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―――――…きっと、“私”は消えてしまったのでしょう。
[同じ顔をして、同じ声をして、同じ言葉を紡ぎ、
それでも、彼女を愛さぬ己には、自我が足りない。
同じ闇を司り、夜を支配し、影を統べろうと、
情熱を失くし、恐れを忘れ、魂砕けた器でしかない。]
[彼女に告げる心情は、一層の狂気を垣間見せる。
笑んで告げながら、己の底を支えるのは愛妻であるとの語。
精霊を精霊たらしめるは各々司る根源であるが、
自身はそれ以上に個を確立するものを手にしている。
腹を裂いてしまうに惜しく、興で使い果たしてしまうに釣り合わず。
魔族の饗宴を理解できても、同意を示すには、傾倒が過ぎている。
男は深淵の底、狂気の縁で、誰よりも彼女を愛していた。]
[嫉妬する顔さえ見たいと応じる声]
…そんな顔は、できれば貴方にお見せしたくはないわ。
[緩く苦笑し、続けられた言葉にそっと息を詰める]
――……、
それでも……、
貴方が、貴方であることに変わりはないでしょう?
[笑みを以て告げられた言葉の真意に至れず、声を絞る]
―――…はい、それでもヒトにのみ許された性かと。
[大気から力を汲み上げる術を生まれながらに知る種の同意。
生れ落ちて以降、精霊が更なる力を得ることは希少。
余程の大望がなければ、分を弁える。
―――稀に、己のように、目的を以って、
資質以上の才を強引に開花させることも在るが、
己の向上を知らぬ妻には、濁すように答えを返した。>>568
そうして、凄惨さを思わせる施設から視線を外す彼女に気付き、
そっと背中を撫で下ろし、気を惹くように額へ落とすキス。]
……ああ、瘴気に中りますか?
貴女を快癒させる力はありませんが、もう少しで抜けられます。
――…ぐるりと巡れば、魔界の構造も知れるでしょう。
[空間情報を集めれば、
今はまだ、抉じ開けるだけの情報が足りない故、
ぞろりと自身の影から生み出す闇に次元軸を覚えさせるに留め。]
[夫の無関心は幅が広く、彼女を除いたあらゆることに興味が薄い。
夜の静寂と、仄暗い粘性の闇に僅かばかり興を燻らせるのみで、
妻たる彼女ですら、己が愛妻以外に向ける執着を知らぬはず。
――――それは、至極当然のこと。
長の座も、精霊界も、いつか訪れる世界の終焉ですら、
己の無聊を慰めてはくれないのだから。
彼女に向ける歪な執心が、練られ、曲がり、捻くれて、
己を混沌とした闇へと生まれ変わらせた。
出会った頃は、精霊力もまだ拮抗していたが、
時を重ねる程に、力は強大となり、末に大望を果たす。
それは、己が愚かしいと詰る人の渇望と相違なく、
濁した言葉の裏側を隠蔽するように奥歯を噛む。]
―――……、
[誰何を問う彼女は知らない。
自身の胸に篭る本当の根源を。
少し言葉を選ぶようにして、数拍の沈黙を落とし。]
イングリッド――、
それでは、もしも、私が死んでしまったら、
貴女の口付けで起こしてください。
[微笑を貼り付け、向ける言の葉は冗句にも聞こえる本音。
精霊は本来死さず、終わりにあるのは消滅か回帰であるが、
心の喪失は確かな死だと、彼女に言い聞かせ、
詐欺師のような男は、単純明快に唇を強請った。]
――……いいえ。
[いいえ。と繰り返し、緩やかに、はっきりと首を振る]
だって…、その時貴方が、私の唇を望んで下さるとは思えないもの。
[――その時が訪れるなら、きっと。
彼に触れたがる唇も、追い縋る腕も、何もかも亡くしているだろうと。
残りの理由は告げず、冗談めかして拗ねた声を作る]
[言の葉を降り積もらせ、彼女は己の心を満たしてゆく。>>604
明けぬ夜すら照らす陽光如く、眩さを覚えて双眸を瞬き。
微かに乾いた喉が、枯渇を訴えて喉を上下させた。]
幾度でも聞きたい、と無心を唱えてしまうのです。
―――呆れますか? 我が君。
[戯れを緩慢に紡ぎつつ、廊下を抜ければ、鍵の壊された扉を発見。
錆の浮く鋼製の堅牢を、事も無げに肩で押しやり、
抱いた妻を降ろすことすらせず脱出を叶えた。
扉を開く瞬間、曇った気配を滲ませる彼女の顔に、>>605
疑問の色合いを浮かべるが、出しかけた声が音になり損ねた。]
― →霧の沼地 ―
[喉に呼び込んでしまったのは、咽返るような湿度。
湿地帯特有の水草が繁り、濃霧が視界を遮る。
軽く咳払いを漏らすと、纏わり付く僅かな不快感に眉を揺らし。]
イングリッド……?
