情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
―廊下―
[缶を懐にしまおうとすると懐に固い感触を覚えて、息を呑んだ。
恐る恐る手を懐に偲ばせると、もうひとつ出てくる缶>>486]
え…??
[驚きに目を見開き、持っている缶と出てきた缶とを見比べる]
どうして、二つも…?
……。
[缶を開けると、中にはキャラメルが入っている。それは昔、ヒンメルがくれたものと同じもの。
一つ口に入れると]
…甘い。
[喉にじわりと染みる懐かしい甘さ。あの時に貰った優しさを思い出して、切なさに目を閉じた]
[改めて校舎を眺めながら歩き始め、医務室の前で足を止めた。そっと扉を開けてみる]
ここのソファで居眠りしてたこと、あったな…。
ヴィンセント先輩が起こしに来てくれて…。
[備え付けられたソファの背もたれをそっと撫でる]
――…。
[廊下を歩いている間聞こえていたざわざわとした声は、ここに来て少し小さくなっていた。代わりに、苦しむような、痛みに耐えるような…そんな呻きにも似た声が聞こえてくるのはここが医務室という場所だからだろうか。
その中に、知った人の声が混じって聞こえた>>4:336]
ウェルシュ先輩…?
それに、ダーフィト先輩の声も…。
……。
[ステファンの言っていたようにこれが本当に現世の声なら、きっとここは悲惨な戦場となっているのだろう。戦場にいるのであろう声の持ち主達を思って目を伏せるが]
自分だって戦争を望んでいたくせに…。
今更心を痛める資格なんてないだろう。
[自嘲の笑みを浮かべた]
…お茶会に良さそうなもの、なかったな。
まあこの辺は教室だし、当然といえば当然か…。
…ん?
[医務室を後にし、そろそろ戻ろうかと思いながら再び廊下を歩いていると、近くの部屋から声が聞こえた>>74
他の声よりもはっきりと聞こえる、懐かしい声。]
まさか…
[震える手で扉を開ける]
―空き部屋―
[そこに思い描いた人物はいなかった。
しかしなおも聞こえてくる独り言のような、誰かに語りかけているような呟き。
目をこらすと、部屋の隅がうっすら光ったように見えて]
…・・・・せん、ぱい…?
そこに、いるんですか…
[唇を震わせながら、呟いた]
[部屋の隅、ぼんやりと光るそこのかたわらに膝をついて、聞こえてくる言葉に耳を傾ける]
『今日は多くの知り合いがそっちに行ったよ。』
……
[>>75羅列される名前は信じられない名前ばかりだった。それでも心を落ち着けて彼の言葉を聞くことに集中する。
そうして、自分とフレデリカの名前が出てくれば>>76、大きく瞠目し…顔を歪める]
……先輩…・・・ごめんなさい。…僕は…
[>>77弱弱しく聞こえてくる声。手を伸ばして、かたわらの光をそっと撫でた]
先輩…。生きて、ください。先輩には生きていて欲しいです。
フレデリカにも…。
……2人が、生きてくれることが僕の…。
[そうして彼の気配が部屋を離れるまで>>142、その光を撫で続けていた**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新