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─ 戯事の後先 ─
いつぞやも こうして
[情誼は厚けれど、互いに領をもつ身。
遊び心に満ちた白絽候の城への訪いは稀であったが、常に梟を楽しませたか。
かつて交わした情の香を朧に匂わせて、薄く透ける白絽の髪をひとしずく、指に絡めた。
愉悦に微咲く唇は、追想すらも戯れに深みを添える醸酒として]
…こたびの賭けは引き分けだったけれど
私達に貪られてくださるというなら
望まれるままにお見せしよう
貴方の血がどれほどあつくなり
私達がどれほど貴方を堪能するのか──
[唇紋を捺すがごとくに囁き、髪の紗に唇を寄せた。
隠された耳朶の蔭へ、仄かに翳る鎖骨へ。
触れぬ空気の薄膜一枚が滑りさやぐ。吐息と薫香の愛撫を**]
/*
心配いらない。普通は丸のみエロくない。
だが、私たちは──そうだね。
愛する者を全て、体内に迎え入れることは歓びだ。
たっぷりと時間を掛けて、相手のあえかな声や震える手足、締め付けられ途切れていく吐息と死に至る痙攣が弱まり消える瞬間を感じながら呑み込むのは───
(↑蛇の感想です)
えろすなあれに丸のみジャンルがあるくらいには、まあ、人によっては?
/*
おおっ!
柘榴侯から来てる!
相変わらず風雅で艶のある文章であることよ。
貴方と交わす熱のうちに命落とすのならば、それもまた快いことだろうな。
貴方の翼に包まれて蘇るのも佳い。
だがそろそろ時間切れなのでな。
できれば夜に一撃するよ。
/*
変態ということでは人後に落ちぬ自覚がある、とどこぞの吸血鬼が言っていたよ。
何しろ人間ではないからな。
― 戯事の後先 ―
[年経るほどに物事が思うままになる、とはいかぬのが浮世の憂。
立場に繋がれ情に縛られ、分け身を放つが日々の慰み。
それでも折に触れて親しきものと交わり、好ましきもの達を集めて宴を催せば、無聊もいくらかは紛れるというもの。
こと、幾度か親しく遊び交わした赤色の麗人が訪れるとあっては、城は主の心を映して艶やかに華やいだ。]
二言はないよ、梟の。
この身を供しようと言ったのは私だ。
あのときよりももっと、貴方の恣にしてほしい。
[触れる吐息、触れずとも熱をもって存在を知らせる唇に背筋がざわめく。
羽触れるよりもなお軽く、炎よりも熱く肌を焦がす愛撫に、金の瞳は濡れて蕩けた。]
貴方の牙で、私にひとときの死を。
貴方の翼で、私に再びの生を。
緋に濡れた褥の中で、
貴方を溺れさせてみせようとも。
来て。抱いて。貪って。早く。
貴方の貪欲を、私でどこまで満たせるか、試してみよう。
[髪をかき上げ、晒した首は白。
伸び上がるように首筋を捧げながら赤い髪の帳に分け入り、長い舌をちらちらと喉元に遊ばせた。]**
─ 緋の褥へ ─
……
[この方は私達の貪欲を察している。
破滅の深淵を望む
愛し子を持たぬ そして親なき吸血鬼
他の同族達を慰めているのは人ならざる、それでも紛うことなき血の絆と愛であるというのに
魂に降り積もりゆく灰
私が 私達が欲しいのは]
嗚呼 このひとときに私達が求めるのは
貴方だけ
貴方の全てだけが欲しい
[背にゆるく流していた赤毛がこぼれる。
見下ろす眼差しは誘引に逆らわず、晒された白妙の喉に熱帯びて潤む視線をそそいだ。
長く繊細な舌先が喉に戯れると、吐息交じり
常は唇に寄せ付けずある白の真名を、呼んだ]
[最初の接吻は、最も古式である儀礼による。
何千年再演されようとも褪せぬ首筋からの啜血は、故に双方に洗練された所作と、最上級の技巧を求めるもの。
正しく白の麗人をかき抱き、金の瞳を見つめ
沈黙という饒舌を貫いて白皓の牙を──血蜜の泉へと捧げた]
── 、
[最も見目に美しく、最も余韻を掻き立てるとされる時間だけ、首筋にて血の接吻を交わす古き演舞。
唇を離した梟は瞳にとろりと昂揚を宿し、白蛇へ回した腕へ熱情を籠めた]
ゆこう、私達の褥へ
翔びながらしたことはなかった
死ぬほどに、生まれるほどに──溺れあおう
[音もなく広がった紅の翼は、我と我が腕内の君とを愛撫のざわめきで抱き包んだ**]
/*
ふ。
柘榴侯は相変わらず私の琴線に触れるどころかかき鳴らしてくれるな。
飛びながらとは。また、なんとそそる誘いだろう。
/*
もうこんな時間か。
血の眷属ならばこれからが我らの時間、というところだが生憎と中身はそうはいかない。
梟のの心躍る啜血の儀式には必ず明日に返答を置くとして、今宵はもう下がらせてもらうよ。
佳き夢を**
/*
直接表現が無理ならば、隠喩と抽象を駆使した耽美な艶事を楽しみにしていればいいのかな。
(ごはん前にちら見一撃)**
[最も古式にして最上なる儀礼。
今や正しく執り行えるものも減った接吻の型には、血を捧げる側にも定めがある。
ただの獲物相手では為せようもない。
だからこれは、正しく捧げられた贄を受けるときか、同族同士で行われるもの。
この儀を大成させた過去の同胞に思いを馳せるが、つまりはそういうことなのだろう。
大いに、愉しめと。]
……ふ 。
[儀式の定めは只の形式ではない。
接吻ける行為を洗練させ、技芸の域にまで高めたもの。
傾ける首の角度は、膚に潜る牙の深度は、血蜜をより芳醇に変える。
温もりを持たない身体から、熱帯びる息が押し出された。]
[帳降りるように包む紅が、肌をそそけさせる。
梟の背に回した指で、翼の付け根の柔らかな窪みをなぞった。]
ゆこう。共に。
翔びながらの極まりは、
昇る心地がするのか、墜ちる心地になるのか、
確かめてみたい。
[尾のように足を絡め、腕を絡めて腰を引きつける。]
今この時の私は、全て貴方のもの。
貴方の領域で、散らされたい。
[蛇を空に攫うのは猛禽の特権。
裂かれ啄まれるを予感して、金の瞳は甘い戦慄を宿す。]**
/*
ただいま代わりに秘話を落としてみる。
やあ、しかしあと1時間半だね。
そういえば魔王の人形は、某オスカーのようにハードなプレイもできるようになったのだろうか。
あまり被虐方向に彼の自意識が育たなかったようだから、今も嫌々引き裂かれているのかな。
…そうだね
楽しみにしておいで
[どんな心地がするのか?
内から輝くような銀蛇の白い肌に絡まれ、絡み。
金の瞳を覗き込んで熱帯びた息を溶かしあった]
──きっと無重力だよ
[仄暗い闇の空は我が領域
夜の猛禽と蛇は飛翔し、朱の褥のなかで昇宙を極め、墜落を味わう。
麗しき白絽の身を裂き啄ばみ穿ち、芳醇の血をあまさずこの舌で奪い尽くして。
そして我が翼獄の中で、灰より蘇る貴方を幾度でも抱き締めよう。
今この時よ、永遠に止まれと──**]
/*
しみじみと読み返す。
まこと痛みは甘露、死は恩寵、復活は歓喜だな。
貴方の翼の檻が、今は私の世界のすべてだ。
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