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― 何処かの森の中 ―
やぁれやれ……せっかく警告してあげたのに、きかないからだよー?
[じゃき、という金属音と共に手にした銃のシリンダーを振り出す。
軽い口調と共に空の薬莢を落とし、手早く次弾を装填する手つきは慣れたもの。
再装填のなされた弾倉は重たい音と共に銃身へと戻され、目の前に群れるもの──二つ首の巨鳥の群れへと再度、銃口が向いた。
巨鳥たちは仲間が落とされた事への怒りと、見慣れぬ武器への警戒でギャアギャアと甲高い鳴き声を上げていた]
まだまだやる気なのかい?
ったく、ボクは先を急ぎたいんだけど……。
[言葉を遮るように、巨鳥が突っ込んでくる。
空色の瞳が細められ、武骨な銃を扱うにはいささか華奢にも見える指が躊躇いなく引き金を引いた]
― どこかの街道 ―
あー……まったく。
思ってたほど面白いものはなかったし、無駄弾は撃つハメになるし。
……ロクな事がなかったなぁ。
[それから、一時間ほどして。
ぶつぶつと呟きつつ、街道を進む姿がそこにあった]
ま、近道できたのが唯一の収穫、って思っとくしかないかな。
なんにもなかった、じゃ、哀し過ぎるし。
[それもそれでどうなのか、と突っ込まれそうな呟きを落とす。
無駄に思考が前向きなのは昔から、そこに突っ込みを入れられた回数は、さて何回あったやら。
14の時から約5年、生まれ故郷の独自技術の象徴のひとつ、とも言うべき愛銃片手に放浪を続ける身、さほど多くはなかろうが]
さて、いつまでもうだうだしてても仕方ない。
……近道に成功した利点を生かして、次の宿場まで急がないとだ。
弾の補充もしないとならないし……落ちつける所に行かないとだなあ。
[気持ちを切り替え、歩みを早める。
髪と同じ青藍色の猫の尻尾がゆらりと揺れた。**]
[生まれ育ったその国は、とてもとても、魔法と縁遠かった。
とはいえ、全くない、わけではない。
ただ、土地柄なのか何なのか、魔法の使い手が生まれ難くて、国土に複数のレアメタルの産出地があった。
その状況に惹かれた『機』の精霊の加護を受けた者たちが自然に集い、やがて、一番の技術オタ……もとい、技術者が『公主』という立場に立ってその者たちをまとめ上げた。
魔法とは違う危険性を持つ技術を、緩やかな秩序の下で発展させるために。
そうして建国されたのが技術公国コンセルト。
小国と侮り、飲み込まんとした周辺の強国を、独自の技術で悉く退けたその国では今日もどこかで爆発やら何やらを引き起こしつつ、技術の高みを目指し続けている……のだろう。
旅に出てからは一度も帰郷していないのではっきりとは言えないが、きっと間違ってはいない。
だって、そういう国だから]
― どこかの街道 ―
んー……。
[唸るような声と共に、尻尾がぴょこり、と動く。
それと共に、口にくわえた飴の棒がぴょこぴょこ動いた]
本格的にオーバーホールしたいけど、なあ……設備たんない。
[視線が向くのは、腰のホルスターに収まった愛銃と、自身の右脚]
これのブーストで誤魔化し誤魔化し行くのも限度あるしなぁ。
[ぼやくような呟きと共に、視線が向くのは右手首の腕輪。
複雑な紋様をあしらった銀細工の中央には、淡い緑の蛍石──自身の天命石がはめ込まれている]
[コンセルト出身の者の多くは、生まれつき魔法の素養を持たない。
そんな彼らに対し天命石が与えるのは、技術によって作り出されたものの一時強化や補修を助けるためのもの。
余談だが、天命石が引き出した強化に至る道を研究して更に先へ、というのは公国の日常茶飯事である。
それはさておき、故郷を離れて5年、天命石の力で色々誤魔化しながら旅をして来たのだが、そろそろちょっと辛いなあ、なんて。
そんな風に思わなくもない]
……やーっぱ、行ってみるべきかなあ、中枢。
あそこになら、技術者のための設備とかあっても不思議ないもんねぇ。
[公国以外で『機』の加護を受ける者がいる場所──『世界軸』。
それは、いつか行かなくてはならないと言われていた場所でもある]
その時がくれば、呼ばれる、とは言うけどねぇ……。
[言いながら、首につけたチョーカーに手を触れる。
中央に密やかに煌くのは、澄んだ紫色の水晶。
幼い頃に手にしたもう一つの石──絆石。*]
/*
さて。
ようやく独り言する余裕が取れましたよ……!
てわけで、企画村建て、くろねこたすくでございます。
一時期開催辛いか、とか、開催しても死んだかこれ!? とかいろいろひやひやしておりましたが、無事にフルメン開催に至れた事にほっとしております。
しかし、ここ一番バランス難しいよなー、と思いつつぶっこんだ機属性。
これをやるのは何気に初めてだけど、さて、どこまでいけるかな……!
