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こんな時に、すみません。
……少しだけ、お話させて頂いてもいいですか?
[次なる対戦に響かぬように、とは思いつつも。
蛇竜はぽつ、と口を開く]
大したことでは、ないんです。
ただ……心残りがあるまま最後の戦いに臨むのも、良くないと思って。
[主を煩わせるべきではないのかもしれない。
ただ、信頼の証として語ってくれた相手に、こちらが同じものを十分に返せていなかったのは事実だ]
わたし……はっきりした願いの形があるわけじゃ、ないんです。
ただ、自分の力が怖くて……でも、"ここ"に来れば、何かが掴めるんじゃないかって。
だから、あの力に呼ばれた時、手を伸ばしたんです。
[言葉を吐き切って、大きく息をつく。
空気に晒された肩は、小さく震えていた*]
[こちらの回避により、打ち砕かれたのは舞台の床面。
その様子に避けて正解だった……なんて考えていられたのは短い時間の事]
……って、どこまでも豪快だな!
[風の刃を受け流す様子>>*22に、口を突いたのはこんな一言。
術と言ってはいたが、どう見ても物理だろあれ!? なんて思考がぐるりと回るが。
同時に、あれが彼の『らしさ』なのかとも思えば浮かぶのは笑み]
[こちらは空、あちらは地。
その違いを向こうがどう埋めてくるか。
そんな事を考えながら再び弓弦に手を掛けるのと、巨躯が石の破片を掴むのはほぼ同時]
……って、そう来るか!
[剛腕を持って投げつけられた石、二つ。>>*23
とっさに発生させた風の刃により到達直前に打ち砕くものの、砕けた破片は勢い失わず、細かい衝撃が幾つも身を掠めた]
ん、のっ……!
[ひとまずだけは庇いつつ、力を凝らす。
引かれる弓弦に応じるように真珠色の矢が番えられた。
三連続で放たれたそれは、どこまで到達できるか。
そんな事を考えつつ、幻燈師は次の一手のために力を凝らした。*]
― 回想/個別領域 ―
……ん。
どうか、したか?
[領域に戻って取った休息の時。
小島に立つ木の枝の上で幹に寄りかかり、のんびりと微睡んでいた所に届いた呼びかけに、紫苑色が瞬く。
どこかぼんやりとした様子は、半ば寝ぼけているため……というのはさておいて]
話をするのは構わんが……どうした、改まって。
[緩く首を傾いだ後、前置きに僅かに眉を寄せて。
綴られる言葉を、黙って聞いた]
願いの形が、ない……か。
[己が力を恐れるが故に、その在り様を求めて召喚に応じた、と。
告げられた言葉に、ふ、と息を吐く]
……己が如何にあるべきか、どう進むべきかの指針がない……って感じか、そりゃ。
[肩震わせる様子に眉寄せて。
投げ返したのは、こんな問いかけ。*]
いや、十分器用だろ!
[ここだけは飛ばしたい、そんな突っ込みを投げておく。>>*28
器用不器用の指すところが微妙にズレているかも知れない、というのは置いておいて]
[放った矢は巨躯を捉えるものの、動き止めるには至らない。
否、あの程度で止まられても、という思いがある。
とはいうものの]
……物理的に跳ぶのが流行りか、ここは。
[捻りからの回転を持って宙へと駆けあがる様子>>*29に、口を突いたのはこんな突っ込み。
とはいえ、状況はそんな悠長では、ない]
[上から迫る回し蹴り。
まともに喰らえば身が砕けるかも知れない、という予測がちら、と過る。
ならばと弓弦かき鳴らし、纏うのは真珠色の煌き帯びた風。
それは刃の鋭さ帯びた、攻防一体の質を持つもの]
……っ!
