情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
ー回想・村外施設ー
[施設に到着すると、すでに何人か人がいた。
うち一人はカサンドラだと分かる。
……大きな建物だ。>>+1
中に入ると、各々自由に2階の部屋へと入っていった。
俺はそれをそれをぼんやりと眺め、1階を見て回ることにする。
風呂、トイレ、キッチン。
……待て、キッチンはあっても俺は飯を作れない。
その事実に軽い絶望を感じながら、次の部屋へと足を向けた。]
……何だ、この部屋。
[広い部屋の中央に、幅広の紙が立っていて、そこに光が当たっている。
その中で人間が動いている事に、俺は驚いた。
たんまつに、めーるというものが届いたらしい。
足元に、ひらりと舞った紙に記載されていた。
慌ふためく者や、落ち着いている者など、さまざまだったが、皆一様に不安そうな顔が映っている。]
てれびに似ているけれど……違う。
[明日、ドラに聞いてみようと思いながら、俺は2階の適当な部屋で眠りについたのであった。]
ー昼過ぎ・施設大広間ー
[ふぁ……寝過ぎたか。
1階へと降りていくと、何やらいい匂いがする。
どうやら、料理をした人間がいるらしい。後でご相伴にあずかろう。]
[昨日気になっていた大広間に行くと、そこにはカサンドラ。
「それにしても…スクリーンに投射機なんて……レトロね。」と呟く。]
(成程、この装置はすくりーんと、とうしゃきと言うらしい。)
ド…ッ……
[思わず名前を呼びそうになったが、今の『俺』とは、初対面。
その声に不思議そうな顔をして、こちらを振り返るドラ。]
"はじめまして"俺はフランツ。……あなたは?
[カサンドラの視線が、俺の首の赤い輪に止まったことなんて、知る由もなかったのである。**]
ー回想・昼の広間ー
[「あー!貴方もしかして!?」とドラが大きめの声を出す。
彼女のそんな声は聞いたことがなかったので、少し驚いたが、寂しそうな声よりは100倍イイ。
ドラがそんな声を出すとは、何の話だろうか?]
ん?……あ!!
[ドラの視線の先には赤い首輪。
すっかり隠すことを失念していた。
しかも、咄嗟に手で首輪を隠すように触ってしまい、自ら仮定を肯定してしまう。]
……まぁいいか。
やたらと言いふらしたりする人間ではないことは分かっているし。
俺もドラの秘密を勝手に知ってしまったから、これでおあいこ…な?
あ、犬の姿ならドラに撫でて貰えるから、俺の方がラッキーかな。
[俺は、そう軽口を叩いた後、ドラの手元に視線を落とした。
たくさんの種類の料理が、少しずつ。
あの匂いは、この料理の匂いだったのか。]
(…美味しそう。)
[俺の心の声が聞こえたのか、口に出してしまっていたのか、はたまた顔に書いてあったのか。
ドラはクスクスと笑って、「たくさん作ったから食べてくださいね?」とキッチンを指差した。
早速頂くとしよう。]
ありがとう。いただきます!
ー 夜・広間ー
[たいぷらいたーという機械から出てくる大量の紙は…見ないことにする。
…今日は、見ない。
目をつぶっていると、ドラが「お風呂。見ちゃだめよ?」だってさ。>>+7]
ははは、見ないよ。
(…見ちゃだめよ?と言われると、俄然見たくなるのは、男の性か?)
[とはいえ、(犬の俺なら一緒に入ってくれないだろうか…)と一瞬真剣に考えた自分にがっかりする。]
[俺はのそのそとドラの後をついて行き、その扉の前で、犬の姿へと戻る。(人間の姿だと、何か悪いことをしている気分になったのだ。)
そして扉の前でペタリと伏せ、番をすることにした。]
ー 夜・村の道 ー
[ドラが風呂を上がったのを見届ける。]
さて、そろそろ仕事の時間かな。
[この施設に来て、案内役と言う意味を把握した。
この施設と、村との間は、実はそう遠くない。
風に乗り村の声が届くこともあれば、嗅いだことのある匂いが届くこともあるからだ。
村へ戻ろうと思えば戻れる距離。
だがそれは、『俺』の耳と鼻だからであって、気付いている人間は、ここにはいないだろう。
しかし、組織の人間は念には念を入れるようで…この施設に追放された人間が、再び村へと戻ることのないように施設までの道に工夫を凝らした。
複雑に曲がりくねる道、方向感覚を鈍らせる大量の樹々、少ない光しか差さない森の中。
案内するのが俺の役目だ。]
さて今日は誰が追放されて来るのだろう。
[俺は村の外れで、一つ吠えた。
それが追放者、誘拐者を置き去る場所の合図になっているらしい。]
どうやら今日は1人のようだ。
さて、誰がくるのやら。
[俺は木の影で、僅かな時を待つことにした。**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新