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なあ、この状況について、何か知ってるかい?
そういえば、さっき相手の正体がどうとか……>>94
[彼らは自分のことを覚えている様子だろうか。
覚えていたとしても、いなかったとしても、ひとつだけ言えるのは。
船内に“人狼”がいると聞かされた今、咄嗟に思い浮かぶ候補として、突如再会したあの船の彼らに疑念を向けるのは難しく、
ぼんやりと脳裏に浮かぶのは、いまこの船のどこかにいるであろう、何者かだ。
いまは、まだ。
――… ただ、すこし。
人よりも強い嗅覚をついて、
嗅ぎなれない匂いが、したように思えた。>>0:524
今は違和ともいえぬほどのそれは、
例えばもし何処かで、
何かの痕跡でも見ることがあったなら、もしかしたら。*]>>0:511
あ、ごめん……!
[酷く驚かせてしまった様子に、咄嗟に声量を落とす。
自分のことはどうやら覚えていなかったようで、
仕方がないことだとは思うものの、やはりふと、表しがたい寂しさに小さく眉根が寄る。
――… そう近くに、いたわけでもなくて。
マーティンと共に過ごしている姿を見て、“親子”というのは、ああいうものなのかと、
ひっそりそう思ったことが、あった。]
ん――…、俺はディーク。
八年前まで、あの船にいたんだ。
[マーティンは死んだ、との言葉に、はっと息をのむ。]
………そっ、か。
[俯きながら、ようやく口に出せたのは、それだけ。
もし会えたなら、礼を言いたいことはいくらでもあった。
ただ迷惑をかけるばかりだった自分が、結局船を降りた自分がこのようなことを思うのは、おこがましいことなのかもしれないし、
――恐らくは、欠けてばかりだった、貰うばかりで何も分からなかった子供が、
今更懐かしむ資格も、ない場所なのかもしれないけれど。]
第三デッキへの砲撃だけ、か。
成程な、うん、それなら分かる。
そうすると、あのドロイドは……
さっきスノウが言ってた、ハッキング、ってやつか。
――… ラグナロク?
[たまに聞く名だが、結局、何なのだろう? と首を捻る。
警備のセンパイが言ってた北欧神話の話だったっけ。
船内で流行ってるのかな、何かの符合かな、などとぼんやり思っていたのだが。
そういえば、スノウも先程その単語を口に出していたような。>>106
ともあれ、彼らは何かの荷を奪いに船にやってきた、ということか。
――本来であれば、そのようなときに自分がどうするかは、考えねばならないことではある。
いかな恩人の船とはいえ、いや、だからこそ、
今自分が守るべき場所や人たちを疎かにして、容易く味方に走るなどということを、するつもりはない。
しかし、いずれにせよ今は――“人狼”だ]
直感力、か……
[視線を向けられたゲオルグはどのような様子であったか、
いずれにしても、その言葉を疑う理由はいまは何もなく、そうか、と頷く。]
うん、それなら、
ドロシーは、気を付けてさえいれば安心、なんだな。
良かった。
[そう言って、安堵したように僅かに肩の力を抜きながらも、
ゲオルグの陰に隠れようとする姿には、その言わんとするところは良く分かってしまったものだから、
やはりどうしても、寂しそうな表情には、なってしまう。
いずれにせよ、今、海賊としての彼らと敵対する状況ではないし、
どうか無事でいてほしいと、願うひとたちだ。
何も知らずに、気づかずに
ゲオルグがいて、ドロシーにもそのような力があるのなら、
“人狼”がいたとて、身を守ることは出来るに違いないと、
あまりにも見当はずれとは知らず、
そう思う。
それなら自分は、他のエリアにカシムを殺したという犯人を探しに行こうかと、そのようなことを思いながら。]*
[ 死んだのは、カシム。
アースガルド軍少佐。
顔と名がかろうじて分かるひと、知り合いというほど近しくもない。
けれど、アースガルド軍少佐と聞いて――…
彼女のことを、思い出した。
部下が死んだのか――と。
戦場という言葉が出た折の、その表情が、どこか苦し気に見えたのを、覚えていて。>>0:386
今彼女は、どうしているのだろうと思う。
昔とは様子も話し方も違っていて、元気そうで、強そうで、けれど、触れてくれたその手のひらにはどうしようもなく、今と昔をつなぐあたたかさがあった。>>0:388
――… 彼女自身が、己が手をどう思っているかは、
分からずに。
警備兵としても状況を報告しなければいけないだろうし、それ以上に、
どうしているか、無事だろうかと、そればかりが気になった。]*
―― 第三エリア・通路 ――
[思い切り耳元で叫んでしまった。
ぽかり! と頭を殴られる。>>171
普段なら避けられたのかもしれないけれど、驚きと疲労のせいでどうにもよけきれなくて。]
痛てッ!