― どこかの街道 ―
さて、ここでぼーっとしてても仕方ないし。
とりあえず、移動しますかっと。
[口にくわえていた飴を食べ切った所で、両腕を上げて身体を伸ばす。
どう見てもオーバーサイズのジャケットと緩いシャツ、下はショートパンツにロングブーツ、という出で立ちは少年的でも少女的でもあり。
その言動や行動もあり、見た目からどちら、と明言するのは難しい。
取りあえず、四捨五入しても160にならない、むしろ減る、という身長もあって年齢相応に見えず、そこから子供扱いされるのは日常茶飯事なのだが]
とりあえず、どーおしよっか……な……?
[当初目的地としていた、レアメタルの産地を目指すかそれとも、と。
思考を巡らせていたところに、その声>>5が届いた]
……ふにぇぃ?
[知らないはずの声。
けれど、それを聞き飛ばす事など許されない──そんな気分にさせる声]
今の…………が。
『呼ばれた』って事なのか……な?
[首を傾げて呟いてみても、答えがあるはずもなく]
ま、どーせ行くかどーか迷ってたとこだし。
呼ばれたんなら、行かないとねー。
[ごくごく軽い口調で言って、歩き出す。
ゆらり、揺れる青藍色の尻尾はどことなく楽し気だった。*]
― 一年前 ―
[気になった所には、何処へでも行く。
それは旅に出てからの基本事項。
あの時は、火山地帯特有のあれこれに興味が出て、それで踏み込む事に決めた。
直前、世話になっていた宿の人には危険だから、とか、彼の地は龍族の領域だから無暗に立ち入らぬ方が、とか色々と言われていたのだが]
だいじょーぶだいじょーぶ、深入りはしないから。
別に、近づいただけで獲って喰われるわけじゃないでしょー?
[そんな、ごくごく軽いノリでそれらを流し。
踏み込んだ先の光景に驚いたり、見慣れない地層にやたらはしゃいでいた時、その声>>65は聞こえた]
……って。
誰が坊主だ、誰がっ!
[最初に口をついたのは、大分ズレた突っ込みだった。
いや、本人的には重要事項である。
外見的に初見では少年とみられるのはいつもの事だし、ある意味では便利でもあるが、やはり思う所もある。
たまに、どえらい事にもなったりするし……というのは、余談として]
…………。
[危険を示唆する言葉を紡ぐ相手>>66をじぃぃ、と見上げる。
向こうの方が遥かに背が高い。故に首がちょっと痛いがそこは我慢して]
……おにーさん、土地のひと?
もしかして、禁忌領域とかに引っかかってた?
[立ち入っていい場所悪い場所。
種族によっては、そういうものも持ち合わせているから、まずはそこを確かめて]
そーでないなら、ちょっとこの辺り見させてほしいんだよ。
前から、火山帯の地層と産出物には興味があったんだ。
何か、新しいものがあるかも知れないし。
てゆーか、実際にあったし。
[危険と言われた事などどこかにすっ飛ばした様子でそう頼み込む、その手に握られたのは一見すると何の変哲もない岩塊。
その中に希少触媒となり得るものが含まれているのは、わかる者にはわかる事で]
あ、別にここの土地を荒らすつもりはないんだよ。
ちょっと、採取はさせてもらいたいけどさ。
まずい場所は教えてくれるなら立ち入らないから、だいじょーぶ。
[物怖じする様子一切なしで畳みかけ、その後もあれこれとやり取りをした後、近隣を歩く許可と案内を取りつけて。
好奇心の赴くままに各所を跳ね回る事で、知り合ったばかりの相手を散々振り回す事となった]
そお?
公国じゃ、みんなこんな感じだよ。
自分のみたいもの、やりたい事のために突っ走るなんて、日常茶飯事さー。
まあ、ボクん家は特に極端、って良く言われるけど。
[自由、と自身を称する言葉>>67に。
奔放なる技師の筆頭である公主の末子はさらり、とこう返していた。
一通り近隣を巡った後、義体に籠もった熱の影響で数日寝込む羽目に陥ったりもしたものの、火山地帯で得られたものは大きく。
「また来るねー」と言い置いて旅立ったのは、何気に珍しい事だった]
― どこかの街道 ―
……ふにぇぃ?
[声に引かれて歩き出した直後。
不意に、首につけた絆石が微かな煌きを放った]
お、おお?
なんだろ、これ?
[今まで見た事もない反応に戸惑い、足を止める。
今まで来た道を振り返ったのは、半ば条件反射。
まだ距離はあるから、姿>>68は見えない、けれど。
待たなきゃいけない何かがあるような、そんな気がしていた。**]
……なんだろ、この感じ。
知ってるひとの気配がするよう、な……?
[ふ、と浮かんだ疑問は、浮かべたものの影響か石を介した響きとなって零れ落ちる]
いや、でも…………あれ?
[だとしたらなんで?
