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……だと、良いですけれど。
[ 図らずともそれは、そんな口調に。
参謀殿が祖父の死去を知らぬのだと気づけば
それには先ほどのように付け足そう。 ]
祖父は、5年前に亡くなったのです。
時に厳しく、時に優しい、祖父でした。
あの、アレクシス様は、
祖父とは親しかったのでしょうか。
[ あたしは軍人時代のお祖父様をあまり知らない。
まだ、あたしが幼かったころの祖父のこと、
ちょっとでも知っている人がいるのは
やっぱり、なんとなく嬉しくて。 *]
[ 菓子店に着けば、焼き菓子のよい香り。
やはり女性ならではかしら?
おいしそうなそれらに目移りしていたの。
それを見られたからかどうかは知らないけど
いえ、きっと違うのでしょうけど
参謀殿が買ったばかりの焼き菓子を
ひとつお裾分けしてくれたものだから
まあ、とびっくり、目を丸くしたわ ]
あっ、ありがとうございます。
はい、リーゼロッテです。
えと……はい、よろしくおねがいします?
[ そうして彼が王宮へと戻るというのなら
任務を終えたあたしは、
ではここで、と彼を見送ろうかしら。
特に予定があるわけではないけれど、
せっかくの休息、もうすこしだけ ──*]
[ 特別親しかった訳では無い、
それにはほんのごく僅かだけ、落胆の色。
だけどその後祖父を褒めるような言葉を聞けば
すぐに笑顔が戻るのだから、単純ね。 ]
はい、そう言っていただけると。
祖父も、喜ぶと思います。
[ 彼が胸のうちで何を考えてるなんか知らずにね。
その穏やかな表情の奥を読み取ろうとすら
あたしには、できなかったの。
人を疑うことをしない、平和すぎるあたしの脳
騙されやすそう、って、そうねきっと。
そう思われてしまう所以なのかもしれないわ。**]
[ 参謀殿と別れ、”駄賃”を手に持って。
そうね、喧騒から少し離れた公園の一角
ベンチにでも座ろうかしら。
それから暫し考えるのは
猫のような人の「真実の嘘」の話。
わからない、と答えたのはホントのこと
だって本当にわからなかったんですもの
でもそれを「知らない」と答えてしまう程
あたしは思慮浅くもなかったから。
そして逆も然り。
単純にそれを「真実ではない嘘」として
捉えて良いのかもわからなかったから。
真実のような嘘はある。
嘘のような真実もある。
嘘から出た真実もあれば、
真実がいつしか嘘になることもある
だけど
ねえ、真実の嘘って、何かしら。
何を思って、そんな話をしたのかしら。
それでもひとつだけ、思うのは。
嘘は、暴かれなければいけないのよ。
そして、騙されるわけにも、いかないから。 **]
─ 回想・とある日の王宮 ─
え、女性だけの騎士団ですか?
すごく楽しそうじゃないですか。
[ そう呟いたら失笑された。
ほんのすこしだけ身分の高い上官は、
『お前はやめとけ』と一蹴する。
何故でしょうか、と問いかけても首を振る。
それでも食い下がれば、
ゾネス要塞の総督の話を聞くことが出来たかな
男子禁制の要塞、噂でしか聞かない内部。
それでも厳しさは並大抵のものではなく、
耐えきれない者もいるとかいないとか。
それは噂の範疇を出ないけれど、ほら。
火のないところになんとやら。
とりあえず脳内お花畑のお前には向かないと
上官たちは口を揃えて笑い飛ばす。
あたしが配属された部隊は比較的寛容なほうみたい
それに感謝しながら、そのときは。
白狼騎士団の指揮官、アイリ・フォールデン。
その名前を記憶するに留めて ── *]
─ そのあとしばらくして ─
[ 暫く城下を歩き、帰ろうとした時に。
またその時に出会った別の軍部の人。
『丁度良い時に会った』
などと非番のあたしに話しかけるんだから
本当この人はどうしようもない、
なんて思いつつ、
託されたのは城内兵士への伝言。
でも拒否する身分でもなかったから。
だから結局あたしはつかの間の休息も
満足ゆくまでは取れずに、
何故かあのあと城内にいるのだけれど。
その用命を成し遂げた帰り道、
城内の廊下をカツカツと足音が響くわ。
向かいから歩いてくるのは
……誰だったかしら。 >>223
だけど、それが誰だかは分からなくとも
きっと目上の人でしょう。
びしりと背筋を正して敬礼をしたわ。
相手は応えてくれたかしら。 *]
[ ぴんと背筋の張った男。
その階級まではわからないけれど、
相手に『柔らかさを感じない』と思われる程は
あたしは緊張し畏まってたんだと思う。
だから、突然の白狼騎士団の名には
思わず一瞬、ぽかん、とした顔をして。]
えっ? あっ!違います!
