情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
― 天龍滝 ―
[這い寄る海藻を吹っ飛ばした後は、周囲の様子に意識を向けていた]
……確か、『澱み』、と言ってましたか。
[天輪湖に発生した精霊力が抱えているというもの。
海龍を狂わせているもの。
改めて意識凝らしてたどれば、確かに異様な力が感じられる。
これを抑えることができれば、と。
過っていたのはそんな思考]
……シエル、力を貸して。
[呼びかけに、仔竜は首を傾げてぴぃ? と鳴く]
鎮めの術を編んでみる。
うまくいけば、あの龍の力を多少なりとも削げると思うから。
虹の煌き、集い来たれ。
虹かかる天空の力を一所に。
清らかなりし空の力を清めに転じ。
蟠りし澱みを払え……!
[詠唱に呼応するように、仔竜が羽ばたいて虹の色の光を散らす。
光はふわりと広がり、滝の周辺を包み込んだ。
光に触れた海龍はむずがるような動きを見せるものの。
調査隊の面々に対しては、癒しと護り、二つの力を与えていた。**]
/*
いやあ、もう…………トラブルが続きすぎて、ね……。
ちゃんと寝ないと色々がもたないのですよ、ねぇ……とほり。
― 天龍滝 ―
なんというか……とんでもないですねぇ……。
[蜘蛛と海龍の動きに、零れたのはこんな呟き。
ナハティガルにこもっていたら絶対にお目にかかれなかったであろう光景に、ついつい見入ってしまったのは已む無しとしてほしい所で。
思わず息をつめて見守っていたのだが]
『アールー。
終わったっぽいよー』
[鏡の精霊の突っ込みにはた、と我に返れば勝ち名乗りを上げるが如き蜘蛛の姿。>>119
数度、瞬いた]
……とりあえず、動きは止められたようですが。
[地に伏した海龍の様子を見つつ。
まずは、紅流す蜘蛛へと向けて、周囲に漂う虹色の光を向ける。
そうすることで、癒しの力を集中するために。*]
― 天龍滝 ―
[ありがとねー、という言葉>>130は鏡の精霊には届くもの。
それには『どういたしましてー』と呑気な声が返ったとか]
『虚無』の欠片……ですか。
[呟きと共に、恐らくは思う所あるであろう元教え子にちらりと視線が向いた。
ともあれ、今は姫と海龍のやり取りに耳を傾けて]
確かに、これは放置できない問題……ですね。
[小さな呟きに、鏡の精霊がだよねー、と同意する。
海龍が近づいて来たのは、その直後で]
おや、どうかなさいましたか?
『……あなたは……精霊師?』
ええ、そうですが。
『……なれば、これを。
私の……東海龍王の眷属たるものの鱗です』
[言いつつ、差し出されたのは瑠璃色の鱗が一枚]
……え? あなたの……鱗?
[突然の事に戸惑いつつ、差し出された瑠璃色を見つめる]
『この鱗を依り代に、『虚無』の力を集めるとよいかと。
『虚無』と憑かれたものが如何様な状態になっているかはわかりませんが……これであれば、手にした者を守りつつ、『虚無』の力を集める事が叶うかと』
[静かになされた説明に、瞬き一つ。
言われた事は理解できるし、おそらくは一部の術の術式を組み替えれば望む効果を発揮する事はできるだろう、という予測もある。
懸念事項もなくはないが、今はそこは飲み込んで]
わかりました、使わせていただきます。
[いずれにしても、やらなければならぬ事で。
そのための助力を拒む必要性などどこにもない。
鏡の精霊が物凄く何か言いたげな雰囲気を出していたが、そこは無視した。*]
……神代級、と言われた時点で予想はしてましたが。
本当に関わりがある、と言われると、なんともいえませんねぇ……。
[休息の最中、相棒にこちらの状況を伝えておく。
返ってきたのはどこか遠くを見ていそうな響きのそうだな、という声]
とはいえ、放置はできませんし……やれるだけ、やってきますよ。
『ああ……そうだな。
だが、アル。これだけは言っておく』
……はい?
『……無理は、するなよ』
― 天輪湖 ―
[休息を経ての移動は、風龍峡の入り口まで使った低空飛行の術をアレンジして乗り切った。
そうして、たどり着いたのは山頂の湖で]
……あれが……ですか。
[湖上に渦巻く鈍色の影。
確かに、そこからは先にも感じた『澱み』――『虚無』の気配が感じられる。
なるほど、これは厄介そうな、と思った直後、傍らの仔竜がぴぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!と悲鳴のような鳴き声を上げた]
……シエル!?
