情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
ディークのことは……大切だよ……とても……それ以上にずっと……
[言葉は続かずに、一度途切れ]
初めて、こんな気持ちになる相手……。でもこれが…そうなんだって。
心がつながることが気持ちいいだけじゃなくて…、ずっと…そうして…繋がっていたいって……
[恥ずかしそうにしながら紡ぐ、慣れない言葉は、とてもたどたどしかった]
ディークに背負ってもらってるものはもっと希望に満ちてるものだから、
投げ出したりとか……
[駄目と、彼にいうことは…躊躇われ]
もし、そうしたいときがあったら…、
そしたら、私がディークを守ってあげるよ。
隊長がいってた…大切なもの…守りたいもの、私の光だから…ディークは。
[投げ出すわけにもいかないからと、あてられる額、彼との距離がとても近く感じられる]
うん、ディークのこと待たせたら悪いからね。
ディークなら公国に……、
ううん違うかな、シュヴァルベに平和を取り戻してくれるって信じてるから。
そしたら今度こそ、普通の女に私、戻っても…いいかな……?
[許しを請うように聞いてしまうのは、自分の重ねてきたものと、失ってきたものも、
全て、捨てることができずに胸に残っていたから]
―偵察任務中・渡河ポイント付近―
[馬上の人となり、3人だけの小隊は偵察任務を行う上では身軽だった]
異常なし、と。
[川沿いを北上しながらみていく予定ではじめた偵察。
渡河ポイントについてもいくつか聞いており、ソノ周辺ではより気をつけるべきかと。
何事もなく進む偵察任務に、部隊員の気持ちがだれ気味であるのを感じ]
退屈かもしれないけど、何があるかわからないのが戦場だからね。
次の瞬間には、狙撃兵に狙われて撃たれt…
[意識を少し、自分の隊員たちに向けすぎたのかもしれない。
帝国が要する独特の銃声と、横腹に走るするどい痛み、落馬しながら地面に転がる。
馬に踏まれないように注意しながら、続いて打ち込まれた次弾は馬の頭へとあたりすぐにおとなしくなった]
馬鹿……
[気の毒だとは思うが先ほどまで乗っていた馬の影に隠れ]
狙われる……頭……下げ……
[二人に声をかけながら、血を吐き出す。
やばいところ入っちゃってるかなと、傷口を詳細にみることはしない。
自力で動けそうにないのと、二人の蒼白な顔からなんとなく察することはできる]
たぶんあっちの茂みかな…見える……?
[狙撃銃を抱えなおしながら、撃たれたと思わしき方向を確認させ、
隊員から茂みに二人の狙撃兵の姿の報告を受ける]
二人に任務頼むから……お願い……
[二人が頷くのを確認してから]
私が、あっちをとめるから、その間に伝令にいくこと…
ここの報告と、それと……
[受け取ったナイフで、ディークとの約束の契りを、切り落として渡し]
指くらいで…そんな顔しない…ディークにごめんって…伝えて…
それじゃあ…お願いね……いって……
[二人にそう任せると、狙撃銃を手に馬上から乗り出し、報告をうけていた茂みのひとつに狙いを定めて引き金を引く。
着弾の確認はしない、はずさない自信があったため。後ろで聞こえる音が遠ざかっていくのを耳にしながらすぐに弾込めに入る。
もう片方へと狙いをつけ、こちらに銃口がむいてるのが見え]
っ……
[飛んできた弾はほほを掠め左耳を打ち抜いていき、奥歯をかみ締めながら狙いははずさずに引き金を引く]
ありがと…ディーク……
こうかあったよ……
[弾を撃ちつくした狙撃銃はそのまま落として、馬を背にぐったりともたれかかって座り込む。
遠くぼやける視界の向こう、二人の姿をみながら]
レナト…大尉……
二人…いまからそっちにいくので、お願い……
[短い通信をその先へと送る。
言葉の様子から、なにかおかしいことは伝わっただろうか、
向こうからの応答も聞こえてきた気がしたが、それ以上の言葉は再度吐き出した血で続けることはできなかった]
[ああ、失敗したなと通信をした後に、これも渡しておくべきだったと。
機密のために、襟元の通信機を外すと壊し]
……
[胸元のポケットを探る。
