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【犬】案内人 フランツ が見物人として参加しました。
【犬】案内人 フランツは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
(さて、俺は俺は俺の仕事をしようか。)
[黒い犬が、のろのろと立ち上がる。ブルブルと身震いした途端、青年の姿にかわった。]
…よろしくな。
どうしても叶えたい夢があって、この【夢見の村】へとやってきたが……見てのとおり、俺は人間ではない。取り合っても貰えなかったよ。
【だから、俺はすぐに追放されるだろう。】
…だがな、どこからともなく現れた女が言ったんだ。
[いいわ、貴方はこの狭間の世界で案内人をしなさい?青の世界までの案内人。そのために、貴方に仮初だけれど、人間の身体を与えてあげる。…そうね、この世界に迷う者がいなくなったら…そのときは貴方の願いを叶えてあげるわ。]
細い細い可能性。
諦める訳にはいかなかった。
[リィ…待っててくれ。俺は必ず人間になる。そして、お前を治してやるから。]
フランツは首に回った赤い首輪をそっと触り、…そう呟いたのだった。
…どうやらまだ俺の仕事はないらしい。
[フランツは、ブルブルと身体を振って、犬へと戻った。]
(人間の姿は…少し疲れる。)
(ドラとかいう…あの女。…哀しい匂いがするな。)
手当を断って>>32、全部自分でしてしまう様を遠くから眺める。
金色と茶色の男が、心配そうにしているが、ああもキッパリ言われてしまうとそれ以上踏み込めないのだろうか。
二人で顔を見合わせて、何故か自己紹介を始めている。
俺はそれを横目に、トッと犬の姿のまま駆け、スルリと扉の隙間をすり抜けると、女の側へと近づいた。
慌てたように制止の声が掛かるが、さらりと聞き流す。
女からすれば、俺はただの犬だ。言葉を発さない、ただ聞くだけの犬だ。
(…よく、…寝ている。)
処置の際に付着したのであろう。
手のひらに、こびり付いて乾いた血を一舐めし、俺はその近くで丸まった。
今日の夜は…冷えるだろうからな。
…良い夢を。
(……もう昼か。)
[「ありがとう」という声とともに、感じていた体温がそっと離れ、あたたかい掌が俺の毛を撫でる。
夢うつつの中でぼんやりと感じていたものが、だんだんとはっきりして目覚めへと向かっているのだろう。]
(……寝汚いのは自覚している。)
[もう一眠りしようかと、微睡に身を任せようとしたそのとき……
「君、何ていうか名前なの?」
そう、頭の上から声がした。]
[「君、何ていうか名前なの?」とドラは言った。>>174]
(……優しい声だな。)
[俺が喋れるとは思っていないのだろう。答えを求めていない問いかけだったが、俺はのろのろと目をひらく。
女……いや、ドラと呼ぼうか。ドラは少し微笑んで、俺の頭を撫でてくれた。
俺は昨日見た、背中の大きな傷を思い出す。]
(それを癒すことは俺には出来ないが……それでもドラは笑うのだから。)
[そんな、強い女の頬をベロリと舐めた。
「きゃ!」と驚いた顔をするドラに、してやったりと、一鳴きし、俺は姿を変えるために部屋の扉からでたのだった。]
[外に出ると、女がいた。「おーい!だーれーかーいーまーすーかー!」と聞こえたのは、この女らしい。
少し、耳が痛い。……どうやら、俺には気づかなかったようで、あたりをぶらつきだした>>203。
少し離れたところに、金色の男と、黒の女?が歩いているようだ。]
(この匂いは、昨日扉の前にいた男だ。……今日は汗の匂いがするな。もう一人いるのか?……何か不思議な匂いがする。)
[それを横目に、建物の影に入った俺は人のいないことを確認し、身震いを一つ。青年の姿へと変わる。]
……やはり、頭と尻がムズムズするが仕方がない。
[どこからか漂ってきた匂いに、犬の名残か、ヒクヒクと鼻を動かす。そして俺は腹が減っていることに、ようやく気付いた。……何か腹にいれてくるとしよう。**]
ー宿の食堂ー
[腹に何かを入れようと、食堂へとやってきた。泊まっていないのだがいいか?と尋ねると快く了承してくれたため、腹にたまるものを頼む。]
全く…人間の体は燃費が悪い。
1日に3回も食べるとは……それでも足りないのだから、どういう構造になっているのだろうか。
それにこの、服、というものは…とても窮屈だ。…だが流石に裸でいる訳にはいかないか…仕方が無い。
[ふとあたりを見渡すと、本を読む茶色の男と、黒い女。このくらいの距離ならば、俺は声を拾える。どうやら本について話しているようだった。]
あの男は初めて見るな。>>254
あまり匂いがしない。
(星の王子様…主人が読んで聞かせてくれたから…話は知っている。大切なものは目に見えないだって?俺にとって、大切なものは…目に見えて分かっている…それなのに…。)
[思考にとらわれないように、軽く頭を振る。]
黒い女は…集会所の近くで見かけた女だ。>>206
…やはり、不思議な匂いがする。あの大きな鞄からだろうか?