[突然の事に戸惑う間もなく、天龍の声がそれに重なる。
とはいえ、そちらを見ている余裕はなくて]
『ある、ある』
『たすけないと、たすけないと』
[ぴぃぴぃという仔竜の訴えが、意識に言葉を結ぶ]
助けないとって……何を、ですか?
『あれ』
『わからないけど、ないてるの』
『だから……』
[助けないと、と訴える仔竜の様子に戸惑いつつ、鈍色の影を見やれば千切れた部分が妖魔と転じる所で]
わっ、と!?
[ぴぃぴぃと鳴く仔竜にひかれたのか、その内一体がこちらに向かってきた。
突然の事に戸惑いつつ、とっさに形を成さない魔力をそのまま叩きつけると、鈍色の妖魔は、同じ色の結晶体を残して消え去った]
……これ、は……。
[ふよふよと目の前を漂う結晶から感じるのは、ひと際強い『虚無』の気配]
これが、『虚無』の欠片……。
[妖魔を倒して現れた、という事は、おそらくはこれがコアになっているのだろう。
という事は、あの妖魔たちを倒し、かつ、この結晶を回収すれば『虚無』の力を集める事ができるのだ、と。
理解がそこに落ちるのは早かった]
……皆さん、あの妖魔を倒してください!
ただし、現れる結晶には触れないように、それはこちらで回収します!
[先に託された鱗を握りしめて宣言する。
その傍らでは、虹の仔竜が鈍色の渦をじぃ、と見つめていた。*]
― 天輪湖 ―
……モーント、シエル、合わせて。
[鈍色の影を睨むように見つつ、鏡の精霊と仔竜に告げる。
精霊ははーい、と口調は軽く、仔竜はぴぃ、と不安げな響きを伴って返してきた]
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろより我らを守る、護りの力。
綾なし、織り上げ、衣となせ!
[紡ぐのは恒例となりつつある護りの術。
物理的な守護と癒し、それから、精神的な攻撃への体制を僅かながら上げるもの]
……警戒は、しておくべきですからね。
[ぽつり、呟いた後。
ふわり、傍らに姿を具象した鏡の精霊を振り返る]
モーント、欠片の回収は頼むよ。
『はぁいはい。
あー、ぼくってば貧乏くじー』
言わないの。
[やや大げさな嘆きを一言で切り捨てつつ。
意識の内では、次に打つ手を如何にするかの思考が廻る。**]
― 天輪湖 ―
[鈍色の妖魔と戦う面々の間をすり抜けて舞う金糸雀色の光。
呼びかける青年>>214には、おたがいさまー、なんて軽い声をかけながら、結晶体を集めていたのだが]
『……ぇー、なんでこっちくるかなぁ』
[飛び回っているのが目立ったのか、それとも結晶体を集めているからか。
目の前に現れたのは、鈍色の梟三羽]
『あー……もう、仕方ない、なあ!』
[しなやかに舞う金糸雀色の鞭は梟たちを打ち据え、宿した光の力を持って弾けさせる。
後に残った結晶は、そのまま回収した]
『しっかし、おっもいなぁ……なんで、こんなのでてきちゃったんだか』
[ぼやくような呟きを落とした後、精霊はまたふわりと飛び回る。*]
― 天輪湖 ―
[鏡の精霊の集めた結晶体は、虹の仔竜の力を編んで作った籠へと溜まっていく。
それがある程度集まると、は、と一つ息を吐いた]
さて、面倒なのはここから、と。
[小さく呟いた後、力を集中させる。
応じるように虹の仔竜が一つ羽ばたき、煌きを散らした]
虹の煌き、天の輝き、我が元へ集え。
古きもの、神代の澱み。
ひとつに束ね、虹の内へと眠らせん……!
[紡がれる詠唱に応じて、籠の中の結晶体が中に入っていた海龍の鱗を核に一つになる。
あとはこれを媒介に、渦の中の『虚無』の力を一気に引き寄せれば、と。
そんな思考を遮るように、くぉぉぉぉぉぉ、という咆哮が響いた]
なっ……!
[咆哮の源は、鈍色の渦。
それはぐるぐると回転した後、唐突に弾け、形を変えた]
あれは…………龍?
[零れ落ちたのはこんな呟き。
鈍色の渦は、鈍色の龍――それも、姫の相棒たる天龍とよく似た形をしていた]
え、ちょっと待って……これ、どうなってるんですか!?
[思わず上げた疑問への答えは]
『ぁー……あれ、残留思念っぽいね』
[すぐ近くからもたらされた]
モーント? どういうこと?
