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リュスト、もっかいだ。
ブレス!
[シェンの一撃は巨狼の足に傷を与え、痛みをもたらしただろう。
地を掻くような動作に合わせるように、再度狼の足元向けブレスを放った。
僅かにでも狼が均衡を崩し、反対側からの攻撃を避けにくくなるように*]
[方向やタイミングをずらしながらの、皆による波状攻撃。
それは巨狼を苛立たせ、隙を生じさせる>>118。
そして巨狼が大きく跳躍しようとしたその時]
カレル!
[思わず名を呼んだのは警告か合図か。
彼の騎竜は既に攻撃態勢にあり、風の刃が鋭く狼の身を切り裂いた>>119。
そして彼らは、巨狼の顎下へと迫り]
危ねっ――
[狼の爪が振るわれるのを見て思わず声を上げかけるが、既に攻撃の意志を固めた彼らを阻むのも無粋か。
離れて、との言に従うべく、リュストに合図して身を翻させる]
頼むぞ……!
[そして風の渦が、巨狼の身を倒す様を見守った*]
― 魔獣の領域 ―
……終わったみてーだな。
[巨狼へ向け近付いていく青年>>123を、リュストを地に下ろし見守った。
身を起こす魔獣はやはり常の生物とは違うようで。
彼の者の宣により、漆黒の光が生じた>>124]
やり残し、なぁ。
[>>125軽い口調で言われたが、実際には割と途方もないこと、のような気がする。
しかし頼むと一礼されれば、こちらも真っ直ぐに眼差しを返して]
おう。
安心しろ、とまでは言えんが、まあなんとかやってみるさ。
[承ったと示すように、一度頷いてみせた]
[しかし、巨狼と青年>>126により示唆された、次なる関門について]
これより厄介、ってなぁ……。
[最後に待つものを思えばここで怯んではいられないのだが、果たして何があるのやらと、軽く肩を竦めた**]
― 魔獣の領域 ―
[穏やかな巨狼の声>>142に、頷きを一つ返す。
それと前後してか、カレルの無事を問う声>>139も聞こえて]
おう。俺もリュストも無事だ。
よくやったなぁ。
[彼を心配する声は既に届いていたから、代わりに労いの声を投げた。
そうしている内に、近くに降り立ったヤコブ>>151からも声を掛けられる]
おう、そっちもな。
いいタイミングで風起こしてくれて助かったよ。
[軽く会話をしつつ休息していた所に、ヤコブから干杏を示されて]
お、もらっていいのか?
よし、折角だし頂くか。
そっちも、干肉とか食いたかったら言ってくれな。
[有難く干杏を受け取ると、少しちぎって大きい方をリュストの方へ差し出す。
リュストは無表情のまま干杏を口に入れたが、内心それなりに喜んでいることは尻尾の動きで伝わったか]
― 天翼の領域 ―
[しばらくして、オクタヴィアス>>144に導かれるまま先の領域へ進む。
転移の後、辿り着いた先は空中の岩場>>145。
そして、その先に待つものは]
……リュスト?
[鋼竜が警戒するように頭をもたげ、低く喉を鳴らした。
その視線の先にあるのは、白の六翼]
こりゃまた……結構な出迎えだなぁ。
[威圧するかのような姿。
オクタヴィアスと交わされる言葉。
疑問を差し挟む余裕もないまま、青年>>147に眼差しを向けられて]
ああ、そうするしかなさそうだな。
[頷いて、自身も鋼竜の背へと]
しかし、こいつぁまた……やりにくそうな相手だ。
[身軽そうに飛び交う、どこか実体すら曖昧な相手。
先に攻撃へ移った者たちを見つつ、ぼやくような呟きを落とす。
リュストはそれがどうしたと言わんばかりに、鼻息を荒くしていたが*]
ぼやいてても仕方がねぇ。
[果敢にも挑んでいった仲間たちに後れを取らぬよう、自身もリュストへと合図してその身を空中へ進ませる。
狙う先は弓構える一体。
相手の射程は、こちらよりも遥かに長いが]
――はあっ!
[竜の背で身を出来る限り低くして、こちらや竜の顔面を狙う矢のみフレイルによって打ち払う。
鱗を掠める程度の矢は、痛手にはならないと判断し*]
おし、そこだっ!
[空中にあるからか反動は軽い。
それでも確かな手応えと共に、リュストの角は戦士を跳ね飛ばしていた]
おし、やったな!