[文句を言ってやろうかと顔を上げれば、そこにあるのはやはり見覚えがある姿で、
痛みはすかんと飛んで行き、思うところを捲し立ててしまう。>>132
ついでに自分で自分の頭を打ったせいで、殴られた分の痛みはもうどうでもよくなってしまっていた。>>171
その拳骨すら、久しぶりのように懐かしく思えて]
あんたも相変わらずだなあ。
[などと、思ってしまうのである。]
[状況確認が始まったころに、ふ、とまた香る強いの匂いは、
薬品――いや、アルコール?>>172
襲撃前に一杯食らってきた、という類の匂いでもない気がする。
香りは記憶を刺激する。
やはりあの頃は覚えがなかった匂いのように思えたけれど、
だからといっておかしいことがあるかと言われれば、特に何も思わない。
今は、その違和が、ただ記憶に自然と留まるだけ。]
ああ、そうだな。
俺も人狼を探してみる。
メイン・サロンの周りはさっき一回りしたから、
他のフロアに怪しい奴がいないか、見てみるつもり。
[ゲオルグの言葉に頷きを返す。
ドロシーは、力を使えば倒れかねないというのなら、誰かといるべきなのだろうが、
だからこそゲオルグと一緒にいたのだろう。
そんな風に納得し、いくらかふたりと会話を交わすこともあったかもしれないが――…
特に呼び止められることがなかったとしたら、その場を去ってゆくだろう。*]
/*
←おおかみさんがたの▲希望が読めなくなっている図
……スペアかな?
ガートルードさんとお話ししたくはあるのだけれど(すごく)
むむ。まあそのときはそのとき…
/*
呪狼さんって本人は占いできないやつだよね…?(見てきた)
むむ、察しが悪くて申し訳ない、
占い師騙りRP的な?
でもなんか面白そう!なので。
[立ち去ろうかというとき、手を引いて引き留められる。>>205
成程確かに、信用できない相手となれば、正体を確かめたくなるのも道理だろう。
足を止め、立ち止まる。]
ん、いいよぉ。
確かにそりゃ道理だ。
どうぞ、やってみて。
[微笑みを返し、頷く。
――エインヘリャルはガルーの寄生を用いない、ナノマシンによる議事人狼生成計画だ。
だがもしも、何らかの不具合や暴走が、あったとしたら?
