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─── 隔壁が降りる前/メイン・サロン ───
[騒がしさに誘われて辿り着いたのはメイン・サロンだった。そこはすでに戦場と化しており、人とドロイドが対立していた。]
え……?なんで……ドロイドが人を襲っているの……?
[ドロイドが誤作動を起こしているのだろうか。見回せばカークの姿と、医務室前ですれ違った男の人を確認できた。
────あ……!カーク!!
ふわりと近づき、服の裾をつかもうとするがするりとすり抜けてしまう。]
っ……!!
カーク、ねぇ、カーク!!
[声をかけても、相手がこちらに気づいている様子はない。
周りには沢山の人。いつもなら恐怖を感じて逃げるころだが、相手から認識されない限り恐怖は感じないらしい。]
なんで……なんで私、こんな姿に……!
[それどころか前線でドロイドと戦う人々を見、自分が何もできないことに悔しさを感じて両手をぎゅっと握っている。
"アレ"が夢でないのなら、私は死んでしまったのだろうか。
私は目に涙を浮かべ俯いたまま、その場に立ち尽くすしかなかった。]
[それから暫く、危険な状態にある人を助けようと手を伸ばした。
何度も、何度も、届け!と願いながら、泣きながら。
しかしその手は無情にも手は相手の体をすり抜けるだけ。
突然、ゴゴゴ、という音が鳴る。
音につられて顔を向けると、隔壁が現れ始めていた。]
あ……壁?これで…みんな助かる?
よかった……
結局私…何もできなかった……
[なんだかその場にいられなくなって、ふわりとメイン・サロンを離れた。]
──── ??? ────
[メイン・サロンを離れた後、メリーの声が聞こえた。
移動をやめて耳を傾ける。
それは酷いノイズで、思わず耳を塞ぎたくなるようなものだった。ほとんど言葉になっていない。
しかし、その中から確かに聞こえた"人狼"という単語。そして最後に告げられたメリーのシステムダウン。(>>1:#19)
先ほど誤作動を起こしていたドロイド達が目に浮かぶ。
異常事態中の異常事態なのだということは誰の目からも明らかだった。たとえ、"人狼"を知らない私でも。]
じんろう……?なんだろう……
でもそのせいでドロイドはおかしくなってしまったの…?
メリーがシステムダウンしたって事は、船内のいろんな機能が使えなくなっちゃったんじゃ……?
[嫌な予感がした。この先、大変な事になるんじゃないか、という予感。
夢が現実なら、私の前に現れたもういないはずのアイツは、その人狼とやらなのかもしれない。
あの時の事を思い出して、ぞくり、と背中に冷たいものが走った。
────なら、みんな襲われてしまうのでは?]
カーク………っ!!!
[バッと顔を上げるとふわりと今来た道を戻って行く。もっと早く、彼が心配だ、と。
それに、こんな事態になってから私を医務室まで運んでくれた眼鏡の男性を見かけていない。
もしかしたら、もう既に────
そんな嫌な考えばかりが頭をよぎる。
自分に何ができるわけでもないが、じっとしていられるわけがなかった。]
──── メイン・サロン→医務室 ────
[メイン・サロンにようやく戻ると辺りを見回してカークを探す。
しかし彼はもうここにはいないようだった。
────確か…怪我をしていたはず……
あれが何による怪我なのかわからないけど、あの出血では命が危ないかもしれない。
ならば、彼はきっと、医務室にいる。
周りにアイツがいない事を確認し、はっとする。
────今の私には、アイツを見つけてもみんなに伝える手段がない…
なんて、無力。
そんなのさっきの戦いで分かっていたはずなのに。
────それでも……
今は、この船の中で唯一名前を知っているカークの無事を祈ろうと、ゆっくり医務室に向かうのだった。]
──── 医務室 ────
[医務室に入ると2人の人がいた。
先程の戦闘で傷を負ったらしき男性(>>2:94)と、その男性に頭をさげる女性(>>2:43)の姿。
2人の会話から、男性の方は"ダーフィト"という名前らしい。
女性の方がとても丁寧な事から、この2人は上司と部下なのだろうか。
ふわりと2人に近づいても、相手がこちらに気づくわけもなく、少々盗み聞きのようで気が引けたが、"人狼"と言う単語を聞いて、聞かずにはいられなかった。
「人狼とその宿主を止めるためには、冷凍睡眠か殺すか。
その二択しかないってな。
…………殺せ。迷うな。」
男性の言葉にさぁっと血の気が引いていくのがわかる。
女性の様子も少しおかしい(>>2:44)。
────人狼には、死しかない?宿主って…?
私にはわからない事ばかりで、ついていけない。一度頭をリセットさせるために、深呼吸をした。]
[漠然とした恐怖を感じながら、奥に眠るカークの側へと向かう。]
カーク……死んだらダメだよ……?
