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そうそう。戦気なんて言葉はありません。悪しからず。
殺気じゃないんだけどなんかこう戦うぜっていう気構えみたいな感じ?で作った造語………
───って思ったら宮本武蔵がなんか言ってた!
― 平原南 ―
[逡巡するカレルを黙って見つめていた。
急かすでもなく、静かに気を漲らせて待つ。
やがて、覚悟を決めた風の青年が剣を身体の前に構えた。
教えた通りの、いや。
若干変わっているのは、自分で練り上げたものか。
右手寄りに構えられた剣を見て、薄く笑う。]
[駆けてくる彼を、身構えもせず待つ。
視線だけは鋭く相手の動きを、切っ先を追っていた。
その視線が、途中でわずかに酷薄なものに変わる。
刃が肉を食む寸前、僅かに重心をずらして身体の位置を変えた。
衝撃と共に血が飛沫き、濡れた切っ先が背中側へ抜ける。
だが肉を断とうとも深手には至らないラインは見極めていた。
幾度も死線を潜った経験で、体得した感覚だ。
内蔵に至らない傷など、傷のうちにも入らない。]
お前―――
[刃を受けると同時、左腕を動かしていた。
盾の内側に招き入れるかのように彼の背へ手を伸ばす。]
殺す気がなかったな?
何故だ?
[筋肉を締めている今、剣は容易には抜けないだろう。
それこそ、強引にこちらの身体を蹴ってでも引き離さない限りは。
盾の作った閉鎖空間の中で、額突き合わせるほどに顔を寄せる。*]
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そういや我々30越してるけどまだ独身だな?
(腹心を見ながら
嫁取りしろってそろそろせっつかれる頃合いだな。
バルタんは諸事情あるからの独身だろうが。
― 平原南 ―
…なるほど。
[殺すために助けたのではない、という顔を覗きこむ。
意志の強い瞳は全く変わっていない。
母親が手を焼いていたのも道理だ。]
お前の決断は、千を殺す。
向こうで見ているお前の仲間を思うなら、
私をここで殺すべきだったな。
[盾の向こうで、息を呑んで成り行きを見守っているだろう義勇兵のことを口にする。]
───だがそれも良い。
お前が盗賊ではなく、戦士だったということだ。
[カレルが剣を引き抜こうとするのに合わせて、刃を食い締めていた力を抜く。]
それでも、次は殺す覚悟を持て。
卑怯だろうがなんだろうが、勝たねば無意味だ。
お前たちの王弟閣下もそう考えているだろう。
ゼファーの将を毒殺しようとしたらしいからな。
[笑いながら盾を開き、同時に右手を伸ばしてカレルの胸を突き飛ばす。
ずるりと剣が抜ける感触がした。]
じき日が暮れる。
まだやるというなら付き合うが、
[突き飛ばした拍子に、首元から金色のものが零れかけた。
ゼファーではまず見られない金細工の護符だ。
惰弱と奢侈を嫌うゼファーの民は、普通装飾品を身に着けない。
素早く元に戻されたから、見えたのは一瞬だろう。]
生き延びたことを喜ぶ時間も
あってもいいと思わないか?
[かすかに聞こえる高音は、鳥の声だろうか。さて。
いずれにせよ借りは返したと、運命の女神共の高笑いを聞きながら片頬を上げた。*]
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行ったきり戻らないなんて……って言ったのおまえだよなあ。
(バルタんを見ながら)
いや、美味しいよね。美味しい。
何がどう転んでも美味しいシチュエーション。
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あとフェリクスのお子様ネタにも忘れずに触れておかないと。
絶対可愛いやつ。
調練見に行くとかしたら、稽古つけろー!って槍振り回しながら突撃してくるやつ。
おい。
[聞こえてきたコエに、じとりと目が据わる。]
さっき、俺に偉そうなことを言ったのはどこの誰だ?
[無茶無謀は俺の専売だろう、とは言わなかったが。]
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おお。まだやるのかい?
セルウィン追悼タイムはいらないかい?
終わりが5d目安だと、3dくらいに一旦追悼&情報共有タイム欲しくないかい?
