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……兄、大丈夫ですか?
[投げかけるのは短い問い]
いえ、彼らであれば大丈夫、だとは思いますが……その。
[事情を全て話す以上は、彼が何者であるかの話題は避けて通れない。
その時にどんな反応が来るか、は。
個人的には、案ずる所ではあった]
……苦労自体は、自分から買ったようなものですから、構いはしませんけどね。
[力を得るためには、苦労と苦難がついてくる、と。
それは、遠き日の盟約の際にも言われた事。
それでもなお、と力を求めた幼い自分に応じてくれた存在。
その存在を間近に引き止めているのは、果たして恩に報いているのか逆なのか。
それは、時折落ち込んでしまう思考の淵]
― 神域への門 ―
[ふるり、と首を横に振る。
今、考えていても仕方ない思考を振り払うように]
……ああ。
大丈夫だよ、サルヒ。
[案ずるように鼻を鳴らす白馬にこう、返して。
ひとつ、息を吐いた後、翠は前方へと向けられる]
和聚會,刃風轉動。
風よ集い、刃と転じよ。
在那個尖銳的一閃,貫徹我們的敵人!
その鋭き一閃にて、我が敵を貫け!
[低く紡ぐのは、風の刃を生み出す術。
翡翠色の光がふわりと舞い、それを取り込んだ風が刃となって黒狼の一体を貫いた。
黒狼の消滅と入れ替わるように落ちる黒の欠片は、刃から転じた風がふわり、と拾って戻って来る。*]
― 神域への門 ―
……やっぱり、やり難さはある、か。
[神と見なすものに似た姿に武器を向けるという事。
理屈だけでは割り切れないものも、そこにはあるだろう]
……なら……少し、範囲を広げてみますか。
サルヒ、合わせて。
[殴ると言っても、実質鎮めると同義。
とはいえ、すぐにそう割り切るのも難しいだろう、と思う。
ならば、割り切れている者が多くを対処するのもありだろう、と。
たどり着いたのは、そんな思考。
そのために、と精霊の力宿した白馬に同調を頼み、風の力を高めて]
風的潮流,把旋渦圍起來,提高那個尖銳。
風の流れよ、渦を巻き、その鋭さを増せ。
有狂暴的一閃,砍倒我們的敵人!
荒れ狂う一閃を持って、我が敵を薙ぎ払え!
[紡いだ術は、先に放った風の刃の上位術。
鋭く唸る風の刃が狙うのは、回避に専念しているイングリッド>>236に追いすがるものたち。
風は複数の黒狼を薙ぎ払い、鍵の欠片が幾つか落ちた。
零れたそれは先と同じく、鋭さを鎮めた風が浚い、こちらへ運んでくる]
……少しは、援護になったかな。
[突然の風で脅かせていなければいいけど、と思いつつ。
未だ終わらぬから、と気持ちを引き締めた。*]
― 神域への門 ―
[放った術は援護として功を奏したらしく、こちらに向けられた礼の声は、力のあるもの。>>262]
大丈夫そう、かな。
[小さく呟き、改めて全体を見回す。
それぞれが、それぞれの特性を生かして立ち回る様子。
負傷した者も出ているようだが、さほどの重症ではなさそうだった]
と、なると、後の問題は……。
[ふ、と移ろう視線が捉えるのは、唸る黒狼に囲まれた守護者の姿]
……まったく。
ここから、どうやってまとめる気なんですか、兄……?
