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画家 マリエッタは、記憶喪失 シェイ を投票先に選びました。
画家 マリエッタは、画家 マリエッタ を投票先に選びました。
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マリーってお嬢様よね、きっと。
街中に一人暮らししてて、仕事してる風でもないのに生活には困ってなくて、堅い仕事してる兄が居て。
[顔を見れば知り合いだと分かり、ホッと表情を緩める。]
いや、別にいいけど、寒くない?
中、入る?
[そう声を掛けてみたところ、相手は縄に引っかかって転けた。というかなんで縄?]
シュテラ、大丈夫?
というかなんでこんなことに???
[縄を解きながらそう問いかけ、彼女が無事だと分かれば家へとあげただろう。]
[にこりと微笑む彼女に口を指で塞がれたと思ったらすぐ後、綺麗なピンクが近づいたと思うとふわりと香るかのじょの香り。目の前いっぱいに広がる手放したくない人の姿、そんな彼女がたまらなく愛おしく…触れるだけのそれを深く、彼女を抱きしめる腕に力を込める]
…………ん……
[そっと触れただけの唇。そのまま強く抱き締められれば、自らも離れたくないとその身体を寄せる。甘い香りと大好きな温かさに包まれて、自らの頬が熱を持つのが分かる。心臓の音が伝わってしまいそう、と思った途端、唇はまたその熱を上げる。
おでこをくっ付けたまま、そっと唇を離せば、限りなく近い場所に大好きな人は居て。それは夢でも幻でもなくて、手の届くものであることが、またその小さな胸を締め付けた。]
……このまま時間が止まればいいのに、ね…?
[そう呟き、笑う。]
「時が止まればいいのに」
[彼女の放った言葉が胸に刺さる
それは2人の共通の願い、とてもとても素敵な…願い
でもそれが叶わないことくらい、もうとっくにわかっている。自分も彼女もそんな夢物語を追いかけるほど子供ではない
…はずなのだ]
そうだな、このまま止まって…マリーとずっと一緒にいれたらいいのに
[そう願わずにいられない、終わりの時は…刻々と近づくのだろう]
私、ずっとカレルの傍に居る……
だって、今までもそうだったもん。
これからもずっと、そう……
[だからそんな顔しないで、と笑おうとすれば笑顔が歪む。幸せなのに苦しいなんて。こんな感情があるなんて、知らなかった。]
ねぇ、カレル。
私、カレルのお嫁さんになりたい。
[小さい子どものお願いのように、ニッと笑ってそう言う。昔から見てきた彼がこんなに切ない表情をするなんて知らなかった。これからもっともっと知っていくのに。]
大丈夫、明日も明後日も、
次の春も次の冬も来るよ。
………来る、絶対。
[天使の力も神の力には抗えない、そう言ったのは誰だったか。終わりが見えない怖さが心を侵食してゆく。]
謝らなくていいよ。おっさんは元気だ。気にしなくていい。
[うなだれて謝罪の言葉を紡ぐ彼女に優しく声をかける。]
うん?大きめの板チョコ…?おそらくあるが…。
あと、なんだって?うーん、ちょっとわからん!マリエちゃんも一緒に探してくれ!
[そう言えば、先ほど探していた棚を探し始める。彼女が手伝ってくれたなら、あまり時間もかからず、目当ての物を見つけることができるだろう。
ラッピングは、この時期、チョコと同じく何故かバカ売れするので種類は豊富だ。おそらく、彼女の希望に沿うものを準備することが可能だ。]
えっと……これと、これ……
あと、これ………
このくらいの大きさの板チョコ!!
すごくいい!!
[店主と共に棚を探せば目当てのものは程なく見つかった。最後はラッピング。時間をかけてあれでもないこれでもないと悩んだ結果、一つを決めて、ニコリと笑う。]
テオさん、本当にありがとう。
お金、これで足りる?
