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士官候補生 カレル は 士官候補生 レト に投票した
― 試験終了後:生徒会室 ―
しつれいしまーす!
[生徒会室の扉をからりと開けて、
にこやかに二枚の紙をぺらりと提出する。]
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『予算申請書
最上級生送別パーティーの経費として
花火 … 一発
以上の購入代金を申請致します。』
『食べ物持ち込み許可願い
来たる生徒会主催のお茶会に
ホールケーキ一台、持ち込み許可願います。
実技試験対人戦最終戦の健闘を讃えて
対戦者4名の入れますので、
そちらもご了承ください。』
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[爽やかな笑顔を崩さないまま、
1枚目の上に2枚目を重ねて提出する。]
これからバザールと購買で購入するので、
1枚目の代金は後でいいです。
それじゃ!
[ちゃき、と手を上げて、そそくさと部屋を出て行った*]
― 寮の部屋:出かける前 ―
シロウせんせー。
[出かける支度をすっかり整えてから、シロウに声を掛ける。
昨日は酒の匂いをたっぷりさせて帰ってきたものだから
常備してあるウコンジュースを勧めたものだけれども、
2日酔い、かどうかは、さて。]
バザール行ってこようと思うんですけど、
なんかお土産いりますか?
あ、もちろんお代はシロウせんせい持ちで。
お使い代弾んでくれてもいいですよ?
[当然の顔で付け加える。
なんならお小遣いをせしめようという勢い。]
― バザール ―
[バザールに出かける時は、いつもひとりだ。
そうして、決まって最初に顔を出す店がある。
とりどりに並んだ出店に紛れた一軒、
各地の工芸品を扱う店に、歩み入った。]
こんにちは。久しぶり。
うん。いつもありがとう。これ、よろしく。
[店主に声を掛けて、手紙と包みを受け取り、
代わりに自分の手紙を託す。]
うん。学校のほうは順調だよ。
───わかってるって。卒業したら、…うん。
でもまだ二年も先の話だし。
留年すればもっと先……
───たとえばの話だって。
しないよ。わかってる。ちゃんと卒業する。
…うん。それじゃまた次のバザールで。
ちゃんとやってるから心配しないで、って伝えて。
[店主といくらか言葉を交わしたあと、
手紙と小さな包みを懐にしまって店を離れる。
あとは普通にバザールを楽しむ顔で、
賑やかな通りをぶらつき始めた*]
― バザール ―
おばちゃーん、そのフルーツ盛り合わせちょうだい。
あと、そっちのポテトも。
えっ、アイスクリームなんてあるの? 食べる食べる!
[ポテトフライやシチュー、パンケーキ、ベーグル、
串焼き肉にスティックサラダと食べまくり、
今は両手にデザート持ってバザールをうろついている。
買い物もあらかた終わり、両腕にはいくつか荷物を提げていた。]
[ふと、横を通り過ぎた集団の会話に耳が引っかかり、
立ち止まってしばらくその集団を視線で追う。
思った通り、士官学校の若年生らしい彼らが
寮長が、とか昨日の練武場で、とか話しているのを聞いて、
口元が綻んだ。
先輩に憧れ、その戦いに興奮する。
自分にもそんな時代があった。
今は、憧れの相手が多すぎて、困るくらいだ。]
― 回想:1年生のころ ―
[士官学校に入学した当初は、ごく大人しい生徒だった。
学業も武術も言われたからやっている、程度の熱のなさ。
落第点を取らないぎりぎりくらいの成績で、
なにをしてもつまらなさそうにしていたものだ。
ある日、級友に誘われて練武場に行った時も、
ずっと興味のない顔をして、座っていた。
─── その人の試合を見るまでは。]
うわ……
[目の前で繰り広げられたのは、技を駆使した戦い。
華麗で、予想もつかなくて、息をする暇もないような
自分が見たこともなかった戦いに、目が釘付けになった。
それになにより───]
……あんなに、楽しそう…。戦ってるのに、…
[剣をかわすときの、生き生きと輝く瞳。
勝負がついた後、笑い合い、肩をたたき合う仕草。
それは、今までは想像もつかない世界だった。]
[だから、気が付いた時にはその人に走り寄っていた。
そして頭を下げて、大声で叫んだんだ。]
ディーク・ルーデン先輩!
俺を、弟子にしてください!
