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[士官学校に入学する際。
校内には持ち込めないからと、帝国と公国それぞれに仕えていた兄たちに、太刀・竜爪と小太刀・虎牙をそれぞれ預けた。
教官として士官学校にとどまっている今も、それらは兄たちの手元に預けたままだった。
だが、もし戦争が始まり士官学校がなくなることになれば、その二振りの刀は兄たちから自分へ返されるだろう。
兄たちも自分も子供を作れない体質だから、養子でも貰わない限りはそれを譲る相手もない。
どうせ譲る子供は作れないのだ。
ならば、己にとって子供のような存在である生徒たちの中でも、一番親しくした愛弟子に譲ろう――と。
その数ヵ月後に、その刀が兄たちの形見として、兄たちの命を奪った凶器として、手元に帰ってくる事になるとは思わずに]
― ???・本国へ護送途中 ―
なるほど。そういう事になってるのか。
ま、たしかに。自分たちから「よくも大公と王太子暗殺したなー」って戦争吹っかけておきながら、いまさら「あれ間違いでしたすいません」なんていえねーよな。
[両手を拘束され、鉄格子で囲まれた馬車で護送されながら。自分の罪状>>5を伝え聞けば、クッと笑いを零した]
『笑い事じゃないよ、もうっ! 何でバレちゃったのさ』
[すぐ隣の鉄格子に入れられている、ニコラスが文句を言うが。それは聞き流した]
『だいたい、キミの技量ならこれくらいの手錠も檻も、簡単に出られるだろ。なんでおとなしくつかまってるんだい』
ま、犯した罪は罪だしー。仕方ないだろ。
[ニコラスの言うとおり、逃げようと思えばいつだって逃げられる。
けれど、逃げてどうなるというのか。
己の望みである『平穏なシュヴァルベ』をいつかトールやほかの誰かが再建したとしても、そこに自分の居場所はないというのに]
…………ほんと、どうしてこうなったかな。
[鉄格子に凭れ掛かりながら。
妙に落ち着いた――けれど、どこか空虚な気分で――遠く離れていく、シュヴァルベの荒地を眺めた。
逮捕され護送されていくことそのものには不満はない。
むしろあれだけの暗殺と殺人を行った自分が、今まで逮捕される事がなかったほうが不思議なくらいだ。
戦争の先に何を望むか。その問いへのトール答え>>2:522>>2:524を聞いて、心が動かされたのは。
クレメンスに従うことをやめ、全ての罪を白状し認めて裁かれる事を選んだのは。
それ以前にカサンドラと話をしていた中で、自分自身の『掲げていた理想』と『本当の望み』との違いに、気付いてしまっていたからだ。
[クレメンスに協力して『シュヴァルベの再建』を成したとしても、そこに自分の居場所はなかった。
最初から、目的を果たしたその時には自らの犯した暗殺の罪を償う為に、クレメンスの罪の証拠も抱えて自首するつもりだったから。
自分の居場所が無くても構わないと思っていた。
自分が子供のように思っている教え子たちが、再建されたシュヴァルベで平穏を取り戻すことができれば、それだけでいいと。
けれど。本当は、自分自身があの頃のシュヴァルベに帰りたかったのだ。
理想として掲げていた『シュヴァルベの再建』が叶ったとしても、その本当の望みは叶わなかった。
ずっと、そのことに気付かずにいた。
否、気付いてしまえば身動きが取れなくなるから、気付かないようにしていたのだ]
[クレメンスとニコラスから聞かされた、シュヴァルベの再建という理想。
それが戦争を引き起こした後に改めて作り出すものだと聞いたとき、一瞬躊躇した。
躊躇ったまま、クレメンスに手を貸すことをしなければ、自らの理想そのものだったシュヴァルベを、あれほどに破壊せずに済んでいたのに。
なぜ、自分は道を誤ったのか。
今更気付いても、今更悩んでも、もう遅いけれど]
― ??? ―
[それから、どれだけの時間を経て、何があっただろう。
あれだけの大事件だ。再調査や裁判などは、かなり時間が掛かったはず。
処刑されるその日まで、取り調べや裁判などで呼び出される以外は手枷を嵌められ牢獄に入れられていたから、その内に時間の感覚は薄れていき。
自分が処刑されたのが、何年の何月のことだったかも覚えていない]
――きゅっきゅっぷぅ…
――にゃ、にゃあにゃあ。
[どこか遠くで、懐かしいもふたちの声が聞こえた気がして。
途切れていた意識が浮上し、その声の聞こえた方へと、そっと手を伸ばした**]
[ぼう、っとした意識のまま。うっすらと目を開く。
緑の景色。
懐かしい、学校の中庭の風景。
ああ、また夢を見ているんだな――と。そう思った。
夜毎見る、懐かしい夢。その後に必ず訪れる、血塗られた夢。
けれど――]
ラヴィ…スノウ……?
