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士官候補生 ミヒャエル は 士官候補生 ノトカー に投票した
士官候補生 ミヒャエルは、ふさねこ スノウ を投票先に選びました。
― 回想・一週間程前の寮 ―
[ 食堂の前で、寮長に呼ばれて足を止めた。 ]
おはようございます、寮長。
……転校生ですか?
ノトカー・ラムスドルフ……って、ええと
[ クラスメイトの名前を告げられて首を傾げ、それは恐らく在校生では、と言う前に多忙な寮長は要件だけを置いて行ってしまった。 ]
ラムスドルフって、あいつしかいないよな。事務の書類ミスとか……?
まあ、五年で急に寮に入るってのも珍しいしな。
家の方でなんかあったんだろか。
― 回想・一週間程前の寮 ―
……ルームメイトというものには縁が薄かった。
入学当時の同室者は《家の事情》とやらで、俺が入寮してひと月ほどで士官学校を去っていった。
その事情のせいだろうか、籍はあっても彼を部屋で見かけるのは全部で一週間もなかったような気がする。
その後は、士官学校や西寮に入る生徒たちの人数の関係で、二人部屋を一人で使っていた。
教室や、各教科の実習室、中庭、
あちこちで上級生下級生の垣根も無く、人懐っこく話しかけては笑い合うノトカーの姿はよく見かけた。
『寮生活はお前が先輩だ、色々教えてやってくれ』というようなことを寮長に言われたけれど、あいつなら、誰と一緒でも上手くやるんじゃないかな、と思った。
……賑やかってか、うるさくなりそうだなぁ。
不在がちの先輩とひと月足らずしか同居経験のない自分がむしろ、適応できるだろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら、寮長の背中を見送っていた。
《家の事情》ってのは苦手だ。
……さわりたくない。
彼の卒業までルームメイトでいることができたならば、きっと忘れ得ぬ相手になっただろう先輩にも、詳しいことを聞くのは憚られた。
長く話した訳ではないけれど、やさしい人だった。
― 回想・一週間程前の寮 ―
予想していた通りに、ノトカーは賑やかな同居人だった。
夜はベッドに入ってからも思う事をぶつぶつと話しかけてくるし、ようやく寝たのかと思えば珍妙な寝言をいいながらごろごろと寝がえりをうちまくる。
一週間足らずの間にベッドからノトカーが落ちた音で真夜中に目が覚めたのは、もう片手じゃ足りない。
……賑やかっていうかうるさい。
― 回想・一週間程前の寮 ―
寮の狭い部屋。寝がえりを打つのがやっとの二段ベッド。
食事の席、隣に座った誰か、向かいにいる相手と、今日のスープの温度や味付けについて話すこと。
太陽の匂いのする飼い葉小屋や、タンポポまみれの中庭で、昼寝をする友達の横腹をくすぐって遊ぶこと。
夜の静寂に、終わりのない記憶を辿ることをしないでいい。
聞こえてくる寝息に安堵して、寝言と寝相に笑う。たまに床に落ちているルームメイトの腹に毛布を掛けてやる。
……なぜだろう。
なつかしい、と思うのは。
こんな風にして過ごすのは、初めての筈なのに。
本宅では、一人で食事をしていた。
俺一人が使うには大きすぎるテーブルに饗される料理は美味しかったのだろうけど、殆ど覚えてはいない。
メイドや使用人たちはすぐ側にいる、けれど、彼らは俺を《団欒の相手》としては見ない。
俺も、彼らに話しかけることを禁じられていた。
一人で眠る大きなベッド。
毎晩夢を見た、あの草原の側にある小さな家に帰りたかった。
誰かの笑顔がすぐ側にある。
太陽の匂いのする干し草が詰められた寝床。
………
おれが、
かえりたかったのは、どこだった……?
