情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
― 会見の日 ―
[巫女姫との会見に先立って、
数人の同行者を許されれば、視線をみなに向けた。
行きたそうにワクワクしているおばちゃん軍団と、
彼女らに囲まれて居心地悪そうにしているおっちゃんら、
そんな中に紛れ込んでいるルディと見交わし、>>289
その真剣なまなざしに、笑みを浮かべる。]
じゃあルディ、と、
マリアンヌさんとアトレアさん、代表でよろしく。
[彼のほかに読んだ二人は地域のまとめ役的人たちだ。
後で問題になることもないだろう。
ルディはウェントゥスの族長の息子だ。
こういう会見の場は彼の経験になるし、
ひいてはナミュールの未来のためにもなるだろう。
そんな思惑からの人選だった。]
/*
今回の村で初期設定に失敗したなぁと思うこと。
・最初の集会で、大々的に人数集めておけばよかった。
南島全島が北へ自治要請をぶつける、くらいの規模でいけばまともな戦争になったかもしれないのに、ついうっかり学生闘争レベルで描いてしまった。
もっとガツンと行って良かったところ。
・主張を開国に傾けすぎた。
素直に民主化一本で行った方が、主張の棲み分けができてよかったなぁと。
2勢力なら今の主張でいいんだけど、3勢力だからな。
なんとなく今の状況、5、6勢力ぐらい見えてるんだけど…
/*
たくさんの勢力の思惑が絡み合う話も楽しいのだけれどもややこしいね。
素直に熱血戦記するなら、やはり2大勢力の方が余計なことを考えずに済むか。
この国の歴史とか文化とかってさ、
あんまりにも積み重なりすぎていて、
ちょっとやそっとじゃ動かなくなってる。
だから、一度、がつんとやってやらなきゃいけない。
たとえ国家転覆と見られようとなんだろうと
一度、南島の本気を北の首都の奴らの目の前に
叩き付けてやらなきゃいけない。
そうして初めて、話し合いのテーブルにつける。
貴族連中の目を覚ますには、それくらい必要だ。
だから…うん。
本当はもっと穏当な主張もできるんだろうけど、
血を流すようなことをしてる。
これ、うまくいかなかったら、
俺は平地に乱を起こしただけの大悪党だよなぁ。
[ははは、と乾いた声で笑う]
───うん。
あの時、おまえが全面極力できないって言った時、
おまえでもそうなんだから、
他の貴族を動かすのはもっと大変だって
思い知ったんだよ。
[懐かしいものを思い出す目を暫し。]
でもそれからおまえが戻ってきてくれて、
こうして話し合えて、
同じ目標に向かっていける。
だから、何かきっかけがあれば、
貴族や、国を動かすのもできるはずだと信じられる。
[沈黙。
そして、また沈黙。
それは苦いものではなく、温かなものを孕んでいて]
あったりまえだ。
俺は、いつだって正しかっただろ?