[手を伸ばした先。
ふわりとした感触を撫でながら、そちらへ視線を向ける。
視界に入ったのは、ふわふわとした懐かしい2匹。
そして――教官時代に着ていた東方の衣服ではなく、軍服を纏った自分の腕]
――………?
[おやつちょーだい、とねだるような2匹の仕草を眺め撫でながら。
まだはっきりとしない意識で懐を探れば、当然のように出てくるモフ用おやつ袋。
身を起こし、そこから出した、レタスやチーズを与えながら。改めて周囲を見回す]
………シェルティに、ウェルシュにカーク?
[懐かしい顔ぶれ。
その服装が違えば、士官学校の生徒だった頃の彼らがお茶会の準備でもしている景色の夢なのかとも考えただろうが。
彼らの服装は、教官時代に見ていたものとは違って]
―−ここは、どこ…だ?
オレは…死んだ、んだろうけど。
[手枷を嵌められたまま、処刑台へ上ったことは覚えているから。彼らを眺め、もふーずの懐かしい感触を堪能しながら、そう零した**]
― 処刑前のある夜 ―
――…………ッ!!
[牢獄の凶悪犯用独房の中。
いつもと同じ――懐かしい思い出と、血の海と屍の山の――夢を見て。
脂汗に塗れて目を覚ました。
夢の中で感じるリアルな血の匂いと人を断ち斬る感触のためか、寝起き直後は瞳が血の色をしているが。それはすぐに本来の赤銅へと戻った]
――…………くそ。
[汗で額に貼り付く髪を、枷と鎖をつけられたままの手でかきあげる。
投獄されてから、どれだけの月日が経ったのだろう。
戦争はどうなったのか。勝者はどちらか。
――シュヴァルベの再建は、成ったのか。
早々に取り調べが終わった後は、面会も呼び出しもなく。
それらの情報は何も知らない]
[否。知りたいと思えば、いつでも知るすべはあった。
幼い頃に叩き込まれた様々な技術の中には、投獄されている者を脱獄させるための術や、敵陣営の諜報員に万一捕らえられた場合の縄抜け、手錠や手枷などを外すものもあったから。
牢の外の情報が欲しければ、独房から抜け出して調べることもできた。
だが、調べる気が起きなかった。
教え子たち――特に、刀と犬たちを託したカレル――がどうなったのか。
皆、生きているのか死んでいるのか。
あれほど願った、シュヴァルベの再建は叶ったのか。
それらが気にならない筈がないけれど。
――皆があの戦で死んでいたら。
――シュヴァルベの再建は成らず荒野ばかりが広がっていたら。
と。
それを考えれば、怖くて。調べることなどできなかった]
[病気にさせない程度に清められた――処刑前に病死などはさせたくないらしい――固いだけの寝台に座り、壁にもたれ掛かる。
目を閉じれば、思い出すのは平穏な頃のシュヴァルベと、じわじわと剣呑な雰囲気になっていく過程のシュヴァルベ、そして――戦で破壊し尽くされたシュヴァルベの景色。
皇帝亡き後だんだん緊迫していくシュヴァルベを、みていたくなかった。
だから、平穏な頃のシュヴァルベを作り直すという言葉に唆され、クレメンスに手を貸してしまった。
あのとき。
ほんとうは、戦争を回避して平穏を取り戻すためにこそ、尽力すべきだったのだと――考える時間だけは無駄にあるいまなら、よくわかる。
生徒たちを教え導くための仕事をしていたというのに。
己は、なんと浅はかだったのだろう]
[頭を振って、思考を散らす。
通常の犯罪者と違い、更正のための労働や作業などはあたえられず。
ただ、牢の壁際に繋ぎ止められたままでひとり放置されていれば、ついマイナス思考へと走ってしまいがちで。
