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[ 少女が狩人の背後から忍び寄り、一発で撃ち倒すのを見た。>>39
それで安心せずに仕留めにいく様子も、とても場慣れしているように感じられる。
そういえば、この図書館にはお手本となる物語もあったりするのだろうか。
ウェルシュ自身は説話などより、幻想的な詩に傾倒しているのだけれど。]
素晴らしい。
君はアサシンの素質があるね、アナベル・リイ。
そいつの血をお飲みよ、毒が中和されるから。
[ 拍手をしながら声を送る。*]
[ 狩人が起き上がって、少女が武器を取り落とし、二人が接近して、殺し合いに──ならなかった。
あまつさえ、狩人が見当違いの方向にボウガンを撃った意味を予測できなかったウェルシュは、不意打ちを食らうことになる。>>94]
── えっ
[ 急に角度を変えた矢に背を縫い止められて、衝撃によろめき、狼の背から転げ落ちた。*]
[ 少女は、昏倒した狩人に見向きもせず、ウェルシュの方へとやってきた。>>154
それがなんだか嬉しくて、笑顔になる。]
うん、いい提案だね。
抜いてしまってよ、アナベル・リイ。
[ 銀ではないから身体が灼けるようなことはないけれど、鎖付きの矢を撃ち込まれているなんて、犬みたいで気に食わない。*]
[ 打てば響くような反応で、少女はボウガンの矢を引き抜いた。
容赦無く肉がこそげたけど、吸血鬼の肉体再生力をもってすれば、いずれ跡形もなく癒えるはずだ。
なにしろ、今宵、この街は吸血鬼の力に覆われている。]
君は有能だな、アナベル・リイ。
ついでに、あの狩人を狼の背中に乗せるのを手伝ってよ。
城に連れ帰って、
[ もうひとつ、お願いを追加しておく。
狩人を縛り上げる縄は、狩人自身の血から作り出してしまおう。*]
[ 魅了の術が効いているのかいないのか、相変わらず吸血鬼にも平等に冷静な少女だと思った。
彼女が作業をするのを眺めながら、興を覚えてひとつ質問を投げてみる。]
人間の血を飲んだ感想はどうだい? アナベル・リイ。
*
謝るなんて、いい子だね。
何も問題はないよ、アナベル・リイ。
[ まだ人間なのに、血が美味しいとか言われても困り物だろう。
狩人の拘束が済めば、少女に声をかける。]
君も一緒においで。狼に乗せてあげる。
城についたら、その汚れてしまったワンピースの代わりに、黒いレースのドレスを着せよう。
着替えるときに、胸をよく見せてね。
[ 嬉々として計画を告げる。*]
うん、きっと素敵だ。アナベル・リイ。
[ 準備が整えば凱旋だ。
少女にも狼を一頭あてがい、その背に乗せる。
図書館の外では赤い霧がたちこめ、狂宴の余波にあてられた人間たちが互いを食らいあっている様子。
猿が人真似をするようようなものか。
優雅さもなく、たたただ騒々しい。]
[ 少女(と狩人)が霧の効果を受けてしまうかどうかはウェルシュにはわからない。
少女が人間たちの群れに帰ろうとするなら、そうさせておこうと思う。
偉大なる
ウェルシュ自身は城へ戻るのを優先したい。]
よし、行くよ。
[ 偵察コウモリを先触れに飛ばし、図書館を後にする。*]
― 城 ―
[ 到着してみたら、狩人がいなくなっていて、ひどく落胆した。]
せっかく、せっかく、
[ 動転しつつも、城までついてきた少女を狼の背からおろすべく、手を差し伸べる。]
君を
その前に、風呂を使うといい。
着替えはぼくが用意して持っていくよ。
ぼく以外の者には注意をすること。
たとえそれが、顔見知りだったとしてもだ。
[ そんな警告を与えて、温浴室へ案内する。**]
[ 少女は浴室に入っていく。
一緒に行ってあれこれ確認する手もあったけれど、洗われてきれいになった後にしよう。]
薔薇の香油を、酩酊するほどたっぷりお湯に入れてあげてね。
[ 影めいた雑用係に命じ、ウェルシュ自身は絢爛公の元へと向かった。**]
― 大広間 ―
[ 少女を浴室に送り届けた後、ウェルシュは4匹の狼と偵察コウモリを引き連れて、絢爛公に謁見を申し出た。]
狩人への報復の顛末をご報告したいのです。
*
>>273
[ 呼びかける声に伏しまろびつつ伺候する。]
ああ、我が
[ 尖った靴の爪先を掻き抱き、頬を摺り寄せた。]
お会いしたくて、こうして舞い戻ってきました。
お預かりした狼を減らしてしまったことはお許しください。
犠牲に充分見合う勲しがあったのですよ。
[ 熱に浮かされたように話し出す。*]
>>277
[ 絢爛公の足元にまとわりつくように膝を崩して侍り、亜麻色の髪を撫でられながら語る。
いかに自分が、恵まれた能力と絢爛公からの贈り物で狩人とその一味を追ったか。
闇の眷属に相応しく、策略と術をもって、手を汚すことなく狩人を召し取ったか。
ところどころ省かれたエピソードや言動もあったけれど、ウェルシュ視点では、そうなっているというだけのことで嘘はない。
かねてより幼く詩的でナルシシズムな性格であった。]
ぼくに魅了された少女もひとり、持ち帰ってきました。
気に入れば、お側に召してやってください。
[ もうお腹いっぱいかもしれないけれど、と無邪気に言上する。*]
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