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― 団欒室 ―
……残留したか。
[柔らかな調べは部屋から流れ、流れて霊のみにその音を届けた
溶解の瞬間を思う。
人狼への恨み。
信じていたのだ。種族は違えど、あの親友を信じて居たのに――
されど死んだ今となっては、何もかもが過去の事。
眠る娘を見つけた男は、数度瞬きを落とした。]
…娘、名前はなんという
[遺体同様に横たわる彼女の居場所はソファの上。
男は膝を床につけて態勢を下げ、ソファを占領した娘の額の上へ手を降ろす。
霊体同士の接触であれば、この身体でも造作は無い。
強い拒否の念を向けられない限り、という節制こそ或るが。
まどろみを邪魔する事にはなるだろうが、未練が或るから彼女は此処に留まっているはず。
未練が下界にあるのなら、彼女を囲む世界が終わる前に目覚めさせねば。
して、接触が目覚めさせるきっかけとなったか]
それと、
―――目はどうだ。
よく見えるんじゃないか?
[黒ずくめ男の口は緩慢に動く。
興味からの質問を娘へ、二つばかり。
薄く開いたばかりの娘の瞳を、生前持ち合わせて居たアクアブルーではなく、宵と魔を匂わせるマルベリー色の双眸で*見下げて*]
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