[鋼竜を褒めるように声を上げる。
しかし、突出してきたこちらを相手が見逃すはずもない。
幾体かの視線と武器が、こちらへ向けられるのを感じた]
っと、止まってる訳にはいかねぇな。
[牽制のようにフレイルを振り回しつつ、一旦距離を取るようにリュストを旋回させた*]
― 天翼の領域 ―
[一旦距離を取ろうとするこちらだが、相手がそれを許すはずもない。
槍持つ数体がこちらを追撃し、身軽さを活かして両側へも回り込んでくる]
ちっ、流石にあっちのが速ぇか……。
リュスト、振り払え!
[合図に応じて、リュストが水平方向に身を回す。
短いが硬い尾は有翼戦士を打ち据えて、攻撃の方向を乱した。
しかし僅かに機をずらした一体が、リュストが身を止めた直後に槍を突き出してくる]
くっ……!
[交錯し、僅かに切っ先が左肩を掠めるのがわかった*]
[鎖により繋がれたフレイルの先端は、回り込むようにして有翼戦士を身を打つ。
今度も確かな手応えがあり、戦士は身を折るようにして横合いへ飛ばされていった]
おし、問題ねぇ。
[有利不利はあっても戦えない相手ではない。
そのことを確かめつつ、次なる対象へと向き直る。
振り払いの攻撃を擦り抜けでもしたか、立て直しの早い一体へ*]
頭下げろ、リュスト!
[半ば振り落されそうな一撃だが、フレイルが戦士の翼を砕いた直後に鋼竜が強く羽ばたき、姿勢を戻すと共にこちらの身を受け止めた。
クッションがないので衝撃もそれなりだが]
おし、いいぞ……!
[戦闘中だから、多少の手荒な動きも承知の上だ。
竜の背に胸を預けつつ顔を上げると、その視線の先。
偶然にも、オクタヴィアスの空中からの一閃>>202が視界に入る]
おお……!!
[戦闘中であっても、一瞬目を奪われてしまうような。
人と竜の絆が生んだ一撃に息を呑んだ]
や、見惚れてる場合でねぇな。
[がる、と窘めるような鋼竜の一声に頷きつつ、視線を間近に迫る戦士へと戻す。
フレイルに絡まれるのを厭ってか、その身は急降下し下方からの突き上げを狙っているようだ*]
……真っ白い相手にやるのは気が引けるけども。
リュスト、ブレス!
[泥濘のブレスを翼に受けた戦士は、上昇の力を失った。
戦闘不能とまではなっていないのかもしれないが、それ以上構うことはない。
目指すべき場所は、上だ]
俺らもそろそろ行くぞ。
[先陣を切るカレル>>207と違い、鋼竜の上昇速度は遅い。
だからこそ少しでも前に出るように、多少の攻撃はものともしない鱗を強みに強引に上昇を続ける]
[無論、騎乗の身は鋼竜ほど頑丈ではないが]
はっ!
[突き込まれる槍を逸らすように、或いは絡めとって相手の動きを制限しながら、敵の攻撃を捌いていく。
実体が曖昧ということは受け止めに失敗する可能性もある。
そんな時は突き上げられたリュストの角が、やや強引に攻撃を阻むこともあった。
そして正面の戦士が動きを止めたなら*]
リュスト、踏みつけ!
[有翼の戦士を足蹴に、大きく上空へ翔け上がる鋼竜。
あまりお行儀の良くない戦い方だが、それも自分たちらしさだという自負もある。
先を行くカレルが追いかけっこの相手を落とす>>219のに息をつきつつ]
[ふと仲間たちの様子を見れば、戦士の一団に囲まれかけたゾフィヤ>>215が見えて息を詰めた。
シェン>>217が気付いて動いたので心配はいらないだろうか。
蹴落とした一体が、多少は戦士たちの気を逸らす一助になれば良いが*]
[先を行くカレルが有翼戦士に潰されかけていたが、どうにか振り解くことに成功したようだ。
そうしてそれぞれに戦士たちと対峙していたその時、六翼の竜の咆哮が響いた>>234]
……なんだ。
本気で怒ってる……のか?
