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3人目、逃亡者 シメオン が参加しました。
逃亡者 シメオンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
うーん。
[男は困った、というように小さく唸って頭から被ったフードの端を持ち上げる。そのフードは絞れそうな程にびっしょりと濡れそぼっていた]
替えのフード、欲しいなぁ……どこに行けば手に入るかなぁ……
[ただの布であればいいのだが、彼のフードは特別製なのだ。糸に魔力を込めて丁寧に織り上げたそれはなかなか手に入らない。そもそも糸に魔力を込める技術は隣の国のお国芸である。ちょっと隣の国まで買い物に、というには最近の情勢が不安定にすぎる。
替えのフードは最近まで持っていたのだが、ひとつダメにしてしまった。そうなるといくらびしょ濡れで気持ち悪いとはいえ、脱ぐわけにはいかないのだ]
……まぁ。いつ行っても変わらないか……
[青年はため息をひとつ吐くと、決断した。そうと決まれば行動である。ここ半月ほどを過ごした森外れ、滅多に人もこないようなクッソ田舎の古い掘立小屋から私物を集める。
とはいっても旅ばかりしている身なので、それもごく僅かなものだ。雨さえ止めば、すぐに行動できる]
和平交渉かぁ……人が集まるなら、どさくさに紛れてちょっとあっちの国に入れる……?
物資も集まってるかもだし。そこで買えたらラッキーかなぁ……お金、あんまりないけど。どうしよ。
[なんか適当に怪我人でもいれば、金になるかもしれないが。その際怪我が酷いほど貰える金額も良くなるかもしれないが、同時に彼の身も危険になる。とにかく目立たず、権力者には近寄らず、目的を果たしたらさっさと逃げる。これに限る。
[くしゅん、とひとつ小さくくしゃみを漏らす。なにせ濡れたフードを被ったままである。火をつけた暖炉の傍に小さく丸まり、一生懸命乾かそうと頑張っているけれど芯から濡れてしまったフードは早々乾くものではない]
風邪ひいちゃうかもしれないなぁ。
[なんて呟いてみて、ひっそりと笑う。なんせ彼は生まれてこの方風邪なんて引いたことがないし、怪我もすぐ治るし病気一つしたことがない。顔色があまり良くないのが不思議なほどに、健康優良児なのである]
……美味しいもの、あるかなぁ。
[生まれつきの能力ゆえに、逃亡を続ける青年。その境遇でありながら、旅を続けるのは意外に性に合っている。人と関わるのも面倒だし。
外を見る。雨雲の隙間から空が見え始めている。これなら時期に止むだろうか。
新しい旅を決めた青年の、フードの隙間から覗く口元は楽し気に笑っていた**]
[途中までは街道を繋ぐ旅馬車を乗り継ぎ、適度に追跡し辛いルートを辿る。たまに遠回りを混ぜ込んで、目くらましも入れる。慣れたものだ。
そうしてたどり着いた国境にほど近い町。ゆっくりと見て回っても一日もあれば回りつくせるそこに、目的のものは見当たらなかった]
「以前はゾラントのものもたまには入ってきてたんだけどねぇ。最近はさっぱりだよ。和平がうまくいけばまた入ってくるかもしれないが……兄ちゃんが探してるみたいなのは、見たこともないねぇ」
[そんな太鼓判まで押されてしまった。念のために、そういうものがあれば優先して仕入れてもらえるように頼んではみたが、たぶん望み薄だろう。ここに長居する訳にもいかないから余計に]
うーん……あっち行かないと無理かなぁ。
[望むものを手に入れるためにも、和平交渉は頑張ってもらいたいところだ。
宿で作ってもらったサンドイッチのお弁当を片手に、会場と町の間辺りで休憩を取る。
卵と葉野菜と燻製されたハム。味付けは塩のみだけれど、大変にボリュームがあってよろしい。水筒に水を詰めてもらえるように頼んだら、サービスでお茶にしてもらえたので今日の昼食は大変に豪華だ]
ラッキーだったなぁ。いや、喜んだらダメかもだけど。
[ホクホクしながら素材感のあるサンドイッチをパクつく。町について、転んで擦り傷作った子どもを回復してやったら、偶然その子供が宿の子だったのだ。おかげでサービスしてもらえた。
あんまり目立つことはしたくないが、このくらいの回復なら探せばそう珍しいものではないだろう]
[本当はあっちの国にこっそり行って、さっと帰ってくるルートを探さないといけないのだが。食べてる時に難しいことを考えるのは消化によくないので、気分的にはピクニックみたいなものである]
なんかこう。観光、みたいな顔して会場って見に行っていいかな。ついでに抜け道でもあればいいなぁ。
[適当に見つけた少し開けた場所は野営地なのかもしれない。ちょうどいい感じで椅子になるよう倒木が置いてあるし、よくよく見れば焚火の跡なんかもある]
ゾラントの人を見かけて、いい人っぽかったら、事情を話してこういうの欲しいって言ったら、手に入ったりしないかな……ダメか。
[ゾラントはアーケシアよりも怖い。できれば近寄りたくないのが本音なのだが。
青年は生来やたらと魔力暴走を引き起こしやすい体質である。ゆえに魔力を遮断できるフードは青年の生命線といえる。その生命線が自国で手に入りにくいというのは困ったものだ]
あ──────……昼寝したい。
[緑は気持ちいいし、ピチュピチュいってるのがとても落ち着く。めんどくさいことを後回しにして、倒木に身を横たえればあっという間に眠くなってしまったのは仕方ないのである**]
/*
ぶっちゃけ、今出てる設定以上のことはまだ考えてないな!
