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[支えるように雷獣が添い、左の手が動く。
何が来るのか、何をなさんとするのか。
対する者の全力を見たい、と願う『狂い桜』は、太刀を構えてその挙動を追い]
……来やれ。
俺を噛み破ろうというなら、力の出し惜しみは禁物ぞ?
[笑みと共に、向ける言葉は誘いのそれ。**]
[闘舞を開始して間も無く、身の内から熱が湧き出るように溢れてくるのを感じる。
何事かと思ったが、それが与えられた力から滲み出ていると知ると、熱が何から齎されているかを悟った]
(は……これは疲れるわけね)
[じわりと身に染みる蒼月の狂気。
これを伝えぬため、彼は戦神とは異なる一面を常に出しているのだろう。
ナネッテ自身を取り込もうとするそれに、く、と喉奥で笑いを零した。
呑まれるものか、と内と外、両方で戦う決意をしたのは、短い笑いからも伝わろう*]
[跳ね上がり、体勢整えた白銀の表情に、魔の笑みは深くなる]
……生憎と。
後悔など、逐一していては、
[咆哮>>*29に返すは、永き刻を生きるが故の在り方の一端]
さて、何を見せてくれる……?
[抜き放たれたものに馴染みはなく、僅かに眉が寄り。
紡がれる何者かの名、応じて消えし雷獣の姿に、魔はひとつ、息を吐く]
……飛び道具……か?
[火花宿りしそれから放たれる電気玉。>>*30
とっさ、横へと身を翻すも、それはこちらに追い縋る]
なれば……!
[未だ左の手には薄紅。
開きて打ち払わんとするより先、上げた手を電気玉が掠める。
痺れめいたものを感じるは刹那、紺青は直後に現れし姿に僅か、見開かれた]
……は。
中々、面白いものどもに懐かれておるようだな!
[現われ出でるは金色の魚。
それが尾を振る仕種に合わせ、周囲に気が満ちるのが感じ取れる]
……しかし。
この程度で俺を、俺と桜月を捕えた……などと、思うてはおるまい?
[ざ、と薄紅を一振り、呼びだすのは蒼く透き通る花弁。
それは、これまでの選においては、一度たりとも具象しなかったもの。*]
[舞の最中、微か届いた笑む気配。
それは、熱に酔う『狂い桜』を震わせる]
…………。
[音を届ける事はない。
ただ、笑う気配は伝わるが]
(……まったく持って……)
[飲まれず、屈せず、意志貫かんとする在り方。
畏れ敬い、ただ従うを選びし者たちとは違う煌きは、魔を惹きつけて止まぬもの。*]
[強い衝撃で意識が飛びそうになる。
そこに滑り込むように染みてくる、蒼月からの熱]
ッ、 こん の …!
[思わず零れた声は蒼月にも届こうが、それは抗う意思を持つもの。
熱の侵攻を利用して意識を保ち、それ以上の侵入を阻んだ]
[尾を振るい、こちらを絡め取らんとする小さき魚。
紺青が見据えるはその向こう、それを操りし者。>>*39]
……何れにせよ。
[す、と太刀持つ右手が横へ上がる]
俺が退屈と同等に嫌うのが、束縛であるが故、な。
……囚われる訳には、ゆかぬよ。
[薄く浮かべる笑みに滲むは、艶のいろ]
……月下に舞え、
蒼き桜月夜に、紅添えよ。
[詠うように紡ぐは呪。
それに応じ、蒼き花弁が渦を巻き、舞う]
……蒼桜、月刃!
[放たれる言霊に応じ、蒼き花弁は刃の鋭さを帯びて、舞う。
触れれば裂け、紅散らす花弁の舞が廻る魚をその先の白銀を狙い渦巻き。
その只中、蒼を纏いし者が地を蹴りかける。
横に向けた太刀はかける最中にくるり、返され下へと向かい。
下方より、斜めに駆け上がる一閃を放たんと、舞う。*]
[蒼の花弁は、魔自身の分身。
秘めし月闇、その具象。
変質叶うはそれに由縁するもの。
刃の鋭さ帯びて舞い踊り、傷を刻んだ花弁>>*44は淡く、紅帯びる。
他者の血を得てその色違えし、魔の在り方そのままに]
……ちぃ、浅いか!
