情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
遠慮は一切無用……その全力、
[それまでの軽さとは一転、鋭さ帯びた声が響く。
合わせて弾かれた弓弦からふわりと風が舞い上がり、それは真珠色の煌きを帯びて幻燈師を取り巻いた。**]
ほう……。
[竜神は、他種と相対する時には真なる竜態は取らぬと聞いていた。
故に、盟約の儀式の際は人に近しい姿で対するのだと。
だから、どんな術を見せてくるのか……というのは、ここに至るより以前の興味の対象だった。
そうして、現れたのはどこか、生命を感じさせる武具。>>*0]
予想を超える芸達者だな。
[ぽつ、と呟き落とした後、微かに口の端を上げる。
当然の如く、竜神と対するのは自身も初めての事。
どう攻めるか──そんな思考が巡るのは刹那]
……ま、いずれにしても。
[如何様な事情があろうとも、盟約の儀にて手を抜いたり、妥協をするのは竜神という存在への愚弄となる、とは先達たる母からの教え。
全力でという言の葉に偽りはなく]
こっちも、しかっり見せんと、な……!
[呟きの後、躊躇う事無く翼を羽ばたかせて宙に舞う。
同時、かき鳴らす弓弦の音、それに応じるように周囲取り巻く風が流れを変えた。
真珠色の光が弾け、その煌めきを零しつつ、風の刃が三つ、生じる]
行け!
[短い言霊、それに応じた三つの刃は、変幻に絡み合いつつ、地に立つ蛇竜へ向けて飛んだ。*]
[飛ばした刃は、一つは打ち払われ、二つは鎧を掠めて散って行く。
刃が鞭を中ほどから斬り飛ばした様子に、どう対するのか、と思っていたら、それは予想外の動きを見せた]
再生……っていうか、成長、か?
[先よりも長さを増した革鞭の様子に小さく呟く。
先の様子に見るに、刃持って断つのは恐らくは容易い事。
しかし、それが決め手とはなり得ない、というのは見て取れた]
これはこれで中々……っとぉ!
[面白い、との呟きを遮るように、十枝に分かれた鞭が広がり迫る。>>*4
とっさに羽ばたき距離を取ろうと試みるが、大きく広がったそれの全てを避けきるのは難しい]
断ち切れ!
[短い紡ぎと共に弓弦をかき鳴らし、直後、右手を大きく振るう。
風の刃が迫る十の幾枝かを斬り払うが全ては往なしきれれず、左の上腕を一撃が掠めた。
斬り払われたものの内一つは、斬られたというよりは引き千切られたような態を成していた事には気づかれるや否や]
とりあえず、弾くには問題ないが……。
引く方も、行ける……か!
[衝撃に顔をしかめるのは刹那、態勢を整え、射撃の構えで弦を引く。
そこに生じるのは、真珠色の光の矢。
素早く放ったそれは、左に受けた衝撃故か、やや軌道の甘いもの。*]
中々、面白いものを使うな。
いろいろ予想外だ。
[一矢放ちつつ、落とす呟きは感嘆の響きを帯びたもの。*]
――ありがとう、ございます。
[感嘆の声。
一般的な竜神と召喚師の力の差を思えば、当然と流すべきことだったのかもしれない。
それでも、嬉しかったのだ]
[鞭引き戻す動きの先、垣間見えた表情に僅かに紫苑色を細める。>>*11
召喚主たるものと相対する、という状況への困惑が完全に消えてはいないのか、とそんな思考が過った。
それが生来の気質がもたらす物であるというならば、無碍にする事はできないけれど]
そういう場所じゃない、ってのが、ねぇ……。
[そんな思考もあるから、刹那、滲むのは苦笑]
[光の一矢は完全に狙いを定めきれぬ状況で放ったもの。
故に、往なされる予想もあり、次の手は巡らせていた、が]
……水?
[倒れ込む事による強引な回避、その際に生じたものに小さく呟く。
身を起こす手にあるのは、何処からか現れた水塊。>>*12]
本領発揮、というわけか……?
