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─ 村・??? ─
[丘を下り村へ戻れば、木陰の端に見える金髪に足を止める]
あ、ゲルト? ゲルトー おーい?
[小さく手を振りながら歩み寄って…
それから苦笑交じりにため息をひとつ]
まーた寝てるの?
ほんっとよく寝るわね…君
[口を尖らせて言ってはみるものの、どうせ夢の中の彼には届いてはいないのだろう。
とはいってもそのまま素通りするのも少しばかり気が引けて]
おっじゃまっしまーす。
[結局同じように樹に背を預けて腰を下ろす。
傍らの彼に呆れてはいるものの、夏の日差しの下で木陰ほど昼寝に最適な場所はない。
生い茂る木々の枝で日差しはゆるやかに、そしてなにより]
いい風…
[風で靡く長い髪を軽く抑えながら目を閉ざす。
風の音が…心地良い]
[微睡みの中、女の耳に届くのは風の音。
眠りへ誘う風は問う。
甘くのんびり「何か用?」と]
用? 用は
あ…用はないけど、あなたはおだやかに吹いていてくれればいいの。
あるのはオットー。パンとチーズに合うジャムを作るからって木苺を採りに森へ行っていたのだもの。
美味しいチーズはリナが運んでくれる。もう届いちゃったかな?
それから教会の飾りも手伝うって約束していたし…
だから、休んでられない…寝ていたらら日が暮れちゃうし。
だから寝て……
[うすぼんやりと一人寝言。
ふわりと吹き抜ける風の音色が、季節外れの紫陽花の薫りを運んでくる。
もう雨季も去ったのに、ねぼすけさんだなと笑ってもしまったか?
そうこの村にもそんなねぼすけさんはいる。彼の名は……]
ゲル… はっ!
[名を呼ぼうとした時に目が醒める。
一瞬自分がどこで何をしていたのかも思い出せず辺りを見回して、それからぼんやりとした目で女とゲルトを見ている二人の視線を見つめ返しもしたか?]
あれ? オットー? それにアルに…
……へ?
[我ながら間抜けが声が漏れた。
かすかに残っていく眠気がさぁーっと引いていくのと同時に、それに代わって恥ずかしさがこみ上げて、赤らんでいく顔で口を半開きにしたまま、二人を見て硬直していたか?]
そ、そうよね。今日は天気がいいからね。
ゲルトが気持ちよさそうに寝ていたから、見ていたら私も…えっと…ね?
[オットーの言葉に話を合わせるようにオーバーに頷きながら相変わらず顔は赤い。
気が動転していたせいか、なんで二人がそこにいるのか? 何をしていたのかなどということには、当然頭がまわらない。
もとい、あまり自分の寝顔云々とか想像したくない]
そ…そうだ。はい木苺。森の奥まではいけなかったけど、良さそうなの見繕ってきたわ。
これで足りる? リナはもう来たの?
[というわけで、とっとと話を逸らすことにした。傍らにおいてあった籠を持ち上げて彼に見せながら矢継ぎ早に尋ねる]
ち、違う! 夢なんか見て……ないです。
ちょっと休んでただけですもん。
あ…リナによろしくー。
[茶化した口調のアルビンに叫ぶような声をあげそうになってから、あわてて押し殺す。
その後どういうわけか動揺した風にいそいそと去っていこうとするオットーに木苺の籠を押し付けてその背を見送る。]
え…えっと…おかえりなさい。
アルに……アルビンさん。……久しぶり。
[オットーを見送れば、少しだけ口ごもりながらつぶやいて、チラリとアルビンを見上げた。]
もう! お兄ちゃんだなんて…私そんなに子どもじゃありません!
森へだってもう何度も行ってるのはご存知でしょうに。
それに森の怖さを教えてくださったのは、アルビンさん……
あ…と、ともかく! アルビンさん、逢うとすぐに子ども扱いされるのですもの。
[茶化す声色にむっとしたように頬を膨らませ、そっぽを向く。
いつからだろう、お兄ちゃんが兄さんになり……さんになったのは…
今でも慣れ親しんだ呼び名はすらすらと出てきそうになる。
そうしたいわけでは
もう! お兄ちゃんだなんて…私そんなに子どもじゃありません!
森へだってもう何度も行ってるのはご存知でしょうに。
それに森の怖さを教えてくださったのは、アルビンさん……
あ…と、ともかく!