ため息をこぼし立ち上がると。鎖が届く範囲で、腕立て伏せやスクワットなどで体を動かす。
独房の中でも体を鍛えようとする姿を見た看守から疑いの視線を向けられても、かまわずに。
時折くる面会の申し出は、どうせ『脱獄させてやるから自分のために働け』などというバカ貴族ばかりだろうからと、すべて無視して。
ただ、処刑される日を待ち続けていた。
自己嫌悪ばかりの時間が終わる、その時を――]
― ??? ―
[3人はこちらに気づいていただろうか。
もふたちを抱え上げて、無意識に3人に歩み寄ろうとして……けれど、その足を前に出すことはできなかった]
――……。
[彼らも、この戦がなければ、死ぬことはなかったのだ。
彼らの死の原因となる戦争の引き金を引いた自分に、彼らに混ざる権利などないだろう、と]
― 処刑台へ向かう道のり ―
[目隠しをされ、手枷についた鎖を引かれ、処刑台へと歩く。
絞首刑になるのか、斬首刑になるのか。それとも、鋸挽きや、磔にして火炙りなど、苦痛を長引かせる種類の処刑方法になるか。それさえも知らされないままに]
――ああ……ようやく、死ねる。
[口にはしないが、そんな思いがあった。これで、あの夢と余計な事を考える日々から解放されるのだ、と]
――兄貴たちは、怒るだろうけれど……
[親子ほどではないにしても、年の離れた弟を。兄たちは実の子のように可愛がってくれた。
母の記憶は、自分を庇って死んだ時の光景しか残っていない。父には厳しく様々な技を仕込まれるばかりで、可愛がられた記憶はなく。
幼い頃の自分を可愛がってくれたのは、3人の兄たちだけだった。
血腥い世界から遠ざけようとした弟が、その世界に足を踏み入れた末に命を落とす事を、哀しみ怒るだろう――と。そう思ったところで]
――ああ、そうか。
[先に逝った兄たちの事を思い返して。ようやく、自分が軽々とクレメンスに乗せられた理由がわかった]
[兄たちにとっては簡単な部類の仕事――とある貴族の主催する夜会に臨席する大公の護衛――に雇われ、たおやかな貴婦人を装った刺客に惑わされ、大公を庇って命を落とした長兄。
帝国と公国、それぞれに仕えた双子の次兄たちは。
それぞれの君主ではないとしても、国を支える大貴族たちの思惑によるものだろう、暗殺や破壊工作を繰り返し。
その果てに、クレメンスを暗殺しようとした帝国側の兄が、クレメンスを護衛していた公国側の兄と相討ちになって果てた。
――任務の中での死は、誰のせいでもない。
――ただそれぞれの技量が足りなかったからだ。
――誰を恨むようなものでもない。恨むなら、力量の足りなかった死んだ本人を恨め。
そう、幼い頃に教え込まれていたから、ずっと自分の心の奥底に眠っていたそれに気付く事ができなかった。
自分は、兄たちを奪った帝国と公国、どちらも憎んでいたのだ。
だからどちらも壊したかった。
そしてその2国の跡に、新しいシュヴァルベを作りたかった]
[帝国にも公国にも、どちらにも可愛い教え子たちがいる。
彼らの中には、兄たちの死に関わる貴族の関係者がいたかもしれない。
だから――兄たちの死で、教え子たちを恨みたくなかったから――ずっと心の奥底に、無意識に封印していたのだ。
兄たちの復讐を――という、その思いを。]
[平穏なシュヴァルベに帰り、教え子たちに囲まれ、もふたちを愛でる暮らしを送ること。
兄たちの復讐として、帝国と公国を破壊すること。
どちらかをかなえようとすれば、もう片方はかなわなくなる。
そんな相反する望みが、己の中にあったのだ]