クロイツにもらったキャラメルを手にすると、最後の晩餐にはちょうどいいかなと、口の中へと。
甘さは感じられず、血の味しかしなかったけども**]
たしかに偵察のことも……
[もし彼に先に言われていなければ潜入することまで申し出るつもりだったことは言わずにおいた]
レナト大尉のいうとおりです。
[彼の吐き出す息に込められた思いの深く間では思い至ることはできないが]
すみません、最後まで気遣いをさせてしまい。
[気に病むなとそう告げる言葉に、困った顔を見せ]
[軍人に向かないと、確かに自分でもそれは感じている。
でも、たとえそうなのそうだとしても…]
それでも私の今の居場所は、ここしかないんです。
それしか……
[いつかの試験の話を聞き]
どちらか……、なつかしい試験ですね。
[あの時の私は、赤ん坊は死ぬのが確定するようにかかれていたが、
乗員はそうかかれていなかったことからと、ずいぶんとひねくれたことも考えていたと思う。
今も、あまり変わりはないのかもしれないが]
私はその天秤を…ずっと、片側に落としてきたんですよ。
[無抵抗の子供すら手にかけている。それでも情や感情はそれでも捨てることなく……]
一般的では、たしかにもう、なれないのかもしれません。
[軍を好きかと問われれば]
わかりません、でも大切なものがある場所でもあるんです。
手にいれて失って、また新たに手にいれて、失って…、
そんなことを繰り返してきたなかのひとつ、確かに大切な場所……
[語る口調は徐々に部下としてのものではなくなり、続いた言葉に]
レナトのいうこと、わかるよ。
好きな人の傍に、大切なものを大事にしたい、誰だってそういう思いを抱いてる。
一部例外も、いるけどね。
[自分の元いた部隊の人たちが何をおもい、何を抱いて散っていったのか、
深くは知らない人ばかりである。
それでも、隊長のもとに集まった、17分隊の皆は最後まで人であることだけは捨てなかった]
ありがとう、優しいんだね、レトは。
[失望でも厄介払いでも、嫌いでもはないと、彼に笑顔で]
私もレトのこと好きだよ。こんな形でだけども、あえて嬉しかった。
[血肉に塗れた時間の中で、奥底でセピア色に色あせていった記憶のかけらのひとつ。
ディークがそれを守ってくれた人ならば、彼はそれを掘り起こしてくれた人なのだろう]
奥さんのこと、大事にしてあげてね。
[嫁さんの話にくすりと笑みを浮かべて]
戦争で不幸になる女、あんまり増やさないであげてよ。
私が言うと、すごい説得力あるでしょ。
[彼の表情はどうだったか、それでも自分の笑みは変わらなかっただろう]
[彼の部下については自分にそのままつけてもらえることになり]
ありがとう、返すときには歴戦の勇兵にしとくよ。
[彼に最後に見せたのは*笑顔だった*]
―戦地・部下の去った後―
[薄れた意識のなかで近寄る人がいるのを感じる。
こちらを見ながら近寄ってくる姿、顔の判別がつけられなかったけど、
着ているのは帝国軍の軍服で]
……
[傍によったその姿に、懐から取り出した銃を突きつけ…、
その動きは、幾たびもその手を、身を、血の海に漬けてきたことを物語る、洗練されたもの。
瀕死の淵にありながら、最期まで敵を撃つ意思の表れ。
突然のことか、自分が瀕死であるがためか、もしくは自分を知る人だったからか、
安全装置を外し引き金を引き絞るそのときまで反応をさせずに]
[弾のこめられていないそれは、乾いた金属音だけを響かせ、
それきり腕から離れて落としてしまい、その腕も力なく後を追うように。
残りの弾、全部預けてきたのは失敗だったかなと、おぼろげな意識で。
相手が帝国の兵士ならば、彼に繋がるかもしれないと、どうせならばと]
……
[小さな呼吸交じりに、唇は音を漏らさず。
けれどもその仕草が伝えたい思いを相手に伝えることができるだろうか。
腰の小箱を示す仕草。
もしそれが自分の知る人のもとに渡れば、気づいてもらえると。
一番最後に入った、自分の同室者であり、兄であった人の認識票が一番上に入っているから。
シェットラントの名を刻んだものを]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新