[乱舞に紛れて詰めた距離は、応ずるが如き後退によって再び開かれる。
辛うじて届いた太刀の切っ先は何かに滑り、深く刻むには至らない。
なれば、と思うと、白銀が地を蹴るはほぼ同時。
流れるように振るわれる腕、護手が刃弾く音が高く、響く。>>*45]
……やって、くれ、る!
[口調は僅か苛立つ風、けれど声音の熱と喜色は損なわれない。
弾かれ浮いた太刀を引き戻しつつ、柄に両手添え。
取りし構えは大上段]
……はっ!
[低く放たれる気合と共に、太刀を振り下ろすが。
構え替えからの流れにより、隙が生ずるのは避けられぬもの。*]
[斬り下ろしの一閃は、向こうの額の上で止められる。>>*52
甲高い音に合わせ、手にした太刀が唸るような音を立てた]
……騒ぐな、桜月。
食らいたくば、打ち破れ……!
[対する者の紅求めて唸る太刀を叱咤するのに、何かを呼ばう声が重なる。
バチリ、と響く火花の音]
……っ!?
[火花より生じしは、金色なる雷獣。
至近より、喉笛狙う牙に紺青が細められ──]
[紅が、散る]
……っは。
ああ……まったく、まったく。
[知らず、零れ落ちるのは嗤う声]
……楽しゅうて、仕方ない、な……!
[声に乗るのは一際強い狂気と熱。
その響きは、艶やかささえ帯びるもの]
[雷獣の牙が届く直前、競り合いから力を抜き、僅かに首を巡らせた。
それにより、喉笛裂かれる事こそなかったものの。
牙は右の肩へと喰らいつき、桜の香を持つ紅を滲ませる]
……は……はは。
っははは……。
[紅を滴らせつつ、魔が浮かべるのは、笑み。
笑う声は、無邪気ささえ感じさせる表情には似合わぬ艶と狂気を帯びているけれど]
ああ……久しいな、この感触も。
喰らい喰らわれ、己が存在を賭けて征く。
ただひたすらに高見目指し、狂い咲きし頃以来だ。
[遠い過去を懐かしむように呟いた後。
魔は問答無用、とばかりに喰らいついた雷獣を打ち払い、刃を引いて後ろへと飛びずさる。
蒼の花弁が、慕うようにその周囲を舞った]
……とはいえ。
彼の時の如く、ただ喰らうだけ……という訳にはゆかぬからな、今の俺は。
[言いながら、緩く構えを取る。
提げる型ではなく、胸の高さに上げた、己が左に切っ先向けた太刀を両手で捧げ持つが如き構え。
蒼く煌く刃越し、白銀見やる紺青は鋭くも、楽し気で]
……我がいとしき燭との約もある故。
出し惜しみは、できぬのでな。
[さらりと問題発言的な何かも交えつつ、力を高める。
闇より生じし蒼桜が周囲に渦を巻いた。*]
[声と共に増加する蒼月の狂気と熱。
衝撃を受け続けている状態では、ともすれば流されそうになる]
ンァッ…!
[熱を押し留め、狂気を抑えようとするが、無言ではやはり耐え切れなかった]
Shut up…!
[暴れまわらんとする狂気に対し、思わずぽつりと呟く。
膨れ上がるばかりの熱と狂気は、大きな奔流となり始めていた]
[押し止める事なく解き放つ狂気と熱、その最中に響く声。
ただ飲まれまい、と。
抗う意思は、初めて触れるもの。
過去の従華は皆、狂気に飲まれ、それにより強き力を得たものの、制しきれぬ者が続いた。
それ以上狂気に触れては完全に深淵に堕ちかねぬ、と。
それと気づいた魔は選より引き、隷属を解く事で従華が堕ちるを未然に防ぐようになっていた]
……ふ。
[微か、零れるのは笑み。
従華を案ずるあまり、選そのものにも退屈を覚えるようになったのはいつからか。
そんな退屈にも、背後への懸念にも囚われる事なく舞える事。
それは『狂い桜』の内にある、戦神の熱を更に強く高め行く。*]
[身体が外側からも熱さを得る。
内に在る熱がそれに同調し、ナネッテへの侵攻を加速させた]
ッッ、
[熱が広まれば狂気も広まる。
ただ耐えるにも限界が近い。
けれど、ナネッテはまだ諦めていなかった]
──── いい加減にしなさいよ。
[零れた声は低く、身を支配しようとする
[打ち払った雷獣は一声咆えて消え失せる。>>*59
それが齎したのは、対する銀よりの紅一筋。>>*60]
……一心同体……と言った所か?
