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数日前からカークおにーちゃんが
帰ってこなくなった。
カークおにーちゃんは
いつも僕より遅く家に帰りそして早く家を出る。
でも、いつも用意してあげた。
晩御飯は食べてくれた。
だけど、それが数日前から一切手をつけてないのだ。
おにーちゃんになにかあったのかな。
そう心配になるのだけど、
風声鶴唳にいつもいるんだぞと
昔からそう言われていたので
その遠くから響き渡る悲鳴と遠吠え。
それを聞いてからはせめて家にいるときは
安静にしてほしいと晩御飯を作っていたのだ。
それと同時にまたおにーちゃんが
無事でいてくれるように祈っていた。
だけど、それは無駄だったのかもしれない。
僕はおにーちゃんよりも強くないし
頭が回るわけでもない。その得体の知れない
何かが何処かにいくのを待ち続けなければ
生きていけないと思った。
そして数日後、いつの間にやら呻きやら、
遠吠えがなくなっていた。僕は
足をガクガク震えながらも、
おにーちゃんを探しに風声鶴唳の村を訪れた。
村の出入り口のところに哀れな姿の
おにーちゃんがそこにはあった。
おにーちゃん…。
その姿をいたあと、膝から崩れ落ちていた。
あ、あの時と同じだ…。
僕たちを産んだおかーさんは
栄養不足のため、倒れてすぐなくなった。
おとーさんはすぐ別の女に手を出して
気にしていないようだった。寧ろ
僕たちにつよくあたっていた。
そんなおとーさんなのに、
おにーちゃんは従っていた。
そしてみるみる顔から表情がなくなった。
だけど、僕には笑顔をみせてくれた。
こころから笑った笑顔をみせてくれる
たった一人のおにーちゃん。
そんなおにーちゃんが倒れてる。
おかーさんが助からなかったから。
もう助からないだろうなって
思ったら目から涙が流れた。
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