[おそらく十分に足りる金額を出したことだろう。そうして、店の店主にお礼を言った。]
── 回想 ──
[気付いたのはいつだっただろう。覚えているのは絵筆を持って、何を描こうか街中をウロウロしていた時。池の傍の芝生を通りかかった時にそれは頭の上に飛んできた。]
───ぺちゃり。
……つべ……たい…………
[頭の上に柔らかいものが落ちてきたと思えば、顔を水分が伝う。それは、甘くてべたりとしていた。と、駆け寄ってきたのは金糸の少年。少年は慌てた様子で私の髪を拭いて頭を下げる。
私の頭に飛んできたのはプラムだった。彼はここでジャグリングの練習をしていたらしい。]
見せて!見たい!
[ベタベタの髪を気にする彼をそっちのけに、私はその芸に見せろと求め、それに魅了された。今から思えばまだたどたとしく、お世辞にも上手とは言えない出来だったけれど。それでも幼い私の目には魔法のように映り、拍手を送り、その姿をスケッチした。私のスケッチもまた、褒められた出来ではなかった。
それから私のスケッチブックには、金糸の少年の成長が描かれる。腕を上げ、暖かくなれば街を離れるようになる。冬が苦手で秋には旅を終えて帰ってきて、家に引きこもることを知ったのもプラムの出来事からそう遠くない未来。
私の画材と作品が増えると共に、彼の技の数と出て行く日数も増えていった。そう、それはその手を取り合う何年か前の話。]
[彼女が楽しそうに商品を選ぶのを眺める。どの客も、商品をあれでもないこれでもないと選ぶ時間は本当に幸せそうで、その時間を自分が提供できることが非常に嬉しかった。]
いいのは見つかったかい?ふむ、ならよかった。
[満足そうな彼女を見て微笑む。代金をもらえば御礼の言葉を伝えて。]
頑張ってな。おっさん応援してるぞ。
ところで、チョコレートをどうしてもあげたい人が誰なのかは、おっさんには教えてくれないのかい?
[少し気になったので尋ねてみる。親心だ親心。しかし、教えられないのならば、それは仕方ない、とすぐに身を引くだろう。]
テオさん、にだけ、だよ?
[そう言って、照れながら店主の耳元に口を寄せて告げたのは旅芸人の幼馴染の名前。]
── その夜 ──
出来た!
[予定とは随分と狂ってしまったけれど。雑貨屋で買ってきたチョコレートにチョコペンで絵を描く作業は思っていたよりも時間が掛かった。そして、雑貨屋で買ってきたラッピングを広げれば、出来上がったチョコレートを包んでゆく。
ペンを動かしながら浮かべていたのはあの笑顔。幸せであって欲しいと願ったその人。]
わぁ、真っ暗になっちゃった……
………さむっ…
[振袖の日の余韻でほんの少しだけお洒落をする。雪の中にふんわりと広がる翡翠色のスカート。朝から降っている雪は静かに街を白く塗り潰してゆく。]
早くしなきゃあ……
[大事そうに箱を抱えて、ブーツで雪を踏みしめながら歩いてゆく。]
そうか!それは、うん、お似合いだなあ。
ほお、マリエちゃんとカレルくんがなあ。うんうん、いいなあ。
[うん、うん、と何度も頷きながらその表情は満面の笑み。]
いやー、頑張ってな!二人が幸せになるのをおっさん全力で応援してるよ!
[上機嫌のまま、彼女を店の扉の前まで見送る。年に似合わず、頭上でぶんぶんと大きく手を振り見送ることだろう。それほどまでに嬉しかったのだ*]
── その日の真夜中 ──
──カタン。
[その音がその家の持ち主の耳に届いたのは日が変わる頃だろうか。
もし、明日を迎えられれば扉の先には鼻先を真っ赤にした女がニコリと微笑んでいたことだろう。
もし、明日を迎えられなければ扉の先には可愛らしくラッピングされた一つの箱が置いてあるだろう。
中身は大きな板チョコに色とりどりのチョコペンで描かれた、桜の下にいる旅芸人と画家の絵。そして小さなメッセージ。]
── 大好きなカレルへ ──
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