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公国軍大尉 レト は 少尉 フレデリカ に投票した
― 公国軍拠点 ―
[建て直し期間として設けられた短い時間は、
後は、山のように舞い込む仕事に追われることとなった。
トールとミヒャエル、彼らの安置された部屋に足を運び、これまでの礼と短い別れを告げて。フレデリカの配置換えを改めて兵に通達し、送り出す。
あれ以降、カサンドラからの連絡は無い。
敵兵の手に渡った可能性があるために、共有している通信機のスイッチを入れることはほぼなくなっていたが、その日は通信をオンにしていた。
帝国側での動きを偶然傍受出来ることに期待したのもあるが、
……もしかすると、胸騒ぎであったのかもしれない。]
…、……?
[手元にある大量のリストから死者の名を見つけ出し、
名簿に線を引く常の作業の最中、雑音と共に聞きなれた声が届いた。
手を止め、通信機に耳を近づける。]
フレデリカ…?
どうした、今は偵察任務に向かっていると聞いていたが。
何かあったのか。
[問いかけに応じる声はなく。
ただ、咳き込むような音のみが届く。]
二人?小隊の奴らのことか?
――おい、何があった!!?
[「二人が向かう」と告げる声の意味。
状況の説明を求め問い募るが、聞き取れる声もないままに通信は途切れてしまった。]
ファロン少尉!? 応答してくれ。
フレデリカ――― …っくそ!
[回線を落としたわけではないらしい。
ただ雑音のような音が、ざわざわと不吉な予感だけを感じさせる。]
― 公国軍前進拠点入り口 ―
おい、お前ら!フレデリカ隊!
ああ…馬はいい、そこの若いの、こいつらの馬を繋いでおいてやってくれ。
直ぐに俺と来い。今から大佐の所に向かう。
[拠点の入り口で待ち構え、フレデリカに預けた小隊の二名が拠点に馬を入れるや否や、ひっ捕まえるような形で捕まえた。
唇をわななかせ蒼白になった顔色を見れば眉間に深く皺が寄るが、何を問うよりも先に今や直属の上司である彼の元に走った。
緊急時だ、と、ノックもそこそこにディークの執務室に飛び込む。]
――→ 拠点:ディーク執務室 ―
大佐!!!
小隊の者が戻る、と―――尋常ならざる様子で
フレデリカ…ファロン少尉より通信を受けたゆえ、
二人を連れて真っ直ぐこちらにお届けしました。
おい、何があった。
[先を促せば、何があったかは彼らがそこで伝えるだろう。*]
……、
[ディークの視線が向く。>>62
機械的なほどにゆっくりと首を巡らせ、緋を向ける。
声が掠れていたために、ディークの言葉ははっきりと聞き取ることが出来なかったが、問いを向けられたことだけは察して、口を開いた。]
……
通信回線から、聞こえて来たのは。
異常が無いことを伝える声と。
次に、「二人が今からそっちにいくので、お願い」と、
短い通信だけでした。
何度呼びかけても返答がなかったため、尋常ではないとこいつらを引っ張ってきたんですが、―――。
[言葉を切って。
視線を合わせたまま、首を振った。
表情も口も、まともに動かない。]
………もう、
[ディークにこの先を問わせるのは酷かと、自分から言葉を促す。
恐らくはもう、フレデリカは。]
無理、……だということか。そうなんだな。
そうでなければ、絶対に生きて戻るって、歯ァふんじばってお前ら引っ張って戻るはずだ。あいつなら。
[今際の際になければ、こんなものを残したり、
最期の言葉など伝えさせたり、しない―――]
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