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吟遊詩人 セルウィン が見物人として参加しました。
吟遊詩人 セルウィンは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
─どこか─
[後日、ここではないどこかの地で誰かと会話をする機会が訪れたら、銀羊《航宙船Silver Mary号》での出来事を、そのように語りだしただろうか。
何てことはない、僕にとってもそれは、ただの日常の延長でしかなかった。
僕は旅の吟遊詩人。
とはいえ、楽曲を自ら作ることなんてあまりなくて、既成のよく知られた歌を、客に請われるまま提供することが多いかな。
僕には作曲の才能は、あまりないようだからね]
船が向かう先は、アースガルドだった。
……うん、用がなければあまり行きたがる星じゃないよね。
[かの星域における『風の内戦』からの紛争状況が続いている事は、地球をはじめ他の星域にも聞き及んでいる]
でもまぁ、行った事のない星だったし…、行ってみたいという好奇心と、あとは破格のギャラが魅力的だったからね。
[銀羊号にも乗客をもてなす施設、サロンやステージは御多分に漏れず備わっている。そこに必ずピアノがあるように、ドロイドや体感ホログラムが発達した昨今であっても、”生の演奏”は少なからず需要があるのだ]
─現在・第4エリア『ファーム・パーク』─
すっかりここに、馴染んだなぁ…。
[地球から銀羊号に乗り込んで、どのくらい経ったかな。
ステージの決まった時間に演奏を披露する以外は、一乗客として行動することが許されていた。
僕は一般客が立ち入れるあらゆる区画に入ってみたけれど、その中でもここが特にお気に入りになった。
広い区画に草花が生い茂る『ファーム・パーク』
船内の酸素と食料を補給する大事な区画だけれど、農場に併設する公園には自由に立ち入ることができた。
植物が育ちやすい温度と湿度は、人の身体にとっても快適な空間だからね]
[僕は空いているベンチに適当に腰を下ろして、手持ちのリュートを膝の上に乗せる。
これは僕がいつも持ち歩いている愛器だ。
古代の楽器のレプリカで、今や素材はまったく異なるけれども、それなりに近い音は鳴る。ドロイドや体感ホログラムの演奏に飽きた頃合いに、レトロな曲を挟むと聴衆にはそれなりに受けた]
…まぁ、舞台でなくても弾くんだけど。
[舞台の予定以外は好きな時に好きな場所で、好きな曲を奏でた。
今、ここに聴衆がいてもいなくても。まずは気分がのるままに、弦を一つ、爪弾く]
この光景も、そろそろ見納めかな。
[もうすぐ、ギムレー星系に差し掛かる頃だという。
あと何回ここに来れるかな。今回の旅も、歌にすることはなさそうだけれども。
木々の緑や草花の美しさは、まぎれもなく本物で。
少なからず心を打たれた僕は、それらに感謝の気持ちを込めて、今日も、───歌う。**]
─第四区画『ファーム・パーク』─
[地上の柔らかい陽射しを思わせる照明、温かな空気。
風がそよぎ、木々の葉をさわさわと揺らす─あくまで空調が起こす風だけど─そんな穏やかな雰囲気の中、気まぐれに二、三曲歌えば、こちらを囲むように、少しずつ人が増えていく]
…───。
[ゆっくりとした曲の演奏を終えれば、辺りからまばらな拍手が起こる。
彼らに笑顔を向けて会釈を繰り返していると、近くから元気の良い声が聞こえてくる。>>394]
ショータイム?
[そちらに目を向けると、声の主であろう女性がカラフルなボールを器用にジャグリングしていた。ただ、呼び込みにやや威勢が良すぎるのか、周囲の人々は一度足を止めるも、勢いに圧されるように次々と足早に去っていく]
あららら…。
[やや呆気に取られてその様子を見守っていると、僕の周りにいた人たちもいつの間にか居なくなっていて]
……。
[閑散とした空間に取り残されたのは、君と僕。
目が合って、ウィンクを投げられる>>395と、僕はプッと軽く吹き出した]
やぁ、お互い商売上がったりだね……?
[お互い手にしているものが、似たような生業だろうと予想しつつ、──互いにこの場で稼ぐつもりではなかったにせよ──茶目っ気を少し込めて返してみる]
僕はセルウィン。見ての通り楽師だ。
この船のステージで時々歌っている。
君は、……曲芸師?ステージでは一緒になったこと、ないよね。
[長らくこの船に乗り続けているにせよ、広い内部では一度もすれ違わずに過ごす事も多い。彼女もそのうちの一人かな、などと思いつつ。*]
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