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そのままの姿で、他の者に血を与えてきたまえ。
恥ずかしい姿をたっぷりと晒して、
「血を吸って欲しい」と懇願するのだ。
のみならず、相手に芯から喜んでもらわねばならない。
また、君自身が奉仕により、
判定者は私だ。
言っておくが、自己申告は認めないよ。
――どうするかね?
私達の思惑には乗らないと言い放った君だ、
無論一切無視しても、私は一向に構わない。
或いは、
試練を放棄すると宣言しても良い。
すぐにその子から開放してあげよう。
何処へなりとも行くがいい。
君は自由だ。
[大鴉の声は、
楽しくて仕方がない、と告げている]
ただしそれは、
君の友人のタクマ君をも悲しませる結果になるとは思うがね。
[乱鴉の啼声と羽根打ち鳴らす音がけたたましく
雛仔の周囲を取り囲んで響く。]
そうそう。
奉仕の相手は誰でも良いけれど、
それには私も含まれている。
――だが、今の君を味わう気には到底なれないな。
若い、新酒の君よ。
[それが遠ざかると同時、大鴉の声も薄れ]
好きに選びたまえ
[あえかな囁きを残して跡形もなく消えた。*]
/*
タクマが酷い目に遭うのではなくて
「君が」酷い目に遭ったらタクマは悲しむのではないかと言ったのだがね
― 地下迷宮 ―
[音楽堂の梁の上で、きろりと鴉の眼が開く。
瞬かぬ鴉の眼の下では、丁度横たわる人の骸を前に、愁嘆場が繰り広げられていた。>>87]
素晴らしい。
まるで一幕の舞台のようだ。
[天を振り仰ぐアルビンを眺め、
感に堪えぬといった体で、黒手袋の両手を揉み絞る。]
これで相応しい弦楽が付けば……
いや、贅沢は言うまい。
[大鴉は、己が巣と定めた地下迷宮の一角に座し、
城中にばら撒いた鴉の眼で、血子の挙動の全てを観察していた。]
お前のその苦しみこそが私への供物
お前の悲嘆と苦鳴の一節一節が
私に捧げられた讃歌なのだよ。
[慈しみと嗜虐が奇妙に同居した眼差し]
だが、お前はひとつ、
重大なことを忘れているようだ。
何度、からだに教え込もうが、
一向に学ばぬ。
[その一事において厳罰を受ける失態を犯したと、哀れな地上の
美髯の下の口の端吊り上げ、
手元に戻り次第、厳しく躾し直すこと、と脳中の備忘録に書き留めた。*]
― 地下迷宮の通路>>+62 ―
おや。
いつぞやの黒猫かね。
[偶然行き逢った態を装い、脛に身体を擦り付ける黒猫に笑みを見せる。
その実は、白絽侯ほどは全てを把握しておらぬにせよ、城内の殆どを見聞しているであろうことは明らか]
ふむ。
お前は梟殿のしるしを付けているね。
[屈み込み、黒手袋の指先で喉元を擽ってやり]
よいだろう。
お前で遊んでやろう。
おいで。
[パチリと指を一鳴らし。
変身を強制的に解かせ、黒猫を青年の姿に*]
従順なのはお前の美徳――ということにしておこう。
[畏まった黒猫の顔を鷲掴み、目隠しを。
喉首晒すように仰け反らせて、黒衣の懐深く抱き取る]
さて。
お前は、私をどのようにして悦ばせてくれるのだね?
苦痛か。快楽か。――血か。
許す。望みを答え給え。
/*
セルウィンよ。
相手に奉仕してもらっているのでは、合格にならないよ。
後で梟殿のところにお詫びに伺おうか。
― 地下迷宮>>+118 ―
《 カァ 》
[暗闇の中、一声、
鴉の啼声が響いた。
それは紅い梟に謝意を伝えるようであり、
言葉にせぬ何某かを篭めているようでもあり。]
>>+120
[晒された喉仏に触れるは、
髭のざらつき、唇のやわらかさ、
そして、硬い牙の感触]
お前は聡いが、
持って回った深慮は時に命取りとなるよ
[鋭い先端が皮膚に食い込み窪みを作り、
ちろちろと濡れた舌先が舐め擦る]
それがお前の選択ならば、
良いだろう、
望みの対価に、苦痛の奉仕を。
私が満足したら、褒美をやろう。
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