[疑問独り言ちるも、そこを詮索する暇はない。
刃の向こう、上がる口角。>>*61
どこか獣のそれを思わす笑みに、手にした太刀が唸りを上げた]
[響く名乗りの宣。>>*63
己が在り方に一片の迷いも躊躇いもないそれに、魔は僅かに目を細めた]
……は。
雷華が惚れこむも道理、か。
強き意志、強き魂……この輝きに惹かれるな、求めるな、というのが酷であろな。
[く、と零れる笑みは楽し気なもの]
[刃突き立て、何者かを呼ばう声。>>*64
地を駆ける雷電が赤に触れ、金色を生じさせる。
それに向けられる宣に、魔は僅かに眉を寄せ]
……中々に、面白いな。
使い魔駆使する者とも幾度か対したが、そのような技を見たのは此度が初めてぞ。
[白銀、否、今は金色に煌く姿に向ける声には純粋な感嘆の響き。
大地より引き抜かれし刃が構えられ、宣>>*65が大気を震わせる]
……そうか。
[零れて落ちるは、小さな呟き]
……お?
[低く零れた声が、ふと、『狂い桜』を引き戻す]
ああ、すまぬすまぬ。
何分、久々の事なのでな。
制御が飛んでおるようだ。
[笑って言う事じゃないはずだが。
届く気配は楽しげなものを帯びて]
文句は後でまとめて聞く故。
……いまは、眼前に酔わせておくれ。
[楽し気に笑む気配と共に伝えた後。
『狂い桜』が僅かなりとも鎮まる気配は伝わるか。*]
……なれば、受けてみるがいい。
滅多に見れぬ、じじいの本気だ。
[紡ぐ声音はごく軽い。
けれど、そこにあるのは狂気と熱の昂ぶり。
応ずるように、周囲の蒼桜が動きを速め、舞う]
……
月に狂い闇に酔い、紅散らして繚乱せよ。
[言霊に応じ、花弁は仄かな光を放つ。
全身に雷撃を纏いし者に触れたならば、如何な魔神もただではすまぬ。
ましてそれが、己が最上と見なす武神の眷属たるものであれば──尚の事。
蒼き桜の舞に託すは、その衝撃を逸らす事──では、あるのだが]
……喰い破るを望むのであれば。
如何な障害も、共に斬り裂き、喰らうまで。
『闇桜の魔』、蒼月。
……蒼桜乱舞、いざ参る!
[宣と共に、魔が駆ける。
間合い踏み込み、放つは横薙ぎ一の太刀。
衝撃を受けようとも厭う事無く右へと一気に振り抜いて。
振り抜いた太刀は後ろから下へと回し、同時、その場で身を屈め。
勢いつけて跳ね上がりつつ、放つは下からの斜め斬撃二の太刀。
次いで、振り上げし太刀を返し、金色の左の肩を狙い斬り下ろす三の太刀へと間髪入れずに繋げて行く]
[避けられるならば踏み込んで追い、弾かれようとも気迫と共に引き戻しつつ食らいつく。
その一挙一動に添うて舞いしは、蒼き月闇桜。
護りも兼ねるそれを持ってしても、金色の雷撃の与える衝撃の全てを打ち消すは叶わぬ事。
それでも、闇桜は止まる事はせず。
三の太刀返した後、最後の一太刀──四の太刀を刻むべく、呼吸を整える。*]
/*
しかし、なんだ。
勝っても負けても、終わった後にぶん殴られる気満々だな、うん……!
…………自きゃらに落ちつけ、と突っ込みたくなったのは久しぶりであるな、うむ。
良いわよ、好きにやんなさい。
…私も好きにやるわ。
[紡いだのは先とは逆の意を乗せたもの。
次いで、何かを思いついたかのような声。
ゆらりと、己が身に流れ込み溜め込んだ熱を、誰かさんの首根っこを掴むように意識で握り込んだ*]
溜めきれないなら吐き出せば良いのよ。
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