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[疾走する馬の上で絶叫する。
この瞬間、盟主という立場も、ヴァン・ラモーラルの役割も、
目指す未来も、何もかもが頭の中から消えていた。
目に映るのは、朱に染まって倒れていく身体と、
こちらを向いた、二つの翠だけ。>>221
視界も、思考も、昏い赤に染まる。]
エディ! 馬鹿!エディ!
なにやってんだよ、くそ!
[彼の周囲を囲む騎兵たち>>224に目もくれず、彼らの間に強引に割り込むようにして馬を走りこませる。
疾走する馬から飛び降り地面を跳ねていくつも傷を作りながら、転がるように彼の傍らへと寄った。
慌てて追いかけてきた数騎の兵が、果敢にも主君に続いて敵兵の間を抜け、盟主の傍らに立つ。それすらも、盟主の視界には入らないのだった。]
エディ行くな!
勝手に死ぬんじゃない!
戻ってこい!馬鹿!戻ってこい!!
また俺を置いていくのか、エディ!
[大声で名を呼び、怒鳴りつけ、血に汚れた体に覆いかぶさって両手で傷口を押さえ、命が失われるのを押しとどめようとする。
もう、血が溢れ出すこともないというのに。]
頼むから行くな!
行かないでくれ。
なあ、エディ、
目を開けろよ、馬鹿…
[傷を塞ごうとする手が血で滑る。
エディの体が揺れて、微かに首を振ったように見えた。]
ずっと一緒にいろっていっただろ。
なんでまた置いていくんだよ。
あの時手紙を返さなかったからか?
また俺がヘマしたからか?
だからおまえ怒ってるのか?
なあ。なんとか言ってくれよ。
頼むから… そういうのやめろよ……
/*
寝て起きたらエディが完膚なきまでに死んでいたので、
きさま死ね!死んでしまえ!死んでも殺してやる!!
…となったお昼です。こんにちは。
(しね、の前に愛で、を入れて読んでください)
― 遠い記憶 ―
[都から逃れて流離い歩いていた日々の途中、平原の民の移動集落に行き合って暫くは彼らの間に留まることになった。
その集落に1人の少年がいた。
春の草原に一斉に芽吹いてくる若葉みたいな髪の色と、髪と同じ色の、もっとキラキラした目が印象的な少年だった。]
……ディーン。
[しつこく付きまとわれ、何回も名前を聞かれて煩くなってぶっきらぼうに名乗る。
それが彼と交わした最初の言葉だ。]
[都を追われてからというもの、ずっと逃亡と潜伏の日を送っていた。
後になって思い返せば、さほど厳しい追手は掛かっていなかったように思うし、生活に必要なものは全てチャールズが調達し、安全な居場所も確保してくれていた。
けれども逃げた領主の息子を捕えて差し出し、新たな支配者に阿ろうという輩は0ではなかったし、幾度か危険な目に遭いもした。
父を殺され今までの生活を追われ、人目に怯えながら放浪するという生活は、幼い少年の心を閉ざすのに十分なものだった。
その閉ざした扉を、純粋かつ遠慮のないあの眼差しで押し開け、少年を外へと引っ張り出したのが、3つ年下の彼だったのだ。]
[それまでどんな時でも仏頂面を崩さなかった少年が、彼の前ではよく笑い、怒り、感情を表に出すようになっていった。
彼に誘われて草原へ出かけ、大地と触れあい風と遊び、草や虫や動物たちのことを覚え始めた。
釣りや果物狩りにも共に行き、平原の子らに混ざって馬に乗り、やがては狩りにもついていくようになった。
元来の負けず嫌いが幸いして、たちまちのうちに草原で生きる術を身に付けていった。
それもこれも、彼が外に連れ出してくれたおかげなのだ。]
― そして今 ―
[心の声は響き合わずとも、
彼とはずっとつながっていると思っていた。
彼が都に行ってしまった時も、
手紙なんかなくたって心は通じてるんだと意地を張ってた。
本当は彼に嫌われてしまったのではないかと少し怖かったのだけれども、戻ってきてくれた彼を見た瞬間に全部いらない心配だったと吹き飛んでいった。
その彼が、今は2度と戻ってこない場所にいる。]
[自分がもっと早くに撤退の決断を下していたら、
こんな力押しの正面突破などしていなければ、
そもそも彼を戦場に連れ出していなければ、
彼は、死なずに済んだ。
彼を湿原に連れ出したあの日>>1:243と同じように、
自分が彼を、またも遠い場所へ追いやってしまったのだ。
今度は2度と戻らない場所へ。]
[エディを抱き上げて立ち、ダーフィトを見る暁色の瞳には怒りと憎しみの色が差している。
