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[この時は機密性の高い部屋で、かつての後輩と二人きり。
常に押し殺している個人感情に僅かな綻びが生じた]
……獅子と虎が競い合うようにはいかないものだね。
同じように間を取り持とうとする者がいても。
それを認めることは出来ない。
[それでも更に低めた声で小さく呟き。
何かを堪えるような顔でノトカーを見下ろしてから、それを受け取るために手を差し出す]
………。
だからこそ、早く終わらせなければいけない。
一時の痛みを我慢してでも。させてでも。
[魔法弾を手にすることで感傷を振り切り、唇の端を上げる]
武器に良し悪しはないだろう。
でもお守りでもいいと言ってくれたことは覚えておくよ。
ありがとう。
[美しいグリーンアメジスト。
優しく穏やかな光を宿していたのと同じ色の石は。
握り締める前、鋭く冷やかな光を弾いた*]
/*
うわーん!
ベリアンと混ざるの避けたつもりだったのに。
人数的に気にしてもしょうがないのは分かるのですが。夕飯前に書きあがって戻ってから今なら!と投下したので凄く悔しいので、こっそり残し。
― 回想/四年前・ロスチャイルド邸 ―
随分のご無沙汰となりました。
ファミル様には当主代理も随分とお世話になったとか。
改めて御礼申し上げます。
[当主として立ってすぐ、祖母存命の頃から知る女伯の所へと挨拶に向かった。その手を取って優雅に口付ける]
私が寮生活で公国の気質に染まってきたのではないかと?
相変わらずの早耳ですね。ですが学校は学校。今は今。
帝国貴族としての立場を忘れることはございません。
私が命永らえたのは祖母のおかげ。
オーベルニュ家が爵位を落さずに済んだのも祖母の手腕。
不肖の孫がその遺志を継がずに何といたしましょう。
[社交辞令も混ざってはいたが、嘘塗れでもなかった。
祖母に発見されていなければ、馬車が谷底に落ち、一人雪山に取り残された7歳児が生きていられたとは思わない。
公国人である母を貶されれば胸が痛みもするけれど、父が一人息子でありながら駆け落ちという手段を取った以上、祖母や一族の怒りも理解不能ではないから。
一歩ずつ積み重ねていつかは、と、ルームメイトと軍学校での日々から学んで、その場に矛盾することなく在れた]
― 回想/四年前・ロスチャイルド邸 ―
紹介したい人物ですか?
[歓談の間に新しく呼ばれ、今一番の手駒だと紹介されたその人は]
……なるほど。
ファミル様が信を置く気になられるだけの方ですね。
[ただの駒ならここで紹介はされないだろうと判断する]
一年ぶりですね。ソマリ……殿。
あちらではお世話になりました。
[先輩と続けそうになったのを急いで変える。軍学校での関係を引き摺るのは喜ばれまい。
女伯が満足そうに頷いているのを横目にしつつ、再会を嬉しく思う気持ちは変わらないと握手を交わす手で伝えた*]
― 回想/外務大臣襲撃 ―
お待ち下さい!
それは捨て置けと言われた件では!?
[その任務を言い渡された時、上官の前で、一見は穏健派と呼ばれる態度を派手に崩してしまった。
大失敗だ。途端に一番困るところを突かれてしまう]
「ブラオクヴェレに回すのがいいか?」
[階級をつけず、家名だけで言われる。
それは重用されてきた位置から外されるという結果の示唆。
上官の副官をしている一族有力者の視線が突き刺さった]
……そうは申しておりません。
[Nonという選択肢のない任務。
何もこれが初めてというわけではなかったが]
「トゥーレーヌ公が動かなかったからな」
[これ以上は待てないということか。
捨て置けということは、交渉の意志もないということ。
それでも構わず交渉の糸口を探ってくる外務大臣は、守旧派にとって目障り以外の何物でもないことは分かっている]
……拝命致します。
[その派閥に属する家の当主としても、これ以外の返事はなかった]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
あの馬車だ。
馬と護衛はT班とD班で抑えろ。
遺体は連れ帰って貰う予定だから殲滅はしなくていい。
[帝国側にも、公爵以外には穏健派が皆無ではない。
直接接触できるところまで進んでいたのは外務大臣の流石の手腕か。そしてそれこそが仇となったか。
指示を終え散開し隠れ潜んだ物影で、ゆっくりと手を上げる。
馬車の音が近づいてきた。予定の地点まであと3…2…1……]
――!
[声はなく、鋭く手を振り下ろした。
駆け出す部下達をまずは見送る。
馬車が完全に止まってからが、銃を握る自分の仕事だ*]
/*
一瞬の風呂鳩で抽出して気がつきました。
ノトカーも瞳の色変わった描写出てましたね。
見落としごめんなさいー!!
