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[島につけばタラップを音たてて降りる
頬を撫でる風は生温かく、潮を含んだ其れはまるでおかえりと囁くかのようであった
迎えの車に乗せられ連れてこられた洋館は、美しくも何処か不気味な古さ
宿泊施設の部屋割は、どうやら軍人の女性は利便性を考えた部屋に既に狙い定めているようだ
自分もそれならば部屋をさっさと決めてしまおう
潮風にしたのは気まぐれ、というわけではない
海が見え、そして一番階段に近く何かあれば談話室に直ぐ逃げ込める場所
他にも希望者がいたならどうしよう、と思いつつもとりあえず荷物はクローゼットに
さと、これからどうするか
部屋から出れば談話室に座って
しばし目を閉じ他の人たちの様子に耳を*すませた*]
[談話室で足音や会話を聞いていれば、大部分は食堂に昼食を食べに行くらしい
そういえば自分はまだ朝食に配布されたパンすら食べていない
それでも何となく行く気にならずに目を閉じていた所――]
あら、また逢いましたねお兄さん
[話しかけられ思考を中断>>31
そういえば彼の名前を私は知らない。顔は知ってはいるけれど
一瞬『無邪気な女の子』を作ろうかとは思ったが
――そういえば彼には煙草のやりとりを見られているんだったか]
ふふ、疲れよりもそうですねぇ
彼らがいなくなったのを見計らって此の館の中を散策をと考えてたんですよ
お兄さんもその口です?
だとすると賢い方だな、とは思いますけど
[暗に軍人がいれば探しづらい所を探すつもりである、と告げれば目を細める
気付かれず彼を、見定めるかのように]
あらあら、部屋割に出遅れちゃったのですか
それは残念無念、ですね
私は潮風の部屋にしたんです。其方はどのお部屋に
[海が見えて丁度いいんですよ、なんて笑顔で告げる
逃走経路を確保する意味でのことには触れず]
へぇ、隠し通路ねぇ
洋館でしたらありそうですけど、そういうのを探すのはお好き?
[探偵よろしく暖炉に歩み寄る姿を眺める瞳は揶揄を含んではいるものの
宿る光は一挙一動見逃さぬとばかりに煌めく
あったら面白そうよね、と応対するも
細工を触る彼の視線は此方にある
厄介な。否。一筋縄ではいかぬかと
思案するのは脳裏で]
書庫ですか?いえ、まだですわ
きっと郷土史とかがあると思うのですが
――行こうとは思ってるんです
[でも独りじゃ怖くって、なんて嘘をつく
手記を指差すのを見れば、目ざといのねなんて思いつつ]
ふふ、これ祖母の形見の日記帳なんですよ
思い出の品だから、手放すのが怖いんです
[そんな愁傷なことを言って笑う
貴方の商売道具と一緒ですよ、なんて――ファーストコンタクト時
彼の近くにあったカメラを探すがさて其れはどこに?]
[暫しダーフィトと歓談していれば時刻は夕方だ
そろそろ夕食の準備ができたことだろう
皆は夕食を食べに食堂へ向かうのだろうか、それとも]
私は人気も少なくなってきましたし――書庫へ向かおうと思うんです
一緒に行きます?
[目的は蔵書の中の――郷土史のものの廃棄なのだが
彼の目を欺けるかどうかはわからない
一端借りるということにして部屋に持ち帰り
全てを廃棄してしまうつもりなのだが
持ち運びは肩にカバンを背負っているのだ、簡単だ
さて、彼はどうするだろうかと思案顔で見つめた]
[彼は付いていく、ついていかないどちらを選んだだろう
私は立ちあがったその足で書庫へと向かう
書庫は少しだけ空気が淀んではいたがそこそこ丁寧に換気がされていた
探すのは郷土史――それも、ここ数年の近代のもの
数冊くらいは見つけられたが、中には取りこぼしもあるだろう
何せ此の書庫に入ったのは初めてなのだから
運よく私に見つからなかった本は焼却処分を免れ
此処に探索に来た人の目に留まるだろう
ショルダーバッグに人目につかぬよう仕舞い込んだ数冊は
きっと夜に崖下へと投げ捨てられる
それが、祖母の願いだから
それがふくしゅう、なの]
裏口に関しては2階より1階に用意されていそうだけれどね
ほら、洋館でもよくあるでしょう?
