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[あの時、おとなしく手当をして休んで、翌朝自分と同じくらいあざだらけのリトスと顔を合わせた時には、思わず怒鳴っていた。
なぜ俺を連れていかなかったんだ、と。
彼がどうしてそんな傷を作ってきたかは聞かなくてもわかったし、彼を一人で行かせた自分の鈍さには腹が立っていた。
腹いせに染みる薬草をたっぷり塗ってやったら、同じことを返されたのも記憶に残っている。]
俺たちにはカーマルグの富が必要だ。
[一見脈絡なく、ぼそりとコエを落とす。
貧しいゼファーには、軍から落伍したものを養う余裕はない。
それを作るのが先決だ、といつか話したことがある。]
ここが、第一歩なんだ。
[元首の地位に上り詰めて、最初の会戦。
それがこの後の全てを決めるだろうと感じていた。*]
/*
王国側だいぶ人数減らしてるな?
うちはどれくらい減ってるのかなぁ。
うちの部隊は100も減ってないんじゃないかという気がしてるんだが。
― 平原南 ―
[陣の一角にあって、自らも敵兵の槍をさばき、時には相手の槍を奪って使い捨てに突き返したりもする。
その間も、戦況に目と耳を澄ませていた。
北西に現れた敵の新手が、北側で隊列を組んでいる。
挟撃の構えとみて、凶暴に笑った。]
直属隊、用意!
[剣を掲げ、号令を発する。
復唱の声が次々と連なり、陣全体がある種の緊張感に包まれる。]
続けー!!
[雄叫びと共に吶喊すれば、直属の部隊が間髪を入れず追随する。
守勢から攻勢への一瞬の変化は、日頃の鍛錬のなせる業。
挟撃が完成する前に南の部隊を崩すべく、元首以下、直属の部隊が突撃を敢行する。
一方、後ろ半分にいたクレメンス隊は隊列を再編して北側への守りを固めつつ、じりじりと後退しはじめた。*]
/*
個人的には、何仕掛けてくるのかなって待ちたい欲もあったんだけれども、まあ、おとなしく挟撃されるのを待つこともないよね。
/*
カレルはなー。
最終日まで生き残った方が話はまとまる気がするんだよなー。
なにせ、英雄相手にやるような問答をやっちゃったからなー。
希望ある未来にカレルは欠かせないと思うよ。たぶん。
元首 カナンは、ゼファー軍小隊長 ミヒャエル を投票先に選びました。
― 平原南 ―
[南への突撃は、完全に押し切るとはいかずに必死の形相の兵らによって止められた。
先ほどまでよりも熾烈な攻撃が双方を往還する。
そのさなか、飛んできたものを斬り払った元首の腕に、生臭い液体が掛かった。]
…油――― 火か!
[飛んできた方角を見れば、次々と灯る赤い点の群れ。
夜空に輝線を引いて飛来する橙色が隊列に飛び込めば、たちまち各所で火の手が上がり、悲鳴が重なった。]
三列までは戦線維持!死んでも戦え!
後ろのものはマントを外して火を消せ!
[自らも右手を炎に包まれたまま号令を下す元首に、兵が慌てて駆け寄って火を叩き消す。
戦線維持を命じられた兵は、それこそ火だるまになっても盾を構え槍を振るったが、明らかに全体の動きは混乱していた。
後方のクレメンス隊も同じ状況に見舞われていたが、あちらは人数が多い分隊列が厚く、消火に回る兵も多くできる。
自ら後退を早めることで逆に足元の炎へと相手を誘ったが、槍を掴まれ引き出された兵らは隊列から取り残され、剣を抜いての大立ち回りの末に隊列に戻ったり戻れなかったりした。]
軽歩兵隊!
[さらに左右から近づくものがあると気づけば、叫ぶように命を下す。
防御陣の時は中央にこもり、突撃の間も後方に追従していた軽歩兵たちは左右に散開して迎え撃つ。
その数、それぞれ100には届かぬ程度。
軽歩兵の守りが及ばない内は重歩兵隊の槍が外へと向くが、それを掻いくぐった勇敢な者、あるいは槍が向きづらい東側の者は油を巻くことに成功するだろう。
そのたびにまた、ひときわ大きな炎が燃え上がった。*]
王国は炎好きかな?
