情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[ とりあえず、一番広範囲の探査を行っているだろうゾフィヤには、判った事を通信で連絡して、男は一向に復帰する様子のない端末はひとまず諦めて、部屋を出た ]
さーて...意外と近くに隠れてる、なんてことは...
(ぽて)
あ?
(ぽてぽてぽてぽてぽてぽて)
...ちょ、ちょーまて!
[ 箱の中から落ちてきたのは、くまではなく、兎...それも大量に ]
のあああ!!
……ふぇ?
[色々と、物思いに耽っていたためか、うっかり変な声が出た。
それでも、どうにか気を取り直し]
あー……それで、拒絶モードに入っちゃってんですねぇ……。
何に怯えたか、が問題ですけど。
その辺り、反映させながら探してみますわあ。
[ 半年前、もふもふの山に埋もれた記憶が蘇る ]
またかーーーーっ!?
[ 思わず、叫んだのは仕方ないと思って欲しい、が ]
...と?
[ 箱から湧いた大量の兎は、次の瞬間に掻き消えた ]
はあ...さすがに修正早いな。
[ どうやら、くまの引き起こした異常は、前回の教訓を生かしたシステムの防衛強化によって、素早く修正をかけられているようだった ]
しっかしこりゃあ...本格的にイベント会場がやばいかも。
[ 修正がかかるとはいえ、箱を持ち上げた程度でこの状態では、人の多いイベント会場ではどうなることかと、改めて心配になる ]
一度様子見にいくか。
[ 人の多い場所に、くまがまぎれているという可能性も低くは無い、と、そう見積もって、男が次に向かう先は、イベント会場となっている『シュヴェーアト』のドック方面* ]
― イベント会場 ―
[ 会場内に、今のところ異常事態は起こっていないらしい。
そして、現状、男の端末にくまの手がかりも届いてはいなかった ]
ま、そう簡単には見つからねえだろうけどな...
[ ぼやきつつ、自然に足が向くのはミリアムが居るはずの案内所 ]
― 案内所 ―
[ そのままぽふぽふと、ミリアムの頭を撫でる。既に手が無意識にやってるという状態だが ]
シェットは、プログラムに関しては一流だからな、映像から対象抽出するプログラミングくらいは朝飯前だろう。
そのために、くますけのモニタリングデータも渡したんだし。
[ シェットラントの心配をする様子にはそう伝えて ]
目視でやるなら、騒ぎが起こってから、だな。
さっきのメリーの群れみたいなの、また起こるかもしれないぜ。
[ 続いて告げる内容は、けっこう笑えない憶測だった ]
[ 溜め息をついたミリアムの言葉に、撫でていた手を止めて、かり、と自分の頭を掻く ]
怖いって、「声」が残ってた...
多分、何かに怯えて後先考えずに逃げ出したってとこだろうな。あいつ臆病な上に、おっちょこちょいだから。
本気で心配する連中がいるっての、忘れちまってるんだろうなあ...
[ くまを、友達と呼ぶ、ハンスの上官の妹でもあるサシャ、そして半年前に関わって以来、時折尋ねてくるキアラやローレル... ]
ま、最近は外宇宙への帰還計画が進んでて、あいつらに会う機会も減ってたしな...もしかするとその辺りも関係あるのかもしれねえけど。
んー、寂しい、か。それもあるかも。
[ 男自身にも多少はそんな気分が無くもない。それを口にする事はなかったけれど ]
ああ、俺は他も見て来る。
[ 歩いて探す、と、立ち上がったミリアムに頷いて ]
[ ミリアムが同僚達に暖かく?見送られている頃、男は『シュヴェーアト』へと足を向けていた。イベントの間も、『シュヴェーアト』内部は一般客は立ち入り禁止、イベントに人手を割かれているため、警備以外はクルーの数も少ない ]
人目につかないって点では好都合なはず、なんだけどなあ。
[ 問題は、人間とは思考の方向性が違う『シオウ』が、同じ判断をするかどうか、だが ]
ん?
[ その途中で、端末がデータを受け取ったという警告音が聞こえた ]
これはシェットか、さすがだな。
[ 『シュヴェーアト』のドック裏に対象発見の表示 ]
はーん、俺の予想もそう的外れじゃなかったか。けど、一カ所に留まっちゃいないだろうなあ...
[ 思いつつ、目前まで近付いた『シュヴェーアト』を見上げる ]
...と、お?
[ 『シュヴェーアト』を支えるドックの鉄骨の上、ちらりと何かが動いた気がして、男は目を凝らした ]
くますけ?
[ 鉄骨の上を危ないバランスで歩いているくまぐるみの姿に、思わず声をあげる ]
おい...!
[ 危ないぞ、と言おうとして、相手は怪我をするような生命体ではないのだと気付いたが、くまの方にも気付かれてしまったらしい。
ピョンと跳ねたかと思うとぬいぐるみの姿は視界から消え ]
(ニャーン...ポフッ!!)
おわっ!
[ くまの消えた方へと駆け出そうとした男の頭の上に、降ってきたのは、白い猫 ]
...おまっ!スノウ...まさか本体じゃねえよな?
[ 以前の騒ぎの時にも似たようなことがあった、と思い出し、頭にどっかりのっかった白いもふもふに手を伸ばしたが ]
(ニャーン♪)
いてっ!
[ とん、と軽やかに男の頭を蹴って、白猫は空中へと消えた ]
はあ...やっぱそう簡単にはいかねえか...
[ 頭をぽりと掻いて、端末に情報をうちこみ ]
ま、チリも積もれば、だな。
[ やれやれ、と吐息をついた* ]
[ そして、ゾフィヤ希望のクレープ屋台で、言葉通りに彼女の気が済むまでクレープを選ばせ、自分も、プレーンにハチミツをかけたものを選んでコーヒーと一緒に購入する ]
そういや他の連中の休憩も考えねえと、だな。
くますけ絡みなんかになると、自分の事二の次にして突っ走る奴ら多いから。
[ お前さんみたいに、と、ゾフィヤに視線を送って笑う ]
[ クレープ屋台の前に設置されたテーブルに腰を落ち着けると、
全員適宜休憩をとるよう...休憩時には連絡を自分に入れること、という条件をつけて、捜索に関わっている全員にメールを一斉送信しておく。
連絡を義務付けたのは、人員の動きの把握という意味もあったが、もし、いつまでも休憩を取らない者がいたら、強制的に休ませるためでもあった ]
『シュヴェーアト』周辺から、こっち、と...動き的には内から外へ、にも見えるか。
[ そういう男本人はクレープを口にしながらも、端末からくまの動きを辿ったりしているわけで、若干ちゃんと休憩しているかどうか怪しい ]
[ そこへ、シェットラントからの二つ目のデータが届く ]
お、やっぱ優秀だな。広場の方、か...
人ごみに紛れる方に動いてるのか?
[ だとすると、少々面倒だな、と、ちらり頭を過る。出来るだけイベント自体に影響の無い範囲で事を収めたいと、男は思っている...くま自身のためにも ]
ん?
[ 別のメールが届いたことに気付いて開いてみると、それはKUMAroomを調査していた技術班からの報告だった ]
.........なるほど、なあ。
[ その報告を読んだカークは、目の前のゾフィヤの顔を、多少複雑そうな面持ちで、じっと見つめた* ]
/*
ところで、二日目の早い段階でくまが補足できたら、さっさと捕獲して、後は対話と交流に使うつもりです。一日目につかまえても全然構わないつもりだったのにラ神が無駄に空気読むからwwww
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新