隠し部屋なら1階の方がいい
なぜなら地下にも横にも作れるから
[2階以降なら横にしか作れない。打ち止めの階なら天井に隠し部屋は作れるが
物音という観点からして得策ではない
日記帳について問われれば]
ええ。祖母との思い出の品なのよ
大切なの。とてもとても
――ふふ、失礼じゃないから安心なさって
[謝罪には笑み浮かべそう告げる
内側に隠されたカメラには気づかなかったものの、彼はどうやら書庫に同行する様だ
心強いわと告げた後、娯楽にも最適ねと同意する
共に書庫へと向かった際、扉を開けてもらえたなら礼を言って、中へ→>>102]
[二手に分かれた事で彼からは自分の行動は見えない
同時に、彼の行動も自分からは見えない>>123
謎かけのピースを破壊するのもまた愉悦
『湾曲されたこの歴史。再び利用され尽くされるその前に
我らの無念を。叶えておくれ』
呟く祖母の言葉。其れを思い出しながら肩のバッグを握り締め
ふと、脳裏蘇るは船内で出会った一人の青年]
……オズさんなら、どうするでしょうね
此の島に隠された真実、知った時
その恐怖に身を晒された時
[ぽつりと呟けば仕舞っていた歴史の本を1冊だけ、本棚に戻す
ほんの気まぐれなのよ]
――誰を、怨む?
[誰にとも言わぬ、問いかけを虚空に散らす]
[カモフラージュにいくつか別の本を手に持って
さてダーフィトは本を選び終えたろうか]
どう?ダーフィトさん。本は選び終わったかしら
私は面白い本見つけちゃって
[ムームーを発刊している会社から出たホラースポット特集の本など
ある意味オカルティックチョイスのものを抱えて尋ねる
その時――ぐぅ、と腹の音]
……あっ
[そうだ、自分は朝も昼も食べていない
き、聞かれていないよね?とじっと目の前の男を見つめた]
[少し前、『そんなに思われてると、御祖母様も幸せですね。』
そう、呟いたダーフィトの>>140言葉を思い出す
幸せ、なのだろうか
島への帰還を望むも叶えられず儚くなった祖母
彼女の息子の妻の、連れ子である自分にも孫の様に接してくれた
その彼女の望みを叶えたいというのはひとえに自信がないから
彼女の孫でありたいと願うけれど、その血は他者のもの
覚えているの。雨の音、ブレーキの音、赭が流れるその光景
見えた赭、赤、淦、紅――未だに血が滴るような肉は大嫌い、だ
せめて彼女と同じ血を引いていたのなら
私は彼女の慰めになれたのかしら――事故により息子夫婦を、夫を、血を引く孫を喪った彼女の
家族の中で唯一彼女の家族になれぬ自分だけ助かった
それが未だに棘となって自分を苛むのだ]
ー食堂ー
[彼の後>>152について食堂に行けば、その入り口に書いてあったメニューのラインナップに困り顔
肉は嫌いなの。食べたくないわ
ローゼンハイムが鍋を混ぜているのを横目に手に取ったのは温野菜のサラダ、ミネストローネからベーコンを避けて
果物のゼリーまではとらない。腹いっぱいになってしまえばいざという時動きが鈍る
食べなかった配給のサンドイッチを冷蔵庫に放り込むが、名前は書かなかった
それらを手に持って席へと向かう前、ダーフィトがローゼンハイムに話しかけている内容を耳ざとく聞く
彼が喧噪に割り込むなら、自分はそこで一端わかれて食堂の端の方に腰を下ろそう
会話を聞きながらさくり、とフォークでつつく温野菜
ゆでられていても艶やかな其れを見つめて。何も言わず口へと放り込んだ]
[温野菜のサラダを食べていれば。ふと視線を感じる>>159
誰だろうかと巡らせれば、どうやらオズワルドからの様で
小さく手を振り返したが、気づくかどうか
と、彼の隣を見れば見知った顔>>155
