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[タイガの視線に導かれて、自分の足元を見る。
それで初めて、自分の足が地についていることに気が付いた。]
ん……。
[自分がもう、天界の生き物ではないと突きつけられた感じがした。
もう、自力で天上に戻ることはできないだろう。
それでも構わない。
天使が地上に降りるのは、天使自身がそれを望むからだ。]
あなたと同じ場所に立てた。
これからは、あなたと共に歩んでいく。
[微笑んで、一歩を踏み出そうとして、少しよろめいた。]
[タイガの告白は、天使の心を沸き立たせた。
自分が彼を歓ばせたならば、それはなによりも嬉しいこと。
交歓の感応は、ふたつの魂を一つにする。]
ああ───、私たちは互いを呼び、
互いに新たな世界へと誘ったのだな。
呼びあうことの心地よさよ。
私は、あなたを幾度でも呼ぼう。
[ふわり、と再び舞い上がる。]
私の真名は、ラハミエル。
神の愛。愛そのもの。
地上に愛をもたらし、愛を蒔くもの。
今、私の愛はあなたのためにある。
全てをあなたに注ぎたい。
───受け止めて。
[甘い求めと共に、再びタイガの腕へと飛び込んでいく。]
[歩き出そうとして蹌踉めいた天使を、紳士的にエスコートしながら、不意に、ジークムントは肉体を得たのだという実感が腑に落ちた。
これまでも触れることはできたが、どこか人形めいたその肌に、フィジカルな想いを重ねることはなかった。
けれど、この天使であり、かつ、受肉せしものは、様々な可能性を広げるだろう。]
おまえを丸ごと愛そう。
[真名の意味を明かして飛び込んでくる天使を、姫抱きに腕の中におさめて部屋を出る。
狭い部屋ではなかったが、平面でおさまらない愛を語るには充分ではない。
陽光の下で、歌おう。]
[受け止める強い腕に体をゆだね、首に腕を回して頬を寄せる。
自分の翼でもなく足でもなく運ばれるのは楽しい。]
どこへ?
[楽しい気分のまま頬を唇で啄みながら聞いた。
タイガと一緒に行くところならどこでも嬉しいし、触れているのはもっと嬉しい。
嬉しさのまま首筋を甘噛みした。唇だけで軽く。]
― 電脳都市エクス ―
[天使の首に腕を回し、横抱きに支えられたまま、浮遊感に身を委ねる。
この感覚は好きだ。
ほとんど官能的なまでの愉悦がこみあげてくる。
味をしめてしまったか。]
好いな。
[それだけで、ジークムントには伝わるだろう。
早く帰りたいと言い出すかもしれないが、もう少しつきあってもらう。]
[ジークムントが着陸地点に選んだのは、高速移動する筐体の遮られた歩行者用の大道だった。
低いざわめきと背伸びする人の輪に囲まれたが、敵とは見なされなかったようだ。
天使を凝視していた者たちも、自信なさそうに首を振りながら立ち去る。]
さまざまな種族が共生しているようだが、これだけ数が多ければ、没交渉な社会にもなるのか。
徒党を組んで戻ってくる前に用事を済ませるべきかな。
[促せば、意を受けたジークムントが露天商を示す。
ここは市場らしい。]
おれの求めているものは、オーダーメイドになるが。
[槍を杖代わりに立てて見ていると、アクセサリーを並べている店のひとつで、刻印サービスというのをやっていた。
「あんたらカップルなら、名前を並べて彫ってやるよ。どうだい」とセールスされて、]
よいだろう。
彫る名を相談する。
[と、ジークムントの方に向き直った。]
さて、
おまえと正式な契約を結べば、おれは一人前の召喚士として認められる。
おれは新たな家を興すつもりだ。
その時には、おまえにも、同じ家名を名乗ってほしい。
…つまり、伴侶になってほしいという申し出だ。
[ジークムントが己の出自を天に定めている以上、神が与えた名を奪うつもりはない。
けれども、新しい名を与え、共に響かせるのが、タイガの望みだ。]
[ご機嫌なジークムントが唇で触れながら、直接に言葉を紡ぐ。