アルビンさん、逢うとすぐに子ども扱いされるのですもの。
[茶化す声色にむっとしたように頬を膨らませ、そっぽを向く。
いつからだろう、お兄ちゃんが兄さんになり……さんになったのは…
今でも慣れ親しんだ呼び名はすらすらと出てきそうになる。
そうしたいわけではないのに…遠慮がちになってしまうのは、別に遠ざかってるわけでも遠ざけているわけでもないのに……なのに]
オットーの作るパンはチーズにもジャムにも合うものね。
夏至祭を彩るのは、花とオットーのパンよね!
絶対そんじょそこらのパンになんか負けないんだし、花盛の看板にもなれると思う!
アルビンさんが行商に出る時、一緒に持って行ってもらったら?
評判になって、観光客増えてくれるかもよ?
ほら、小さい村だから宿屋の女将さん少し困ってるし…
え? シフォンケーキ?
[心なしかしどろもどろになるオットーを他所に、シフォンケーキと聞けば目を輝かせる]
うんうん! いくいく!
ほらこの前…春に作ってた桜色のシフォンケーキすっごく美味しかったよ。
今度はどんなのかな? えへ〜シフォンケーキ楽しみ〜♪
[籠を渡しながら、中身が零れそうになるほど掴んだ手をぶんぶん振ってもしまったか。頬をほころばせながら彼を見送った]
へぇ…星狩り…素敵な名前……
よかったら、また聞かせてくださいな? 村のこと…旅のこと。
[お土産があると聞けば、一瞬ぱぁと明るくもしたが、すぐに口を真一文字に結んで]
はい。では花盛の商人アルビンさんのお手並みを拝見…かしら?
[畏まって見せてからくすりと笑う]
ええ、最近は皆準備に忙しくて、外のお話はあまり…。
お利口って…もう……あんな危ないことはもうしてません!
[結局ことの詳細は聞けずに、代わりにまたなんか子ども扱いされれば、機嫌を損ねたように口を尖らせる。
……危ない真似はしたくても流石にもうできない。
怖いもの知らずといえば勇敢にも捉えられるが、あれはただの無知が招いた無謀の所業だ。
それで、目の前のこの人には随分と迷惑もかけたし、無茶も強いてしまったか。
胸の奥がチクリと痛む]
[過去を思い出せば、少し陰る顔に小さな影が降りる。アルビンが手を伸ばす様…頭を撫でようとしてくれていたのは>>51すぐにわかった。
それはかつてはごくごく見慣れた光景で、決して嫌な思い出ではなかったのだけど、同時に胸中に燻る罪悪感も思い出させ]
えっと…森を進んであのお化け杉を右手に折れて川沿いに……鈴蘭が群生する所を見つけたのですけど、ご存知でした?
[さり気なくその手を躱すように一歩踏み出すと振り返って小さく笑う。
森の怖さも、厳しさも、そして美しさも教えてくれた人がいた。
だからだろう。女は多くの年頃の娘のように着飾ったり内職に携わるよりも山野を好み、森を…山を駆けることが多かった]
少しずつですが、森も変わってきています。
祭りが終わってもすぐに発つのではないでしょう?
少しご覧になっては? 良かったら案内します。
シフォンケーキは…ええおじゃましましょう?
オットーのパンやケーキ、前よりぐんと美味しくなってます。
お世辞じゃなくて、きっとそこら辺のものよりずっとずっと。
リナと約束があるみたいですし……先に荷物とか置いて来たら如何?
[持ちますよ? と小さく首を傾げてアルビンを見上げて眩しげに目を細めた。]
ふふ、本当仲が良くて羨ましい。
ええ、リナもフリーデルさんもみんな元気ですよー。
花盛はいたって平穏ですから。
祭の準備で今は殆ど村にいないのがちょっと残念ですけど…
[シスター? との声には小さくこくこくと頷きながら歩き出す。
村と言っても所詮は小さなコミュニティだ。他所の往来が多いわけでもない。村の住人なら見知りにもなるし懇意にもなる。
無論全部がというわけではない。それでもここに越してきて10年という歳月は、余所者だった自身を花盛に染め上げるには十分すぎる時間だっただろう。
だが…生粋の住人には敵わない。それも年の近い二人の縁の深さと自身のそれは歴然だろう。
“羨ましい”と零した言葉には微かに羨望と…そして別の色が混ざったかもしれない。]
アルビンさんがせっかく戻ってこられたのだし、今は多くの人が出払ってしまってますから、いっそ残ってる皆で夕食とかどうかしら?
オットーのお店がいいのかな?