今のは如何云った……――――、
[外に出る折に聞こえた囁きの意味を計りかねて問うが、
己が言葉を終える前、彼女の答えが変える前に、事態は急変。]
………っ、
[深い霧の中、姿は見えぬが、確かに感じるのは弱々しい精霊力。
お互いの本能で察するひとつの気配は、
魔界より生み出された邪と魔に近い魔物としての精霊種でなく、
精霊界より捕われ、享楽の為に放たれた若き水精のもの。>>410
そうして、続いて聞こえてくるのは低空を駆ける複数の幽馬の嘶き。
濃霧を透かした人影は首の無い騎士の形を取り、
興に耽るまま、逃げ惑う水精を狩りに参じたのであった。**]
/*
嫁素敵すぎていろいろもうだめだ…。
キラキラしてて神々しいのに、チラッと見える諦観みたいなツンが、
ドラマチックで引き込まれてツボでうぁあああ(しゃがみこんで顔覆う)
― 霧の沼地 ―
[濃霧の立ち込める茫漠とした沼地、
広範囲に及ぶ湿地帯には、微かながら水の気配。
潰走を選択した水精は、この水量に誘われてきたのだろう。
生来、彼らは清らかなせせらぎや畔に棲まうが、
到底、贅沢を並べていられるような余裕は無いらしい。
慄然を誘う蹄の高い音響を聞き、妻を抱く腕に僅か力を込め。
されど、露呈させるのは同属に対する慈悲ではなく、
愛妻への問いかけを邪魔された億劫げな物憂い顔。]
――…おやおや、憐れなことですね。
[肩を竦めて零せば、異形の騎士等も、此方の気配に気付く。
闇黒色にして魔界に馴染む男は未だしも、
抱えているのは魔界において珍しい光精である。
散々玩び、力を削いだ水精よりも狩りの興をそそる獲物。
首のない騎士に関心を与えてしまう様に、ささやかな溜息ひとつ。]
[程なくして、霧を裂くように突破する幽馬が頭上に三頭。
それに跨る首無しはどの個体も、己より一回り以上巨大。
稀びやかな貌鳥か、と振動のみで聞いた声は隙間風のように朧。
妻を短絡に評する声色に眉を顰め、男は傍らに彼女を下ろす。
伴う男の性質は、魔界に捨石ほども溢れる闇の色合い。
魔の者は考慮もせずに、
―――…イングリッド、此方で少しお待ちいただけますか?
なに、直ぐに済みますよ。
[微笑を向け、掌から生み出した闇の欠片を彼女の足元へと落とす。
澱めいて淀んだ紫闇色に、彼女を任せ、魔物に向き直り。]
さて、―――…我が妻に、何用ですか?
[薄ら微笑んで、払う右腕。
腕から染み出した夜の静寂が、初めて明確な害意と転じ。
生み出すのは輪郭を闇で暈す大鎌。
五指で握りこみ、大きく露払いで迎える態。]
[その折、男はとぷんと揺れた水面の音を聞く。
どうやら関心が逸れたことにより、水精が沼に逃げ込んだようだ。
他に面倒を押し付け、自身は安息を得る同属へ、
向けていた憐憫は露骨な不快と嘲笑に変わる。
人でも、精霊でも、天使でも、一皮剥いてしまえば、
皆このように、自己の保身へと走る。
やはり、世界で輝くのはただ一つ、
我が妻ばかりか。と、蔑視向けた水精より意識を切り上げた。]
[妻の前に一歩出る男は、彼女を下がらせ、魔の眷属と対峙。
優男然とした風貌に、下卑た瘴気が温い大気に混じった。
細やかに漏らした妻の制止の声は、魔物等の腹を満たす。>>654
気丈な女性、傷付き易い魂、慮る心を穢すのは、美酒に等しい。
その本質が、己の不興を買うとも知らず。]
―――……、
[浅く空気を吸い込むと、霧靄の中へと踏み込む長躯。
戦士らしい屈強さも持たぬ代わりに、柔軟な器を用い、
一足目に地を、二足目に、伸びた闇手を蹴って伸び上がる。
忍び寄る闇色は音も伴わず、先ずは一閃。
到底、届かぬ位置から齎せた一撃を嗤う伽藍堂の声。]
[されど、己は戦士ではなく、騎士でない。
しんと波打つような死の夜を司る闇精であった。
初撃で切り裂くは空間、刈取るは命の灯火。
幽けし軍馬だけがその危険性に気付いて嘶きを迸らせるが、―――致命的に、遅い。
ギィンッ、と硬い鎧を闇で熔かすように裂いた一太刀。
近接攻撃の届く距離ではないが、物理法則を超え、
断罪の刃は確かに首無しを胴無しに変えた。
彼女を嘲った魔物の一を、刹那で屠り、大鎌を翻す。
白霧の中で靡く黒衣は、自らの手で夜を拡げるよう。
急遽として対する己の力量を把握した残党二匹は濃霧に逃れ、体勢を立て直す。
白靄の中、ゴトン、と重く落ちた音を妻に聞かせ、
