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− シコン砦・夜 −
俺は、俺の強さも知っている。
[昂然たる笑みをもって、ファミルの評に答えた。>>489]
[そして、ファミルが告げた「海にいたい理由」>>496
コーヒーカップから立ち上る儚い湯気を透かして彼女を眺めながら、
領民を思い平和を願う彼女が、私財の商船に武装を施し、悔しさを抱えて自ら海軍と同じ海原に出ることを決意したその流れを追う。]
ならば、やはりひとりでも同胞を増やすことがあなたの悔しさを覆す手だてとなろう。
帝国艦隊には、アンディーヴの旗印を掲げた軍船の航行を妨げぬよう、触れを出しておく。
ウルケルの浦々に声を届けよ。
[一考に値しないと自認しながらも引き下がることのない彼女の視線を、アレクトールは反らすことなく受け止めた。
事情が許せば、第二艦隊か第四艦隊を同行させるつもりだ。
グロル海峡の情勢は、すでにそれだけ緊迫している。
方針が定まり、菓子の器が空になったところでアンディーヴ邸への案内を依頼した。*]
− シコン砦・夜 −
[口調をふたたび従順な投降者のそれに戻してファミルが諾う。>>530
手持ちの武装商船2隻のみで行きたいとの希望には、そうか、と腕組みした。]
数名程度、帝国兵をそちらの船に同乗させる。
軍服では相手を刺激するというなら、平服着用で構わない。
[ファミルが接触する相手の戦力や人材を観察し報告する要員として、だ。
彼女がそう理解するか、あるいは監視されていると思うかに関わりなく、これは「要請」ではなく「命令」として申し付ける。]
あとは、連絡用に水上機を1機、積み込めるか。
[こちらは船の構造の問題もあるから、可能なら、に留めた。]
− シコン/アンディーヴ邸・夜 −
[ファミルとの会談を終えた後は、案内されて邸宅に赴く。
ルートヴィヒの無害な趣味について語る彼女の表情は少しばかり和らいで見えた。]
あれに魚が釣れたら、明日は吹雪だ。
[ファミルに告げたとおり、ルートヴィヒは記録を更新して戻り、夕食はアンディーヴ家の備蓄でまかなわれた。
ディナーの席にもファミルの”家族”は現われない。
表向き独身のファミルの世嗣問題はどうなっているのか、チラと頭を掠めたが、彼女の方から持ち出さない限りは触れずにおく。
食卓の話題はもっぱら、暗礁地帯の海難実績や風向きといった、グロル海の実情を聞くことに向けられた。]
/*
>>571
「憮然」 誤用率の高い言葉として有名ですねー
・失望・落胆してどうすることもできないでいるさま。また、意外なことに驚きあきれているさま。
ここは後者か。
− シコン/アンディーヴ邸・夜 −
[ファミルの今後の動きについて知らせれば、ルートヴィヒの視線がこちらを向く。>>571]
レディ・アンディーヴもまた波の申し子だ。
[海に戻る理由を「悔しいから」と告げた女領主。
その慈愛は領民のみならず、海路が結ぶすべての土地の民へと向けられていた。
保身よりも波瀾の中で灯火を掲げ続けることを望む彼女の気持ちは変えられぬと思う。
元より、説得の成果に頼る戦略で遠征してきたわけではない。
彼女の望みは、その意志により叶えられたもの。
ルートヴィヒがファミルに庇護を申し出ていたことは知らぬまま、彼女の身を案じるルートヴィヒの言葉にいつも以上の感情の揺れを感じてアレクトールはフォークを置いた。]
− シコン/アンディーヴ邸書斎・夜 −
[ノックはしなかったが、扉は力をいれずとも開いた。
ひんやりと底冷えする書斎独特の闇は今は奥へと押しのけられている。