[急所の強打だけは辛うじて避けつつ、けれど、胴体に重い衝撃が走るのは止めようがない。
衝撃に態勢が崩れ、幻燈師の身は地へと落ちる。**]
― 回想/個別領域 ―
[どこかぼんやりとした様子の主。
樹上にて微睡んでいたらしい所に話し掛けるのは申し訳なくもあったけれど、今しか出来ないことだからと、言葉を続ける]
[拙い調子で話す言葉を、終わりまで黙って聞いた後。
軽く息を吐き、向けられた問いに小さく頷いて]
今でこそ、ずっと海の中で暮らしていますけれど……。
もっと若い頃に、海の外や陸の世界も、見たことがありました。
空を飛ぶ竜の姿を見て、自分もいつかあそこに行くんだ、なんて思っていて。
でも……わたしの力は陸を壊すし、地に染み込めば植物を侵します。
何より、多くの生き物は、水の中では生きられないと知りました。
[自分にとっては当たり前で、意識することもなかった数々のこと。
陸の上で無邪気に力を揮った時、齎されたのは予期せぬ破壊であった]
だから、海の中にいれば……。
大海の中で幾ら海流が暴れても、表の世界に影響することはない、って。
[思い込みに過ぎないことかもしれない。
けれどそれはずっと、海に沈むことを選んだ蛇竜の心を縛ってきた]
――ここに来れば、何か変わるのかもしれないって思いました。
少なくとも
[そこまでを語って、蛇竜は長く息を吐きだした。
それから、ぽつり、と零したのは]
でも、そんなこと、申し訳なくて口に出来なかった……。
[もう一つ、心を縛っていたもの。
主への後ろめたさだった*]
[意外、という言葉>>*38にあ、やっぱりズレてる、なんて思ったけれど、それ以上は触れる事無く。
ぽつりと落ちた言葉>>*39に返す間はなく、舞台へと落ちる。
とっさに風を手繰って衝撃を和らげるクッションを作ったものの、痛みを完全に止める事はできなかった]
……ってぇ、が……。
まだ、飛べる範囲だな。
[翼の動きは損なわれてはいない、ならば、と。
思った所に向けられた問いかけ>>*40に紫苑色が瞬いた]
……別の理由?
[言われた言葉と、視線の流れ。>>*40
紫苑色は再び瞬くものの、戯言、と続けられればそれ以上は追求せず、ただ]
魔術の根本は、意志の力だと、
だから、願う事、思う事を忘れるな、とな。
[静かな口調で言いつつ、態勢を立て直す。
筋肉の隆起による治癒……なのか、とにかく傷が塞がる様子にとんでもないな、と呟いて]
……いや、ちょっとまて。
[独楽のような回転から生じるあれこれ。>>*41
どんな作用だ、と思いながらも翼を広げる]
さすがに、そいつは喰らえんぞ!
[風の障壁のお陰でダメージの軽減はできているが、基本的には打たれ弱い。
弓を主武器としているのは、そこもあるわけで。
躊躇う事無く再び舞い上がるが、逆巻く風や熱気の影響は少なくない。
煽られるような感覚に舌打ちしつつ、それでも]
止まるつもりは、ないんでな!
[宣と共に弓弦を引き、天に向けて矢を放つ。
まともに狙っても当てるのは難しいだろう。
ならば、と狙うのは数の掃射。
天に向いた矢は無数の矢へと転じ、巨躯へ向けて降り注いだ。*]
― 回想/個別領域 ―
[問いかけに返ったのは、頷きによる肯定。
次いで語られるのは、蛇竜の過去。
海のものであるが故の憧憬と、それ故の相容れなさが齎したもの。
それはどこか、懐かしさを感じるもの]
……
人の世界に興味を持って、一人で飛び出して。
……ま、色々あって、自分が異端と思い知る結果になったが。
それで一時期、魔界に引きこもった事もあった、な。
[状況は異なるだろうが、似たような過去を経てきたのであれば、それも呼び合う要因となったか、などという分析は今は置いて]
……確かに、ここは力の集う場所。
故に、滅多な事じゃあ壊れない。
ここでなら己が在り方を、力の方向性を見出せるかも知れない……って思うのは、まあ、ありだろ。
[ひとつ息を吐き、紫苑色を領域の空へと向けて、零すのはこんな言葉]
……ま、何というか。
きみはもしかしなくても、考えすぎる癖がついてないか?
この場所に集う者は、皆それぞれに思う所を持つ。
それは他者があれこれ言って、どうこうできるものじゃない。
で、少なくとも、その理由は、
[ここで一度、言葉を切って]
だから、ま。
……申し訳ないとか、思う必要はない。
まだ望みがないなら、ここでの事を探す契機にすればいい。
案外、何とかなるもんだぜ?
[笑みと共に向けたのは、軽い口調の言の葉、ひとつ。*]
― 回想/個別領域 ―
[迷いと、少しばかりの恥じらいと共に語った過去。
それを受けての召喚主の語りに、蛇竜はゆっくりと瞬く]
ヴィンセント様、も?
