情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
― どこか ―
[───あれから。
どれほど時が経ったのかは分からない。
しかし、僕は意識を呼び戻す事ができたようだ。
目を開け、周囲を見回し、……ゆるやかに状況を確認する]
あれ、……ここ、どこ…?
[今、僕はまさに目を覚ましたばかりだけど、それまで僕は何をしていたのだっけ?
記憶が混乱して、すぐに思い出せない。
そして、僕は自分の身体を確認する。
目の前にかざした手、見えるけれどもホログラムを空間に投影したかのようにおぼろげで]
…───んん?
[僕がホログラムに映し出されているとして、それを自分自身と認識するのは何だかおかしくはないか?
それに、常に手元にあるはずのリュートがどこにもない。僕は急に不安を覚えて、周囲を見回す。そして、僕は気づいてしまった、……]
身体が、宙に浮いてる?!
[何てことだ。
これまでの情報をつなぎ合わせると、僕はまるでゴーストになったかのようだ。
つまり、僕はもう、]
…───死んじゃった、のか…?
[口に出して、それからようやく、これまでの経緯を少しずつ思い出す。
そういえば僕は、銀羊号に乗って、旅をしていたんだった。
ファームパークでいつも通りリュートを鳴らして、歌を歌って。
キアラという曲芸師の女の子に会って、それからフレデリカが来て、少し会話をしたかな。フレデリカは僕の歌を気に入ってくれたようで、手放しでほめてくれるのがうれしかったな]
あの時までは、楽しかったね…。
[あの会話が今からどのくらい前の会話だったのかは、もはや不明だ。
おそらくここはまだ銀羊号の中だけど、あれから目標地点に到着したのか、あるいはその手前で宇宙空間を漂流しているのか、時間経緯もあいまいだ。
そして、ここがコールド・スリープルームNと呼ばれる部屋であることを僕はまだ知らない。
ただ、足元にはケースに入って眠らされているかのような僕の身体が横たわっていて、その両隣にキアラとフレデリカ、それから名の知らぬ黒髪の男性が同じように安置されているのが分かるっていうだけで]
……。
[どうやって殺されたのかは覚えてないけれど、ファームパークに暴走したドロイドが突入してきて、混乱の間に意識が途絶えたのだと思う。
あそこに僕の身体が収められているということは、誰かが運び入れてくれたのか。
僕は、僕の身体を真上から見下ろすという不思議な体験をしている真っ最中だけど、そこには特に何ら感情を抱く事はできず、今はただ、手元に楽器がなくて、それが弾けないのが残念だと思うばかりで]
[果たして、僕と同じようにフレデリカたちもゴーストになってしまったのか。
あるいは、こうして存在するのは僕だけなのか。
あいにく、僕はフレデリカたちより目覚めるのが遅れてしまったから、彼女がこの場から一度去ってしまったことに気づけていない。
この部屋の外で何が行われているか知らず、僕も移れるものなら場所を移動しようかと思い立ったその時、船内の緊急警報を耳にする。>>#6]
勇敢なる死者たち、
[この時は、何のことだろう?と首を傾げたが、それがまさか自分にも当てはまるとは見当もつかず。
死してなお(実は死んでない事も後でどこかで知らされるだろうか)実は使命を背負わされているだなんて、この時の僕は知る由もなかった、───。**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新