[は、と零れて落ちたのは、こんな愚痴めいた呟き。*]
― 神域への門 ―
[一体どうするつもりやら、と。
思いながらも、突っ込み入れずに見守っていた。
……いた、のだが]
…………ほんとに、あのひとは…………。
[もうちょっと言い方とかあるんじゃないかとか、一応神格なんだからもう少し威厳とか出せないのかとか、もう、言いたい事は色々あるのだが]
……まあ。
『焔』も『海』も、人の身には抑えられないものですから、ねぇ……。
[こんな思いもあるから、結局は何も言えなくなってしまう。
気まぐれな神格が、こうして人の世のあれこれに付き合っているという事。
それ自体が既に、大事なのもわかっているから。*]
― 神域への門 ―
…………驚かないんだねぇ。
[やって来たメレディスの問い。>>287
それに対する答えよりも先に口を突いたのは、その態度への驚きだった]
まあ、良い悪い、で二極化するなら『良くない』かな。
けれど、今ここで誤魔化せば、皆が兄への不信感を募らせてしまう。
兄自身は、それでも構わない、とは言うけれど……これから向かう先の事を思えば、それは致命的だ。
だから、ぼくの意見としては、『必要な事』という所かな。
……もっとも、後で口止めはさせてもらうけれどね。
[実力行使も含めて、とは口にはしなかったが。
そこまでするつもりがあるのは、伝わるか]
……ん?
[主語を外した殴りたい、という言葉。
それに、王はひとつ、瞬いて]
……ああ、うん。
素直に殴られなくてもいいなら、好きにするといい。
[対象が誰であるにしろ、素直に殴られる事はない、というのは。
まあ多分、言うまでもないだろうが。*]
― 神域への門 ―
…………驚くの、そっちなのかい。
[メレディスの驚きの理由>>312に、素で突っ込んだ。
その理由で驚くというのはどうなんだ、とちら、と思いはしたが、口にはせず]
……そうだね。
そこは、完全にぼくの落ち度だ。
自分が慣れているからと、そう言った細やかさが抜け落ちていたよ。
[ため息混じりにこう言って、それから]
[嬉し気に目を細めながらの言葉。>>316
一瞬だけ、視線がなまぬるくなったのは赦されてほしいところ]
……ま。
兄も、言葉であれこれと言われるよりは、その方がいいだろうからね。
[むしろ、メレディスが突っかかって行ったら全力で喜びそうだな、と。
そう、思うのは、守護者が彼に対し相応の思い入れを持っていると知るが故。
もっとも、言ったら自分が殴られて床の間に正座させられる案件なので言いはしないが]
……ふむ。
[そうこうしている間にも、試練は始まっていた。
名乗り出たのがミーネである、と気づくと僅かに目を細める]
……適任……かな。
[零れ落ちるのは小さな呟き。
守護者がこの場において求めているのは、単純な武力ではない。
純粋な思いの丈――彼女ならば、それを見せられるだろうから、と思うから。*]
……兄。
やりすぎには、注意してくださいよ?
[いや、加減はわかっているとは思うのだが。
主に心配しているのは、相手の力を見たがるあまり、自身の負傷を顧みない事の方、だったりする]
……そっちの心配はしてません!
ていうか、あなたが本気でくらうと、ぼくも痛いんですからね!
[さらりと論点をずらされたので、こちらも微妙にずらして突っ込みを入れた。
実際、黒焔狼が本質を揺るがす痛打を受けたなら、魂を介してこちらにも衝撃が来るので、笑い話にはなっていないのだが]
………………。
まったく、人の気も知らないで、あのひとは……っ!
[不意に、零れ落ちるのは珍しく苛立ち帯びた声の呟き。
翠の瞳はどこかじとり、としたものを帯びて、立ち回る黒衣を追っていた。*]
― 神域への門 ―
[呼びかける声>>326にまばたき一つ。
は、と一つ息を吐いて気を抜くと、ジルの方へと翠を向けた]
……ああ、少し、ね。
わかっているつもりでも、人の話を聞いてくれないひとに、頭が痛くなっていた。
[端的に状況を告げて、それから。
やれやれ、とまた息を吐く]
……魂が結ばれていても、越えられぬ一線はある、と。
わかってはいても……もどかしくて。
[言いつつ、浮かぶ笑みはやや自嘲めいたもの。*]
― 神域への門 ―
……そう、だね。
神代に根を持つ存在、英霊と称されるものは、独自の理を持つものだ。
[苦笑と共に向けられた言葉>>334に、こちらも苦い笑みを浮かべる]
……いや。
実のところは、伝わってる、と思う。
伝わって、理解した上で。
……その上で、はぐらかされてる、という方が正しいのかな。
[魔精霊は、闇の精霊としての側面が強く打ち出されているが、本来は人の心や精神にまつわる部分を領域とする存在。
伝わっていない道理がないのだ、と息を吐いて]
……越えぬように、か。
そう……なのだろうね、きっと。
兄は、自身の深い所には、何者も踏み込ませようとしない。
『全部捨ててきたから、これ以上は持たない』とも。
最初の時に言われたからね。
[それが何を意味するのか。
そこは、想像の域は出ないのだけれど。*]
/*
まあ、捨ててきた、にも例外はあって。
でもその例外が英霊化したかーくんと、多分まだ現役ですよねー、な蜘蛛さんなのはどうか、とも思うんですけどね!