それはどちらかといえばダーフィトにではなく、彼の瞳に映る自分自身に向けられているのだ。]*
/*
えー。先ほどは不適切な単語の連呼、まことに申し訳ありませんでした。
(平服)
だがエディは
/*
メモの自分の名前が未だに間違っていたことに気づいた3日目ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
〜〜〜っっっ。
ディーンです。ディークじゃないです。
もうそれで最後までいきます。
/*
ほんと最近、自分の名前に無頓着というか、自分でも間違っているというか。
前の村かそこらでも似たようなことしでかしたばかりだぞ。
名前って難しいね。
― サクソー川/橋の北西付近 ―
[名を呼ばれ>>251、名指しされた血が胸の奥でざわめいた。
名に刻まれた責が、自負が、密やかに息を吹き返す。
心の表面を覆う嵐を拭い去るには足りなかったが、
芯を貫く意思を呼び起こす。
そこに、エディの『遺言』がもたらされた。]
エディ …
最後まで、おまえってやつは …
[唇が震え、呟きが落ちる。
腕の中のひとにだけ聞こえるほどの強さで。]
……ここに横たわっているのが、
おまえであればよかったと思う。
[ややあってダーフィトに告げたのは、飾りもしない本心。]
だが───
エディの相手がおまえで良かったとも思う。
[それもまた、心からの言葉に相違なかった。]
エドルファス・ハーウェンの最期の言葉、
伝えてくれたこと、感謝する。
ダーフィト・エイワズ、───
[昂然と顔を上げ、敵手の名を呼ぶ。
正面より見交わした彼の瞳の中に
同じ炎があったのは気のせいか。
赤い幻影に追われる痛みを見た気がしたのは。]
次におまえとこうして話すのは、王城でだ。
[エディの魂を、そしてダーフィトの真情を確かに受け取ったと告げて、近習が差し出した馬の手綱を取った。//]
[馬の背に跨り、エディの身体を鞍の前に乗せる。
身体はまだこんなにも温かいのに、もう動かないだなんて。
ふと、にいさんと呼んで良いかと言われた日のことを思い出す。>>259
その頃には、エディの両親が亡くなっていることも聞いていた。
親を失ったという同じ境遇が、いくらか心を近づけたのだと思う。
ディー兄、ディー兄と慕ってくれるエディは、
本当の弟のようで、
また家族ができたようで、
あんまりにも嬉しくて、ずいぶん兄さん風を吹かせたような気もするけれど、エディは「憧れなのだ」と実に真っ直ぐな瞳で言ってくれた。>>260]
兄のためにここまでする弟があるか。
[呟いた言葉に力は無い。
エディの気持ちは、痛いほど伝わっていたから。
使わせてしまったと思う。
無駄にしてはならないとも思う。
不甲斐ない兄で悪かった───
そんな謝罪は、唇の中に封じこんだ。]
……見てろよ。
格好いいところ、見せてやるから……
[呟いて、唇を歪める。
とても、笑みだなんて呼べるものではなかったけれど。]
[顔を上げ、頷いて、その場に残る弓騎兵たちとも共に後退していく。
本隊に合流すべく駆けていた他の弓騎兵たち>>208も、いつの間にか周囲に集まってきていた。
ヴィダンの、同朋の死を悼む思いが周囲を包む。
ふ、と、声が聞こえた気がして空を見上げた。>>263]
……エディ。
おまえが照らした光で、俺は未来に行く。
[見ていてくれと、もう一度呟いた。]*
[全軍の撤退は、相手の追撃が無いとわかれば速やかに進んだ。
不意に豹変して攻撃されたらという緊張はあったにせよ、ある種の奇妙な信頼感が互いの間にあったのは確かだ。
負傷した者も、歩けるものには肩を貸し、動けぬ者は周囲が手伝って運んでいく。
どうしても動かせぬ者や周りの手が足りないものは残されたが、悲壮感漂うものではなかった。
奥深く切り込んでいた軽歩兵たちも、次第に撤退を完了し、本体に合流してくる。
そのまま森方面へと去るのを、別段隠しはしなかった。]
[一方その頃、湿原の葦原方面へ出かけていた別働隊は、葦の刈り取りを終えて森への帰還の途に就こうとしていた。
仮に、作業途中で敵軍の哨戒部隊を発見していたとしても、威嚇と牽制程度でこちらから戦闘を仕掛けることはなかっただろう。
なにしろ、彼らの多くは鎌や鉈しか持っていなかったのだから。
あるいは作業終了後であれば、哨戒の小隊は広い範囲で葦が刈り取られた痕を発見するかもしれない]*
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