三足目も闇で編んだ足場を蹴り、彼女の視界から消えてしまうか。
彼女の足元に蟠る闇影は、歩みを阻むように泥めく靄を散らし。
己の身を案じる献身的な妻に寄り添っていた。>>664]
/*
しかし、清々しいまでに嫁といちゃいちゃし倒している。
他のペアさんにも絡みたい欲はあるけれど、
嘗て無いほどのコミュ障っぷりと、
眺めているだけでほわほわ出来ると言うエコっぷり。
ログが楽しみだなぁ。
[逃れるものを追うのは本来、趣味ではない。
妻を求めて彷徨うならいざ知らず、羽虫退治とは億劫限りない。
されども、妻へ敵意を向けた手合を許せる筈もなく、
追い立てるように真横に掻いた一閃は、幽馬の腱を潰し、
獣の咆哮が濃霧の中で響き渡る。
正しく、狩場と言うに相応しい惨状の喧騒。
瞬間的な攻撃性は火精に劣り、舞うが如くの迅速は風精に劣るが、
自身は死を招く術を知る夜影の住人。
力を揮うのは、心細く鳴く愛妻が唯一人の為。>>670]
[途中二手に別れた二匹目の撃墜は、初撃よりも易くあった。
軍馬の機動力を削いでしまえば、騎兵など兎狩りと大差ない。
無事を願う妻の想いを杞憂に変え、
大鎌は首の欠けた鎧の内に潜む魔力を断つ。
身体の一部のように添わせて翻し、扱う鎌は自由自在。
反撃に繰り出される衝撃も、巨大な闇手が薙ぎ払う。]
―――…我が妻への狼藉、大罪と知り、
滅して不敬を悔いるが良い。
[薄っすらと撓る唇が、言葉を滑らせるが、聞く者はもう居ない。
ずぶずぶと燻る塵芥が沼淵へと堕ちていく。
そのまま、己も重力に従い、一旦水草の群生地に着地。
さて、後一匹。
と、事も無げに呟いて、濃霧の中に軌跡を刻んで身を翻した。]
[――――その時、
助けて…、
と、小さな声が沼から響いた。
時を惜しむように視線だけを其方へ投げかければ、
そこには先ほどまで追われていた若い水精の姿。
水色の長い髪は光沢を喪い、幾度も焼き鏝押し付けられた白い肌は見るも無残に爛れていた。
散々、衝槍に玩ばれたのだろう体躯は、所々欠けてもいる。
詰まらないものを、見つけてしまったとばかりに
嘆息した自身に構わず、水精は懇願を迸らせた。
精霊界に戻りたいと、どうか慈悲をと、
己の力を確信してから媚びる様は、実に見苦しい。
長々続きそうな声色に、興味が動かされることは無い。
寧ろ、今は見失ってしまった残りの魔物が気がかりであり、
何より―――、妻の下に早く戻りたかった。]
残念ですが―――…、
[ふぅ、と煩わしさを溜息で払い、微笑んで向ける言葉。
はい…っと威勢よく縋ってきた相手を裏切り、ヒタと向ける大鎌。]
―――…今は、妻と行楽の最中なのですよ。
[己の吐き出した言葉の意味を計りかね、「は?」と間の抜けた声を、喉から搾り出す水精は、男の狂気を知らない。
精霊力を飢えさせ、みすぼらしい彼にも、
なけなしの力を絞って分けるだろう愛妻を思えば、生かす得も無い。
いいや、なにより。
―――彼女が身を按ずるのは、自分だけで良い。
昏い思考は、大鎌を同種に振り被ることで行動に変わる。
驚愕に彩られ、喉に悲鳴を溜める水精へ、何ら、躊躇いなく。]
[寧ろ、憂いを削げて良かったとばかりに安堵が浮かぶ。
彼女の一滴とて、誰かに渡すのは腹が煮えること。
妻の力の一欠片とも、釣り合わぬとばかり、
怯えて水色の瞳を見開く水精を闇の鎌が撫でた。
己の力は、精霊種へも消滅を齎す強烈を孕む。
彼女へ向ける執着は時として、賢しくも愚かしく働き。
沼に事切れて沈み行く精霊は、最後の希望も立ち消えて、
生まれた場所にすら還ることなく、男の傲慢に踏み躙られた。
―――沼を囲む深い霧が、男の悪辣をそっと包み隠して。*]
[自身が沼地の傍で、残滓の始末をする間に、
頭部無くとも智を回す残り一匹は、狙いをか弱き光精に絞る。
己の執着こそ、最大の弱点と看破し、兇刃が妻へと迫っていた。]
/*
>>691
妻が可愛くて私は本望です。
キラキラしまくっていて、本当に眼福。
なんで、こんなに泣き顔が可愛いのか…。
Sではないのに右腕が疼くうぐぐぐ。
/*
在籍ボタン、凄い便利なのになんでこうも忘却しちゃうんだ。
健忘症なのか、うぉぉぉ…。(今オンに変えた)
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