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ある日彼がお友達と話してるのを偶然立ち聞きしたの。
「好きな人が居る」って。
わたしは、姉さんのことだと即座に思った。
姉さんも彼に恋してたから、2人の仲を応援しよう、ってね。
それからはわたしは2人と距離を置くようになったわ。
ふふ、だって恋人同士の仲を邪魔をしてはいけないもの。
・・・時々、もの問いたげな目でわたしを見る彼の視線の意味に気づかないまま、ね。
そんな日々の、ある時。隣の街へのお使いで遅くなったとき、たまたま彼と会って帰り道を送って貰ったの。
彼から想いを告げられた。
好きなのは姉さんじゃなくってわたしだって。
わたしは彼を非難がましい目で見た、のだと思うわ。
・・・でもね。
わたしも本当の所を言うと、彼に淡い恋心を抱いてた。
彼の想いは姉さんへのものだって自分に言い聞かせて・・・。
「愛を裏切ることより愛に気付かない方が罪深い。」
彼はそう言って、二度と書店に来ることはなかった。
姉さんはわたしに何も言うことはなかった。
ううん、怖くてわたしが聞けなかった。
その後すぐ、わたしは逃げるように修道院に入ったの。
トールに夜道を送って貰ったとき、彼の背中を見ながら思い出してた。
わたしは余計なお節介で「彼」も姉さんも傷つけただけだった。
自分が傷つくのが怖くて逃げてしまった。
もう随分経つけど、いまだに2人と顔を合わせられなくて。
あなたの相談に乗るなんて、本当はおこがましいことだったわ。
・・・あの時は、ごめんなさいね。
[...はシュナウザーに頭を下げた]
トールのことは・・・分からないわ。
昨日は、送って貰える最後の夜だと思ったら、胸が痛かった。
グレートヒェンを大切にしてるんだって想像したら、苦しかった。
・・・でも、今思えば。過去の記憶の中にいる「彼」の背中と重ねてただけかもしれないわね。
シュナウザー、あなたにはお礼が言いたいの。
休暇を貰って、一度実家に帰る決心がついたわ。
「彼」と姉さんに会って話をしようと思うのよ。
2人にはきっと、責められることはないでしょうね。優しい人達なの。
でも、きちんと2人に謝りたいわ。
わたしもあなたに倣って、なけなしの勇気を出して過去に決着をつけようと思うの。
・・・それで、あの、ね?
全部終わったら、もう一度お話を聞いて下さる?
ふふ、あなたにお返事がしたいわ。
どうしても、あなたに伝えたい気持ちがあるの。
・・・待ってて下さるかしら?
[...はシュナウザーを見上げて微笑んだ]
ご機嫌よう!
いい香り・・・色んな花の香りがするわね。
[...はテーブルに目をやった]
シュナウザー、花屋さんでも始めるのかしら。素敵ね!
・・・あら、違うの?
墓下のみんなにお供えですって?
ふふ、わたしも作ってみたいわ!
お花は14(16x1)13(16x1)15(16x1)15(16x1)12(16x1)にしようかしら?
1.あじさい 2.ひまわり 3.朝顔 4.バーベナ 5.ハイビスカス 6.カルダモン 7.クチナシ 8.ルピナス 9.ダリア 10.トケイソウ 11.スターチス 12.睡蓮 13.百日紅 14.ベゴニア 15.ネコジャラシ 16.セロリ
このお花を4(4x1)にするわね。
1.花束 2.アレンジメント 3.活け花 4.リース
ふふ、どうかしら。出来は3(5x1)みたいね。
1.完璧 2.それなり 3.どちらともいえない 4.個性的 5.ひどい有り様
<<青年 トール>>、受け取って下さる?
どっぺる・・・シュナウザーのことね?
わたしはトールもシュナウザーも大好きよ。
2人とも優しくて、素敵な人。
わたしにはもったいない人達だわ。
トールに何かを伝える術はもう、ないわね・・・。
彼にはとても感謝してる。思い出も頂いたわ。
シュナウザーには・・・ええと・・・。
修道女を辞めても、教会のお手伝いに行こうかしら。
・・・あっ、聞こえちゃったかしら。まだ内緒にしていてね?
シスターお返事ありがとう。ほんと言うと答えてもらえないって思ってた。
・・・・・へえええ?
どっぺると、ねえ?(にやにや
同じ顔のボクとしてはあいつが報われてうれしいなw
シスター、ううん、・・・ナネッテ。
お幸せにね!
[...は慌ててマレンマの口を手で塞いだ]
駄目よ、まだ内緒なんだから。もう、悪い人ね!
ふふ、ありがとうマレンマ。
でも彼に想いを伝える前にやらなくちゃいけないことがあるの。
それが片付いたら、ね。
あなたもシュテラとお幸せにね?
とてもいい子なのよ。・・・彼女は大切な、仲間よ。
ナネッテ。
切ない思い出を、話してくれてありがとう。
……誰も悪くない、それぞれの想いがが少しずつすれ違ってしまった、小さな不運。
そんなように思えたな。
ナネッテはお姉さんの事も大好きだったんだろう?
淡い想いを寄せていても、その相手に恋をしている自分の好きな人がいたのなら、誤魔化してしまいたくなる気持ちはわかる。
そっと身を引き、好きな人たちの幸せの成就を願うことで、砕かれるかもしれない自分の心を守りたい…
いや、済まない。これは貴女のことではないな。臆病な俺の経験だ。
誰もが勇敢に正々堂々恋を実らせる事が出来るわけじゃない。
恋をすると強くもなるが、恐れも抱くんだよな。
自然なことだ、そこに罪などあるはずがない。
だったら想いの先を勘違いさせる事だって、過失と言えるだろう。
もっと、はっきりと心を決めて、伝えていればよかったんだ……すまない、また俺の話だな。
とにかく。お互いが優しくて、少し臆病だっただけの幼い恋を、あまり気に病むものじゃない。
それに俺は貴女に話を聞いてもらえて、随分と楽になったんだ。
俺が、話した。貴女は誠実に応えた。そこに資格なんて必要ないだろ?
謝らないで。ありがとう。
俺の存在が、貴女に勇気を与えられたのなら、嬉しいよ。
二人と、良い話ができるといいな。
トール…あいつは。
男の俺から見たって、人が良くて魅力的で、心惹かれてしまうところがある。
だからグレートヒェンにしろ貴女にしろ、あいつに心が傾いたとしても、仕方のない事だなと思っていた。それで幸せになれるのなら、きっとあいつは守ってくれるだろうって。
……というのを逃げにした結果が、グレートヒェンを泣かせたんだな。
俺はそれを繰り返したくはない。あいつに負けない男になりたい。
もう一度……もちろんだ、ナネッテ。
貴女の心が聞けるのなら、どんな言葉でも喜んで受けよう。
…少し、覚悟は、しておく。
いつまでも待っているよ。愛しいナネッテ。
[...は僅か緊張をにじませた笑みをナネッテに返した。]
ふふ、みんなで乾杯しましょう。
幸せな恋人達に。
大好きな仲間達に。
叶わなかった夢、届かなかった想いへの追悼に。
そして、これから迎える、新しい恋の日々に。
・・・乾杯!
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