[軽口で茶化してみせるのも、少々失敗する。]
だから… ああ─── …うん。
これからも一緒に好き勝手言おうな。
[微妙な早口の中に、嬉しさがにじみ出ていた。]
― 会見の日 ―
[巫女姫の反応は十分に予期されたものであり、
互いの立場を改めて明確にしたに過ぎない。
この場では、どちらにとっても公的な立場が付いて回る。
あるいは、かつてのように
───あの時よりもなお心を剥き出しにして議論すれば
なにがしかの結論を見出せるのかもしれないが]
俺がこうしているのは、
ただシュビトの代弁者というだけではありません。
南島に暮らす多くの者の意思と思っていただきたい。
[今は自分まで、こんな皮を被っている。]
[共和国の正使に会っていないと聞いて、
少しばかり意外な顔になった。
この機に巫女姫に会いに行ったのでないなら、
本当に、どこに行ったのだろう、彼は。]
そうですか。…そうですね。
彼らの思惑は、俺にもわからない。
ただ、彼らが国に戻らなければ、
マチュザレム共和国がどう思うかはわかります。
あれほどの力を注いで使者を送り込んできたのです。
もう一度使者を送ろうと思うのは、まだ可愛いもの。
使者ではなく軍を送り込む気になるかもしれない。
猶予は、思うよりも短いはずです。
[外の国と敵対関係になる危険性。
それを指摘する眼差しは、真摯なものになった。]
俺は、
ナミュール解放連盟の盟主として、
王府に宣戦布告する覚悟でここに来ています。
[琥珀の目は巫女姫を射ぬき、
その背後にある王府を鋭く見据えていた。]
[話す必要があれば、いつか話してくれるだろう。
そんな気楽さで、友と接している。
ただ、言葉にしたのは、]
おまえの妹さぁ、
どんだけすごいのか、一回、会ってみたいもんだよ。
[彼を支えてきたという妹への、そんな興味だった。]
順調に決裂しつつあるよ。
[飛んできた声に軽い調子で答える。
もとより、まとめる気のない交渉だ。]
ソマリ?
ああ、この間打診してきた貴族か。
アレイゼル領……迎えの馬車とか来ないのかな。
[おどけて軽口を叩く。
だがもう1通の話になれば、少し考え込んだ。]
……援助を申し出た、と言えば
南方諸侯のスルジエ卿か。
あの矢を放ったのがスルジエ卿の手の者だとすれば、
いったい何を考えて…。
そもそも、アレイゼル卿が
どうしてそんな手紙を送ってきたかだよな。
─── わかった。
ちょっと、対応は後で考えてみよう。
今は見張りつけておくだけで十分だ。
ありがとう。
[一旦保留としておく。
というのも、]
───スルジエ卿になにかするなら
搾り取れるだけ搾り取ってからにしたいんだよな…
[そんな思惑なのだった。]
― 会見の日 ―
[結界の強さを信じる巫女姫と、
外つ国の技術の強さを危惧する己。
学び舎で出会った時からわかっていたこと。]
殿下と、俺とに意見の相違があること、
互いの譲れぬ一線があるとわかり合ったことを
この会見の収穫としましょう。
[その理解からおそらく、全てが始まるのだ。]
[戦いが起これば、ナミュール人同士の血が流れる。
外の国の脅威よりもなによりも、
自分たちが平和を壊そうとしている。
巫女姫の指摘は正当で、重い。
背後で、街の女性たちが喉を鳴らすのが聞こえる。]
殿下。
[答える声もまた苦いものになった。]
あなたが思うよりもずっと早く、大きく、
南島は変化しているのです。
力をつけてきた商人や職人たちは、
もはや、貴族による秩序を望んではいない。
俺の責が薄れるとは思っていませんが、
いずれは、こうなったはずです。
[民衆を戦いへ駆り立てる自責と覚悟は
幾度も繰り返し自分の中に問うたもの。]
───時が来た。
そういうことです。
[外交官らの訪れは契機に過ぎないと、淡として断じる。]
[宣戦布告の宣言と、受領。
為されたそれに頷いて、立ち上がった。]
有意義な、時間でした。
またいずれ、こうして話せることを願っています。
[戦いを挑んだ相手へ向けるには不似合いな言葉は、
皮肉ではない真実の色を帯びていた。**]
おまえの従兄弟殿がおまえの言う通りの人間だったらさ、
なんか利権が絡んでそうなんだよな。
……いいや。後だ後。
[また考え込みかけた思考をぽいと投げ捨てる。]
そろそろ会見も終わりそうだ。
何事もなきゃ歩いて出るけど、
なにかあったら走って帰るよ。
あと、そうそう。
勢いで、ナミュール解放連盟とか名乗っちった。
[一部で、適当に使っていた呼称が公文書に乗ると
ちょっと気まずげに告白した。]**
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新