大きな黒檀のテーブルに広げられた海図。]
始めろ。
[どれほど待ったか問うこともなく、ごく短い言葉でルートヴィヒを促した。]
来る。
来ない男ではない。
[それはゲオルグに対する信頼にも似た確信だ。
ひとつ頷き、アレクトールはルートヴィヒが述べる方針を是とする。
訂正など何処にも必要ないほど、それはアレクトールの思惑を形にした方針だった。]
”前庭”に帝国艦隊を展開し、正面からウルケル海軍にぶつける。
[シコンとリオレ島の間の海域──十全に艦隊を動かせるそこを戦場として圧倒的火力をもって攻める短期決戦スタイル。
シコン攻略にかかる予定だった時間と戦力が浮いたが、有利になっただけだ。作戦を変更する意義はない。]
[まったく何も指示する必要がないほど、ルートヴィヒはアレクトールの心を読んだ采配をするのだ。
会議は、周囲から扶翼官の独断と誹られないためにやっているに過ぎない。]
で、帝国の布陣を突きつけられて──おまえがウルケルの参謀ならどう出る。
[それを聞かせろと海図を叩いた。]
[ルートヴィヒが”標準的な”戦略を語り始めた当初は本棚に視線をやってしまっていたが、話がゲオルグの資質に至り、海図の側へ戻ってくる。]
俺を落しにくるか。 来られるか。
心しておこう。
[声には明るい覚悟が宿る。]
スピード重視の編成、であれば、おまえの第二艦隊と同じ発想だな。
“絆”か──
慕われるだけでは得られないものだが、運の強い人間なら、あるいは。
味方だけでなく、敵にも恵まれているな、俺は。
[いつぞやのように椅子の背に腕を重ねて逆向きに座り、ルートヴィヒを見上げる。]
ウルケルは律儀で誇り高い傭兵だと、祖父は褒めていた。
オルヴァル戦の時だ。 もう15年も前になるか。
あの時、オルヴァルは負けたが、ウルケル傭兵隊は最後まで抵抗する部隊と共に残り、戦った。
傭兵というものは本来、自分が怪我をしない程度に協力するものと相場が決まっている。
雇われていても、その国に家族や財産があるわけでもなし、今戦っている国に次に雇われる可能性だってある。遺恨を抱かれていたらやりにくい。
枯れ木も山の賑わいとばかりにせいぜいが威勢良くしてみせるだけのところ──ウルケルは…ヒューベンタール提督の艦隊は違った、傭兵にしておくのは惜しいと。
祖父は、そう語って聞かせたものだ。
[そんな昔話をひとつして、笑う。]
俺は生意気だったからなあ、
「傭兵は金をもらって他国の戦争に加担するところが厭だ」と言ったら、じいさんに「おまえはそれでいい」と背を叩かれた。
帝国は傭兵を持たず、雇わぬ。
己が国の戦争は、自らの血で購わねばならない。
そうでなくては──いけない。
俺は今でも、そう考えている。
[それもまた、誇りだ。]
楽しそうな顔をするなと言われても、実際、愉快だからな。
[戦争がではなく、理想に踏み出してゆく生き方が、力の限り挑まれることが、敵味方を問わず共感できる強い個の存在が。
太陽にとっては熱を生む糧だ。]
タクマ・ナギ…か。 んん──
[ゲオルグの"翼"かもしれないと挙げられた名を繰り返してみる。
聞き覚えがあるからには、どこかで会うか話題にしているかだ。]
ああ、 ロットケン海将がオルヴァルで取り逃がしたと残念がっていた男か。
半分、沈んだような船で包囲網を突破していったと。
いや、でも、“小鴉”のマルコスが、タクマ・ナギは酔うと自分の船を沈めるんだとも言ってた。
ともかく伝説になる技量のある男らしいな。
おまえの琴線にひっかかるものがあるのなら──確率は低くもなさそうだ。
その男も、おまえみたいな美男で意地悪な策士なのか?