こそばゆくて、愛おしい。]
学園付属の森に泉があるんだ。
先日の課題のときは、印がついていたから避けたけれど、今ならいつもどおりの静かできれいな場所に戻っているはずだ。
最初の召喚をする前に、おれはそこで沐浴して身を浄めた。
今日は、水浴びするおまえを見てみたい。
[悪戯な唇が首筋 ── 二つ並んだ傷のあたりをついばんだので、故意に膝の力を緩めて、落とすぞ!と非言語コミュニケーションで応じてみせる。]
タイガが初めて私を喚ぶ前に入った場所。
[きらきらと瞳に理解と興味の色が踊る。]
見たい。
水浴びをしよう。
一緒に、一緒にしよう。
[はしゃいだ天使が足と翼をバタバタさせるのと、非言語コミュニケーションとのタイミングが重なって本当に落ちそうになって、慌てて首筋にぎゅっとしがみ付いた。]
― 電脳都市エクス ―
[異世界の路上でのプロポーズに、ジークムントは彫像のごとく固まった。
けれど、問題はシチュエーションではなかったらしい。]
嗣子か。
[そもそも天使が子をもつという発想がなかったから、ジークムントの口からそんな言葉が出てきたことにむしろ驚く。]
財を蓄えることに興味はないが、家を継がせるべき、と思ったら養子を迎えればいい。
おまえは、おれの血の混じらぬ子でも愛を与えてくれるだろう?
[舞い散る光の欠片を指先に摘みとり、唇に運ぶ。]
伴侶は、おまえでいいのではなく、おまえがいいのだ。
他の答えはない。
騎士の礼をもって、誓おう。
[胸に手を当て、ジークムントの視線が戻るのを待つ。]
[全身全霊をきらきらとさせながら、一緒にと告げるジークムントに頷く。]
むろんだとも。
この手でおまえを濡らし、洗い流してやろう。
[落ちそうになり、慌てた様子でしがみついてくる肢体をしっかりと抱擁し、ついでに接吻けをひとつ落とす。]
脱がせておくれ、ジークムント。
[赤眼の魔が混ざりたいならそうするがよかろうと許すほどに、ジークムントの与えた愛は豊かだった。]
[接吻けひとつで甘く蕩けた天使は、求めに応じてタイガの衣服に手指を伸ばす。
天使にとっては慣れぬ衣服だったが、それを剥ぎ取る手つきはどんな敵娼にもまねできぬほどに艶めかしい。
指先で首筋を撫でつつ襟元を引き開け、唇で器用に釦を外して胸板を舐める。それは天使が知るはずの無い技。
けれども見つめる瞳は無垢なまま。
腰を擦り付けながら下半身を露わにしていく術などは、故意にか無意識にか過去の記憶を引き出しているに違いなかった。]
私も、脱がされたい。
[そう言って、水浴びの前だというのにわざわざ衣服を纏う。]
[泉に入った天使は、大いにはしゃいだ。]
冷たい! タイガ、冷たい!
[泉の中に踏み入っては、上げたいだけの声を上げる。
タイガが近づいてくれば両手ですくって水を掛け、しまいには翼を羽ばたかせて盛大な水しぶきを立てた。
タイガのために世界に降りてから、これが初めて触れる水。
今は、なにもかもが新鮮に映る。]
― 電脳都市エクス ―
[ネオンまたたく夜の街を背景に、時ならぬ天の煌めきが降りしきる中、ジークムントの手をとって恭しく口づける。]
我が愛を君に捧げ、君を永遠の伴侶と為すことを誓う。
いつまでも共にいよう。
[一部始終を眺めていたアクセサリー屋が手を叩き、祝福の口笛を吹く。
「さあ、その勢いでお買い上げ願うぜ」
タイガはジークムントの腰を抱いて品定めし、選んだ銀の指輪に彫るべき名を伝える。
代価にと差し出すのは、金貨だ。]
貨幣としては通用しないだろうが、地金としての価値はあるだろう。
[アクセサリー屋はコインを齧ってみせ、愛想のいい笑みを浮かべた。
そして、初めて見る文字で二人の名を指輪の内側に刻みこむ。]
[互いの指に指輪をはめる二人を見ていたアクセサリー屋は、煙草をのみながら、
「おまえさんたち、あそこの角の店に行ってみな。いいモノが手に入ること請け合いだ」