わたくしこの度こちらに配属になりました
士官候補生のリーゼロッテ・チェンバレン
と申します……!
えと……、
[ またまた畏まった挨拶をしながらも
相手の名を問うのは不躾かと口篭る
そんな中で一瞬だけ
相手の胸のあたりがぴくりと動いたような
そんな気がするけど気のせいに違いないわ。*]
[ 凛々しい、と言われるとそれだけで
なんだか誇らしげな気持ちになるのは
きっと若さゆえ、新人ゆえ、なのだけど
まあ、そんなことには気づかずに。
だけどさっきよりも少し、
嬉しそうな顔は見せていたはずで。 ]
滅相もございません。
でも、ありがとうございます。
……尚書官長さまの……!
それは大変失礼いたしました。
リヒャルト様。
[ 相手の身分と名前が告げられれば
またぴしりと背筋は伸びて。
彼が軍部の者ではなくともその役目が、
どれだけ重要なのかはわかっているつもり。
但し。
彼が貴族の出であることまでは気づけない
祖父が軍に居たとはいえど、
我が家は決して貴族なのではなくて。 ]
……えっ、参謀殿……?
それなら、えっと
先程、市街でお会いいたしました、が……
お菓子を、買いたいと……
[ 思わぬところから出てきた参謀の名に
それこそ思わず口を滑らせたけれど あれ?
もしかして、内緒だったかしら、と
心のなかでちょっぴり謝ってみようかな。 *]
[ 諭すような優しい言葉で
あたしが幾分か救われたのも確か。
でも逆に、その国を守る使命に、また
小さく背筋が伸びたのも、事実。
相手のなかの”小さな子”に
ピンクなんて称されてるとは知らないけど
でもしゃんとした背筋に、
その柔らかな桃色の髪はまた、揺れる。 ]
……そう、なのですね?
ああ、昔、軍に。
[ 笑みを見せながら参謀のことを話す彼は
参謀に信頼を寄せているんだろうと
勝手に此方は想像をする。
なら、きっと外にいた事が分かっても
まあ大丈夫じゃないかな、とも。 ]
何のご……
[ 何のご用事だったのでしょうね、と
口をついたけれど、辞めておく。
そこで口を挟んだり詮索したりするほど
あたしは好き勝手できる身分でもないから。
だから ]
アレクシス様と仲が良いのですね。
今日初めてお話したのですが、
とても話のしやすい、感じの良い方でした。
あたし……
本当に、この王国軍に配備されたこと、
誇らしく、そして嬉しく思います。
[ アレクシス様のような方も多い王国軍に
あたしが居られる、ということ。
それはとっても嬉しくて、有り難いこと。
きっと今の平和や平穏は彼らのお陰。
── そう、あたしも思っていたけれど ]*
/*
この村でなにがやりたいかっていうとねー
新人ならではの期待とか希望とか、まだまだ浅はかな信念とか、夢とか。そういうのをドロドロとした欲望や疑念などから、ガツンとぶち壊されるのがやりたいです()
[ 歯切れの悪いような答えに
ほんのすこしだけ疑問符を浮かべるわ。
それが「認めるのが悔しかった」とは
そこまでは思い至らずに。
送られたエールには胸を張って応えたわ ]
はい!こちらこそ。
そのうち、またお話ができれば。
今後とも、共にお国のために!
[ 彼が立ち去るなら、こちらも頭を下げて。
こちらとしても元々軍部におり、
今も王の傍で執務を行う彼の目線から、
軍のことを聞ければ、などと思ったの。
彼の姿が見えなくなれば、
城内から寄宿舎のほうへ足を向けたかしら ]*
[ 中庭を通りかかれば、ふと感じた視線。
何気なく顔を向けると、そこには。
柔らかな風のようなその人が ── ]
!!
