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[>>=27 潮騒の音を聞きながら、緑の声に応える。]
難しい問いですね。
[自分で出しておいて。
正しい答えを、果たしてどういう風に伝えれば良いのか。
逡巡しながら、言葉を紡ぐ。]
貴女の安然を導くならば、それが最も良い策でしょう。
血も流さず、誰も傷つく事が無い。
[然し、きっと巫女姫はそれを望んでいない事なんて。
勿論分かっているのだけれども。そして、]
…………。っふふ、
[小さく嗤いを零した。]
向こうは巨大な盾のようですね。
[>>231 まるで甲虫の背中を見ているかのようだ。
矢の雨に負けることなく、ゆっくりとだが、確実に反政府軍は押し寄せてくる。三日月上に広がる此方は、奥のアレクシスの所に矢は届きはしないものの。両端の船にその負荷は掛かる。]
―――……単横陣に切り替えます。
[このままでは端から砂糖菓子のように零れ落ちるだけだ。
中部の船陣も戦闘に加えて、さらに矢を打つ。]
もう少し矢の攻撃に、注意を引き付けて下さい。
………ここの船が往くは、もう少し後です。
[端の兵は既に幾らか損失している。
けれども、次々と海岸に降り、彼等に切り掛かっていく。
岩陰に隠れる事を徹底させながら。]
機を、見計らいます。
[もう少し、反政府軍が海際に来るようにと誘う。]
[>>249 状況はまだ五分五分といったところか。
然し、確実に海際に反政府軍が寄る。それでいい。
けれども、黒く光る円筒型のそれを見やり、咄嗟に叫ぶ。]
――――……物陰に隠れなさい!
[銃声は鳴る。耳障りな音とともに、兵が血の華を咲かせる。]
くっ………
あれが、異国の齎した穢れ………
[たかが民衆の集まりにここまで苦戦するとは。全て、あの男が持ち込んだ文明の賜物。これは――――未来の諸外国と、ナミュールを示唆しているのだろうか。]
まだ距離がありますが―――――……
もう行きましょう。
[アレクシス・ユレが乗る、一際大きい船。
その乗員数を見れば驚くに違いない。]
皆様、上陸の準備をして下さい!
[船の最下層部に漫然と敷き詰められたのは、油壷や火炎瓶の類。
当然、その分重量が嵩むので、帰還するだけの燃料は搭載していない。]
―――――……焼かれなさい、クロード・ジェフロイ
[背の高い馬に乗りながら、アレクシスは兵に告ぐ。
その兵は僅か―――――5名。
操縦士なんて、居ない。
ただ、地を目指して真っ直ぐに進むだけの怪物。
いわば、この船は大きな爆弾のようなものだった。
積載量ぎりぎりまでに火薬の類を入れ、ただ壊す為だけに陸地へと突っ込む。]
―――――………そうですか。
[>>=33 静かな決意に、同じように静かな声音で。
然し、僅かに震える事を。赦して欲しい。]
そういう戦い方もあるのですよ、巫女姫。
ただ、貴女にはその分、
…………喪う幸せもあるでしょうがね。
[>>=34 本音。吐いて良かったのか。
少しばかりの迷いを見せつつも、心はどこか穏やかで。
雨上がりの空のようだったか。]
巫女姫は、本当はどうしたかったのですか?
[同じように、本音を、問う。]
―――――……ぐ、ぁ
[猛烈な音がし、地響きがする。
船がそのまま地面へと突っ込んでいったのだ。
巻き込まれた反政府軍の人数はどれだけだっただろうか。
然し向こうは更にその上を行く。
>>275 硫黄や松脂などを詰めた炎の壺が、次々にデッキに降り注ぐ。
幸い、この最も大きな船には殆ど船員は居なく。
被弾する事も少なかったが。]
ッぐ、ぅッ、
[肩の辺りにその油は降り注ぐ。
素早く外套を脱ぎ、難を逃れるが。服の上からゆっくりと、その熱は伝わり。肩に苛烈な痛みを与える。
刹那、下方から爆発音がする。無理矢理上陸したのだ。
もう時間が無い。]
[まるで射て下さいと云わんばかりの、背の高い馬に乗るアレクシスは。
弓矢や射撃の良い的であっただろう。
それでも尚、それに乗るのはスピードと、状況を素早く判断するだけの目が欲しかったからだ。
アレクシス・ユレは軍師である。戦いに詳しくても、自らは”それほど”戦えない。なので、もっとも視界を得られる所に、素早く移動する必要があった。]
砦へッ、
[近づく兵は馬の足で蹴り。
それでも攻勢衰えぬ兵には、蠍毒を仕込んだ短剣を投げる。
だけれども、やはり王府の遅れた武器では太刀打ちできない。
なのに、]
[>>286 遠くで懐かしい声がして、少しだけ振り返ってしまった。
憎むべき盟主なのに。それは、昔と変わらぬ勇敢な者の声。
目指すべき道は違えど、国を想うもう一人の英雄が。
――――――――地の英雄が、此方を、]
―――――……っ、く、ッあ゛!!
