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3人目、女子学生 シュテルン が参加しました。
女子学生 シュテルンは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
………ありがと…ございます……
[顔の半分を覆うマスクの下でそうごにょごにょとお礼を告げれば、古びたバスのステップを降りる。
その足は帰路を避け、向かうのは村を囲うように茂る小さな森。
それはいつものこと──。
射す日差しが、生い茂る葉によって和らげられたその場所から見上げた先の空は、木々によって手で掴めそうな大きさに切り取られ、そこに滲む青は綺麗だった。
背を地面に付ける。
冬らしい冷えた空気の中、くすんだ緑の絨毯の上に、コートから覗く真っ白なセーラーカラー──隣町の有名校の制服である──が雪のように映えた。
草に触れる肌が焼けるように痛い。
マスクの下で、じんわりと右目の辺りも熱い。
マスクをズラして、手をやれば、そこはぷくりと小さく腫れているのが分かった。]
……やっぱり引いてない………
[ひり付く頬を触れながら、溜息と共に吐き出された呟きは白く視覚化する。
肌に触れる空気の冷たさに腫れた肌が熱を帯びているのを改めて感じさせられる。
シンと鼓膜を圧迫する無音に、一つ、諦めたように眼を閉じた。]
[もう何度目だろうか。
昨日の夕飯が済んだ頃だったと思う。
何を間違えたのだろうか、母の表情を見、そう思うが早いか、頬に痛みが走った。
座っていた椅子から身体が飛ぶほどの衝撃。
進級試験の成績が芳しくなかったからだったか、また運動で居残りになってしまったからだったか、その理由は今考えてもよく思い出せない。
記憶の中で母親は女に何かを言うのだが、その言葉は異国の言葉のように、何度頭の中で再生しようとしても上手く耳に入ってはこないのだ。
それは何かの映像のように女の目に映り、音は何処か遠くに聞こえる───痛みだけが現実味を帯びて纏わり付いていた。
ぼんやりとそれを"観賞"していれば、また一つ頬に痛みを感じる。]
ごめんなさい………
[分からなくともとりあえず謝る。
理由は後で考えればいい。
今までに覚えた場をやり過ごす唯一の方法──
───良い子にしていれば…母さんは優しい………
そう、今の学校に入学した時のように。]
[母は綺麗で賢くて、とても自慢だった。
母の言う通りにすれば、みんなに褒めてもらえたし、何より母は優しかった。
それが、いつからだっただろう。
姿勢が悪い、カラトリーの使い方が違う、良い成績を取れ、良い学校へ行け………
母の要望は少しずつ難しくなり、その期待に応えようと都度必死に頑張るのだが、要領の悪い女は上手く出来ずに失敗を繰り返すようになる。
その度に母は手を挙げるようになった。
母が最後に笑ってくれたのは、そう、隣町の有名校に入学した…8年前のこと。
───良い子にしていれば……
幼い頃に心に刻みつけた呪文は、14歳になった今も自分を縛り付けていた。]
[緑豊かで冬には雪に閉ざされるこの村。
この地から離れる力も持たない女が覚えたのは、この小さな茂みに隠れて、切り取られた空に想いを馳せることだった。
重い記憶に沈み込むのに抵抗するように、ぽかりと目を開ければ、先と変わらない滲んだ青。]
いいなぁ……私も飛べたら。
[小さな空に手を伸ばす。
いつかこの小さな世界から抜け出せるのだろうか。
空想の中では、世界はもっと温かくて優しくて、自分ももっと強くて。
怖いものも痛いこともない。
───本当の自分はそこに…
しかし、それが現実ではないことを、身体の痛みが伝えている。]
[
───このまま永遠に眠れたら……
マスクを外したまま、もう一度目を閉じる。
人の最期の姿のように、胸の前で手を組む。
冷えた風が指先の温度を奪い、ジンと痛みを起こす。
これが女を取り巻く"日常"であり"世界"であった。]**
/*
一席ありがとうございます。
いきなり絶望っぽいですが、今回は此処から一度持ち上げて落とす仕様を考え中……
いきなり暗くてごめんなさい(;ω;)
そして独り言は変顔で。
/*
制服がセーラーって凄い日本的なんじゃなかったっけ(セルフツッコミ
さて、少しだけ整理。
虐待から逃れたいと思いながらも、虐待によって自分の存在を確認している少女が虐待者を失った時には、何を得て何を失うんだろう。
家族以外との関わりも影響してくるかな。
籠の中でしか生きたことのない鳥が、大空を前にして果たして生きたいと思うのか、生きていけるのか…辺りがベース。
早く人と絡みたい(寝てるくせに
/*
動きがないから、森の中でエレちゃんとのロールを書いてみたら、百合百合しくて、なんかエロくて投下出来ない………(震
───カサリ。
[乾いた草葉を踏み分ける音に気付き、目を開ける。]
……エレ、ちゃん……
[音がした方向──ちょうど頭上にあたる──に視線を向ければ、よく知る村の霊薬作りの家の少女の姿を捉える。
彼女の視線が女の顔を捉えた瞬間、その表情が笑顔から不安げなものに代わるのを見れば、女は起き上がり困ったような笑顔で小さく首を傾げた。]
この奥に、お薬になる葉があるんだっけ……?
