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[自らの"措置"について、話し終えた後]
まあ、スノウくんの措置で片が付けば、それに越したことはないが……、
[全員の意見で、一日ごとにひとりを隔離するという措置]
しかし、どこの誰が残っているのかも、私は未だ、よく知らなくてね。
[この船では、あまり社交に気を遣ってこなかったからと、苦笑して]
――アリーセ、きみは誰か、心当たりはいないのかな。
その、なんだ……危険人物だの人狼らしき者だのの、だ――、
[他人に判断を預けるようなことを、男はするつもりはなかった。
ただ、自分自身で集めた情報がほとんどない現状では。
彼女の意見であれば参考にしてもいいだろうと判断して、そう訊ねていた。
何故、そう判断したのかは――男にもたぶん、よくわからなかったが]
ああ、まあ――少なくともひとりは知っているはずか。
[と、くつりと笑って]
なにせ、きみの目の前には、爆弾を作りたいとかいう危険な人間がいるのだからね。
[そう付け加えたのは、どうやら、冗談のつもりであるらしい**]
研究員 アレクシスは、業務部 マリエッタ を投票先に選びました。
[――ただ、彼女がその結論に至るまで。
考え込み、迷っている様子に、ちくりと胸が痛んだ。
そんな顔をさせたいわけでは、なかったのだけれども――]
[だって、そうだろう――もし、それが役に立つときがあるならば。
それは、この船がほとんどガルーに乗っ取られているということだ。
そんな状況では、目の前の彼女だって、どうなっているか判らない。
その可能性を、男はひどく嫌なものに感じていた
――他人の生き死にへの興味など、とうに失ったと思っていたのに]
名簿か――うん、もらえると助かるな。
[自然な流れで連絡先を交換した、そのついでに名簿を受け取って。
心当たりがないと、机に突っ伏したアリーセに。
お世辞にも上手いといえないだろう冗談口を向ければ。
それはどうにか通じたようで、笑みを浮かべてくれた]
[どうやら、研究以外に能のない自分でも。
彼女を和ませることくらいは出来たらしい。
――そのことは、男の心に温かな感覚をもたらした]
まあ、人狼の心当たりは、私もないが――その逆ならば。
少なくとも、アリーセ、きみのことは信じられると思ったよ。
[会ったばかりで、話していたのもそう長いことではないけれど]
――論理的にいえば、そうだね。
きみがもしも人狼なら――いや、人狼でなくとも。
普通は、先刻の私の問いに、誰かしらの名前は挙げただろう。
スノウの措置がああしたものである以上、
他人を誘導できる機会は、誰にとっても貴重なはずだからだ。
[自分以外の誰かに注意が向けば、相対的に安全になる]
しかし、きみはそうしなかった。
判らないと、そう正直に――信頼に値すると、私は思うよ。
[そう言って、小さく笑みを浮かべた。
論理的ではない部分を口にすることは――まあ、しなかったが]
[――科学とは、事実を積み重ねていく世界である。
"信じられる"と"信じたい"のあいだには、深い溝がある。
その違いを、男が知らないはずはなかったが――]
そうだね――差し支えなければ、部屋まで届けてくれると有り難い。
整備士のきみはともかく、私が燃料などを運んでいたら、何事かと思われそうだから。
[そう、燃料を運んでもらう先を告げる。量は、2〜3ガロンもあれば足りるだろうと]
ああ、ただ――警備部の人間と会う用件が入るかもしれなくてね。
だから、もしかしたら留守かもしれないが……、
そのときは、適当なところに置いておいてほしい。
[――カレルとの会話を思い出して、そう話す。
そのカレルの上司が、役目を別の人間に押し付けたのだとは知る由もなく]
――ああ、それから。
[別れ際、第3エリアへ向かうアリーセを、呼び止めて。
呼び止めたあとで――少しばかり、逡巡してから]
どうも疑わしい――でも、信じたい。