[クレメンスの言葉に乗って、大公――長兄が命を落とす原因となった人物――を暗殺した。
大公その他もろもろの暗殺の主犯という証拠を抱え、いつか己が自自首する時には、クレメンスを――次兄たちが命を落とす原因となったタヌキを――巻き添えにする。
そして、帝国と公国の戦争が勃発し、互いに互いを壊しあう。
……もう、その時点でほぼ兄たちの復讐は成っていたから。
己の心に潜んでいた、その望みに気付く必要がなかった。
ただ、シュヴァルベの再建だけはしたかった。
あそこは、己の人生の大半を過ごした、幸せな世界だったから。
だから、それに執着して――執着しすぎて、カサンドラと言葉を交わすまで、己のもうひとつの願いに気付けなかった]
[自らが引き起こした戦争が、その後どうなっていったのか。
あれほどに求めた、平穏なシュヴァルベが叶ったかどうか。
結局、死んだ後も何一つしらないままだったけれど。
――平穏なシュヴァルベに帰るという願いは、自らの手で壊してしまったが。
――兄たちの復讐という、もうひとつの望みは叶えていた事に。死の間際に気付いたから。
死が訪れるその時には、処刑されるとは思えないほどに安らかな表情が浮かんでいた――]
― ??? ―
――ッ。
[3人を見ていたところに、掛けられた声>>+29。
不思議そうな様子に、どう反応すべきかと迷った]
…………いや。
ひさしぶり、だな。
[彼らの中に混じる資格は、自分の中にはない。
そうわかっていても。
一方的に彼らのその後の事を知ってはいたが、ずっと会っていなかった顔ぶれだ。その顔を見れば、とても懐かしくて。
ずっと求めていた、あの穏やかな日々とよく似た景色の中で。また彼らに会えた事が、こんな状況でもやっぱり嬉しくて。
不思議そうにしているラヴィとスノウを撫でながら。
おそるおそる、堪えていた一歩を踏み出した]
ここにいるのは……おまえらだけ、か?
[何やらざわざわとした気配は感じるが、辺りに他の人間の姿は見当たらなくて。
おそるおそる歩み寄りながら、そう尋ねた。
6年前のダンパで踊ったシェットラントや、菓子の腕前に尊敬の念すら抱いていたカーク、たまに生徒会の面々に紛れ込んで美味しいコーヒーや紅茶を淹れてもらったステファン。
教え子たちの中でも特に親しくしていた部類の面々は、まだこの3人しか死んではいないのだろうか。
それとも――ほかの面々は、ココとは違うドコカにいるのだろうか。
拠点から本国へと送られ、調査や裁判を経て処刑をされた男には。
目の前にいる3人に聞こえている、己が死んだその日より遥かに以前の剣呑なやり取りは聞こえていなかった**]
― ??? ―
………ずっと意識がないままだった、って聞いてたけど。
いつの間にか、オマエもこっちに来るハメになってたんだな。
[瞠目しているステファン>>+34には、そう苦笑を浮かべた]
そうか。
……………他の建物に、誰もいなけりゃ良いけどな。
[少なくともこの中庭には――という返答>>+35には、息を吐いた。
ここに居なくとも、どこか他の似たような世界に、死んだ教え子たちが居るかもしれないけれど。
ここに来ていない者たちは、まだ生きている可能性もあるから。
周囲の建物を見回していれば。
閉校されるまでのほんの数年しか使用されなかった、「ねこうさぎすいーつかふぇ」の看板がついたままの施設――調理設備のある小さな小屋とそれに併設された屋根つきのテラス――もあっただろうか]
― 回想・猫ウサギスイーツカフェ ―
おおおおぉ! ついにできたかー!!
