だぞと口の中で言葉を転がす。]
いくらでもって、そんな…、
[ 本気で言ってるのは間違いない。
それだけ夢中になってくれるのは嬉しいことだが、迂闊に頷けば、魔物の精力が尽きる頃には、こちらは正気でいられないのではないかと思う。]
…口で受ければ、零さないで済む ?
[ 流してしまうより食べてしまえたらなどと、我ながら変態っぽい。*]
[ 唐突な発想だったが、ギィは喜んでくれたようだった。
そもそも、彼はいつも肯定的で前向きだ。
彼にとっての一部を分け与える、ではなく、彼が一部になってくれるという表現にも、彼の惜しみない情が見て取れる。
そんなところも、愛してる。]
ああ、おまえが欲しい。
[ 運ばれてゆくことに否やもなく、彼に身を委ねる。
鏡が当然のような距離感でついてくるのを、どこか微笑ましく思って笑った。*]
[ 運ばれた先はエリア全体が寝床になっているような不思議な場所だった。
これも文化の違いだろうと、連鎖的に郷里のことを思い出したが、そこはもう帰りたいと渇望する世界ではなかった。
ギィとこうなる前だったら、いくらかの悲しみはあったかもしれない。
けれど、もはや義務感だけを残したセピア色の情景だ。]
ギィ、 おまえの手管には本当に驚嘆しかない
[ 栓をすると言われたのもそうだと苦笑しつつ、彼に協力して足をあげたりする。]
[ 彼のを飲む、については、口を開ければ彼がそこに入れてくれるようなことを予想していたのだけど、別の方法がありそうだった。]
教えてほしい
[ 教授料だと、彼の体のあちこちにキスを降らせた。*]
[ ギィの唇が胸に烙され、牙をたてずとも跡を残すことができるのだと知る。]
これは素敵な印だ
[ そうして、香油の滴る熱源にそっと指を添えた。
これが、自分を何度も貫いた殊勲者だ。
可愛いような、弄り倒したいような。
撫でたり揉んだりしているうちに、香油の香がいっそう立ってくる。]
次は砂糖でもまぶす ?
[ くすりと笑いながら、下の方へも指を伸ばして転がしてみた。*]
[ この手で彼に快感を得てもらっていると考えると、浮き立つ気分だ。
睦合う間、彼が笑顔でいたのが理解できる。
奉仕することは喜びだ。]
いいとも
[ 口で愛撫してみてという指示に、チロリと舌を出して見せた。
舌と唇の使い方のコツを掴むまで、まずは先端を舐めたり、軽く含んだりしてみる。
それから、だんだんと全体へ。
歯を押し当てたら、やっぱり痛いんだろうか。
わざとはやらないけれど、いろんな舌使いや強弱を試してみた。*]
[ どこをどんな風にするといいのか、ギィが言葉にして伝えてくれる。
初めて体験する身にはわかりやすくてありがたい。
最初のうちはいちいち考えながら対応していたけれど、次第に、彼が感じていることがわかるだけで興奮してきた。
別のことに口を使っていてしゃべれない自分の代わりに声を出してくれているような気もする。共鳴だ。]
んふふ
[ くぐもった笑いと、輪にした指で彼の芯を撫であげることで、愉しんでいることを伝えた。]
[ 続いて、舌ばかりでなく口全体を使って刺激する方法を教わる。
彼が動いているというのがいい。
じっとしていられない感じが伝わってくる。
そうだ、もっと擦り付けて。
まだ嵩を増す存在感に目を細めながら、いつ出されても零さないよう吸引を強めた。*]
[ ギィの声の粘度が上がり、限界が近いことを知らせる。
それをこんなに間近で経験できることの幸せに酔いしれた。
一瞬でも気を逸らすまいとするから、言葉に紡ぐことはできないけれど、全身全霊をこめて彼に愛を注ぐ。
彼もまた、思いの丈を解き放った。]
ん、 っふ
[ 飲み込む前に口の中で転がし、味と匂いと舌触りを確かめる。
そうして、自分の一部になれと命じながら、ゆっくりと喉を降らせた。
この先、幾つの夜を共に過ごそうと、始まりの記憶は大事に語り継ごう。
残さないよう舌で彼の塔を拭いながら、微笑みが止まらない。*]
[ 再びギィと顔を突き合わせ、接吻けを交わした。
彼とひとつになれたという喜びに、生涯の愛を誓う言葉がさらなる幸福をもたらす。]
望むところだ。
[ 快楽もさることながら、彼と共に過ごす未来を求めて頷く。]
ギィ、おまえを愛している。
[ 彼の顔を手のひらで束んで、音高く接吻けた。*]
[ ギィから抱擁をもらい、そのまま共に横たわって彼の計画を聞く。
後から後から迸るようにお楽しみを並べ立てる彼を微笑ましく見守った。]
おまえと出会えて本当に感謝してる。
[ いつか、二人であの密林を再訪するのもいいかもしれない。
彼の体に腕を回して寛ぎながら、彼と育む愛に満たされていた。**]
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