確証がないままでは、スノウに名を告げたくない。
そんな相手がいたら、髪の毛一本でもいい。
――やれる範囲で調べてみるから、持ってくるといい。
[と――そう告げた*]
[――いちど逡巡した理由に、男は気付いていない。
正確にいえば、気付かないようにしていた。
彼女にとって、そんな相手がいるとして――その関係は、たとえば。
――どうにも、その先を考えたいとは思えなかったので]
―第2エリア・レストラン―
[――アリーセに同行しなかったのには、理由があった。
彼女が店を出てから、数分――、
向かいの、彼女が座っていた席に近付き、視線を巡らせれば。
――ひとすじの金色を、運良く、見つけることができた。
彼女には、信じられると思うと伝えた。それに嘘はない。
だから、これは、信じたうえでの追実験のようなものなのだ。
科学者である彼は、信頼を与えた上でなお、事実として確認することを選んだ。
男は、金糸のような髪をつまみあげ、大切に仕舞い込む。
そうして――【この晩、アリーセが人狼かどうかを調べる】だろう]
[待ち合わせの是非がどちらにせよ、その間に、名簿に目を通す]
――……二十人にも満たないのか。
[名簿に目を通せば、残っているのは、わずか十五人。
――そのうち一人は、既に襲われて重傷を負っているというから、実質は十四人か]
一番の敵は、人狼ではないだろうなぁ……、
[喉を唸らせて、小さく呟いた。もちろん、恋天使でも死神でもない。
疑心暗鬼――それがおそらく、この亜空間に漂う巨大な密室における、最大の]
しかし、ウイルス感染か――……、
[――この船は、男も出席するはずだった連邦総会。
そこへと向かう学者も、この船には多く乗っていて。
船旅の最中には、学者同士の交流もないではなかった。
乗り合わせた学者のなかには、確か。
あの――ウイルス学の権威とされる大学者もいたはずだ]
――……いまでは、一学派の権威というのだから、なぁ。
[――この船内で見かけたときには、そう。
随分と老けて、何人かお供の学生を連れて歩いていたけれど。
しかし、纏った穏やかな雰囲気は変わらぬままで、懐かしく思ったものだ――]
/*
たぶんだが――……、
霊媒師:クレメンス
占い師:アレクシス
洗礼者:アリーセ
守護獣:カサンドラ
共鳴者:アデル
人犬:マリエッタ
貴族:カレル
奴隷:ヴィクトリア
呪狼:オズワルド
智狼:ソマリ?
騎士:ロー・シェン?
狂人:セルウィン
恋天使:マーティン
死神:ツェーザル
……かな?
――、よくないな。これは実によくない。
[とん、とん――と。
ホログラム表示した名簿を、指先で叩きつつ]
スノウ! いるかね、スノウ!
[先ほど現れたばかりの白猫を、また呼び出そうと声を張った]
――船内の空調を強くしたまえ。
[白猫が現れれば、そう伝える]
船内の循環系に、ウイルスや細菌の除去装置はもちろんあるだろうな?
しばらくは、それらを最高レベルで稼動させることを要望したい。
[もちろん、亜空間に孤立した状況では、その負荷は大きいだろうが]
宇宙連邦防疫隔離規定第37564条の付則42号――、
――密閉空間における生物兵器の散布状況下、ないし、同状況が切迫している場合における対処規定。
現状況下において、その発動を勧告する。
勧告者の資格は――動物行動学博士、生化学博士、分子生物学博士、細胞生物学博士、遺伝工学博士...
[一時期、自棄じみてコレクション気分が半分で、励んでいたから――あと幾つあったろうか]
[落ち着いたあと、白猫に理由を問われれば]
――ウイルス学の専門家、その教え子が船に残っているようなのだよ。
懸念であればいいが――、
……備えるにしくはないはずだよ。そうだろう。
[こんな状況になって直後、ウイルスで昏倒した乗員が出たのだ――可能なかぎり警戒すべきだろう、と*]
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