[今更隠せない目の下の痣を誤魔化すように、いつか此処で出会った時に、少女が言っていたことを口にする。
何言か交わした後に、薬師の少女は持っていた小さなポーチから小さなケースを取り出し、そっと女の右目の下に薬指を這わせる。
その指に応えるように、そっと目を閉じれば、ツン、と独特の草の匂いが鼻をついた。
熱を持っていた筈の頬はすっかり冷え、触れる指先の温かさが心地よい。]
ありがとう……
[お礼を告げれば、やはり不安げな表情で少女は笑う。女が返すのも困ったような笑み。
静かすぎる森の中に、少女たちの小さく軽い声は響く。]
[この隠れ場所で、初めて少女と会った時も、女は何処かしらに痣を作っていた。
───隠さなきゃ……
そう思うも言い訳は幼い女の口から上手く出るはずもなく、口籠り、困ったように笑うことすら出来なかった。
そんな女に何も聞かずに、少女は痣に薬の葉を貼った。
季節は巡っても、女が此処で小さな空に空想を浮かべることも、薬草を取りに来る少女がそれを見かけるのも変わらないままに、ただ、2人の年齢だけが一つまた一つと増えてゆくだけ。
頬を腫らしていても、腕にキズが有ろうとも、少女は何も聞かずに薬を塗ってくれる。
身体の痣の理由も、此処に逃げ込む理由も、誰にも知られたくなかった女は、その優しさに甘えた。
そして、その優しさだけではなく、現実に少女の処方する薬は良く効いた。
困れば村のみんなが少女の家に駆け込むのが分かる。
この霊薬師の一家が、隣町までが遠く、交通も充分に発達しない村の生命線の一つであるのは疑いようもなかった。]
そっか……それで……
[学校の授業がこの時間に終わる日に、よく会うんだ…薬草の花の話>>25に応えるつもりで出した声は最後まで言葉になることはなく、並んで座ったまま、視線を落とした。
薬を塗って貰った目の下が、またじんわりと温かい───さっきまで感じていた熱さとはまた違う熱を帯びていた。]
ねぇ、エレちゃん。
エレちゃんはこの村から………
[其処まで言って、首を横に振る。
そしてまた"いつも"の困ったような笑顔を作る。]
何でもない、忘れて?
[思わず口にしかけた其れは、何となく言ってはいけない気がして。
側にあった細い肩にほんの少しだけ体重を預けた。]
[どれくらいそうしていただろうか。
忘れる、と素直に飲み込んでくれる優しさ>>35。
それはとても心地良い。
話をするでも無く、ただ時間を食い潰すようにただ其処に居た。
ふと、日の射す角度が変わった事に気付き、側にあったマスクで顔を隠す。]
……ごめん、薬草の花、咲いてるうちにいかなきゃ、だよね。
………私も……行く………
………大丈夫、だから。
[少女は言葉にはしないであろうが、不安げな視線を向けてくるようであれば、目を細めて大丈夫、ともう一度繰り返す。
鞄の奥底にしまった成績表を思えば、とても今日も大丈夫だとは思えないのだが、帰らない訳にもいかない。
立ち上がり、パタパタとコートを叩けば、森の外、街の方向へと足を向ける。]
ありがと、エレちゃん……
[マスク越しにくぐもった声でお礼を告げれば、お気に入りの場所を後にした。]
[どれくらいそうしていただろうか。
忘れる、と素直に飲み込んでくれる優しさ>>35。
それはとても心地良い。
甘えてそのまま肩を借りる。
話をするでも無く、ただ時間を食い潰すようにただ其処に居た。
ふと、日の射す角度が変わった事に気付き、顔を上げた。
ほんの一瞬、動きは鈍り、それでも温かさの名残を断ち切るように一つ、息を吐き出す。
それは空を見上げていた時のように白く映った。側の草むらに投げ捨てるように置いていたマスクで顔を再び隠す。]
……ごめん、薬草の花、咲いてるうちにいかなきゃ、だよね。
………私も……行く………
………大丈夫、だから。
[少女は言葉にはしないであろうが、不安げな視線を向けてくるだろう。目を細めて大丈夫、ともう一度繰り返す。
鞄の奥底にしまった成績表を思えば、とても今日も大丈夫だとは思えないのだが、帰らない訳にもいかない。
立ち上がり、パタパタとコートを叩けば、森の外、街の方向へと足を向ける。]
ありがと、エレちゃん……
[マスク越しにくぐもった声でお礼を告げれば、お気に入りの場所を後にした。]
[村ではあまり見かける事のない白いセーラーをコートの隙間から見せながら、大きなマスクを隠すように少し俯き加減に、村の中心地へを目指す。
家は村の端。
村の中で3番目に大きい屋敷。
其処まで帰るのにどうしても人の多いところを抜けなければならないのだ。]
────…………痛っっ…….!!