そんな疑問はどうにもつきなかった。**]
今度は、長い付き合いになりそうだな、相棒。
[ 届くのは、絆の相手が、誰であるかを微塵も疑わぬコエ ]
― 一年前 ―
……年齢……年齢もだけど、まあ…………いいか。
[伸びない身長が恨めしい、ひたすら恨めしい。
いや、これはもうどうにもならない事なんだけど、こういう時はほんとに恨めしい。
なんてちょっと逃避していたのは僅かな時間。
それでも、見えた笑み>>99にじと目になったのは許されろ、という所。
それでも、投げた問いと願い、それぞれに返った言葉にそこらはどっかに飛んでいた]
え、ほんと?
ほんとに案内してくれるのっ!?
おーけいおーけい、おにーさんから離れないようにするよ。
土地のひとが一緒してくれるなら色々と心強いからねー。
[にぱ、と書き文字が浮かびそうな笑顔で条件に諾を返す。
途中、魔獣に襲撃を受けた際には、いつもの如く先制の連射で追い散らしていた]
面白い、か。
そーゆー風に言ってもらえたのは、初めてかもね。
[大抵は、異端の存在と恐れられる事には触れず、返したのはそんな言葉。
公国の技術は世にはあまり知られず、異端と扱われて苦労を重ねた事もあるから。
向けられた感嘆は、自覚している以上に内に響いていた]
腕に関しては、結構自信あるんだよー。
何せ、これ一丁で4年も渡り歩いてるからねー。
[腕前を褒められた事も、響く要因となっていて。
だから、多分、相当に気が緩んでいたのだと思う。
でなければ、体調不良を素直に晒すなどと言う事はしない。
しないはずだ、とは後から延々と繰り返した自己暗示。
そうじゃないと、ちょっとやり切れないものがあった。
大した偽装しなくても性別不詳に見られるレベルとはいえ、身内以外に乙女の柔肌晒したのは後にも先にもこの時だけなのだから]
[どうにか回復した後。
義体について告げられた言葉>>104はちょっと想定外で戸惑ったのは一瞬の事]
ん、そういう風に見てもらえるのは、嬉しいな。
……公国の技術は、破壊のためのものと思われがちだから。
他の側面から認めてもらえるのは、うれしい。
[そう言って、笑って]
そうだねぇ、今の言葉、父上が直接聞いたらきっと感激でそこら跳ね回るよ。
[国に出かけてみたい、という言葉にさらりと返しはしたものの。
世話になっている間に見聞きした彼の立場からは難しいだろうな、なんて思っていた。
思っていた、から]
― 街道 ―
……いや、なに、って言われてもだね。
[やがて見えた姿は、予想外の極過ぎて。
歩み寄ってきた相手>>108から投げられた言葉に、どう返したものか、と口ごもったのは僅かな時間。
弾かれた紫水晶の煌きと、神子からの、という物言いに、口から出たのはため息だった]
あー…………そだね。
やっぱり、遅刻はまずいもんねぇ。
[次いで、零れたのはこんな言葉]
……どうやら、そうみたいだねぇ。
[思わず落としたコエに返るコエ。
間を開けて、落ちるのはどこか楽し気な響き帯びた笑う気配]
ま、悪い気はしないけどさ。
『世界軸』に行くにのは、ボクも初めてだからねぇ。
どんなとこなのかは、興味あるな……楽しみ、っていうか。
[共に歩き出しつつ、返す言葉は軽いもの。
絆石を持つ者の定めは聞いてはいるけれど。
ま、何とかなるかな、なんてそんな思いが芽生えていた。*]
― 『世界軸』・前 ―
……ふわぁ。
[道を辿り、向かった先。
辺境の地ではその在り方よりも建造方法とか内部構造への興味がつきないそれを目の当たりにした時に落ちたのは、どこかとぼけた嘆息だった]
これが、『世界軸』、かぁ……。
どうやって、建てたんだろ、一体。
[次いで落ちた言葉はさて、どう響いたやら。
ともあれ、門前に見えた姿にそちらへと向かう。
きゅう、きゃう、と鳴く仔竜に意識を奪われ、突っ込みをもらいながらも門を守る者に来意を告げて。
広間へと促されて『世界軸』の内部へと足を踏み入れた]
― 『世界軸』中層・広間 ―
[仔竜に誘われて辿りついた先。
待っていたのは、風を纏う少年。>>55]
…………。
[紡がれる言葉は黙って聞いた。>>56 >>57
幼い頃、文字通り天から落ちてきた石。
それを手にした事が、外に出る事の出来なかった自分に、大きな転機を与えてくれた。
それとわかっている、から]
……確かに、身勝手かもしれない、けれど。
でも、それがボクに何よりも大きな転機をもたらしてくれた。
[言葉と共に、空色の瞳は一瞬、右の脚へと向かう]
だから、ね。
やらない理由はないんだよ。
ボクはボクの務めを果たす……そこは、違えない。
[紡ぐ声にははっきりそれとわかる決意の響き。
続く、試練については了解、と返して]
え、ほんとに?
もしかして、工房設備とかもあったりする?
[必要となるものは全て、という言葉>>59に、文字通り尻尾がしたぱた動いた。
本格的なオーバーホールができるなら、文字通りの全力を持って臨めるから、と。
巡る思考は、どこかお気楽なもの。*]
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