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― 魔導師の研究室 ―
……んん……。
中々、引き当てられませんねぇ……。
[雪色の花弁を持つ鉢植えを魔力でふわりと包んだ後、魔導師は小さく息を吐いた]
この調子で無差別を続けると、違う意味で問題が膨らみそうですし……さてさて、どうしたものやら。
[水盤越しに見える街の様子。
一人の花精を巡る乙女心の暴走とその顛末は、魔導師の視界にも入っていた。
この手の事が何度も続くのはさすがに……と思うものの、具体的な対策は取れていない]
先に保護した個体は、明らかな異変がありましたが、今回は……っと。
[ぶつぶつと呟いていた魔導師は、微かな声>>+2を捉えて緩く瞬く。
こちらで目を覚ます者も出て来たか、と。
そんな事を考えながら、は、と一つ息を吐いて]
……驚かせてしまったら、すみません。
ぼくは、ベネディクト……あなたたちには、『長』です、と名乗った方が通りがいいかも知れませんが。
ここは、あなたたちの暮らす『街』の『外』……にある、私の研究室ですよ。
[苦笑しながら、自身の名と場所を教える。
幾つもの鉢植えが並ぶ不思議な空間。
そこに咲く花の中には、今目覚めた花精にも見知ったものがあるかも知れない。
当の花精は、自身の本体の傍にふわりと寄り添うように立っている。
振り返れば、自身よりも大きな本体の姿が目に入るわけで、それはそれで怖いかもなぁ、なんて思いつつ、魔導師は花精の様子を伺った。*]
― 魔導師の研究室 ―
[こちらの言葉に対する反応は、まあ、想定の範囲内だった。
さて、どう説明したものか、と魔導師の内で思案が巡る]
……落ち着いてください……と、言っても難しいでしょうが。
順を追って説明しますので、まずは気を鎮めてくれませんか?
[この調子では、伝わるものも伝わるまい、と思うから、まず願うのはそんな事。*]
― 魔導師の研究室 ―
……混乱するのは、仕方ないでしょう……こんな事、体験した事のある花精は今までいないはずですし。
こちらで目を覚ましたのは、あなたが最初ですからね。
[座り込む様子>>+9に苦笑しつつ、穏やかなこえでこう告げて]
さて、ではどこから話しましょうか。
先に『街』に出した告知と、今起きている異変については、御存じですよね?
大筋は、あの告知の通り。
原因不明の病があなたたちの本体に発生しているため、蔓延を防ぐために魔力の結界で包み込んで隔離しつつ、病の原因と治療法を探しているのがこの場所です。
今のあなたは、意識だけがこちらに……本体の傍に戻っている状態のため、本体の傍からは動けなくなっています。
病への対策が見つかれば、また元の場所で目覚める事ができますので、しばらくは我慢してくださいね?
[花精の現状を説明しつつ、本体の様子を改めて観察する。
少し元気がなくなっていたようなので隔離対象にしたが、違ったかあ、なんて思考は、とりあえず埋めている。*]
― 魔導師の研究室 ―
[こちらの説明をそのまま受け取ってくれたらしき花精の様子に、内心、安堵の息を吐く。
その後に向けられた問いと言葉>>+12には、色々と刺さるものも感じつつ]
あなたの前に隔離した方は、突然に目に見えて弱り始めたので……そこを基点に調べて行けば、何とかなるかと。
一番いいのは、病の大本を抱えている方がすぐに見つかる事なんですが……難しいところです。
[言いつつ、見回す魔法花の鉢には、一見すると異変の影は見当たらず。
魔導師はふう、と幾度目かのため息を漏らしていた。**]
― 魔導師の研究室 ―
ん? どう、しました?
[呼びかけに、魔導師は視線を花精へと向けて。
ついで、投げかけられた疑問>>+13に数度瞬いた]
さて……どう説明すれば、伝わるのでしょうね。
あなた方は、言わば『心』の具象。
花に宿る想い、それを映しとったもの。
花に心はあるか、あるならば、それはどのような成長をなし得るか。
……それを、ぼくは知りたかった。
ま、「そんな事を知ってどうする」と言われてしまえば、それまでですが。
疑問に感じた事は、どうしても突っ込まないと気が済まない性分なもので……。
[は、と一つ息を吐いた後、滲ませるのは苦笑]
いやまあ……あなた方にとっては、こんな勝手な理由で在り方を押し付けられて。
……あげく、こんな騒動まで起きてしまって……いい迷惑なのかも知れませんが。
それでも、ここで投げだすつもりは、あらゆる意味でありません。
[ぼやくように言いながらも、己が所業は否定しない。
そこにあるのは知を求める研究者としての矜持。*]
― 魔導師の研究室 ―
……はは。
[花精から向けられる言葉>>+18 >>+19に、零れるのは苦笑]
ありがとうございます……正直、理解を得られるとは思っていませんでした。
[身勝手な創造主として詰られても文句は言えぬ、と。
そんな思いもあったから、声音に滲むのは安堵]
ええ、わかっています。
ぼく自身が動けなくなってしまっては、本末転倒ですからね。
……休息は、適宜取りますよ。
[こんな風に身を案じられたのは、いつ以来だったかな、と。
そんな事を考えながら、魔導師は頷きを一つ、花精に返した。**]
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