[丁度そのとき、パンや添えられたハムエッグ、マッシュポテト、スープとサラダが運ばれてくる。
…これだけでは足りそうに無かったので、パンの追加を頼むことにする。
…スープのタマネギは、そっと端に除けた。]
黒い女と、一瞬目があったような気がするが、おそらく俺の気のせいだろう。
だが、1人で食べるのも味気ない。
[俺は、些か緊張した面持ちで、声をかけた。]
話に割り込んですまない。……一緒に食っても…いいだろうか?
あ、ああ…すまない。
声をかけておきながら、名前も名乗らずに…。>>274
[明らかな失敗に、俺は恥ずかしくなって、頬を掻いた。]
俺はフランツ。ありがとう、よろしくゾフィ。
本を読む貴方がオズか。>>282 よろしくな。
[俺がをそう言うとゾフィは「大歓迎よ」とニッコリ笑う。オズは何やら、俺のテーブルを見て、目を丸くしている。
ふと視線を感じてそちらを向くと、ジッとこちらを見てくるゾフィに、俺は首を傾げた。よく分からないが、観察されているみたいだ。]
…耳は出ていないだろうな。
[俺はさりげなく、頭を触る。ああ、大丈夫だ。]
[「私達が移動した方が早いかもしれない。分量的に。」と彼女に言われて、俺は初めて、2人のテーブルを見た。]
…たったそれだけで、足りるのか?
だが、助かるよ。
(燃費のいい人間もいるんだな。)
ー宿の食堂ー
[俺の頭を触る仕草に、2人が妙な顔をする。>>296 >>297
危ない、無意識に口に出してしまっていたようだ。
曖昧な笑みを浮かべて、誤魔化すことにした。
幸い、うまく誤魔化せただろう。
ゾフィが「財務大臣たる財布君の…」というのを聞きながら、ホッと胸をなでおろす。]
なるほど、それは確かに。
飯に捕食されると分かっていては、財布君もそう要請する他ないだろう。
……そうか、ならこれ。よかったら。
貰いものだが、俺は食べられないから。
[俺はそう言って、チョコレートをポケットから取り出し、ゾフィとオズの前に置いた。
受け取ってくれるだろうか。
小さな主人が、以前に自分のおやつを俺に分けてくれたものだ。
包みのままで、俺が食べることが出来るかはさておき。子供ならではの無邪気さに、笑ったのを覚えている。]
[そうしていると、オズが
「主の希望をよーく分かっている、良い奴なんだ。」
と、冗談めかして言う。>>306]
なるほど、面白い男だな。……いや、待てよ?
それだと、俺は馬車馬の如く働かないといけないじゃないか。
……俺の消火器官が、空気を読んでいないだけだということにしておこう。
[俺がそう言うと、オズは軽快に笑う。そして少し談笑したのち
「食べた分、働かないといけないからな。」
と、悪戯っぽく笑い、立ち上がった。
どうやら、ゾフィも自室へ向かうらしい。
俺がまたな、というと、2人はヒラヒラと手振った。
猫背気味の背中と、細い影のような背中が、扉の外へと消えて行った。]
さて、もう少し食べるか。
[これから何をしようかな…と考えながら、俺は、追加で届いたパンをモソモソと食べはじめたのであった。**]
ー回想・昼・宿の食堂ー
[チョコレートをあげると
「いいのか?ありがとう。好きなんだ」>>326
というゾフィ。
それはよかった、口に合えばいいんだが。
彼女の勘違いには気付いていたが、説明出来ることでもなかったため、そのままにしておいた。]
山道で?チョコレート味のおやつか。
確かに山道では甘いものが欲しくなるものらしいな。
[話を聞く所によると、何種類か勧められたらしい。
俺からすれば、犬用が1番美味しそうなのだけどね。]
[一方で「ありがとう」とチョコレートを受け取ったオズは、何やら考えこむような素振りを見せた。
それが遠慮であったのか、はたまたそれ以外の何かであったのかは、俺には判断できなかったが、すぐに人の良さそうな笑みを浮かべて「食後のおやつにするよ」と言う。
先程の呟きの件も、納得している訳ではなかったのだろう。
…無理矢理納得させ、飲み込んだだけ。]
騙してるつもりはないが…少し気が引けるな。
……とはいえ、俺にも夢があるものでね。
[2人が出て行った扉を見ながら呟いた。]
ー昼過ぎ→夜・村の道ー
[オズとゾフィと昼を供にし、腹にたらふく詰め込んだ俺は、犬の姿に戻った。
ポカポカと陽のあたる道の端で、犬らしく惰眠を貪ることにする。
時折会話を拾い、情報を集めつつ、夕暮れまでを過ごした。]
(…ん?何だ?)
[何やら空気が忙しない。
どうやら村の掲示板に、張り紙が貼られたらしい。
それを聞き、俺はすぐに悟る。]
……いよいよか。
[おっと、犬の姿で喋ってしまった。…誰にも見られていない…ようだな。
俺は、のそりと起き上がると、建物の影で身体を揺する。
ああ、…やはり窮屈だな、この身体。]
さて、村の端へと移動しよう。
まだ暫くは、待つことになるだろうけれど。**
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