[ 思わず息を飲んでから、
慌ただしく最敬礼をしたわ。
いろんなひとに会う日とは言えど、
まさかこんなところに王子様がいるなんて。
無礼じゃなかったかしら、いえ、
そもそも式典などで見る格好よりも
だいぶラフだったから戸惑ったのもあるの ]
第二王子ウェルシュさま。
王国軍士官候補生、
リーゼロッテ・チェンバレンでございます
[ ああ、どうしよう。
ごめんなさい、突然のことで
名を名乗るだけで精一杯だったのよ。 *]
[ 今日はほんとによくお祖父さまの名前を聞く日!
楽にして良いと言われても、
そこまで緊張を解くことなくて。
その上で祖父の名を聞けば一瞬驚いてから。]
ああ、ローレルさんと。
……っと、祖父の墓前へ……
光栄にございます。
祖父も、大変喜んでいると思います。
[ まさか、王子さままでも
祖父の元へ行ってくださったなんて!
緊張が解れることはないものの、それでも。
やはり嬉しさに、ちいさく笑みを見せて。]
あの、その。
よく城下へは視察なされるのですか?
[ 抜け出した?とは知らなくて。
王子さまが街におりようものなら流石に
いろいろ話題になりそうなのに。
あたしはあまり、城下の近くに住んでいた頃
そんな噂を聞かなかったから。
あたしが知らなかっただけかしら……?*]
[ 王子様が小さき頃の祖父のこと。
少しでも慕われていたらしきことを聞けば
胸がどこか暖かくなるの。
彼が目の前の私との縁を、
何かを、思い抱いて
柔らかな表情を見せているならば。
こちらもまた、互いの感情は知らずとも
同じように頬を綻ばせましょう。 ]
ああ……そうなのですね。
国のことを、民のことを。
見聞を広げて頂いて、本当に
……ええと、なんと申しましょうか。
そのご厚情に深謝いたします。
[ 僅かな苦笑には気づかなかったけれど。
それでも、やはり一市民としては嬉しく、
そして王国軍の一員としては、
この国を治める王家の心遣いに胸を打たれ
誇らしい気分にさえ、なるのだから。 ]
わ、わたくしでございますか!?
えっと、は、はい。
私などでよければ、ぜひ、
お供させていただきます。
[ 付け加えられた思いつきには、
目をぱちくりとさせながら、
そう応えよう。
綻んだ頬には少し、
こんな新人で良いのかという驚きと
突然の護衛(?)の申し出への興奮に。
ほんのすこしだけ、紅みが差して。 *]
[ 王子の顔が綻び、 >>356
嬉しい、と言われたのには不思議そうに
なんでだろう、ってあたしは首を傾げたわ
きっとそれはあたしがまだ『若すぎる所以』。
歳とかじゃないの。
王国軍として、よりも、まだ。
一市民としての感情のほうが強かった所以。
それは即ち ── 。 ]
本当に感謝いたします。
ありがとうございます。
[ 王の顔に対して見せたのは
軍人ではない、市民としての顔。 ]
自然に……ですか。
わたくしに出来るでしょうか。
[ 相手の頬が綻べば、此方も頬を綻ばそう
出会ったときの緊張感は
だいぶ解れている気がしたけれど。
いえ。尤もあたしはそもそも
酷く畏まった性格なわけではないわけで
きっと本当に自然に過ごしてしまったら
無礼以外の何者でもなくなってしまうわ。
だから、そうね……
裁量が難しいわね、なんて考えながら。]
はい!リーゼロッテで構いません。
あ、それ…… いえ、なんでも!