社交的な男で距離感の測り方は上手いとは思っていたが、何をオズワルドと話していたのだろう
船内でちらりと此方に見せた彼の目的思い出せば、視線は自然と彼らの方へ
何を話しているのやら。と耳をそばだてつつもカークからの観察するような視線に気づけばつぃと自分からの視線は外す
そうこうしているうちに彼がフレデリカに挨拶しているのを横目に見れば、しゃくり、と野菜を食んだ]
[彼の回答には、楽しげに眼を細める>>167]
ふふ。その使い方もあるわね
――でもね
[先程の会話を思い出して?なんて告げてみればさてもう目の前には食堂の扉
時間というのは角も早く過ぎ去るものか
ならば自分の回答を告げておこう]
そうね、探索者として
隠し扉を探すときや隠し通路を探す時。まずどうやって探すかしら
むやみやたらに叩くのもいいわ
でも。そうねたとえば廃坑跡、通路は何にも塞がれていない
屋敷でも歳月経てば綻び空気の隙間はできるでしょう
――煙草に火をつければ。煙が流れる方角に空気の通り道があるでしょう?
それなら其方に隠されたものがある可能性、高くないかしら
[そう告げた後、彼に鞄から煙草の箱を1箱オスソワケ
無論カークが既に手渡していたとは知る由もないのだった]
ー潮風の部屋ー
[その名の通り、自分の部屋は海に面している
切り立った崖はちょっとやそっとでは昇ってこれないような高さ
ショルダーバッグから取り出した数冊の歴史の本
其れを崖下海にめがけて放り込む
空中で舞う。まう。本が舞う
ばらばらっとページが風圧でめくれるも、やがて昏い海の底
ばしゃん!と音を立てて沈んでいく]
おばあさま――これで、良いのですよね……
[きゅ、と手元の日記帳を抱きしめ呟く
夜の海は只管黒く。星が綺麗に瞬く空とは対照的であった
星を纏わせる月は蒼く澄みつつ輝いており
この光景だけ見れば幻想的。何か不思議な事が起こりそうな予感がする
吐息を1つだけ零せば窓を閉じる
ぱたん、と心まで閉じてしまえといわんばかりに]
[本を捨てたその足で、向かうは浴場。足取りは何処か重くも感じたろう
誰もいないのを確認して服を脱ぐ
背と両足に刻まれた事故の痕は醜く引き攣れており、醜悪ともいえる肉の盛り上がりをみせていた
之を見るたびに、自分は普通の幸せはもう得られないとつくづく思う
船に同乗した可愛らしい面々の容姿を脳裏に描けば、溜め息を1つ、零す
もしも事故にあっていなければ
私は人並みの幸せを得られたのかしら
祖母の願いを叶えに此の島へと赴くこともなかったかしら
湯に浸かれば傷は白から薄桃へと変化し如実に存在を主張する
生きているのが間違いなのだと指摘するかのように]
……死んじゃえばいいのよ
[私なんか。″研究成果を守る奴ら″なんか
祖母を悲しませた原因なんて、皆皆呪われてしまえ
呟く言葉は湯気に溶ける]
[風呂から上がれば向かう先は部屋――ではなく、談話室
何故か部屋に帰る気にはなれず、ソファに座ればぼんやり空中を眺める
たった1冊残してきた歴史の本は気付く人はいるのだろうか
――いなければ、いい。なぜ私は気まぐれに残したのだろう
自分で自分の心がわからない
手に今持つのは何もなく、ただぼんやりと無意味な時間を過ごしていた]
/*
睡狼だったら多分輸血かなんかでばっちゃの抗体がINしたのだろう
ふつーの村人だったら血がつながってないので楽に死ねるよ!(ゲス顔)
[白む空は朝を告げる
いつの間にか談話室のソファで眠りに落ちた自分
――既に此の洋館の管理人に『呪い』が芽ぶいているとは思いもせずに
唯、眠りの淵へといざなわれる*]
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