/*
ちなみに、そこ二人が例外なのにもちゃんと理由はあるのですよ。
かーくんに関しては、あちらが『英霊・破邪神角』となったから、無視できない。
蜘蛛さんは、色んな意味で警戒しないとあかん、と思ってるから意識から外してない。
てか、もう一人地味に警戒してるのはいますけど、あちらは出くわす機会があれば思い出す組。
それ以外は、無限因果に引き込まないように断っちゃってますからねぇ……。
[※なお、ぼくもいずれ断たれる側です。最初からそういう盟約で、シンの名前を教えられてる]
― 少し前/神域への門 ―
ありがとう。
とはいえ、今回に関しては、ぼく以外に気を回せ、というのは無茶ぶりの極致だから。
責任感を感じるくらいは赦してもらいたい所かな。
[全てを追う必要はない、というメレディス>>345に、こんなささやかな主張を通して。
人の世の理以上、の部分は全くもってその通りとしか言えないのでああ、と頷いた。
なお、口にされなかった疑問が表に出ていたら、間違いない、という確信を込めた同意が返ったのだが、そこは置いておいて]
……そう思うんなら、避けちゃダメだよ。
兄は、自分を避ける相手は徹底的に無視するんだから。
[涼しい笑顔で言われた言葉に、にっこり笑ってこう言って。
ジルと入れ替わるように離れる背を見送った。*]
― 神域への門 ―
うん、本当にね……。
[もどかしい、というジル>>351に、一つ頷く。
その後、間を置いて紡がれた言葉>>352に小さく息を吐いて]
ああ、そうかも知れないね。
その辺りは、ぼくもわからなくはないけれど。
[こちらは自分の意志で捨てたのではなく、奪われたのだけれど。
喪失の痛みというのは厄介なものである、というのは身に染みていた]
魔精霊は、心を領域とするもの。
ある意味では、とてもひとの本質に近しいもの。
……案外と、感性は近いんじゃないかな。
[小首傾げる様子には、当たり障りない言葉を返す。
実際の所は、当人から聞いているけれど。
それは、他者に伝えるを許されていない領域だから。**]
― 神域への門 ―
……そんな所、じゃないかな。
[目を伏せながら語られる言葉>>366に、やや曖昧な肯定を返す。
感性については、どうやら彼女なりの納得がなされたようだから、それ以上言葉を重ねる事はなく]
……さぁて。
あちらは、どんな結末を迎えるかな。
[それまでの話題を断ち切るようにこう言って、試練のために対峙する二人へと視線を向けた。*]
― 神域への門 ―
[先に進むための試練が終わる。
その結末を確かめると、王ははー、と深く、息を吐いた]
本当に、もう。
……お気楽なんですから。
[ぼやくような声が漏れたのは已む無しとしてほしい。
ともあれ、王は同じように何かもの言いたげな白馬の首筋をぽんぽん、と叩いて]
ま、必要以上に傷を負いも負わせもしなかったから、よしとしますか。
[一先ずは、という部分は端折った呟きに、白馬が同意するように鼻を鳴らした。*]
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