回想追いかけて少し訂正しとこうかな…。
― 回想/大臣襲撃前・帝国内某所 ―
[色彩漂う薄暗い室内では見分けも付きにくい。過去の記憶がまだ色鮮やかだったせいもあるか、ノトカーの瞳も色を違えていることは見落としてしまった]
……そうだね。
[濁された言葉>>378には眉尻を下げて短い同意だけを返して。
そうは使いたくない、という言葉を飲み込んだ]
予備まで貰えるなら十分だよ。
どれだけ貴重なものかは、分かっているつもりだ。
……君にも幸いあれかし。
[姿勢を正したノトカー>>384へ、少し古い言い回しを使いながら、静かに答礼を返す。
そして魔弾を懐に、暗い通路へと戻っていった*]
― 回想/軍学校時代 ―
ねえ、スティ。ちょっと面白い話を聞いてきたよ。
[それは幸せだった頃の記憶]
論述系小試験に「両国がさらに発展するにはどうすればよいか」という問題があったでしょう。
あれにね、「全土がシュヴァルベになればいい」って回答が複数あったんだって。何となく言い出しそうな顔が、僕の学年にも、スティの学年にもいない?
[真実を確かめて回るほど無情ではなかったけれど。
密かにルームメイトと楽しむ話題には使ったりした]
― 回想/軍学校時代 ―
でもさあ。
ある意味で至言だよね、それ。
全部をシュヴァルベのようにというのは難しすぎるだろうけれど、二国が統一されてしまえばいいのに。
そうすればこの学校の不文律も不要になるだろうし。軍学校そのものが不要とされても、技術学校として残せば良いではない?
なんてね。ちょっと思ったの。
[言葉は軽かったが、切実な祈りも籠められていた。
そうすれば両国間で恋愛しても駆け落ちなど必要なくなるし。
……敵と味方に分かれて再会する必要も、なかったのに]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
『――曲者です!車から出ないで下さい!』
[扉の外から叫んでいる護衛にD班の部下が切りつけた。
甲高い悲鳴と、車体に倒れこんだことによる鈍い衝撃音、馬が興奮し暴れて走る足音が煩く響く]
『売国奴に、死の制裁を!』
[T班の一人が叫ぶ。これまでの要人暗殺の時と同じようなどっちつかずの状況を作るのが理想だった。だがノウハウがなくては思うように行かなくて当然。茶番であっても混ぜておいた。
その声に被せるように、U班のメンバーが馬車の扉に手を掛ける]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
……。
[左手に握った「お守り」を確認するように一度撫でて。
外からか内からか、扉が開かれるのをじっと待った**]
― 回想/士官学校時代 ―
[幼い7年間の記憶は薄い。その後の6年間は、ルームメイトとは真逆の教育を受けてきた。公式の場でまで公国は敵と言って憚らないほど祖母も愚かではなかったが、その気質はシュヴァルベが生まれるより前と変わらないものだった]
他国の存在があればこそだよ?
でも統一って言葉は悪かったかな。融合と言う方がいいか。
[賛同の得られなかった意見を、少し引いて差し替える。
そしてルームメイトの続けた理想の未来に、心を奪われる]
そうだね。互いを尊重できることは素晴しいことだ。
だからここはとても居心地が良い。
きっとスティと同じような考え方が出来ると、例の回答も出てくるんだろうな。
競争はしても、戦争はしない世界かあ。
その世界の方がもっといいな。
でもお手本となるシュヴァルベは既にあるのだから。
いつかは、きっと。ね。
[いつかはきっと。そう信じて学校生活を送った。
穏やかな場所でなら、それも信じることが出来た]
― 回想・外務大臣襲撃 ―
[破裂音が響いて視界が煙る。
入り混じった敵味方の動きも鈍る]
だがこの程度。
[相手は火薬をアドバンテージとして握る国だ。
予想外というほどのものではなく。目を細めて同時に開いた扉から飛び出してきた影>>692に迫る。
衝撃から立ち直るのが遅れた部下が短剣で切り払われる。
最低限の護身術は身につけてて当然か。
身体を入れ替えるように肉薄して目を凝らす。
今回の情報を流してきた者から聞いていた大臣の装束、その特徴を示したコートを至近に確認して]
生憎と。ゆっくり道を探すには、血が流れすぎました。
[煙が目に染みて一度閉じる。余計な一言が零れ出たのは、魔弾の色に去来する思い出が滲んだからか。
けれどこの至近距離で外すほど射撃の腕も低くはない。どこにでも当れば良いのだから、胸の中心を狙い]
お覚悟を!