[マスクのせいで視界が狭く、前がきちんと見えていなかったからか、何か──誰か>>57──にぶつかり、思わず蹌踉めく。
感じたのは柔らかさと何処か甘いような匂い、そして身体の痛み。]
…………あ…………ご………ごめんなさい……
[マスク越しに通りにくい声で、ボソボソと謝る。
相手が誰だか認識したのは、その頭を上げた時だった。]
えっと………鍼灸師のお姉さん………
[広場の側に店が出来た時、配られていたチラシを笑顔で配っていたその人。
チラシを持ち帰ったら、「マッサージなんて端ない」と母に酷く叱られたせいで、無意識に避けていたのか、まともに対峙するのはその時以来初めてだった。]
……し、失礼します…………
[一瞬、女性をじ、っと見つめてしまっていることに気付けば、慌てて、顔を隠すようにまた少し俯く。
そのまま逃げるように彼女の横を擦り抜けようとした。]
/*
コアが上手く噛み合わない感じかな……
クロさんとお話ししたいけど人気者すぎていけない((
父親からの縁故とか考えてみてるけど
だんだん設定厚くなってきて自分で嫌になってる(●ω●)
[
───バレてしまった……
大丈夫?と掛けられる声>>75に其方を向き、女性と目が合った瞬間、そう思った。
見えないように、と顔を伏せたけれど、遅かったに違いない。
慌てて、誤魔化すように頭を下げ、女性の側を擦り抜けようとした時に、肩に手を置かれる。
其処にもズンと鈍い痛みが走り、思わず顔を顰めた。]
だ………大丈夫、です………
痛くなんて…ないです……から……
[俯いて呟く声は、注意して聞かなければ聞き取れなかっただろう。
また顔を見られては誤魔化せないと感じ、顔を背ける。]
私が……前を見てなかったから……
だから……大丈夫……です………
[何故嘘をつかなきゃならないのか、女性の優しい声に何だか段々自分が惨めになっていくような気がして、思わずぎゅっと目を瞑る。 ]
………ごめんなさい、今日は……
ピアノのレッスンが………
[嘘だ。
ピアノのレッスンは明日の話。
咄嗟に場から逃げるために常に用意している嘘。
ほんのチラリと見上げた女性と視線が合えば、その嘘を読み取られた気がして、思わず視線を逸らした。]
/*
開いてびっくり絶望村。
絶望というか狂気に満ちてる雰囲気漂ってて、
流れが分からないので様子見のターン|ω●)
[手に何かを握らされ>>92、視線を其処へ落とせば、いつかのチラシに書いてあった店の名前が見て取れた。
仄かに香る良い香りは、女性とぶつかった時とは違うもの。
その紙に触れる手が冷えていることに今更ながら気付く。]
………………。
[言葉は出ずに頭を下げれば、振り返る事なく、女性から離れる。
ただ、傷口に触れられたように、込み上げる感情を、唇を噛み締めて抑え込んだ。]
[家に帰ると、母は上機嫌だった。
帰りが少し遅かったことも、テストの結果についても、何も問わなかった。
───父が帰る日………
村で3番目に大きい屋敷。
其処が女の帰るべき家である。
父は代議士として忙しく、家には殆ど居ない。
父が帰ってこない寂しさを埋めるように、母は娘の教育に力を入れ、それに没頭していった。
父が帰る日だけは、この家の中は華やかだった。
母が笑い、父が笑い、私も叱られずに済む………
何かが母のスイッチを入れないうちに、と部屋へと逃げ込んだ。
マッサージ店のカードは手の中でくしゃりと潰され、掌を開けば優しい香りが広がる。
窓の外には雪がちらつきだしたようだ。
これから起こる何かに気付くこともなく、女はそのままベッドに沈む。
次に目を覚ましたのは、日が変わる前、薬師の少女が女の部屋の窓に小石をぶつけたからであった。]
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