[もふもふと甘いものをどちらも堪能できるカフェ――というヒンメルの計画を聞いて、この男が乗らなかった訳がない。
学長の美少年趣味という弱みを握っていたので、当時学長のイチバンのお気に入りだったカシム少年を生贄にしたり。
ついでに、士官学校に出資している主な有力者の中から、奥さんに浮気がバレるとまずい婿養子のベーネミュンデ侯爵を脅したり、もふマニア仲間のリッテンハイム侯爵をもふもふ写真と猫うさぎスイーツカフェご招待券などで買収したり、学生時代の同室者だったニコラスを(ロリータ系女装趣味をネタに)無理矢理協力者に引きずり込んだり…と。
主に裏工作的な協力を惜しまなかった成果か、ヒンメルが卒業する前の短い期間でスイーツカフェ>>127>>164が完成した。
人間用のスイーツの他に、うさねこも食べられるオヤツ類も販売されていて。
いつの間にか校内に増えていた、ラヴィの子供たちと思われる仔うさぎたちも居つき、連日大盛況だったそのカフェには。
もちろん、この男も日参して、もふと糖分を十分に楽しんだものである]
[余談だが。
殆どの生徒は名前で呼ぶのに、ヒンメルをエルンストと呼ばなかったのは。
ヒンメルが入学した翌年に卒業した教え子の中に同じ名前の者が居たので区別する為に姓で呼んでいたのが、そのまま癖になったものである]
― ??? ―
ステファンの茶、か。本当に久しぶりだ。
[建物へと歩き出すステファンを、そんな言葉とともに見送って。
視線を、スイーツカフェへともどす]
……あっちに、何か無いかオレも見てくるか。
もふたちが他にもいるかもしれねーし。
[自分が原因の一端を担った戦争のせいで、死んでしまった教え子たち。
懐かしく思えども――彼らの傍にこれ以上居づらくて。
スノウとラヴィをその場に下ろし、もふ用おやつ袋の中身をいくつか置いて。
もふーずを撫でてから、懐かしの猫うさぎスイーツカフェへと足を向けた]
/*
そろそろ一人遊びのネタがなくなってきた。
というか。
ゆっくりじわじわ出す予定だったいろんな設定、2日目後半から一気にだーーーっと放出しすぎて、自分でもどこまで書いたかわからなくなtt
みんなかわいいなぁ。
かれるがいちばんかわいいけど。のほほん。
― ねこうさ喫茶跡 ―
ああ……あの頃のまま、だな。
[年季の入った他の施設とは違う、真新しい設備。
オープンしてから解雇されるまで、ほぼ毎日通っていた店。
準備を終えて客が訪れるのを待っているかのように、椅子やテーブルは綺麗にならんでいるが。
注文カウンターの横にある、各種スイーツが並べられていたショーケースは、空っぽで何も入っていなかった。
懐かしくて、そして寂しい心地になって。
それでも、何かないか――と。教官時代には一歩も入った事のなかった、調理設備があるだろう小屋の中へと足を踏み入れる]
[初めて訪れた厨房は、綺麗に片付けられていたが、何もないわけではない。
作業台の上にはまな板や包丁、ボウル、計量器具などの道具が整理された状態で残っていて。
受付カウンター近くには、ティーセットやコーヒーメーカーなども残っていた。
まるでスパイとして潜入したどこかの執務室で機密書類を探るかのように。
手際よくあちこちの引き出しや戸棚などを物色すれば、小麦粉に砂糖、ベーキングパウダーなどの材料のほかにも、紅茶やコーヒー、ココアなどもそろっていた]
………永久水晶まで残ってんのか。
[金属製の大きな戸棚を開けば。
その中には、各種果物や野菜、牛乳、ジャム、バターなどが、よく冷えた状態で入っていた]
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