― バザール ―
んー、ここにもないか……
宝石屋よりも、雑貨屋とかのがいいのかなぁ。
[ 四件目の店から出て、大通りから一本隣の裏道に入った。
左右の建物の間に貼られたロープにまで衣類や織物が飾られているのを眺めながら、しばらく進む。
やがて見えてきた小さな店に目を止める。
石造りの壁の両脇、いたるところに鈴なりの果物のように色とりどりのランプがぶら下がっていた。
黒ずんだ金の枠に赤やピンク、紫、黄色の模様ガラスを嵌め込んだ四角い瓦灯。蝋燭を立てる燭台に覆いがついたような円形のものも、いくつか入口のテーブルに置かれている。 ]
雑貨屋か。……なんかあるかな。
[ 光に誘われる虫のようにふらっと店に足を踏み入れた。 」
― バザール ―
[ ランプをよく見せる為だろうか、店の中は薄暗い。
導灯のように、テーブルとテーブルの間をつなぐ通路に添って、天井から下がるロープに明かりが光っている。 ]
あ、ランプだけじゃないのか。
んーと、先輩達にと、あと何か……。
[ 何度かテーブルやガラス棚の間を行き来して、丸まった狼が蝋燭を抱え込むようにしている手燭、うさぎが柄に付いた銀の匙、陶器の猫が抱きついている砂時計をレジに運んだ。 ]
これもいいな。んー……
[ 銀に白い狐を透かし彫りした栞、馬を模った水晶のペーパーウェイトを取り上げる。
それらすべてを会計して、店を出ようとした所でふと小さなランプに目を止めた。 ]
― バザール ―
[ 掌に乗る程度の卵のような形をしたそれは、深い緑の色硝子が貼られ、黒味を帯びた銀線がその上に幾何学模様を描いている。 ]
蝋燭だけじゃなくて油でも使えるのか…
[ 値札の説明書きを見ていると、店主の老人が近づいてきて、そのランプを取りひょいひょいと手まねきをした。
何事かと近づくと、老人は不意にしゃがみこむ。
テーブルの下、黒布が掛けられた暗闇に近い床の上に、ランプを置いて明かりを灯すと、硝子の上に優美な線を描く銀線が、いつかの月明かりのように夜の森を床の上に映し出した。 ]
……わ。
でも、これじゃ夜に本読むのには使えなさそうだなぁ。
[ そう言いつつも、すでに財布は取り出されていた。 ]
― バザール ―
[ 雑貨屋を出たところで、次は本屋と、大通りを挟んで反対に向かった。新刊を扱う大きな店からあやしい古書店までが軒を連ね、今は露店まで書物を扱う店ばかりが並んだ通りだ。
ちょうど、買い物を済ませたノトカー>>+48が何やら怪しげな本を探しているのを見つけて、声を掛ける。 ]
よっ。
なに見てんの。……えっちな本?
お目当ては見つかった?
俺は、先輩への餞別と、あと色々。
いや別に変なもんじゃ……
[ えっちな本だのとからかった意趣返しか、荷物を見せろと言うルームメイトに苦笑いして。 ]
ほい。やるよ。
って、こっちはステファンとシェットラントにだから開けちゃダメです。
ん?
なんかきれいだったから。緑だし、ああ、ノトカーだなって。
……マリガーネットはなかったなぁ。結構見て回ったんだけど。まあ、気長に探すよ。
あとは花屋行きたいんだけど、その前に飯! そろそろステファンとの待ち合わせ時間じゃね?早く行かないと待たせちまうぞ。
うん。飯食ったら、俺は花買って帰るよ。
花を傷めたらつまんないしな。
[ 本を抱えたルームメイトをせき立てて、馬を預けた店へと向かった。** ]
― 中庭・お茶会 ―
……こんにちは?
お邪魔しても?
[ 中庭に設えられたお茶会の席、木陰からひょいと賑わい始めたそこを覗きこんで、声を掛ける。 」
あ、ステファン。シェットラントも。お疲れさん。
すごい本格的だなぁ……。
[ 手にしていた包みをステファンに手渡して。 ]
大したもんじゃないけど、美味しいって聞いたから。
チョコレート。シャンパン味なんだってさ。
それと、これ。
バザールの店で見つけたんだけど。
[ 馬の水晶製ペーパーウェイトが入った包みをステファンに手渡した。 ]
ランプ綺麗だなーって思って入ったら、なんか色々な動物の小物置いてあったんだよ。
兎のスプーンとか色々。で、馬の見たらステファンに飼ってもらうのがいいような気がした。
[ 個人的な手みやげなのでこっそりと耳打ち。 ]
>>126
寮長もこんにちは。
や、バザールで、なんかおばちゃんに絶対美味しいからって買わされて。せっかくだから。
>>127
会長、こんにちは。
おじゃまします。
執事スタイル決まってますね。
でも腕まだ治ってないんじゃ……ご無理なさらずです。
チョコ、店でいっこ試食したけどなかなかでしたよ。
よかったらどうぞ。
― お茶会 ―
[ 中庭でお茶会のホストの一員を務めるもう一人のクラスメイトがちょうど通りかかったところで。>>40 ]
シェットラント、お疲れさん。
これ、この間のお礼。ん、例題集の。
[ 白い狐を透かし彫りした銀の栞を手渡した。 ]
なんかみてたらシェットラント連想したから。
― お茶会→送別パーティ ―
[ 中庭には次から次へと生徒たち、教官たちもやってくる。
ぼうっとしたように賑わう周囲を眺めながら、時々話しかけられれば、はっとしたように答えて。 ]
>>+125 お口に合いました?
シロウ先生は甘いのもお好きなんですか?
[ やがて、夜になれば人の群れは送別パーティへと流れていく。
バザールの花屋で見つけた、ミルクティ色ともカフェオレ色とも呼べそうな、淡いブラウンにミルクをさしたような薔薇を差し入れにパーティに参加する。 ]
寮長、色々お気遣いありがとうございました。これ、スノウに似てる気がしたので、よかったら。
副寮長、試験前のアドバイスありがとうございました。「運は最強」っていいですよね。俺も最後は運を味方に付けたいです。
スコーピオン先輩、キマイラ戦の時、すごかったです。ご一緒できてよかった。
[ トールに、白猫が抱きつく格好の砂時計、ディークに丸まった狼が蝋燭を抱える手燭、ジェフロイに兎がついた銀のスプーンを贈った。* ]
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