と紹介してくれた。
礼を言えば、「なぁに、ご祝儀代わりさ」と屈託なく笑う。
数分後、蛍光色の”玩具”を前にしたタイガは、この世界の住人の親切さ加減に目眩を覚えるのであった。]
− 泉 −
[予想通り、泉は空を映して澄んだ水をたたえていた。
その縁にジークムントをおろし、いそいそと服を脱がせにかかる天使を微笑ましく見守っていたが、ただ着衣を剥いでゆくだけでないジークムントの艶かしい所作に、だんだんと息が浅くなって、身体が火照る。
スライム風呂のときとは、まったく違っていた。
当然、股間も反応してしまっているが、それに触れさせまいとするように、ジークムントの背中に回って、光から紡がれた薄物を、肌に沿わせるよう、時間をかけて滑らせてゆく。
あとは、背を見せるよう率先して泉に入った。]
[腰の深さまで水に入ってしまえば、少しはましである。
ジークムントも天衣無縫な声をあげて水遊びに興じた。
いちいち名前を呼んで報告するのがかわいらしい。
タイガもしばし童心に帰って、腕で水を薙ぎ、水に潜ってはジークムントの足をくすぐったりした。]
こうすれば浮かぶぞ。
[力を抜き、両手を広げて重心を後ろに傾けてみせる。]
[水を掛けたり足をくすぐられたりと、ひとしきり遊んだ後、タイガが身体を広げて水に浮かんでみせる。
同じようにすれば、水は柔らかく体を受け止めてくれた。]
空が見える。
飛んでいるようだ。
[真っ青な空と、透明な水。二つの間で力を抜いて漂えば、次第に上下の感覚もなくなって、自分が空の真ん中に浮かんでいるような気持ちになってくる。]
翼が無くても、人は飛べるのだな。
[手を伸ばしてタイガの居場所を探り当て、手をつなぐ。]
どこまでも、自分が透明になっていきそうだ。
ちゃんと繋いでおいてくれないと困る。
[五指を絡めてぎゅっと握れば、そこが支点になる。
ここから世界に色がついていくのだなと、青く透明な世界の中でぼんやり考えた。]
[ジークムントは恋人繋ぎをしてない方の手で、店の人間が差し出す袋を素直に受け取っていた。
かなりケバケバしい色彩に見えたが、祝儀のつもりだから突き返すのも失礼というものだ。
様子を伺うジークムントに頷いてみせ、店員に礼を言う。
「いいラブホを紹介してやろうか」と再び親切を持ちかけられたが、丁重に断ってその場を離れた。]
最初の場所まで飛べるか。
[ジークムントに手を伸ばして、袋を寄越すよう促す。]
帰って毒がないか調べてから食べよう。
もしかしたら、食用ではないかもしれない。
[ジョーク菓子の類だと勘違いしている模様。]
− 泉 −
[水の面に漂うジークムントが手を伸ばしてくる。
呟かれた寂しさを消し去ろうと、胸に引き寄せた。
ふたりの間に育まれる体温が水の冷たさを思い出させる。
きっと、それに似ているのだろう。]
我らの運命は繋がっている。
いつもそれを感じられればいいな。
さっき、抱き合っている時、おまえの存在をおれの中に感じた。
あんな風におれをおまえの中に残しておけたらと思う。
おれの願いを ── 叶えてくれるか。
あなたを、私の中に?
[いつでも繋がっていると感じられるように。
そうなればいい。
タイガの胸の上に頭を乗せて鼓動を聞く。]
ああ……もちろん。
私も、あなたが欲しい。
私の身体はやがてあなたで全て作り変えられるだろうけれど、
それでもやはり、あなたの特別が欲しい。
― 電脳都市エクス ―
[ジークムントに身体を預けて、短い飛翔を味わう。
風が髪を嬲る感触以上に、浮き上がる感覚が好きだ。
それは幸福な記憶をたぐり寄せるから。
ジークムントもまた同じことを思い出したようだ。
望みを告げる晴れやかな声が促す。]
愛のままに。
[色の異なる双眸を見上げて、歓喜を共に。
そして、自分たちの世界へと跳んだ。*]
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