というか、このメンツの中で一人能天気だな?まぁいっかー、わりといつもそんな感じだしな!
???
[よく分からない状況に首を傾げる。いやのんきに傾げてられないのだが。
目が覚めたら、なんか周りを取り囲まれていた。何故だ。会場に近寄り過ぎたら怒られただろうが、ここならまだ安全圏だった筈だ。力がバレて捕まりかけたことは幾度もあるが、力さえバレなければ大丈夫だった筈なのに。]
えーと……誰?なんか用?
[とりあえず聞いてみるけれど、返ってくるのは馬鹿にしたような笑いだ。
あ、ダメなやつだこれ。
逃げられるものなら逃げたいが、生憎青年の能力は回復魔法に特化していて他にできることがある訳ではないのである]
[実際に捕まってみて分かったのは、青年の力がバレた訳ではないらしい。それだけが救いだろうか。まぁなんか奴隷商とか男娼とかいう単語を聞くにあんまりいい状況ではないのは確かだが、戦争地域に放り込まれるのとどちらがマシか……うん?マシかな、それ?
あと男の言葉の言い回しを聞くに、アーケシアの人間ではないようだ。多分ゾラント?ゾラントの国境地帯にいたし、ゾラントなのだろう。怖い国である]
ゾラント側には行きたかったけど、こういうかたちじゃなかったんだよなぁぁぁぁぁ。
[後ろ手に縛られて森の中を歩かされ、溜息と共に吐き出すとよかったじゃねぇかと笑われた。笑い事ではない。]
でさぁ。魔力遮断の布とか手に入んない?俺、あれ欲しいんだよねぇ。
[普通に話しかけたのに黙られたのはなんでだろうか。でもなんだかんだで移動中は暇だったんだろう、入手が割と大変そうなのは教えて貰えた。ついでにそういうのが欲しいなら奴隷よりは男娼の方がいいか?という空気になりかけるのだが。嫌お断る。]
俺、上司とかいるの向かないよ?
[人買いに納得された。解せぬ。
移動は森の中を、砦とは違うルートがあるらしい。ザルすぎないかな。まぁそんな感じで、意図せぬながら国境を越えて、今日はゾラント側に一番近い町近くで野宿するつもりのようだ。
逃げるならそのタイミングだろう。特に抵抗もせずに捕まった青年に油断している今がチャンスの筈だ。たぶん**]
[青年は今現在衛兵詰所でぼんやりしていた。
誘拐されたとはいえ光の速さで解放され、特に酷い目に遭うこともなく目的であった隣国に入り込めたのである。ラッキーとしかいえない。せっかくだからちょっと外を見てきていい?と聞いてみたけれど、何やら色々言っていたが端的にいうとダメということだろう。
彼をこの町の外まで連れてきた誘拐犯達はどこかに軟禁されているらしく、姿は見えない]
あの人たち、どうなるんです?
[なんだかんだお喋りしていたし、彼らが殺されてしまったりするのはなんだか寝覚めが悪い。なんせ彼らが捕まったのは、町が視界に入る位置で野宿という段になり、保存食を渡されたのだが。
せっかくだから美味しいものが食べたいと主張しまくったら、一人町まで何か買いにいった先で捕まった、という経緯だったりしたので。え、これ悪くないよね?]
あのー。いつまでここにいれば……?あ、勝手に自分で帰るので!放っといてくれて大丈夫だよ!
[最初は緊張もしていたが、放っておかれすぎてもはや退屈である。
窓から逃げられないかなぁ、なんて視線を動かしたら護衛という名の監視役なのだろう、すすっと場所を移動して窓近くに立たれた]
はぁ……
[せっかくここまで来れたのに、当初の目的は果たせないようだ。天井を見上げて息を吐く。せめて時間を潰せるものが欲しいな、なんて。のんきなことを考えつつ時間が過ぎていく。
どうしてここに留め置かれるのかが分からなかったけれど、それは誰かを待つ時間だったらしい。外で馬車の停まる音と話し声が聞こえる。
せめてなんで待たせるかの説明くらいしてくれてもよかったんじゃないだろうか。お腹もすいたし。
あれこれ怒ってもいい場面なんじゃないだろうか。ドアを見る目に、そんな不機嫌はちょっと乗っかっていただろう*]
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