[獰猛な笑みの気配を漂わせてコエが通る。
困難を前にしている時の癖だ。]
お前も楽しんでるようじゃないか。
虎の肚の内、引きずり出してやれよ。
[刃を交わせば見えることもある。
神前試合に臨んでいるらしき彼が、かの女神の寵児からなにを引き出してくるのか。期待していよう。]
カーマルグを獲ようとも、常に侵略を警戒せねばならず、耕す者もいないとなれば、ただの荷物だ。
俺はもう少し、富を作り出すものたちを知らねばならんな。
[我が政敵が神意の体現者と語らうならば、己は地の恵みを呼び覚ます者達の声を聞こう。
力と刃をもって。]
― 平原南 ―
しかしあいつ、ずいぶんと楽しんでるじゃないか。
[緊迫した戦況の只中にあって、ふと浮かべた笑みは場違いに朗らかだ。]
さてはあれを試したな。
一撃で仕留められなかったというなら…
─── ぜひ、俺も試してみたいものだ。
[試合の初手に彼が好んで使う技なら良く知っている。
同じ師から学んだのだ。当然だろう。
会得するべく鍛錬を続けた好敵手とは異なり、己は避けて切り返す技ばかり磨いていたから、あの技には掠らせもしなかったというのが真相だ。
あれを越えなければ、フェリクスを倒せないだろう?**]
/*
赤読み返してて、バルタんが一回だけ頬染めてるあれがもう……良い…たまらん……!
バルタんには不意打ちの告白が効く、と。( ..)φメモメモ
うぇ…
[薬草の話で、明らかに嫌そうな空気を漂わせた。
大抵の痛みには慣れっこになっているが、あれは、なんというか、別格だ。
嫌なことを持ち出してきやがる、と思っていたのもつかの間、好敵手の言葉に同意を送る。]
相手の理を知るには、踏み込むしかないだろうな。
ああ。期待している。
[任せたと、背を預けるように言葉を置いた。
互いがそれぞれ得たものが、互いの力になると知っている。
これまでも、これからもだ。*]
これは後で長老連中に文句を言われるな。
[周囲の状況を確認して、口の中だけで呟き苦笑を零す。
炎による乱れは予想以上の損害だった。
重傷も含め、戦える兵は当初の2/3もいるかどうか。
最強たるゼファー兵が、農民交じりの部隊ごときにここまで討ち減らされるとは、と言ってくる連中の顔が見えるようだ。
文句を言うならば、ここに立ってみるがいい。
"ごとき"と侮蔑してよい相手かどうか。
地に根付くものには地の祝福があるのだ。
或いは、守るという意志から汲みだされる力が。]
[断続的に飛んでくる矢は、盾を構えていない兵らを傷つける。
それで倒れるものも少なくはない。
だが諸々の障害を乗り越えて本来の隊列を組みなおしつつある重歩兵らは、正面の王国軍へと改めて攻撃を続けていた。]
行け、ゼファーの戦士よ。
戦神の加護は我らが上にある!
[右端にて、煤を被り返り血を浴びた荒ぶる戦神の形相で剣を振るう元首の奮戦に励まされ、同胞の屍を踏み越えてても前へ土曜とする。
元首を支点に、王国軍の左翼、即ち西側を押し込むように圧力を強めていた。]
/*
おつかれおつかれカレル。
強いんだぞを前面に押し出してくる相手とはやりにくかろう。(過去の大変だった記憶を思い出しつつ)
しかも始まってからずーっとこれだから、おつかれさんなんだよ。
は。もちろん、そうでなくてはな。
[報告に返すのは単純な賞賛ではないが、喜んでいるのはコエの調子で丸わかりだろう。]
あれは…あの時はお前が悪かったんだろうが。
俺のいないところで、あんな喧嘩をされたら当然だろう?
[この話になると未だに文句が出てしまうのは、お互いの"当然"が違うからなのだろう。
どちらにしても、あのあと「ことあるごとに」薬草が出てくるようになったのは、ある意味誤算だった。]
/*
ベリアンも二正面作戦なんだよな。
がんばれ、とこそっとエール送っておこう。
さて。明日の歴史家さんの文章も用意しないと…。
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