[それはそれで望むところ、とばかりに微か、口の端が上がる]
[感嘆の声に、返る響きは嬉し気なもの。
あー、これはほんとに無垢だなあ、なんて感想は、心の内に押し込めた。
それでも、穏やかに笑む気配が零れ落ちるのは、止められないわけだが]
[意志を帯びた声が響く。>>*13
鞭の先端が水を帯び、十枝の先から十の礫が生じて飛ぶ]
さすがに、これはっ……!
[全て避けるのはちょっとどころでなく辛い。
ならばどうするか……という思考は短いもの。
真珠色の翼が大きく羽ばたき、幻燈師は空から地へと急降下する。
礫を避けるのではなく、敢えて渦中に飛び込む動き。
目前のものは風の護りで持って逸らすが、複数の水が腕や翼を掠めて衝撃を与えた。
それでも、臆することなく地に降りた幻燈師は片膝突きの姿勢から弓を横に構えて光の矢を放つ。
水平に飛んだそれは蛇竜に達する前に弾け、真珠色の閃光を放った。
その光に紛れるように地を蹴り、横方向へと回りながら弓弦を爪弾く事数回。
先ほどよりも小さな風の刃が複数生じ、それらは気紛れな軌道を描いて蛇竜へと飛んだ。*]
[敢えて避けぬこちらの動きは、虚をつけたか。
直後に放った閃光の矢とも相まって、蛇竜の動きは相当に制限された様子。>>*25]
とはいえ……。
[これで終わりはすまい、という思いはある。
否、これで終わられてはかなわない、という思いもある。
この程度で終わってしまうようでは、この先の本戦を勝ち抜けるかも危うかろう、と思うが故に]
[だからこそ、その瞬間に浮かんだのは、笑みだった。
蛇竜が呼び出した水を纏った時は、このまま護りに徹するか、とも思ったが。
その予想に反して、内で力を溜めていたのだと──弾けた水の繭から飛び出してきた姿>>*27から、それが悟れた時、自然と浮かんだのは嬉し気な笑みで]
……そのぐらい、やってくれんと、なっ!
[口調だけは軽く紡ぎつつ、呼吸を整える。
術や矢を放っている暇はない、なればどうするか。
懐に飛び込まれるならば、こちらも相応、『奥の手』を出すのみとばかりに右手を高く掲げ。
跳ね上がる動きと共に振るわれる鉤爪に相対するように振り下ろす。
その手は人ならざるもの──鋭き爪を備えた竜のそれ。 ──14(20x1)**]
/*
いやほんと、全然きづいとらんかった……!
今回は完全フルオープンだから遠慮なくメモれたけど、建前上伏せてる事の方が多いんだから、ちゃんと記述確認せんとなあ……。
[二種の爪の交差。
こちらの容姿にそぐわぬ右の手は相当に虚を突いた、というのは交差の瞬間の表情>>*52が物語っていた。
とはいえ、こちらも滅多に晒さぬ文字通りの奥の手、そのぐらいの効果はないとやりきれない]
……っつっ……!
[駆け上がる鉤爪が身を裂く衝撃に、息が詰まる。
それでも、勢いを失することなく振り下ろした右の手は蛇竜の左の肩を捉え、鎧を打ち砕いた]
……は……。
[崩れ落ちる様子と、告げられる言葉>>*54に、小さく息を吐く]
まさか、これまで使う事になるとは、な……。
本当に、いい意味での予想外続きだ。
[告げる声は、穏やかな響きを帯びたもの。
それから、ふわ、と翼揺らして片膝をついて]
ぶつかる事で見える事がある……とは、言われちゃいたが。
こうして、対する事で、きみの真っ直ぐな意志は見えた。
[対峙する最中の表情の変化、そこに滲んだもの。
どちらかと言うと曲がり続けてきた幻燈師にとっては、それは眩くもあるもので]
と、いうわけで、改めて。
深き水底より我に応じし竜よ。
我と盟を結び、新月夜の舞闘を共に駆ける事を、きみに願おう。
[静かな口調と共に差し出す右の手は、人のそれへと転じていて。
その上には、召喚の際に用いた石──珊瑚が乗せられていた。*]
そこまで持って行った事には、自信を持っていい。
[落ちた呟き>>*61に返す声音は軽いもの。
顔が上げられ、盟約に応ずる言霊が紡がれた>>*62なら、手にした珊瑚は熱を帯びる。
珊瑚を挟んで重ねられた手、それを介してそれまでは感じなかった繋がりのようなものを感じ取ると、幻燈師はひとつ、息を吐き]
……盟約成立、だな。
さて、傷の手当てもしないとならんし、今のうちに休んでおくか。
[軽い口調で言いながら、重ねられた右手を握って立ち上がる。
ふぁさ、と揺れた翼が風を巻き起こし、転ばぬように周囲を巡った。*]
ああ、それと。
『奥の手』の事は、後で説明するんで。
とりあえず、他の連中には内密にな?