[魔弾を篭めた銃の、引き金を引く。
鮮やかな緑の光>>693が彼の身体を包み込むように広がって。
その向こうに、見えたのは]
[一番大切な思い出の主]
[穏やかでも真直ぐ前を見つめていた誰よりも心優しい少年の]
[グリーンアメジストのように美しい眸*]
― 帝国前進拠点 ―
[報告書を書き上げた後、頭痛がすると言って一人休んでいたが。
何故か遠慮がちに呼び出し>>685を受ければ、すぐに部屋から出てきた]
まだご挨拶もまだだった私が悪い。
すぐにお伺いしよう。
[いつもの笑みで、准将の近習に即答する。
一見だけなら以前と変わらず穏やかな、けれど見る者が見れば>>340希薄な微笑を湛えて、後に続き]
ラムスドルフ少佐。貴官も呼ばれていましたか。
では欠礼についてではなく、魔石絡みの話かもしれませんね。
[執務室の前でノトカー>>707と会えども、崩すことはなく。
二言三言を交わした後、執務室入室の許可を求めた*]
― 外務大臣襲撃事件 ―
[反応>>739は僅か鈍く感じられた。
やはりこの程度までかと、理由を勘違いしたまま。
否認と誤解が絡み合う間に女神は髪一筋残してスルリと逃げてゆく]
……そ、んな
[知っていた。対象が彼の父親であることは。
だから、恨まれてもいい。そう思ってきたはずなのに]
……スティ……
[瞠られた緑の光>>741が胸を貫く。
反撃されたわけでも何でもないのに、息が詰まる]
僕、は……。
[頭の中で、声が繰り返される。
どうして。どうして。
どう……して]
[答えられない間に、ステファン・フォン・トライブクラフトは胸を押えながら崩れ落ちていった。
咄嗟に支え、ゆっくりと横たえてしまったのは、この場では大失態というにもほどがある行動だった。
ステファンの名を呼ぶ声が響く。
煙の晴れてきた中で振り向けば、どこか見覚えがあるような>>105けれど知らない、顔。
かつてのルームメイトから飛びのき離れつつ、残る一弾を男に向けて放つ。
魔弾が通じる装飾品を持っていたのか、それとも単に銃弾が顔を掠めたのか、顔を押える男に止めを刺そうと動きかけた時、ピィと甲高い音が鳴った。見張り役の合図だ]
――ピィィッ!
[それよりも少し長く指笛を鳴らして、撤退へと移る。
部下の中にも犠牲者は出ている。けれど身を示すものは何も持たせていない。軍学校にも来ていなかった者達だ。
ここで一番見つかってはいけないのは、自分。
最後に一度だけ、地に伏せているステファンを見た。
スティ、と、唇だけが動いて。
背を向け駆け出して、闇の中へと消えてゆく*]
― 帝国前進拠点・指揮官執務室 ―
いえ。ご挨拶が遅れましたことこそお詫び申し上げます。
トゥーレーヌ准将。
[室内に招き入れられると>>725、型通りの整った敬礼を返し。
どこか落ち着かなげな挙動に、呼びに来た者にも感じた違和感を覚える]
……またよろしくお願いします。
[口にしてから何度か目を瞬く。
思い出が消えてしまったわけではない。ただ、振り返ると心温まる以上に耐えがたいほどの痛みを覚えるものとなってしまっただけだ。
今もその痛みを瞬きすることで深い深い所に沈めてゆく]
私の手で成せることがありましたならば。
どのようなことでも、遠慮なくお伝え下さい。
[大切なものも壊せる手だから。
琥珀の光を、くすんだ煙水晶で受け止めてから、僅かに伏せる]
准将の麾下で働けますこと、光栄に存じます。
いつかはあなたの下でと、思っていましたから。
[あの黒い馬車を見送った後。
泣いているスティを抱き締めながら、彼が帝国出身でなかったら代わりに自分が、と思ったこともあったのだ。
望んでいた形からはあまりに遠いものとなってしまったけれど。
これも、嘘、では、ない]
― 帝国前進拠点・指揮官執務室 ―
[ク、と何かを飲み込んだ後、受け取った通信機に軽く触れる。
魔石を使った道具はあれ以来禁忌かと思えば、そうでもない。
道具は道具と割り切れているからだろう。ただし、かつてのような情熱はなく、ノトカーの話>>803も静かに聞いているだけだった。
スパイについての話が出ても顔色を変えず。
退出を促されるまでは、ただ静かにその場に同席していた]
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