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3人目、モルトガット皇帝 アレク トール が参加しました。
モルトガット皇帝 アレク トールは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
− 旗艦シュヴァルツアイン −
海の色が変わったな。
[艦橋の手すりに腕を乗せ、笑みを刻む。
24歳になったばかりの若い肉体に壮麗な軍服をまとうこの青年こそ、この帝国艦隊の総司令官であり、モルトガット帝国四世皇帝アレクトール・スライ・モルトガットその人であった。]
[昨日、船はまだグロル海峡の西にあり、アレクトールは同じこの艦橋から戦闘を指揮していた。
対するはウルケルの外洋警備隊。
煮え切らない態度で進軍を妨害せんとする彼らに、「宣戦布告はとうにカルボナードへ届けた」と断固攻撃を仕掛け、これを打ち払ったのである。
そして今日、帝国艦隊は初めてグロル海峡の内海へ入ったのであった。]
[二世皇帝であった祖父が、ウルケル傭兵隊の加担した戦に負けて以来10年。
アレトールは祖父の無念を晴らせる日を心待ちにしていた。
3年前、父の死に伴い、モルトガット皇室唯一の直系男子として皇帝の座についたアレクトールは、国政の安定を見届けるや、首都アマンダを発った。
全土巡幸という名目を掲げ、帝国の領土および植民地を回ると同時に兵を集め軍備を整えてゆく。
その最終目的がウルケルの掌握するグロル海峡の開放であることは明白だった。]
[グロル海峡へと進入した帝国艦隊は複縦陣をとる。
機雷掃海艇が露払いする後を皇帝旗艦シュヴァルツアインを含む戦艦6隻と巡洋艦4隻からなる火力を誇る第一艦隊が黒い山脈めいて進む。
その北側に並列するのは、腹心たる扶翼官ルートヴィヒ・アルトハーフェンが率いる巡洋艦6隻と空母1隻の高速機動艦隊(第二艦隊)だ。
そして、第一隊の後ろに巡洋艦3隻が護衛につく水雷母艇2隻の第三艦隊、第二艦隊の後ろに同じく巡洋艦2隻と空母3隻からなる第四艦隊。そのさらに後方には戦力にはカウントされない兵站輸送船や医務船が連なる。
先のウルケル警備隊との一戦で砲撃を食らった艦もあるが、航行不能にまで陥ったものはなかった。]
ウルケルを制し、帝国は陽の沈まぬ国となる。
[その声も瞳の光も、揺るぎない。]
"さて、最寄りの軍港シコンだが──
領主が投降すると言ってきている。"
[傍目には、潮風に栗色の髪を靡かせているばかりと見えるだろうアレクトールは、この時、腹心であるルートヴィヒ──商家の息子であるが、今は「扶翼」という特別役職を与えて公務から私事まで関わらせている──と”語り合って”いた。
といっても、ルートヴィヒの姿はここにない。
彼が指揮するのは第二艦隊だ。シルエットは確認できても声の届く距離ではなかった。
それでも、アレクトールとルートヴィヒは互いの意志を把握することができる。
ルー・ガルーでは深い縁の証拠とされる共振現象だ。
齢が近いとはいえ、血がつながっているわけでもないルートヴィヒとだけ、この絆が結ばれたのも不思議なことだが、心を撫でられるようなこの感覚、アレクトールは嫌いではない。
もっと奥まで来てみろと挑発するような響きさえにじませた"声"を放つのもいつものこと。]
[潮風が前髪をくるりと絡めるように遊ぶ。
同時に、ルートヴィヒの”声”が囁いた。
すぐ傍らに息衝くかのようなその感触。]
”折衝は任せる。”
[軽く首筋を撫でて、ごく短い言葉でシコン領主との交渉と軍港の検分をルートヴィヒに託した。
自分はシコン湾の外で睨みを利かせ、ウルケル艦隊によって湾内に閉じ込められるのを防ぐ方針である。
交渉が決裂すれば、ルートヴィヒを敵中に孤立させることになりかねないが、心配はしていない。
ルートヴィヒの強かさは、二人の馴れ初めとなった事件で把握していた。
場数を踏んだ悪党と渡り合った少年に、さらなる経験が加わったら…推して知るべし。
彼の資質は、アレクトールにとって心地よい。
先日、ウルケルの首都カルボナードへ宣戦布告の文書を届けたのもルートヴィヒである。
その時は艦隊を率いていったのではなく、皇帝側近の職能集団”小鴉”の優秀なパイロットであるセルウィンに送らせたのだったが。
なかなか面白い邂逅があったと聞いている。**]
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セルウィンが忠臣でメゴいなw
開戦前に、ウルケル側PCと接触できる機会をプレゼンツしておいたぞ>>14
− 旗艦シュヴァルツアイン −
[ルートヴィヒ率いる第二艦隊が舵を切り、シコン軍港へ向かってゆく。
巡洋艦ザイヴァルの艦橋には敬礼をする姿があった。
彼は相変わらず澄ました顔をしていよう。
皇帝にも対等な口をきくことを許されている側近集団”小鴉”とは一線を画した立場をとり続ける男だ。
彼一身のために役職を新設したりしたから、いろいろと風当たりも強かろうが、やっかむ連中の口をつぐませるだけの働きをきっちりと示してくる。
そして、アレクトールもまた、余人では怯むような任務をルートヴィヒに次々と与えるのが常だった。
今回もまた気負わぬ答礼で送り出す。>>87]
/*
>>86
シコン港と湾(?)の入り口って、マップからすると半日くらいの距離ありそうなんだけど。
[残りの帝国艦隊は速度を落し、ウルケル側の動きに備えた。
空の見張りとして複葉機も送り出している。
アレクトールはグライダーめいたきれいな軌道をする一機を眺めやった。]
あれはセルウィンだな。
[セルウィン・ベッカーが育ったのは、アレクトールの母の名を冠した孤児院だ。
チャリティバザーに同行しなさいと母に命じられて出向いた折に会ったのが最初になる。
もうひとり、彼の兄弟分めいた孤児がいたが、遠くにもらわれていったと聞いた。]
それ作文か。
将来、何になりたいか書けって?
[生まれた時から皇帝の座が約束されていたアレクトールには向けられることもないお題であったが、セルウィンがなんと書いたのかは気になって読ませろと手を伸ばした、そんな過去のひとコマを思い出す。]
[しばらくすると、渡り鳥の群れとすれ違うように西からきた複葉機が、母艦のある第三艦隊近くの海面へと白い波を蹴立てて下り立った。
帝都からの定期連絡便だ。天気がよければ毎日、飛ぶ。
第三艦隊からはワイヤーを携えた迎えのランチが出された。
複葉機回収の手筈を整えると、ランチはそのままシュヴァルツアインに向ってきた。
帝都から送られた、皇帝が決裁すべき案件やら手紙やらを届けるためだ。
帝都に残って政務を担っているのは、アレクトールの姉の夫である。
自身も二世皇帝に見出されて娘婿となり皇帝の地位についた三世皇帝が、将来、アレクトールの右腕とすべく見込んで妻合わせた人材だけあって、優秀でかつ野心のない男であった。
アレクトールは自身の腹心にルートヴィヒを選んだが、義兄のことは評価している。]
[小包の中身を確認した後、アレクトールはそのままランチの乗員に命じた。]
第三艦隊のロー・シェン・リーミン中佐をここに連れて来い。
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