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何も。
何もしなくて良い。
[答えて即答、>>+0
抱き取った黒猫の背に手を添え]
私の目耳を愉しませてくれればそれで良い。
[その掌から闇色の茨が生い出、
黒猫の胸板を背から一息に貫く]
[茨は四肢に絡み、棘を食い込ませて急成長し、
皮膚下に潜って血を吸い出し、深紅の薔薇と変えて咲かせ
黒猫を薔薇のオブジェと変えた]
教訓のその一。
相手の望む答えを先回りすることが、必ずしも正解とは限らない。
[発せられる妙なる調べに暫し耳を傾けた。]
――声を。
それが私の望みだよ。
[>>+14声を上げぬ失態を窘めるように
黒手袋の甲でなめらかな頬を軽く撫で]
とは言え、
お前の血は心地好い。
[茨の吸った血は、そのまま大鴉の糧に。
舌舐めずりし、]
甘さの中に、ほのかな苦味が程良いアクセントとなって、
将来を期待させる良い香りと味だ。
[背に添えていた腕を後ろに引けば、茨もずるりと抜ける。
四肢に絡んだ蔓も、ほろほろと砕けて散った。]
[目隠しの手を外して、黒猫の瞳を覗き込む。
散りゆく紅薔薇の花弁をひとつもぎ取って、その唇に食ませた。
にこやかに微笑。]
さて。もう一度最初から問い直そう。
お前が望むものは何か。
欲するところを正直に答えよ。
大変宜しい。
[腕から開放してやり、
出来の悪い生徒を褒める教師の如き眸で、
顎に飛び散った血を掬い取って、猫の口元へ]
従僕としてよく躾けられているのは良いが、全て胸に納めて、耐えればそれで嵐が過ぎると考えているところが、どうやらお前の悪い癖のようだ。
蛇殿はともかく、梟殿にもそう言われないかね?
[手袋を歯で噛んで脱がせよと暗に促し]
苦痛も快楽も、お前の中にあるものを開放させなさい。
それが何より主の歓びとなる。
[手袋が半脱ぎになった手に、控えめに牙を立てる黒猫を見下ろし]
早速教えに忠実に振る舞ったという訳かね?
その意気やよし。
[口を抉じ開け、いきなり奥まで指を突っ込んだ。
触れた喉奥が収縮し、嘔吐く感触を愉しむ。
口を塞がれたのに加え、濡れた手袋を口いっぱいに噛まされる黒猫の苦痛は如何ばかりか]
だが、私は噛んでいいとは許可していないよ。
[窒息しかかろうが、吸血鬼はそう簡単には死なない。>>+46
黒猫の涙を流して苦しむ顔を間近で観察し
たっぷり堪能してから、手を口から引き抜いた。]
可愛いね。
実に、そそる顔だ。
[謹厳な顔が色んな液体でグチャグチャに汚れ歪む様は、大鴉にそれなりの悦を齎したようで。
びしょ濡れの手袋を自ら脱いで放り捨て、黒猫の呼吸が整った頃を見計らって、顎を捉えて仰のかせる]
さて。
奉仕したのであろうから、対価として褒美をやろう。
[牙で舌を軽く噛む。
ぷつりと浮かんだ血蜜の玉を舌先で転がして。
黒猫の仰のかせた唇に、ゆっくりと近づけた。]
― 地下迷宮 ―
[闇に紛れて探る女>>+120の傍ら、梢を模した装飾にひっそりと留まる大鴉が一話。
艶黒の瞳が女の姿を映すと、
《……ク?》と喉鳴らして、その黒い頭を傾けた。*]
[梢に降り来たった梟へ、>>+134
翼を少し広げて跳ねて、泊まりやすいように距離を取り
また戻って近付くという手順を]
[するりと梟の頭が胸元に擦り付けられれば、>>+135
青黒の嘴で、紅いろの首の毛をそっと梳いて
続く羽音に、かそけき囁きを]
――私の胸の
何時でも貴方の為に開いているよ
[甘くもほろ苦くなってしまうのは
奔放な柘榴石を良く見知るが故]
[梟の君が去りし後には、
大鴉の視線は再び仔狼へ。
最愛の友に身を委ね、血を捧げる雛仔、+141
誓いを新たに、友の血を啜る若仔、>>+133
黒猫は課題の一を果たしたが、
さて、仔狼は今度こそ『忍耐』の意味するところを悟れるであろうか。]
― 回想・黒猫の試練 ―
[あの時。
待ち侘びて咲き開いた黒猫の唇へ>>+83
蜜を乗せた舌を差し入れた。
そのまま淡く柔らかく、
唇を重ね、舌を絡め、付け根の甘い唾液の腺を突いて。
血蜜の甘きに混ぜて、飲み込ませる。
背に腕を回し、再び懐深くに抱き取ると、
大きくを開かせて己の口唇にて塞ぎ、息を盗んだ。]
[その間も手は黒猫の背から腰へ
弦楽掻き鳴らすよに滑り落ちる、
顎を掴む手さえ、喉首をゆると撫で、
鎖骨の窪みをなぞり心の臓の上へと。]
――褒美は堪能したかね。
[黒猫の背が息苦しさにうねりを見せたところで
唇を離してやり、揶揄のこめて尋ねる。]
さて、教訓のその二だ。
[厳粛な教師の顔装いつつ、
指先は悪戯に服の上から黒猫の胸の尖りを弄え]
主にとって最も悦ばしきことは、
下僕が心からの歓びを持って
自ら進んで奉仕することだ。
故に、最後にひとつだけ尋ねよう。
[一転、艶なる微笑、
指の腹で粒を捻り潰して痛みを]
――君は奉仕を望むかね?
[黒猫が否と言えば開放し、
大鴉は羽撃きの音とともに
黒羽根の舞い散る中に消え去る。
諾と答えなば、
堅く抱き、黒翼の下に。
次に黒猫が見るは、大鴉の巣。
黒羽の散り敷く褥に打ち臥して、
項に食い込む鉤爪を感じながら
背に伸し掛かる重みを味わうこととなろう。
大鴉は黒猫の躰で
快美と絶苦の二重奏を奏で
巣を鮮赤の即興曲で満たす。**]
[雛仔がやっと友の血に口をつけたちょうどその折]
――やれやれ。
随分と長いこと掛かったな。
[溜息と揶揄する呟きが、装飾に止まった大鴉>>+144の嘴から洩れた]
― 地下迷宮 ―
[その呟き>>+177は、セルウィンとタクマ、雛仔たちの頭上からも降った。
乱鴉の啼声と羽撃きが乱がわしく響き渡り、
黒羽が雪の片のごと降り注ぐ。]
ああ、邪魔はしないから続けてくれたまえ。
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