[立ち上がりざまに落とすのは、揶揄うような口調の言の葉、ひとつ。*]
はっ――
ええ、勿論です!
[囁かれた言葉には慌てたような了承を返す。
とはいえ相手の口調は、揶揄うような軽いもの*]
ああ。
万全を持って相対するのが、この場での礼儀……らしいからな。
[返された同意>>48に軽く言いつつ、重ねていた手をそう、と放す。
熱帯びた珊瑚は手の内に握り込みつつ、異空へと繋がる入り口の一つに紫苑色を向けた]
取りあえず、休息場所は用意されている。
準備が整うまでは、あちらで休むか。
[言いつつ、そちらへ向けて歩き出す。
歩みに手を貸す事はしない。
が、立ち上がる時に沿わせた風はそのまま蛇竜の周囲で、歩みを支えるが如くくるりと舞っていた]
― 個別領域 ―
[異空の入り口をくぐり、たどり着いた先は召喚師と竜神のための休息の場所。
その内部は、それぞれの望みや好みに合わせて変化゜ん自在、とは聞いていたが]
……なるほど。
聞いていた通りというか、なんというか。
[たどり着いた先は、小さな島の如き場所。
悠々と広がる水域に囲まれたそこには、座り心地の良さそうな枝を備えた果樹と低木の茂み以外のものはないらしい。
水の中の様子は見て取れないが、恐らくは蛇竜の好みに合った様子になっているだろう。
自身がそうあるように、と求めたままに]
……どれだけの力を場に割いてるんだか……まあ、助かるがな。
[呆れたような感心したような、なんとも言い難い口調と表情でぽつり、と呟いた後]
取りあえず、休むか……。
[ここに来た目的を果たすべく、木の根元に腰を下ろした。*]
― 個別領域 ―
水域は必要、と言っていたからな。
[水に驚く様子に、さらり、と告げる]
この領域は、召喚師が望むように『創られる』らしいから、必要と思ったものはあるとみてよさそうだ。
[のんびりと言いながら、治癒の術を紡いで負傷した所に光を当てる。
半身を白蛇へと変えて寛ぐ様子に微か、笑んだ後。
紫苑色が向くのは、自身の右手]
で、だ。
[軽く言いつつ、翳す手は再び竜のそれへと転じる]
ま、一言で言っちまえば、『親譲り』だ。
この、翼共々、な。
[言いつつ、翼をばさりと動かす。
言っている内容は、わりととんでもないのだが。*]
― 個別領域 ―
[さらりと告げた言葉はすぐには理解に落ちなかったらしく、次の言葉が紡がれるまで、しばしの間があった。>>58]
ああ、そういう事だ。
いつぞ、この『舞闘会』に挑んだ人の魔導師と、翼持つ竜神の間に生まれた子。
それが、
あり得るのかも何も、実際にここにいるぞ?
[返す口調は、どこか楽し気なもの]
とはいえ……
何せ、生まれる前に竜郷へ戻ったらしいんでな。
ただ、ある程度の時間を魔界で過ごしていたのは確かだ。
[何故戻ったのか、についてははっきりとした事は聞いていない。
ただ、どうしても戻らなければならない何かがあった、という事だけしか知らず、その理由を追求する気もないのだが]
ま、半竜と言っても、竜としての力を振るえるわけじゃない。
だから、そこはあまり気にするな。
[あらゆる意味で、気にしないというのも難しいかも知れないが。
それと知りつつ、軽い口調でさらり、と告げた。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新