あるいは、自分すら知らないどこかで、寄生された痕跡があったとしたら。
何せ研究所にいるころは、何をされたか思い出せないくらいの身体だ。
自身のニンゲンであることが証明されるなら、まずは安心できるのは――自分自身。
それにもし、彼女が自分の正体――エインヘリャルであることを、見抜くか迫るようなそぶりを見せるなら、
その能力の信憑性は、高まるだろう。]
[ “ ニンゲン ”であることが、
体の作りとして証明されたとしても、
自身の存在を人間だと思えるかは、
また、別の話であるけれど――… ]
[去り際のゲオルグに、“成長した”と言われて、一瞬目を瞠った。>>214
前はクソガキだったという部分につきましては、自覚がありすぎるので頷くしかないけれど、
そうか、成長できたのかと、しみじみとした物言いを失礼とも思わずに、嬉しそうに頷く。]
ああ、これでも警備員だからな。
何があっても絶対守る。
[それこそこの場に“人狼”が現れたとしても、彼女一人を逃がす間持ちこたえるくらいは出来るだろう。
恩あるマーティンの娘さんだ。
脅し文句のような物言いを、素直に受け止め頷いて。
去りゆく背中を呼び止めはせず、ドロシーへと向き直り。]*
―― 第3エリア倉庫近辺 ――
[握りしめられた手が、頬へと導かれる。
何をしているのかは分からずに、ただ、じっと待つ。
彼女の言葉を疑っているわけではない、ただ、手段の想像がつかなくて、
邪魔にならないようにと、息を殺して静かに待った。
けれども、]
――… え、
[彼女の唇から零れた、あの箱の意味を知っているか、心か体の構造でも読まない限り、分からないはずのその言葉に、
大きく目を瞠る。
船内の医療データには登録されているが、それは、権限がなければ見られないものだし、彼女は自分の名すら覚えていなかったから、前もって見ていたはずもない。
床に膝をつく様子に、思わず自身も態勢を低くして支えようとするのだが、
先程までの警戒されている様子から、指が一瞬戸惑った。]
狼じゃない……
[その言葉を、かみしめる様に呟く。
知らぬ間に寄生されたりなどは、していない。
後はもう、懸念なく、出来る限りに走り抜けるだけなのだと。
悪かったな、の言葉に、首をゆっくりと横に振り、ゆるやかに微笑んだ。]
いや、ありがとう。
ちょっと休んだ方がいいな。
動けるようになるまで、ここにいてもいいだろうし、
もし辛そうなら、医務室とか、
メイン・サロンにも休めそうなソファもあるから。
ドロイド呼べばストレッチャーで運んでくれる。
[ドロイドはどうやら正常に稼働し始めたようで、エリアのそこかしこから、規則正しい機械音が聞こえてきている。
何処にいくか、ここにいるかは、彼女に任せよう。
メイン・サロンにも休憩スペースはあるだろう。
医務室――センセイはどうしているだろうと、また、ちらと頭を掠めるけれど、
もしまだ船内にいて、医務室にいなかったとしても、休む場所を使わせてもらっても、
きっとあの人は了承してくれるだろうと、そんな風に思ったので。]*
[端末から音がしたのは、そのとき。
届いたメッセージを開けば、ガートルードの名がある。
良かった無事だったと、ほっと息をつき、本文に目を走らせる。]
ん……、さっきの報告のことかな?
[暫く前に第二エリアの状況やベルガマスコ議員のことを報告した、あれかなと。
他の心当たりを思いつかずに、そのようなことを考えながら、
手早く返信を打つ。]
『今、第三エリアでドロシーと一緒にいます。
体調がすぐれないようなので、護衛中。
彼女の安全を確保したら、向かいます』
*
ああ、ゆっくり休んで。
無理はしないように。
そうだな、早く人狼を見つけられれば……
[運搬用のみならず、警備用ドロイドも追加で呼んだのは、
ゲオルグに、彼女を守ると約束したからだ。
青い顔で笑みを浮かべて見せる彼女に、余程消耗があるのだろうと、そっと手を貸しストレッチャーへと。
疑ってすまなかったな、の言葉には、笑顔とともにゆるりと首を横に振り、
本当にいいんだよ、と頷いた。
全てを偽りで塗り固めるよりは、かけらなりとも真実を。
けれどもその真実が、“核”なるものであったなら、
その偽りを見抜くのは、難しいものとなる。
掛け声一つ、ドロイドと共にメイン・サロンに向かう姿を、視界が届くところまではしっかり見送って、
(なお、掛け声には思わず「おー!」と唱和したくなったが、
さっきすごくびっくりさせてしまったので、自重した)
――ふわりと現れた白い猫が、『容疑者』の名を告げたのは、そのときだったろうか。]
ベルガマスコ議員が…!?