手狭なら女将さんのところとか。あそこは好きに使っても怒られないし……最近よく手伝いに行かせて貰ってるんですよ。
[我ながら名案だとばかりに大きく頷けば、どうよ? とばかりにゲルトを小突いてみたり。]
ほら、おじいちゃんもういないし、オットーみたいにお店構えてるわけじゃないから、いろいろやっていかないとですよね。
お陰でいろいろでくるようになったんですよ。
ヤコブさんの農園なんかも手伝いしてますし。
あ、あはは、どれも中途半端って言っちゃえばそうなんですけどねー。
[頼っていた肉親も既になく……先を思えば不安がないと言えば嘘になる。そんな不安はおくびにも出さずあっけらかんと笑って見せながら語ってみたり耳を傾けてみたり]
ああ、星空が綺麗なんですか…素敵…
見える空もこことはまた違うのでしょうね。
[歩きながら空に手をかざす。今は真昼。数多の星々は蒼の果て。
日が落ち蒼を宵が染めゆかねば、星は姿を見せてはくれない。
ううん…違う。星はいつだって輝いている。変わることなく輝いている。
変わらないのに、ただ見えないだけ。
それとも…変わっているのだろうか? 人知れず、いつの間にかひっそりと。
山野が四季を巡り形を変えるように
人が歳月を重ね変わっていくように
傍らのアルビンとゲルトを眺める。
変わらない距離 変わっていく距離
……あの日見た背は、横顔は、今は──]
空…高いな……
[アルビンの家に立ち寄り、彼が支度をしている間ゲルトを茶化したり他愛もない会話で時を過ごせば、やがてオットーの店へと向かう。たどり着いた時、そこにカタリナやフリーデルの姿はあっただろうか?
いれば皆に夕飯のお誘いをして回ったことだろう。>>74]**
/*
あ…あっれー?
そ、そうか一人まだ入ってないんだ(見えたTL見ながらdkdk)
あちゃー。ヤコブとレジーナの話ちょっと入れちゃってたよ…大丈夫かな…
/*
そして、更新ちょい前まで戻れないことが確定したorz
プロで一通り絡めるかなぁって思ってたんだけど、残念無念なのだわ。
おまけにびっみょーに風邪気味だし。
あ、あした頑張る!
─ オットーのパン屋 ─
オットー。来たわよー
三名様ご案内でーす。
あ、リナやっぱり来てた。やっほー。どうチーズの出来具合?
[オットーとフリーデルの微妙な空気も、またオットーが自身にどんな思いを抱いていたかも知る由もなく…果たして女はごくごく自然な…つまり普段と何変わらぬ様子でパン屋の扉をくぐり中へ入っていく。
先にいたであろうカタリナを見れば小さく手を振ってみせ、それからフリーデルの姿にはすこしばかり驚いたようにきょとんとした顔で瞬きを返した。彼女をこのパン屋で見かけたことは果たしてあっただろうか? ちょっと思い出せない。
それだけ彼女とこの場の取り合わせは女にとって珍しく新鮮なものだった]
あれ、フリーデルさんも来てたんだ。
そうですね。奇遇…ううん丁度よかった。
シフォンケーキ持って行こうかなって思ってたんですよ。
でも作りたての方が絶対美味しいですしね。
[にこやかに挨拶を交わしてから、オットーに勧められるままに椅子に腰掛ける。]
飲み物は…ブランジェのオススメで!
[リクエストを尋ねられれば、いつものように即答で返す。
女がここであれこれと注文をつけたことはない。
これは別に気障に振る舞ってるわけでもめんどくさいわけでもなく、もう習慣のようなものだった。
初めて来た頃は何分飲み物の種類など知識もなく『美味しいの!』と頼んでいたか?
それが積み重なって今に至る。
そして今まで一度として彼の出す料理や飲物にケチを付けたことなどなかった。
それくらいには彼の腕を信頼していたし、なにより安心もしていた]
ぁ…えっと…
[その登場、何より彼の言動に面食らったまま、パンに注がれるものにも劣った4割程度の…さらにそこから6当分程度削られて寄越された視線に対し、曖昧な笑みで会釈を返してから、何やら複雑な面持ちでいるシスターに目を向けて]
ねえ…街の神父さん…ってああいう方多いの?
あと……花粉症ってこの辺の花でもやっぱりなるのかな?
[フリーデルがこの村の出自でないことくらいは勿論知っていた。少なくとも自身より間違いなく神職に縁もあるだろう彼女に、ごくごく自然に覚えた疑問を尋ねてもみたか?
もちろんこっそりとだったが……
毎年祭に合わせて神父が派遣されるのは知っている。知って入るがこうも強烈な個性を持って現れた者は流石に記憶にもなかった。]
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