[出自に思う所があるとは、先にも聞かされていた。
自分には立ち入れない事と思っていたけれど、それによる行動や惑いにどこか似た部分もあると知って、蛇竜は小さく詰めていた息を吐く。
翼持つ主を、目映く自由な存在としてどこか遠く見ていたことに、密やかな自省の念を持った]
[それから告げられるのは、この場に来た理由――或いは理由がないことへの、肯定。
考えすぎると言われれば赤面するよりないのだけれど、そうして主に受け入れられたことに、何よりの安堵を覚える]
ありがとう、ございます……。
[口にしてしまえば、些細なことだったかもしれない。
しかしここに至るまでの蟠りが解けたことに、目元が海水ではないもので潤んだ]
まだ、迷いながらで、至らない所もありますけど、でも――
[そうして全てをさらけ出した後に口にするのは、今この場において願うこと*]
どうか、最後まで、共に戦わせてください。
[先達の言葉への同意>>*53に、掠めたのは笑み]
……まあ、確かに。
あんたの魔術は、存在そのもの、か……。
[ぽつり、と落ちたのはこんな呟き。
その在り方だからこそ、織りなせる力。
己には立ち入れぬ領域、故に、興味は尽きない]
…………。
[ふ、と紫苑色を移ろわせる。
先にあるのは、盟を結んだ蛇竜の姿。
対する巨躯が悪くない、と称するのは、ここで結んだ絆に基づくものか、と思いつつ。
そういう所は変わらんのかな、なんて思考は意識の底へ一時、沈めて]
そりゃあ、そこは誰だって変わらんだろ!
[同じ事、という言葉>>*54に、口の端が上がる。
矢の驟雨は大半が弾かれるものの、風の渦の一点を穿った矢が一筋、傷を与えたのは見て取れた]
あれだけ撃ち込んで、文字通りの一矢か……!
[本気でとんでもないな、と思いつつ。
ならば次の一手を、と思うより先、巨躯が地を蹴る]
……なにっ!?
[直線で来るか、と思った相手は途中で軌道を変え、側面から赤が迫る。>>*55
炎熱を帯びた風の拳──往なすか避けるかそれとも、の思考の果てに選んだのは]
……いや、逐一名付けにゃならんのか!?
[ちょっとだけ気になっていた事への突っ込みと共に繰り出す、右手の竜爪。
それは真珠色の光を帯びた風を纏うもの。*]
― 回想/個別領域 ―
ああ、まだ子供と言える頃にな。
[瞬きの後に上がる疑問の声に声すのは首肯。
その時と、その後の葛藤を経て、今ここにいるのだと。
言葉にて語らずとも、その意図は伝わるか]
[告げた言の葉が齎したもの。
目元が潤む様には紫苑色を瞬いたものの]
いや、それはこちらこそ、だ。
[告げられた礼の言葉に静かに返しつつ、ふわ、と樹上から舞い降りて]
迷いながらも至らないも、人の事は全く言えん
きみが共に戦ってくれるのならば、最後の瞬間まで、全力で翔け行こう。
と、いうわけで。
改めて、よろしく、だな……ベルティルデ。
[屈託ない笑みにのせるのは、初めて言の葉なした、蛇竜の名。**]
― 回想/個別領域 ―
[樹上より舞い降りる姿に、自身もまた小島へと這い上がる。
羽毛竜の血を引く召喚者と、海蛇の竜神。
姿は違えど、ようやく同じ高さを得た気がした]
はい。よろしく、お願いします。
――ヴィンセント様。
[言の葉に乗せられた自身の名に、沁み入るような喜びを感じ。
そしてこちらからも彼の名を呼び、深く頭を下げる]
[そして再び、月の舞台へ赴く時。
蛇竜の瞳から、懼れはもう消えていた**]
[無邪気な笑み>>*66は、見ている方も気持ちいいもの。
こういう感覚も悪くないな、と。
そう、思わせるのは対する相手の気質なのか、と。
そんな事を考えたのは一刹那]
……って、大事なのかよ!?
[異様な力を込めた声量で断言>>*67されて、つい、突っ込みを重ねてしまったのも、感化されての事……としておくべきかも知れない]
[二種の風の交差が引き起こす乱舞。
荒ぶる嵐が引き起こした事態への突っ込みは入れなかった。
そろそろ、突っ込み自体が品切れしているかも知れないが、それよりも]
……全力勝負は、望むところ……!
[全てを出し切る、というのは吝かではない。
故に、竜爪の間に力を──魔力を、溜める。
人と竜の狭間にある者としての、全力を見せるために。*]
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