[以来、足繁く練武場へ通いはじめたのだった。*]
― 朝:寮の部屋 ―
[バザールに行くと声を掛ければ、
思った通りのもふ&人間用おやつの注文。>>*61]
わかりました…って、どれだけ買わせるつもりですか。
うっかりすると荷台がいりますよ、これ。
[渡されたおやつ代金に突っ込み入れつつ、
高級なものを見繕ってこようと心に決める。]
エロ……は、別に手間賃でもらわなくても、
その辺に転がってるからいいです。
せんせいみたいな○リの趣味はないですし。
ちょっとその、うさ耳うさ尻尾は気になりますけど…
いやいや、ふつうにお小遣いください。
[手を出して紙幣を受け取り、
部屋を出ようとして、ふと立ち止まった。]
そういえば……
せんせいの技───誰かに教えたり、しないんですか?
[何年も同じ部屋で暮らしていれば、見えてくるものがある。
声を掛けたり、物を投げ渡したりした時の、何気ない仕草、
昨日の練武場でペイント弾を叩き落としたような妙技。
いつもシロウが実技演習で教えているのとは
どこか違う系統の、技の気配。]
せんせいが本気になったら、すごいんだろうな。
[憧れと畏怖の相半ばする視線を、シロウの顔に走らせた。]
― 回想:試合終了後/寮の風呂 ―
はっ……くしゅん!
[盛大なくしゃみをやらかしたのは
風呂でざぶざぶと水を被っていたときのこと。]
あれ、おかしいなぁ。
実技試験も全部終わって、気が抜けたかな?
[まさか西寮の部屋で自分が話題になってる、
だなんて思いもよらない。]
それにしても、フレデリカ羨ましいなぁ。
もう卒業しちゃうだろうから、二度とない機会だし…。
でも、キマイラ戦だってきっと二度となかったろうしな。
[昼間、いっしょに戦った仲間を思い出して、
機嫌良い鼻歌まで飛び出していた*]
― バザール ―
[おなかも満ちて、買うべき物も買って、
そろそろバザールを出るか、と歩き出す。
ちなみに、両手に抱えた袋は、もふ用おやつ───
うさぎ用クッキーや高級ハーブスティック、ドライフルーツ、
猫用ジャーキーにまたたびスティック、煮干し小袋、
……などがたっぷりと詰まっていた。
シロウ教官用には、ブランデーを贅沢に使ったケーキに
馬のマークが入った高級チョコセット、
質より量のお徳用クッキー缶などなど、
こちらもどっさりと買い込んでいる。
その中で、ひときわ厳重に包まれているのが
小さな筒に入った花火だった。]
[なりは小さいが、正真正銘の火薬を使った打ち上げ花火。
しかも、魔法石の効果を少しばかり持たせた、
シュヴァルベならではの特製品。
バザールでの掘り出し物とはいえ、お値段もそれなりだったが、
いまのところポケットマネー、…最初にもらった小袋の中身、で
全て事足りている。]
どこかで馬でも調達しないと、これ持って帰るの、骨だなぁ
[両手に余る荷物をぶら下げて、貸し馬をきょろりと探した]
― 回想:新入生のころより ―
[自分の学業と武術の塩梅は、
きっと、この先輩に似たんだろうなぁ。
ディークを見ながら、よくそんなことを思っていた。
弟子にして欲しいと頭を下げたあの日、
憧れの、とてもすごい人に見えたその先輩が、
親しげに肩を叩き、笑いかけてくれた。
それで一気に緊張もほどけて、幾度も手合わせし、
なんて楽しいんだろう、と興奮した。]
[暇を見ては練武場に通い、
ディークがいるのを見かけては、手合せを頼む。
どんどん体が動くようになるのが面白くて、
さらに熱心に、練習に打ち込んだ。
授業よりもなによりも、自分の武術の経験は
ディークとの手合わせで積まれた、と言ってもいい。]
[どんな武器でも鮮やかに扱ってみせるディークに
感動し、憧れて、真似をしようと努力したこともあった。
だがすぐに、努力ではどうにもならない壁、
個人の向き不向きがある、という事実にぶつかる。]
先輩くらい器用だったら、もっといろいろできるのに…
[
羨ましいと感心すると悔しいを混ぜて眺めたこともあった。]
[そんなディークが機会さえあれば手にしていたもの、
銃器もまた、扱いが難しくて敬遠していたものだが、]
もし、銃で狙われたら、どうしようか。
[そんなことを考えているうちに、
いつしか、盾の扱いを熱心に覚えるようになった。]
[この先輩に、なにかひとつで良いから勝ちたい。
初めてであった時から、ずっと心の底に抱いている、
自分をここまで突き動かしてきた、野望だった*]
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