[神々しさすら感じる姿と、我を忘れたようにも見える威嚇は似つかわしくないように思えた。
しかし、疑問を抱いたところでやるべきことは変わらない。
オクタヴィアス>>235の紡いだ術が傷を癒し、鋼竜の速度が上がるのを感じながら]
――泥臭い戦い方が、どこまで通じるもんか。
一丁、やってみるか。
[威圧にも神々しさにも負けじと声を上げる。
泥臭いと言われたリュストが抗議するように顔を上げるが、思いは同じようで、翼で強く空気を打った*]
[上空のカレルが、空の六翼と、風竜の翼を指差すのが見えた>>238。
自分やヤコブへの提案とするなら、それは足止めの策だろうか。
地を蹴る獣に対するような、本来の"足"止めは出来ないが]
……翼、か。
[意図するところをそのように受け取って。
思考する合間にも、先行するカレルは上空の道を拓く>>239]
俺は、右から行く。
[ヤコブに声が届くなら、端的にそう伝える。
残る者たちがどう動くかは任せる心算で。
鋼竜はどこか六翼の者へ見せつけるように、ゆったりと右側向け旋回を開始する。
自身は相手がどのように動いてもいいように、竜の背にて身を低くしていた**]
― 天翼の領域 ―
[シェン>>247の言葉が届くより早く旋回を始めてしまっていたが、ヤコブ>>253が違う角度ながら同じ側へ騎竜を向かわせたのを見て、作戦を理解する。
カレルもまた、左翼側の集中攻撃に加わるようだ>>254]
[しかし六翼もまた静観はしてくれない。
翼に取りつこうという動きを厭ってか、空気を巻き込むような形で翼を窄ませる。
それはこちらへ向け乱気流を生み出し]
うおっ!?
[リュストの身も大きく揺れ動く。
しかし重量級の体が速度を犠牲にした代わりに得たものがあった]
リュスト、突っ切れ!
[激しい揺さ振りを受けつつも、強引に前へと向かわせる。
そこへ機に乗じたように一体の有翼戦士が突撃を敢行した。
しかしそれすらも好都合というように、フレイルを前方へ振り抜き、引き寄せるように腕を引いて]
よし――踏み越えろ!
[白花の加護>>243を受けた力強い一歩で、乱気流の領域を抜け出す]
カレル!
他のみんなも、無事かぁ!?
[乱気流や攻撃の影響を受けているであろう皆へ声を飛ばし、腰を捻るように一度振り向いた。
カレルの負傷は既に術の力で癒えていただろうか。
こちらへ届いた力強い言葉>>258に安堵しつつ、作戦に同意するように大きく頷く]
わかった、それでいこう。
リュスト、ブレス構えだ。
[それぞれが役目を果たすことは、疑いなく信じられた。
だから自分もまた、彼らと息を合わせるために、機を見計らう*]
― 回想/魔獸の領域・休憩時 ―
それなら良かった。
グラナートも、ありがとうな。
[ヤコブ>>259の言葉に笑みを見せる。
グラナートも楽しげな様子で、心が和んだ。
ヤコブには少々窘められてもいたが]
[ヤコブには、何故だか敬称をつけて呼ばれたことがない。
が、ハンス自身はといえばあまり気にしたことがなかった。
生まれ育ちを理由にハンスを下に見てくる者は、少なくなかった。
学校の門戸は誰にでも開かれているとはいえ、金銭面などでの援助の不足により、脱落していく者も多い。
才能一つで学校に入った者は、卒業までにより一層の努力が必要とされるのは確かだった]
[そんな中で、ヤコブはこちらの能力だけを見てくれていると感じられた。
当初は八つ当たりめいた態度であっても、真っ直ぐな努力で成長し、変わっていった。
呼び方以外の面で、意地っ張りややっかみが抜けない者も多かったから]
[干肉を分け合うヤコブとグラナート>>261を、こちらも笑顔で眺める。
人と竜との繋がりだけでなく、人と人の繋がりもよいものだと思えた一因は、間違いなく彼にあるだろう*]
― 天翼の領域 ―
[攻撃を強化する白の花と、命中を上げる濃紅の花と>>279。
二つの花の力が騎竜に宿る。
そして六翼竜の左三翼に絡むのは、速度を下げるであろう蔦。
グレートヒェンとユリアによる支援を、しっかりと受け取って]
――いけそうだな。
[シェンも、ゾフィヤも動き始めている。
氷の槍が投擲され>>276、エルトナが大きく飛翔する>>290。
後は直近の三人と三体で、息を合わすように]
――――今!
[誰かが合図したか、誰からともなくか。
三体は同時に動き、大きく息を吸った鋼竜は、飛翔阻む泥濘を左の三翼へと降り注がせた*]
シェン……!
[常人には耐えられぬほどの速さで、シェンを乗せたエルトナは六翼竜へ突っ込んでいく。
それは間違いなく有効打となるだろう、そこを疑いはしなかったが]
……大丈夫だよな。
[乗り手を選ぶ竜。
それを乗りこなすべく努力を重ねた騎竜師。
そんな彼らの鮮烈さに目を細めつつ、傍へ寄ったり介抱する役目は他へ任すこととするのだった*]
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