と思ったけれど、やるならやるともさ。
― 平原南 ―
仕方がないな。
[二人が離れた直後、兵がすぐさま近づいてきて、元首の腹に布を巻き止血する。
それを他人事のように受けながら、片手を上げて合図を送った。
足音が響き、陣形が組み代わる。
軽歩兵隊を中に囲い込み四方に盾を向けた、防御主体の方陣だった。]
飽きるか殲滅するまで付き合おう。
[自身は相変わらず角のひとつに陣取って、カレルと、王国兵たちに宣言した。*]
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あー。しかしこの超訓練された兵率いるの久しぶりだぁぁ。嬉しい。すぐ従ってくれるし混乱しないし武器がまちまちでもない…!
最近、地上戦というと、なんとかの民とか義勇兵とか学生主導のテロ集団とかそんなんばっかり率いていたから……!
いいよね。ほんと、いい。
お前な、
[だからといってノコノコ行くやつがあるか!と思ったが、それをコエに出すより先に神前試合の話がくる。]
……確かそうだったな。
あの顔なら女神にもモテるだろう。
酒席の侍童にするにはとうが立っているが。
しかし神前試合とは、…なかなかに不穏だな。
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ふふん。
そっちが夜通しのつもりなら、幕間は無いな。
この調子で最後まで一戦、というのも面白い。
………俺、ギィと会えるのかな。(そこ)
それで手を引くなら、俺はお前の背を蹴飛ばすがな。
[蹴り飛ばしてでも戦わせると軽口に応じ]
当然だ。
お前は俺の唯一なんだからな。
[ふふん、と胸を張る調子で答えた。]
― 平原南 ―
[ここで全方位への防御陣を敷いたのは、近づいてきているらしき相手の援軍の位置がまだ不明であることと、迂闊に動けばまた泥地に誘い込まれる危険を考慮してのことであった。
つまり、王国軍の作戦はゼファー軍の移動を封じたという意味で功を奏したと言っていい。]
だが、この陣が守備一辺倒と思ってもらっては困るな。
[唇を舐めて呟く元首の言葉通り、ゼファー兵は攻撃を捨てたわけではない。
互いに互いを護り合う盾は突き出される槍を弾き、号令と共に一歩前進して一斉に槍を突き出しては再び堅陣に戻る。たとえ斃れようとも、同胞のために盾を構えたままこと切れる。
矢と槍のみでこの陣を突き崩すのは数倍の兵力が必要かとも思わせた。*]
[向こうも同じ考えだったのならば、効率的で良いな、とは思う。
ただその場合は、己が出るべきだろう。相手が、おそらくは臨時とはいえ総司令なのだから。
だからこそ相手の、我が唯一無二への関心を警戒するのだが。]
───っ。
お前、時々妙に勘がいいな。
[負傷を言い当てられて思わずの言葉は、自白したも同然だった。*]
― 過去 ―
[幼い時分、年嵩の者らに絡まれているのをリトスに見られたことがある。
普段なら相手の年も人数も関係なく乱闘になっているものだが、この時は地面にうずくまって背を丸めたまま、黙って暴力に耐えていた。
暴虐が去った後もしばらくは無言が続き、重い口がようやく開いたのは、リトスの他に誰もいないと確信してからだった。]
あいつらに、これを見られそうになったから。
[むくれた顔のまま、握っていた手を開く。
そこには、見事な金細工の護符があった。
連中に見つかれば取り上げられるのは当然として、それを理由に更なる事態を招いただろう。]
親父の、……形見だ。
[ぼそぼそと落ちる呟きは、告白に似る。]
親父が、作ったらしい。俺の、ためにと。
[時々息が零れるのは、痛みをこらえるためではない。]
親父は、本当は、細工師になりたかったんだと。
[これまで胸に押し込めていたものを吐き出すことへの、ためらいのようなものだ。]
俺は───戦士になるのに文句はない。
けど、思うんだ。
こんなにすごいものを作れる親父が、
臆病だからってだけで馬鹿にされて、
追い出されて野垂れ死ぬようなこんな国、
……俺が、 変えてやるんだって …!
[血を吐くように声を振り絞る。
何も持たない孤児の、それが意地の根源だった。*]
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これで赤ではだいたい設定出したかな。
ゼファーの市民が戦士しか許されないのは、余計な人員を養う余剰が無いからだ、という理屈。
だから、豊かさが欲しい。
だんだん白でも出していくようにしよう。
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