[蜉蝣のような身体が砂浜に横薙ぎになる。
>>287 腹部をやられたのだ。そのまま銃弾の雨が降る。]
お借りしますッ、
[傍に物陰は無い。だから屍となった兵を盾にして逃れる。
然し、急所をやられ、痛みに思考は奪われ。体力も猛烈な勢いで失う。]
…………予想以上でした。
これでは時間稼ぎにすらなりませんね。
[鉄の雨の音を背中で聞きながら、策を考えるが。
それを与えるだけの時間はもう無い。]
―――――………此処で終わります、か。
[それは覚悟していた事だったのに。
やはりそれでも、背中に寒気が襲う。
痛みだけが鮮烈に脳を支配する。
視界はぼんやりと白んでくるのに――――
孤独だけが、闇のように、影を包んでいく。]
――――……私から?
[>>=38 自分の幸せだなんて、とんと考えた事無かった。
何時も、巫女姫の事を考えて動いていたので。
恐らく、そういう、一般的な幸せというのは。
シュビドの空に、全て置いてきてしまったから。
>>=41 そして無邪気な声を聴いて、ひとつ微笑み。]
―――――…………いつか、叶うと良いですね。
いいえ、叶いますよ。
貴女ならば、叶えられるでしょう。
[願いは青い空に、託して。**]
――――…………私は、幸せでしたよ。
[>>=42 少し緑の声も遠のくようだ。
心配するような呼びかけには、そんな風に反応してみせた。
>>=38 喪う幸せだなんて無いと。
――――傍に居られて、幸せだったと。]
ッ、く、クロード君、
……お久しぶり、です、ね
[>>303 砂を蹴り、彼が『ユレ先生』と呼ぶものだから、つい。
そんな風に返してしまうではないか。]
……っふ、我ながら阿呆ですね。
もっと上手い方法もあったはずなのに。
[血溜まりを作りながら、弱弱しく影は呼びかけた。
地の英雄は、どんな表情で自分を見下ろしているのだろう。]
早くしなさい。
私にあまり、恥をかかせないで下さい。
[そう言ってゆっくりと身体を起こす。
赤い華が、点のように砂に次々と咲く。]
―――――……今まで、有難うございました。
もう少し、早く、お互いの胸の内を言えたら………
また、違ったのかもしれません。
[>>=46 狂信的な信仰心が、自分を歪め。
そして巫女の枷になっていたのだと、詫び。後悔する。]
<ボツ>
―――――……ッご、ぁ゛、ァ……!
[>>311 鮮血が蜉蝣の薄い身体を染め上げていく。
何か言葉を紡ごうと思っても、空気が胸から抜けていく。
笛のような甲高い音が、喉元から鳴る。]
―――――……ありがとうございます
[>>311 その純粋で、燃えるような双眸は。
シュビドの空そのもののようで眩しかった。
剣の銀が、視界の端に映るとき、穏やかに微笑み。
地の英雄に、御礼を告げた。
影を―――――解放してくれたことへ。]
[砂上の楼閣の上。蜉蝣が、墜ちた。**]
[薄れゆく意識のなか、天の英雄の慟哭を聴いた気がした。]
貴女とともに
ナミュールの未来を、見たかったですね
きっと黄昏のように金に輝く美しさでしょう
[けれども、と言葉を区切る。]
貴女は後ろを振り返ってはなりません
見据えるのは、
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