また、お供できる日を楽しみにしております。
ありがとうございます。
[ 言い淀んだのは、
参謀殿が同じことを言っていたなと >>172
思い出したからで、深い意味もなく。
その場を去る王子には深々と頭を下げて、
こちらも再び、廊下を歩き始めようかしら。 *]
─ Peace-Addicted ─
[ それは、即ち、の話。 >>365
いつから慣れ親しんでしまったのだろう
生まれてからこの方、あたしは。
特段苦労もせず、大きな争いもない世で
ただ、ただ、日々を暮らしてきた。
祖父に憧れて幼いながらに剣術を習い
時には祖父にも指南されながら
ただ、ただ、日常を生きてきた。
それはなにかを守りたいとか
こういう使命のために働きたいとか
ごめんなさい、そういうのではなくて。
ただ、ただ、祖父への憧憬であったのだ。
光の裏側にある影も
豊かさの隣の貧しさも
あたしは、ただ、見えていなかった。
水面下で動き出す駆け引きも
暗躍も、謀略も、思惑も、計略も。
そんなもの、無い世界だと思いこんで
知らない振りをして。
ねえあたしは
どんだけ馬鹿だったんだろう、って
どこか遠い未来の自分が、語り掛ける *]
─ 王宮・外回廊 ─
[ 一度寄宿舎に戻った後だったかしら、
それとも? いいえいつでも構わないわ。
いつしか外は夕暮れで。
夕方はまだ思いのほか冷えて。
ひゅう、とひとつ大きな風が吹けば
肌を撫でる冷たさに、思わず腕を抱くわ。
本当に部屋に帰ろうと、その足を進めると
目線の先にいたのは ああ──ええと
………誰だったかしら。 >>380
でもあの制服は、監査局の人だと思う。
それは、きっと間違いない。
生真面目そう(というあたしの印象)な人が
ほんのすこし遠くを見つめてて
ただ、通り過ぎても良かったのだ、けれど。
またひとつ肌を風が撫でたので、思わず ]
お疲れ様です。
夕涼みは、お身体が冷えますよ。
[ って、声を掛けてしまったの。 ]*
[ 思わず声を掛けてしまってから
返ってきたのはほんの少し冷たそうな視線と
こちらも、ほんの少しだけ、冷たいことば。]
いえ、大変失礼いたしました。
あの、えっと、迷子ではございません。
虐め!?……られたわけでもないので
っと、ご安心、くださ……い?
[ しどろもどろになりながら返答をして ]
……その、そんなに、
軍曹は怖い方なのですか?
[ なんて、冗談を冗談と取らぬ
否、冗談ではなかったのかもしれないが
どこか明後日からの質問を投げかけた *]
[ ほんの少し、間があった。
それは、”調子が狂ったから”とは知らず
続く言葉を待って、から。 >>405 ]
………なる、ほど。
[ 軍曹のこと、面倒な存在のこと、
そういう経験をこの人もしたのだろうかと
ほんの少しその瞳の奥を覗き込むが
冷たく見える光には何も映らないままで。
さらに次の言葉に、また、
息を飲むことになるのだけれど。 ]
道具……ですか。
[ こちらをようやく向いたその人から
零れ出たのは有り難くて、冷たい心構え。
生命の軽さ、使い捨ての道具。
陛下の命令に忠実に、はその通りだけれど
効率的に 云々 ──
それを「そうですね」と
頷けるほどの覚悟もなければ
かといって「でもそれは」と
反論できるほどの持論も強さも今はない。
ただひとつ、胸に抱くとすれば
「祖父は、そんな信念を抱いていなかった」
ただ。それだけのこと。
だけどそれを自分の信念としてしまうには
まだ、余りにも、経験が浅すぎたのだ ]
……あた、しは。
[ それでも何かを紡ごうと必死に唇は動く
このまま息とともに飲み込んでしまっては
チェンバレン家の名が廃るだろうと
若いながらに必死に 紡いだ答えは ]
あたしは、……あ、いえ、わたくしは。
そんな、道具には、成りません。
[ それは、忠告への反発と捉えられるのか
それとも、「使う側になる」という
意気込みのひとつに捉えられるのか。
それとも、それとも?
相手がどう捉えたのかは知らないけれど
あたしは ── どっちだろうか。
紡がれた言葉は案外、
何も意識せぬ、無の裡から。
ただ反射的に出てきたといっても過言ではない *]
[ 返ってきたのは短い返事。
内心、ほんの少しホッとしてしまったのは
きっとそれ以上問われても、
あたしの頭で考えて出てくる言葉は
どれもしっくりこないものになったから。
ぴり、と張りつめた空気。
先程よりも風は冷たくなっているような
そんな気も、しつつ。
彼が立ち去ろうとするなら
今度こそ、ゆっくり部屋へと戻ろうと し]
……かしこまりました。
シュナウザー監査局長さま。
士官候補生リーゼロッテ・チェンバレン。
王国軍の名に恥じぬような、
清廉潔白な士であるよう、努めます。
[ 相手が「局長」であるのに改めて驚くのは
実は相手が立ち去ったあとのこと。
今はただ、相手の背に。
聞こえているかはわからないけれど
自分の背負う名と、決意を。
ただ、ただ、告げて見送るのみで。 *]
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