[最後は揶揄う口調で身体を揺らす。]
[最後は椅子を蹴るようにして立ち上がり、自負を述べるルートヴィヒの肩に手を置いた。]
俺は勝つ。
この一戦で、軛を解き放つ。
自由な海を万民に。
理想を力に変える翼を羽搏かせよ、ルッツ。
[そして、シコンの夜は更けてゆく。*]
− シコン砦 −
[艦隊に遅れて到着した後方支援部隊が続々と入港していた。
南の方から飛んで来た帝国機がその間隙を縫って軍港前に着水する。
リオル島とシコンの間の海域で哨戒にあたる帝国艦隊とウルケル海軍の間に遭遇戦が起きたとの知らせを運んで来たのだった。]
リオル島所属の部隊であって、ヒューベンタール提督の本隊とは異なるのだな。
武力斥候か、あるいはシコンに向けて放たれたか。
[どのみち、ウルケル側の戦略の流れに沿うものだろう。
本隊もそう遠くないところまで来ている、と思った。
傍らを見やれば、すでに出航準備は整っているとの怜悧な視線が告げている。
昨夜の灯艦飾は片付けられ、翻るは帝国旗。]
第一艦隊・第二艦隊、出撃する。
シコンの機雷敷設艦は、敵の接近を確認したら湾の入り口を機雷で封鎖せよ。
砲台、上空の見張りも怠るな。
[シコン駐留部隊に指示を確認し、ほどなくアレクトールは艦上の人となった。
とはいえ、戦闘海域に到着するまでには今しばらくかかる。
今回の遭遇戦には間に合うべくもないが、そこに焦りはなかった。
代将となったばかりのロー・シェンは何らかの成果をあげているだろうか。
あるいは、深追いを避けて弓弦を引き絞っているか。
他の者たちはどんな覇気を見せているか。
誰もが同じ世界を見ているわけではないと知っているが、帝国軍各員の奮戦を期する。]
運命を、己の手で掴みとれ──
− 帝都 / 9年前 −
[アレクトールが再びルートヴィヒに呼びかけたのは、脱出劇の翌日、まだ昼にならぬうちだった。]
おはよう、ルッツ。 調子はどうだ。
今、おまえの屋敷の居間で茶菓の接待を受けている。
暇なら下りて来いよ。
[連絡先を聞いたのをいいことに、さっそく乗り込んできたのだった。
ただし、今日は皇太子として、下にもおかないもてなしを受けている。]
[シコンの港を出る時、岸壁の上から手を振っている子供の姿が見えた。
いつもそうして船を見送っているのかもしれない。
ファミルが守った日常風景だ。
双眼鏡を目に当てて見れば、10歳にはなっていないだろう年頃の少年と少女だった。
それと認識して、胸にチクリとした痛みが蘇る。
あれは15年ほど前、オルヴァル滅亡の後。
当時9歳になったばかりの皇太孫アレクトールの前に、ほんのわずかな時間だけ存在した金髪の少女。
名は、ミリエル・クラリスといった──]
− 帝都 / 9年前 −
[ルートヴィヒは自分ほど体力に恵まれていないのは昨日の一件で把握していた。
熱でも出していないかと心配しになったというのも、早い再訪理由のひとつだった。あの咳は気がかりだ。
直接に顔色を見て、やはり本調子ではなさそうだなと思う。
まあ、今日のところは早々に引き上げるつもりである。]
挨拶重畳。
アレクトール・スライ・モルトガットだ。
[今回はフルネームで名乗り、ソファに座るよう促す。]
姉が熱を出していてな、
何か食べたいものがあるかと聞いたら、これ、と言われた。
[図鑑に載っている異国の果実を指し示す。]
侍従に、「シュヴァール商会ならば取り扱いがあるかも」と聞いてやってきた。
今、調べてもらっているところだ。
本当の目的は、犬対策だがな。
[心の声はよりくだけた調子で響く。]
さっき、警備主任が「このお方は大事なお客様だから吼えたりするな。匂いを覚えておけ」と番犬に言い聞かせてくれたから、今夜からはベランダから侵入できる。
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>>644
これで26歳であるww
ポジション的にはいいフォロワーなんだが、マイナス10歳してもいいぞw
年長者多いウルケル陣営でよかったな。>比較的若手
− 帝都 / 9年前 −
[フェリシアの名にわずかに視線が沈む。
祖父がフェリシアの雇ったウルケル海軍に敗走し、そのまま立ち直ることなく死んでまだ1年。
そのフェリシアとしゃあしゃあと交易している商会のしたたかさよ。]
家で取り扱っている品を把握している、か。
牢な──嗣子殿は優秀だな。
ああ、手配ができたら、宮殿まで届けてくれ。
命にかかわるような病でもないし、たまには姉孝行してやろうと思っただけだ。
おまえ、ストラテゴはできるか?
近いうちに、相手をしに来い。
[他の者ではなく、ルートヴィヒが来て時間を気にせず留めておけるようにと布石を打っておく。]
昼からとは、気前がいい。
[ルートヴィヒが示唆した大胆な誘拐に笑う。]
でも、身体の方はまだ辛そうだな。 休め。
− 帝都 / 9年前 −
[皇太子相手に手加減なしを宣言したルートヴィヒに対し、商会の人間が取り乱すことも制止の言葉をかけることもないのをみる。
なるほど、行き届いている。いい組織だ。]
手加減して気づかぬ馬鹿か試されるより気分がいい。
[出された茶のお代わりを断り、用事はこれで済んだと席を立つ。]
鍛えるのか。殊勝だな。
手加減しなくて構わないなら、いつでも喜んで手伝ってやろう。
[意趣返しの口調で協力を約束する。
内容が何であれ、一緒にいられる時間が作れるのは楽しい。]
馬に乗れる恰好をしておけ。
[明日の計画を少しだけ教え、帰途につこう。*]
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