『どういうも何も、言葉の通り。
あれ、この地に束縛された残留思念だよ……恐らくは天龍の』
それって、もしかしなくても……。
[言いつつ、視線は傍らの仔竜へ。
虹の仔竜はどこか不安げに翼を動かしていた]
『恐らくねー。
とにかく、残留思念と『虚無』の欠片が結びついたのがアレで。
……思念を鎮めないと、欠片の全回収は無理じゃないかなぁ』
あー……ありそう。
[そうなると、次になすべきは一つだけ。
そこに思い至ると、ぽふぽふ、と傍らの仔竜を撫でた]
……皆さん、『虚無』の欠片を回収する準備は整いました!
けど、その鈍色の龍を鎮めなければ、最後の回収が叶いません。
だから……。
[ここで一度、言葉を切って]
……鎮めて……救ってください!
[たすけないと、と訴えていた仔竜の想い。
それに答えるのが、一番いい選択肢だと思えたから。
その言葉は、ごく自然に口をついていた。*]
― 天輪湖 ―
[向けた願いに対し、返るのは迷いの消えた声。>>260
それに目を細めつつ、仔竜の頭をぽふり、と撫でた]
……ぼくらも、負けてられないよ、シエル。
鎮めるために、たすけるために。
ぼくらのやれる事を、ちゃんとやらなきゃ。
[静かな言葉に仔竜はぴぃ、と鳴いてこくりと頷く。
それに、うん、と頷いて。
最初になすのは、先にかけた術>>170の強化。**]
― 天輪湖 ―
[言霊が紡がれ、白銀が高く鳴く。>>286
それに応じるように、仔竜が翼を広げてぴぃぃぃぃ、と鳴いた]
……届けてください。
シエルの……ぼくらの、想いを……!
[仔竜の鳴き声と共に生じた虹色の光がふわりと飛んで、突っ込んでいく一対にふわりとまといつく。
それは、挑みかかる兄弟に託す想いの煌き。*]
― 天輪湖 ―
[風まとい翔けた一対が鈍色の龍へと一撃を突き立てる。
その瞬間に知れた事は知る由ないものの]
…………。
[天龍に沿うように、ぴぃぴぃと鳴く仔竜の声。
しあわせだよ、と伝えるそれに、ふ、と息を吐いた]
……そっか。
[遠い異郷の地で生まれて生きる事が虹の仔竜にとって幸いと言えるのかどうか。
心の隅に抱えていた疑問がふっと溶けていく。
やがて、鈍色の龍は解けるように消えてゆき――]
……さて。
まだまだ、仕事は終わってませんね……!
[龍の形が消えた後には、濃い鈍色の靄のようなものが蟠る。
もう一つの浄化しなければならないもの、『虚無』の欠片]
皆さん、それから離れて!
モーント、シエル、やるよ!
[皆に退避を呼び掛けた後、力を集中する。
金糸雀色と虹のきらめきが、周囲にふわりと舞った。*]
― 天輪湖 ―
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろ、その力。
引き寄せ、捕らえ、一つに束ねよ。
[紡ぐ術に応じて、結晶体の収まった籠から金糸雀色の光の帯がしゅるりと伸びて蟠る鈍色に絡みつく。
それは結晶体の元へと最後の欠片を呼び寄せようとするが]
む……さすがに、抵抗しますかっ……!
[さすがにというか、一筋縄ではいかないようで。
引き寄せるのと抗うの攻防戦が繰り広げられた。
『虚無』の力に近しく接している事で乱される集中は、先に受け取ったお守りが保たせてくれているものの、これは辛いかも、と思った直後]
『ある、ある』
『シエルのちから、あげる』
[傍らの仔竜が唐突にこんな事を言い出して。
直後にるぅぅぅぁぁぁぁぁぁ! という声が響いた]
……え、
[それは半年前にも聞いたもの。
はっと傍らに視線を転じれば、そこには虹の虹彩を翼にまとわせた虹竜の姿があった]
シエル……?
[また急激に成長した? との疑問は短く]
……うん。
ありがとう、シエル。
……一緒に、やるよ!
[宣に上がるのはるぅあ、という嬉し気な鳴き声。
改めて力凝らせば、増幅された天の精霊力が『虚無』を捉える縛を強めて、結晶体へと引き寄せる。
やがて、最後に残った鈍色の靄は結晶体の内に取り込まれ。
そこに浮かび上がるのは、禍々しい雰囲気の結晶体、一つ]
……アイリ殿!
[浮かび上がったそれを虹竜の放つ天の精霊力でくるりと包み。
姫の方へと打ち上げた。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新