[第二エリアからメイン・サロン。
そこに至るまで言葉を交わした、その様子を思い出す。
先程の、ガートルードからのメッセージに今一度視線を落とす。
聞きたいこと、というのは、議員に関することだろうか。>>236
ひとつ頷き、船内を全速力で走り出す。
副艦長室はコックピットの近くだったはず。
そこに至るまでいくつもの区画を、
何かに遭遇でもしない限りは、一息に駆け抜けていくだろう。
彼女が自身もベルガマスコを探し回っているということは、知らずにいるが、>>328
たとえ留守だったとしても、入れ違うよりは指定された場所で――と、
副艦長室のある通路で、待つだろう。]*
/*
ドロシーさんとハーランさんが素敵なことに。
そして食べられるかの瀬戸際で目の前で爆発案件が発生してしまったベネディクトさんの心中お察しする…(
―― 恐らくは、少し先のことと、むかし ――
[ドロシーを警備用ドロイドとストレッチャーに託してメイン・サロンに送り届けたあと>>242
(あの後急加速して、盛大に爆走していったとは知らない)、
副艦長室に至る道筋の傍らで、メイン・サロン界隈に“ベルガマスコの姿”がないかはちらと見た。
どうしてもドロシーの身の安全は気になっていたから。
何の物陰であったか、あるいはすれ違いか、
ベネディクトやハーランとの一幕は気付かずに去ってゆく。
ガートルードの二通目のメッセージに気づくのも、もう少し先のこと。>>262>>263
まずは副艦長室へと駆けているところ。
だから、スノウから渡された船内の者のリストを一覧するのは、まだ少しばかり後のことになるだろう。]
[船内を縦横無尽に遊びまわっていた子供は、機関室にも度々入り込んだ。
並みの大人よりも強い力を生かして、力仕事などの手伝いもしていたのだけれど、
今になって思えば、マーティンはそういうことよりも、子どもがする“当たり前のこと”を自分に与えてくれていたように思えるのは、果たして思い過ごしだろうか。
最初に機関室に飛び込んだとき、そこにいた男を見て自分が言った一言は、確か――…]
ね、マーティンはつるぴかなのに、
おじさんはふさふさしてるの、何で?
[――うん、昔から自分はこうでしたね。
(知る由もないが)『この艇は託児所か』と船長に食って掛かっていた――もしかしたら、案じてくれていた男は、闖入者の子どもを、どうしたのだったか。>>0:391>>0:392]
[機関室が大切な場所だというのは、知ることの少ない自分にも、分かっていた。
船に潜入して破壊するにはどこを抑えれば良いのかという、そういう理由で。
だから、機関室で暴れたりはしゃいだりすることは、決してなかったはずだ。
とはいえ機械に関する知識は、今この年になっても、ウィルスに感染した機械に風邪薬ぶん撒くレベルであるからして、子供の時分は推して知るべし。
ただ、居並ぶ様々な機器は、用途は分からずとも、その精密さや力強さが好奇心をそそるもので、
狐の尻尾頭が物陰から、たまにひょこっと顔を出して、あれはなに、これはなに、と興味深そうにしていたかもしれない。]
[いつだったか、彼にこんなことを聞いた。
船の外に見える揺らがぬ星々の海と、ひときわ明るく強く輝く光。
それを見比べながら、どうしてこんな風に違う光で、ただひとつ輝くのだろうと、そう思って。]
どうして、太陽は、あんなにきれいに輝くの?
[どうしてそれをその人に聞いたかといえば、当時自分の中で、
機械を扱える人、イコール、賢い人、だったのだ。]
[アースガルドアレルギーのことは、さすがによく覚えている。
あの星の話をするときには目が笑っていなかったような気がするのだが、どうだったか。
何処とも知らぬ地を這って殺しあうか、船の上で暮らすことしか知らなった自分には、星を嫌い憎む、ということの意味が全く分かっていなかった。
(本当に、――… 何もかも、言い訳にならないくらいに、
自分がしていたことの意味を、分かっていなかった)
自分が何者であるか、後にその意味が分かったとき、
ふ、と、アースガルドのことを語るテオドールのその声音の底に聞こえたような気がした、揺らめく何かを思い出した。
そうか、アースガルドの違法兵器(エインヘリャル)である自分は、もしかしたらあの人に憎まれる者であるのかと――… そう感じた記憶がある。
リストに記載されている情報において、自分の出身地は、養父がいた惑星となっているはずだ。
けれども、権限――もしくは技術力がある者なら見られる船内のデータにも、載っていること。