だって、カークは"ドクター"なんでしょう?
[頭に伸ばした手はやはり触れる事はなく、すり抜けてしまう。
その時、カークが目を覚ました(>>2:122)。
突然の事でびくりと肩を震わせる。
一瞬、自分の声が届いたのかという期待を持つが、彼の瞳は私を捉えてはいなかった。
きっと私は今、複雑な表情をしているだろう。
カークの声を聞き、2人の男女もこちらに気づいた。
男性は顔だけこちらに向けて(>>2:129)。女性はカークの事を先生と呼んでいるらしい。目から涙をボロボロとこぼし、お説教をしている(>>2:167)。
それは、本当に心配していたからこそのお説教。安堵からくる涙。
それを私は、宙に浮かんで見ていた。]
この2人がそばにいるなら、きっと大丈夫だよね?
……私は、どうにかしてみんなに私の声を届ける方法を探さなきゃ。
[少し寂しげに微笑んで、医務室を後にした。]
/*
いやー、アイリスさん、カーク好きすぎでしょー笑
地上にいる時に絡んだのがかろうじて3人だから……まぁ……
しかも名前知ってるのカークのみって……おいおい…
くそぅ……もっと早く入村できていれば……!!
──── 医務室→展望ラウンジ ────
[もうにかして連絡を取りたいと考えた私が思いついたのは、"幽体離脱ならば本体に戻ればいい"という事だった。
そしてその本体はおそらく────]
展望ラウンジ、かなぁ……
[恐ろしい体験をした場所のため、あまり行きたくなかったのだが、仕方がない。
────………そこに眠る私の体に戻ろう。
気持ちが憂鬱になって、足取りが重くなる。
もしかしたら、そこにはまだアイツがいるかもしれない。
とても、怖い。
しかし、体に戻った後で叫べばもしかしたら、みんなに危険を伝えられるのではないだろうか。
……もう、見ているだけは嫌なのだ。]
行こう。
何とかしなくちゃ!
たとえ私の体が傷ついていたとしても……!
[戦闘で、飛び散る鮮血を見る度、私は何もできない自分を呪った。
もうあんな、拷問のような思いはしたくない。
殺す事でしか"人狼"を止められないのなら
………やるしかないのだ。]
──── 展望ラウンジ ────
[固い決意を胸に、展望ラウンジへと向かう。
そこに映し出された風景は、光など1つもない、真っ暗闇だった。]
あ……え……?
何で真っ暗なの……?
[私は、目覚めたのが亜空間ジャンプした後だという事を知らない。
非常警報の事も。
映し出される暗闇が恐ろしくて、自分が飲み込まれてしまいそうで、思わず動きを止める。
────ダメ……こんな事で怖気づいてなんかいられない…!
息苦しさを感じつつもしっかりと展望ラウンジを見て回る。
しかし、いくら探しても私の本体がない。]
何で……何でないの……?
[それから行った場所をくまなく探し回ったが、やはり本体は見つけられなかった。]
自室にも展望ラウンジにも医務室にもないなんて……
これじゃあまた何かあった時、私は……私は………っ!!
[再び展望ラウンジへ戻ってきた私は、その場に力なくへたり込み、スカートの裾を両手で強く握った。
そして、悔しさで頬を濡らすのだった。]
本体に戻る事以外の解決策なんて考えつかないよ……!
どうしろって言うのよ!
[悲痛な叫び声はどこまで聞こえただろうか。
きっと、誰にも聞こえていないのだろう。]
──── 展望ラウンジ ────
[程なくして、展望ラウンジに人が来たらしい。
女性の声が近づく。
────オクタヴィアさん……か。あれ……?"あなたの名前"……?誰に向かって聞いてるの?ここには私しか……
そう。ここには私しかいないはずなのに。
オクタヴィア、と名乗る女性は名前を問うている。
ゆっくりと、振り返る。
そして、相手の姿を捉えた時、私は目を見開いた。
私と同じ、宙に浮いた女性。
その目はしっかりと、私を捉えている。]
あ…………あなたは……
同じ……?私と…?
[感じたものは、恐怖。
相手は私を認識している。
つまり、私が見えている。
この姿になってから、どんなに知らない人が近くにいようと恐怖は感じなかった。
なぜなら、相手が自分を認識していないから。
でも、彼女は────]
あ………ぁ…………
ごめんなさ……………私……人と話すの怖くて……
わ、私は……アイリス……サーヴェスタ……です…
[ガクガクと震えながら言葉を紡ぐ。
心の中ではいつものように、大丈夫、大丈夫と落ち着けながら。
そんな時、残酷な投票が行われているとは知らずに。]
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