何かのきっかけで知られることも、もしかしたら、十分にあり得ることだろう。
祖国はない。
故郷はない。
ただ硝子に書かれた絵のように、光に透かして憧れるもの。
ないがゆえに、奪われる痛みを、きっとわからない。 ]*
―― 記憶 / テオドール ――
[最初に会った時の第一声に絶句されたのを覚えている。]
そっかあ、違う人なら、違うんだ。
[そんな風にけらけら笑って頷いた自分が、それから幾度となくテオドールに投げかけることになる『子ども特有のなに、なんで』は、
きっと、その時の年齢には似つかわしくないほど幼いものだったろう。
十五年前に船について、まともにヒトと話せるようになるまでいくらかかかった、更にその後のこと。
十を優に過ぎた子どもの口にする言葉としては、少々異様であったかもしれない。
機関室では暴れたりはしゃいだりはしなかったけれど>>347、やらかしたことがなかったといえば嘘になる。
たまたま大人たちが出払っているときに、鳴り響いた異音と点灯した赤いランプ。
慌てて駆けよれば、機械が熱を持っていた。
廊下に飛び出して人を呼ぼうとしても、どうしても誰も見つからなかったから、
必死になった自分は、厨房に走って両手にバケツ一杯の氷を持って帰ってきて、
“熱が出たら冷やせ”、を忠実に実行したわけである。
かくしてエンジンは全員泣いた>>399。
そのままいえば、水がぽたぽた滴る感じになった。
――なお、その後しばらくの間、機関室の前の廊下に『わたしわ きかいに こうりをのせました』と書いた札を首にかけた子供が、セイザの体制で暫く座ることになったとか。]
[ “ ワタシたちをあらゆる災厄から守るためさ。 ”
――…その言葉は、それを口にしたときの彼の様子と共に、不思議と心に残っている。
それは、口にする前の聊かの沈黙のせいであるかもしれないし、
確信に満ちた口調のようには、聞こえなかった気もした。]
テオドールのことも、護ってくれてるのかい?
この船も?
[そんな風に続けざまに聞けば、口籠る様子に>>400、
聞きたがりの子供もそれ以上続けるのが何とはなしに気まずくなって、口を噤んだ。
太陽が守ってくれる、と言われても、それまでの自分にとってはむしろ安全に行動できるのは夜闇の中で、むしろ日が高ければ身を隠すのが難しい場面もあった。
そんな風な、頓珍漢な思いもあって。
温かさ、育むもの、命の源とたとえられるもの、燃え続けるもの。
――… 時に、幾多の深い、深い想いを以て見上げられるであろうもの。
知識として、あるいは実感として知ることなど、到底かなわずにに。
抑々自分は“ワタシたち”の中に入っているものではないと、分かるようになった今でも、
きっと、本当の意味では、分かることなんて出来ずにいるのだろう。
けれど、そんな当時であっても、分からないと流してしまうには、不思議な重さと引っかかりがあって。
まもる、と口の中で繰り返した口調は、いつもよりもいくらか大人し気なものだった。]
[たまに、アースガルドのことを聞くことがあった。>>402
あの国だけは、存在してはならないと。
その顔は、いつも機械の話を教えてくれた彼とはまるで別人のようにも思えて――けれど、
別、と言い切るにも、違和があった。
酷く深いところにある渦巻く何かが、強く溢れ出しているのを聞くような、そんな感覚を、
言葉に出来ずとも肌に感じていた、そんな気がして。]
[ 例えばこの存在を、本当の意味で知られたとして、
幾重もの意味で、許されるべきものではないことも、
どれほどのニンゲンに銃を向けられ、
殺され続けても許されないような、
そんな存在であることは分かっている。
けれど、もしいつか仮に、
迷いないその銃口が向けられたとしたら、
――… 自分はそれを、
“受け入れない”
けれど、彼を殺すための銃口を向けることは、決してないに違いない。
例えば、それこそ、“人狼”だという、何らかの確信でもない限り。]*
―― 現在 ――
[投票の刻限が迫る。
知らされている手がかりは、ひとつだけ。
“ベルガマスコ議員”
――…
自分と会った時の彼に、異様な様子は感じられなかった、そんな風に思えた。
けれど、第一容疑者として通達が下る、それほどの理由があるのだとするならば。
――ためらいは、数瞬。
白い猫に、その名を告げた。]*
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